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2009年12月31日木曜日

大晦日は紅白歌合戦 ― gala

いよいよ大晦日の日を迎えました。2009年も今日で終わりです。私は大晦日の紅白歌合戦のファンではありませんが、好むと好まざるとに関わらず、(また自宅にテレビを持たないにも関わらず)この時期に、日本の大晦日の一大イベントについて聞かないということがありません。(現在帰省中ですが、帰省先の実家にはテレビがありますので、そのお祭り騒ぎを聞くことは普段に増してなおさらです。)

本日取り上げる単語、


gala


ですが、音楽の好きな方、特にクラシック関係で、”ガラ・コンサート”という表現を聞いたことのある方は多いと思います。この”ガラ”が、英語で”gala”なのですが、イタリア語、及びフランス語に語源のある単語で、さらに遡ると古フランス語gale("to make merry"の意)ということです。(American Heritage Dictionaryによる)

”ガラ・コンサート”は、お祝いムードの音楽の祭典、ということでは、クラシックのオペラなどに限らないようです。ちなみに、"gala"としては、音楽に限ったものでもなく、スポーツの祭典でも用いられるようです。

さて、本日の引用ですが、やはりNHKの紅白歌合戦なのですが、YouTubeで一躍時の人となったイギリス人女性が、わざわざこの日本のテレビのお祭り騒ぎに参加するということで、国際通信社の取り上げる記事となっているのを見つけました。

紅白歌合戦が、"a New Year's Eve music gala watched by millions"と表現されています。

なお、正式名称か否かは知りませんが、"Red and White Song Battle"という表現も用いられています。"Japan's best-known music extravaganza"という表現は、"extravaganza"が、個人的にはバロック音楽を想起させるのですが・・・。


Susan Boyle, the Scottish spinster whose talent show performance catapulted her to global stardom, arrived in Japan on Tuesday to perform on a New Year's Eve music gala watched by millions.

Boyle waved cheerfully to fans as she was escorted through Narita airport east of Tokyo, declining a request by television networks to give an impromptu song on the spot.

She is due to appear on Japan's best-known music extravaganza, public broadcaster NHK's year-end "Kohaku Uta Gassen", which literally means "Red and White Song Battle" and has been running since 1951.
(Susan Boyle in Japan for NYE music gala. AFP. December 28, 2009.)


えいご1日1語のブログは、2009年は今日の投稿で最後です。ご愛読ありがとうございました。2010年もがんばって投稿したいと思います。皆様どうぞ良いお年をお迎えください。2010年も宜しくお願い致します。

2009年12月30日水曜日

abide by

年の瀬も押し迫ってまいりました。世界中の人々が大晦日から元日にかけてお祝いするこの時期、そのお祝いの仕方も様々でしょう。

大晦日は英語で、New Year's Eve、略称が定着しているのか定かではありませんが、頭文字をとって、NYEとHeadlineで使われているのを見ました。


NSW govt pleads for good NYE behaviour "Grow up and behave yourself" is the new year's resolution the NSW government hopes idiot revellers will abide by on Thursday night. With organisers predicting about 1.5 million people to converge on Sydney Harbour to see in the new year, emergency services are bracing themselves and the state government is pleading for good behaviour. In the CBD alone, more than 1,500 police officers will work to ensure the law is maintained, including the enforcement of several alcohol-free zones.
(The Sydney Morning Herald. December 30, 2009.)


お祭り騒ぎを警戒する警察当局は、個人のモラルに訴えるしかないようですが、この時期にお仕事とはご苦労様です。

今日の単語、 abide は単独では、“耐える、辛抱する”とか、“甘受する”、“留まる”といった意味ですが、特に"by"を伴って、“(規則を)守る、遵守する”という意味になります。


2009年12月29日火曜日

on the dot

"dot"とは、”点”のことですが、その点にぴったり合うということで、"on the dot"は、


(時間が)きっかり


という意味があります。時計の文字盤で、分針がある1点にぴったりと合うイメージです。


At 8:14 a.m. on the dot, the store's neon "open" sign was switched on. The crowd clapped and cheered. Bagpipes played. Chief Farrar, coffee cup in hand, emerged from the store along with Forza Coffee Company Chief Executive Officer Brad Carpenter. They greeted every person in the line, which by then stretched more than a block from the store's front door.
(Cafe where Lakewood officers were shot reopens. The Seattle Times. December 12, 2009.)


即金で(直ちに支払う)


という意味もあるようですが、実例が見当たりません。

2009年12月28日月曜日

box office

最近は私も足を運んでいませんが、アメリカの娯楽において、映画館はやはり健在のようです。クリスマスの週末となった三連休におけるBox Officeでの売り上げが、およそ2億7,800万ドルということで話題になっています。

box officeとは、映画などのチケット売り場のことです。

何故、”ボックス”かと言うと、そのようなチケットを販売しているところが、多くは箱型に覆われていたということに由来するようです。

この単語は、単なるチケット売り場を指す意味から発展し、いわゆる”興行収入”を指すようにもなりました。


A big year at the box office is ending with a bang, with a broad array of popular films combining for the biggest moviegoing weekend in recent history.

Led by the 3-D epic "Avatar," which was followed closely by "Sherlock Holmes" and "Alvin and the Chipmunks: The Squeakquel," total estimated theatrical receipts from Friday through Sunday in the U.S. and Canada were $278 million.

That beat the previous record of $261 million for a three-day take -- set in July 2008 when "The Dark Knight" debuted -- even when accounting for ticket price inflation, according to data from Hollywood.com. The Los Angeles-based firm's data go back to about 1985.
(Holiday box-office take is highest in recent history. The Los Angels Times. December 28, 2009.)

2009年12月25日金曜日

クリスマスを考える(5) ― the Santa myth

子を持つ親は誰でもこの時期子供へのクリスマスプレゼントに頭を悩ますでしょう。かく言う私もその一人ですが、昨日はデパートなどを奔走しました。親バカ丸出しのようですが・・・。

サンタクロースがいて、クリスマスイブの夜にはよい子の枕元にプレゼントを届けに来てくれる、なんて今時の子供は信じているのでしょうか?小学校4年の愚息は、クリスマスに毎年プレゼントをくれるのは両親だということはほとんど分かっているようですが、その下の小学校1年になる次男はそこまで確信は無いようです。4歳の三女は今朝は、目覚めると枕元に置いておいたプレゼントの包みを見つけ、うれしそうに抱えて階下に下りてきました。

"myth"とは、”神話”のことですが、実話に対比して虚構だということです。子供たちはいずれ、サンタクロースが作り話であることを悟ります。それでも何故、子を持つ親たちは、サンタクロースがあたかもいるかのように振る舞い、クリスマスイブの夜に、子供が寝たのを見計らってプレゼントを枕元に置くのでしょうか?

改めて考えると何だか馬鹿げた話のようにも思えますが、サンタクロースを心待ちにする子供には健気さを感じますし、プレゼントに期待してベッドで目を瞑る幼子を愛しく思わない親はいないでしょう。

"the Santa myth"は、永遠に暴露されない"myth"ではないかと思います。

Google Newsを見ていて、ちょっといいエッセーに出くわしました。


I was probably 8 or 9, that insufferable age when boys think they know everything, and insist on proving it. The big thing I knew that December was that there’s no Santa Claus.

(中略)

But I was going to validate my knowledge to my parents, the co-conspirators in the Santa myth, in a way that would force them to acknowledge what we all knew, but by tacit agreement did not mention. I was going to stay awake on Christmas Eve, sitting sentinel in the reclining chair next to the Christmas tree.
(Donn Esmonde. A grinch who almost stole Christmas. The Buffalo News. December 25, 2009.)


愚息はまだこんなことをするほどませてはいませんが、気持ちは分かります・・・。

このちょっといいお話の続きは、リンク先をお読みください。意外な結末が・・・。

2009年12月24日木曜日

クリスマスを考える(4) ― salvation army

個人的な体験という但し書き付きですが、日本ではあまり見かけないものに、この時期の街頭でのSalvation Armyの募金活動があります。この時期に旅行すると、欧米では必ずといっていいほど見かけます。

日本で見かけない、ということについては反論が恐らくあるかと思います。”歳末助け合い”のような募金活動はよく見かけますが、欧米で見たSalvation Armyの活動というのは一風変わっています。日本で見られるような、大人と子供が少し生真面目に一列に並んで募金箱を差し出し、「お願いします!」と言っているのとは対照的に、欧米のそれは、ほとんどの場合大人がサンタクロースやあるいはおどろおどろしい格好に扮装して、通行人の目を引きます。紙で作られた募金箱というよりは、バケツ、あるいは鍋のような大きな入れ物を抱えているか、あるいは地面に置き、お金が入れられると、この時期ではクリスマスのベルを鳴らしたりします。

我々、通行人(あるいは買物客)にとっては一瞬のことですが、街頭に立つ身としては、この寒い時期においては重労働です。ボランティアと思われがちですが、中には雇われ人もあるようです。


It's beginning to look a lot like Christmas this morning: Snow is falling, shoppers are bundled up as they bustle into the grocery store, and Bill Schmidt, 63, is ringing a hand bell non-stop near a bright red kettle as he collects donations for the Salvation Army.

He greets passers-by enthusiastically even if they don't make a donation, and after people drop coins and bills into the kettle, he exclaims, "Thank you very much. Have a beautiful day. God bless you. Merry Christmas."

Schmidt, a lawyer with a busy private practice in a suburb of Washington, D.C., has volunteered here every Saturday during the holiday season for 17 years because, he says, he believes in the work done by the Salvation Army. That work includes feeding the hungry, giving Christmas gifts and food to those in need, providing disaster relief and running rehab centers, food pantries and thrift stores.
(Salvation Army bell ringers sound the call of giving. USA Today. December 24, 2009.)

2009年12月23日水曜日

クリスマスを考える(3) ― brick and mortar

クリスマスシーズンは商店やデパート、レストランにとって書き入れ時です。この時期の売り上げは毎年、他の月に比べて統計的に有意に高いと思いますが、祝日のムードでついお財布の紐も緩むのは私を含む凡人には仕方のないことでしょうか・・・。

アメリカでは、11月末のThanksgivingの終わりは同時にクリスマス商戦のスタートで、クリスマス準備やギフトのShoppingが、クリスマスイブを頂点に盛り上がります。

ところが・・・!

最近、このクリスマス商戦に異変が起きているということです。繁華街のお店に活気がなくなっているというレポートなのですが、人々はより簡便なオンラインショッピングに走っているということのようです。

不景気の影響からか、実店舗を持たず、オンライン営業に精を出すビジネスが流行るのでしょうか?

"brick and mortar"は、文字通り、“レンガと漆喰”ということですが、店舗の建物のことを指しています。レンガも漆喰も必要ないオンライン店舗は、コストパフォーマンスは高いでしょうが、なんだか寂しい感じがします。


On the whole, people are perhaps just being careful this year with what money they still have. They are afraid of being laid off from work or have been laid off from work, they need to conserve cash. There is a strong sense of financial insecurity and that’s bad news for the major retailers... and eventually for a world economy hoping the American consumers go back to their heavy spending ways. Fat chance that’s going to happen anytime soon!

Then again, there are those who also tell me that it is not right to measure consumer sentiment by observing the volume of shoppers in brick and mortar stores. Shoppers, I am told, are spending heavily online, even as they wait for in-store deals. Even as the brick and mortar retailers aren’t too happy with the season, surveys are showing online retailers are seeing an improvement compared with last year.Technology savvy consumers aside, it probably helps that online sales carry no sales tax.

CNBC reports online shoppers have spent nearly $21 billion during the first 43 days of the holiday season, a four-percent increase compared to the same period last year. The week ended Dec. 13 ranked as the biggest online spending week on record, with sales reaching $4.74 billion, according to comScore. The previous high of $4.70 billion was set during the week ended Dec. 16, 2007.
(Can't smell Christmas spirit in malls. Philstar.com. December 23, 2009.)


Despite positive growth in online retail sales, the US National Retail Federation is predicting an overall one percent drop in holiday sales for both online and traditional "bricks and mortar" stores. Overall, it is predicted that consumers will spend $437.6 billion (€305 billion), with a 3 percent decline in the number of purchases using credit cards.
(Consumers spend more online for Xmas. The Independent. December 22, 2009.)

2009年12月22日火曜日

クリスマスを考える(2) ― Xmas

昨日は、Hanukkahという、クリスマスと同時期のお祝いされるユダヤ教の祝日を取り上げ、"Merry Christmas!"というお決まりのご挨拶がタブーになる場合があることについて触れました。

今日取り上げるのは、これまた我々日本人にもお馴染みですが、


Xmas(あるいは、X'mas)


という語です。デパートや店頭の広告や看板、チラシ、グリーティングカードなど至るところに見つけることができますが、この語(正確に言うとスペル)がタブー視されることがあることをご存知でしたか?

勿論、日本人同士ではほとんど問題になりませんが、欧米では、特にキリスト教関係者からはこのスペルが忌避される傾向にあるそうです。(ちなみに、X'masというのはかなりまれで、Xmas(アポストロフィの無いスペル)がほとんどだそうです。X'masとスペルするのは日本だけ?)

何故タブー視されるかですが、諸説あるようですが、そもそもキリストという尊い名前を省略系にすることの不敬さ、といったものから、“X (cross)”という字とその意味("cross out" ― 線を引いて消す)から不穏当だ、というものまであるようです。商業化に反発する立場からの意見が大きいようです。

しかしながら、これには反論もあり、Xという字が、キリスト教の長い歴史の中で既に、Christの省略形として使われてきた事実もあるようです。(このあたりの議論については、詳しくはWikipediaなどにあります。)

私も知りませんでしたが、Xmasという用語を使うのは海外の人とのGreeting Cardやメールのやり取りでは気をつけたほうがよさそうですね。


In the spirit of the season, let’s turn to other lighter topics. 

For example, I came across this interesting bit of history concerning the use of the term “Xmas” (an abbreviation of the word “Christmas,” the X substitutes for the word Christ).

As any English dictionary will show, this word is spelled with a capital “X” without an apostrophe after the X. According to the Merriam-Webster New Book of Word Histories, it was first used in the 16th century, back when it was taboo to casually or irreverently use the term “Christ.” Much farther back in time—or about 300 BC—the Jews considered it disrespectful to pronounce the divine proper name, which was “Yaweh,” or “Jehovah” in Hebrew. Thus, X was used as a symbol for Christ. “It derives from the Greek where “chi” (X) is the initial letter of Christos, the Greek form of Christ. The word Xmas is usually pronounced like Christmas….

In Latin manuscripts, Christus was often abbreviated by using the first two letters of Greek Christos, chi (x) and rho (P). When chi and rho are superimposed upon each other a symbol for Christ is formed. This symbol has had wide currency through centuries of the Christian era.”
(Butch del Castillo. Gosh and golly, or jeepers creepers, it’s Xmas! December 21, 2009.)

2009年12月21日月曜日

クリスマスを考える(1) ― Hanukkah

今年も残すところあとわずかとなりました。年末の一大イベント、クリスマスは今週です。そこで今週のテーマは、“クリスマスを考える”です。何だか気取ったテーマのようにも思えますが、お付き合いください。

クリスマスは我々日本人の文化にもすっかり定着していますが、それは商業イベントであり、クリスマスのバックグラウンドや歴史については、私もそうなのですが、ほとんど知らずに年末のこのイベントの華やかさばかりを愛でている感があります。私たちはクリスマスについて、何を知っているでしょうか?今週はクリスマスに関連する言葉、表現を取り上げたいと思います。

"Hanukkah"(ハヌカー)は、"Hanukah"と綴られることもありますが、ユダヤ教における祝祭日の1つです。

ハヌカーは、クリスマスとは全く起源を異にするものですが、それを祝うのがクリスマスとほぼ同時期にあたるので、ユダヤ教におけるクリスマスと誤解されている向きがあるそうです。 

同時期に祝われるとは言え、クリスマスとハヌカーはあくまで別個のものです。この時期のよくある挨拶で、"Merry Christmas"と言うのは、ユダヤ教を信じる人には、失礼に当たることがある、ということを最近知りました。これを避けるために、"Happy holidays."という挨拶があるのだそうです。


Christmas music blares from the radio. Christmas lights shine from houses and store windows. The words "Merry Christmas" ring in your ear as you leave the store. You know it's that time of year again. Sure, more places now use the typical greeting "Happy Holidays," as if, for those who don't celebrate Christmas, that makes up for the Christmas decorations and the lack of other holiday decorations.

(中略)

Celebrating both Hanukkah and Christmas makes this a really fun time of year for me. Last year I had two friends over to celebrate Hanukkah and it was pretty neat to share a holiday with some of my friends who had never experienced it before. And later that year I went over to one of their houses to make Christmas cookies.
(Happy Hanukkah, Christmas and New Year's too! December 21, 2009. Syracuse.com)


2009年12月18日金曜日

体の部位に関連する表現(5)=shoulder ― rub shoulders with

今週のテーマである、”体の部位に関連する表現”では、"shoulder"(肩)という単語が含まれる表現を取り上げてきましたが、今日が最終日です。

今日取り上げる表現は、


rub shoulders with~


です。”~と付き合う”とか、”~と懇意にする”という意味があります。これは主にイギリス英語での表現ということで、アメリカでは通じないかもしれません。Collins CobuildのDictionary of Idiomsによりますと、アメリカ英語で同様の意味がある表現は、


rub elbows with~


だそうです。

さて、with~に続く目的語には、”人”が来るのですが、その人というのは特に”有名人”や”著名人”になるのがこの表現の特徴です。


Johnson had always loved rubbing shoulders with celebrities.
(Collins Cobuild Dictionary of Idiomsから)

2009年12月17日木曜日

体の部位に関連する表現(4)=shoulder ― shoulder to shoulder

日本語で、”肩を並べて”というのに近いように思われますが、日本語での”肩を並べて”にはランクが同列、といった意味合いが強いように思われます。

英語の"shoulder to shoulder"にも、”肩を並べて”という意味もあるようですが、地位やランクが同列ということを意味するのではなく、”協力関係にある”ということを意味することのほうが多いようです。


“We will continue to stand shoulder to shoulder with the industry to support them through these difficult times. In the new year we will begin working with them on the detail of a longer-term recovery plan and we will increase our efforts to return more decision-making powers to Scotland. Fishing policy made in Brussels is bad for Scotland and we will shortly be setting out our response to proposals for European fisheries policy.”
(The Shetland Times. December 16, 2009.)

2009年12月16日水曜日

体の部位に関連する表現(3)=shoulder ― put one's shoulder to the wheel

運転していた自動車がエンストしてしまったら・・・

バッテリー上がりになってしまったら・・・

あるいは、路肩の溝に脱輪してしまったら・・・


その経験がなくとも、一生懸命にクルマが動くように押したりするイメージが沸くのではないでしょうか?

今日取り上げる成句、"put one's shoulder to the wheel"はまさしくそのイメージから産まれたものです。

必死になって動かそうとする、その努力の様を表現しています。

もちろんですが、肉体的に押したり、力を加えたりといった意味での努力に限らず、抽象的な意味での努力についても用いられます。

COP15での、先進国と途上国の間での駆け引きの激しさが連日報道されていますが、ここは各国、正念場、ということのようです。見えないCO2を相手に、どこまで努力を注ぐことができるのでしょうか?


Mr Rudd told the Australian media that while there was absolutely no guarantee of success at getting a global agreement, his aim in the days ahead was to work "as hard as possible to secure the best possible agreement for Australia, in Australia’s national interest".

(中略)

"As I said, there’s absolutely no guarantee of success. But my job, as Prime Minister of Australia - and Australia as a member of the international community - is to put our shoulder to the wheel, and try and get a good agreement for Australia’s national interest, and for the world.
(North Queensland Register. December 16, 2009.)

2009年12月15日火曜日

体の部位に関連する表現(2)=shoulder ― straight from the shoulder

日本語で、”肩肘張らずに”と言い、”気負うことなく”、”堅苦しくなく”という意味で用いますが、意味的には英語の"straight from the shoulder"に通ずる部分があるのではないかと思います。

"straight from the shoulder"は、ボクシングでパンチを繰り出すその様に由来する表現のようですが、


率直に、素直に
単刀直入に、


といった意味で用いられています。文法的には副詞としての用法が圧倒的です。


"What is it?" she whispered, going on sewing. She did not seem to be surprised. "Don't be shocked. Though it would be quite natural for you to be shocked when you hear this. The police chief came to see me just now." I told her straight from the shoulder what the police chief had said. "Keigo really did wrong, but all of us, tempted by some evil spirit, make mistakes now and then, once in our lives. It's like the measles.
(Dazai Osamu. A Tsugaru fireside tale: Lies, by Dazai Osamu. Japan Quarterly. 1998.)


ハイフンで繋げて、"straight-from-the-shoulder"をひとかたまりとして、形容詞的に用いている例もあります。


It was felt that most of the Seven Principles were being violated by the Israel lobby and its stooges with impunity, especially the principle of Integrity. So the citizens pushed the matter back to Kelly with this straight-from-the-shoulder message....
(Palestine Chronicle. November 26, 2009.)

2009年12月14日月曜日

体の部位に関連する表現(1)=shoulder ― cold shoulder

ある言語において、人間の体の特定の部位が独特の表現の構成要素になっていることが多いものです。表現は言語によって似通っている場合も多いと思いますし、あるいはまったく異なる概念で用いられている場合もあるかと思います。

日本語でも、

肩たたき、
肩を怒らす、
肩を並べる、

など、肩という特定の部位に関連した表現が多くありますが、英語ではどうでしょうか?

"cold shoulder"は、”冷たい態度、よそよそしさ”や”冷遇”、あるいは”無視”といった意味があります。

スキャンダルに見舞われたプロゴルファーのTiger Woodsですが、早速CM契約の打ち切りなど、スポンサーによる冷遇が始まったようです。


Sponsors give Woods cold shoulder over sex row

NEW YORK — Tiger Woods, one of the hottest marketing symbols on the planet, is getting the cold shoulder on television where ads featuring the golf star have disappeared since news broke of his philandering.

Nielsen, the New York-based consumer research company, said the formerly ubiquitous Woods had not appeared in a prime-time TV commercial since a November 29 Gillette ad.

That was two days after his image went into freefall with a car accident outside his Florida home and subsequent revelations of a marital crisis over his alleged affairs with a string of women.

Reports that Woods may have been under the influence of alcohol, a sedative and a pain-killer when he crashed threaten to deepen the crisis.
(Sebastian Smith. AFP. December 10, 2009.)

2009年12月11日金曜日

語源探訪の楽しみ=異分析(5) ― adder

この単語も、異分析により産まれた(あるいは変形してしまった)単語の1つです。元々は、


a nadder


というものだったのが、"an adder"と分析されてしまい、"adder"という名詞が発生するに至りました。

2009年12月10日木曜日

語源探訪の楽しみ=異分析(4) ― rosemary

ローズマリーというハーブの一種をご存知でしょうか?私の自宅の庭にもありますが、ハーブの中ではかなりポピュラーなものだと思います。消臭効果や抗菌作用などがあるとされ、料理などにも用いられます。

このハーブ、親しみやすいのにはその名前にもあるのではないかと思います。ローズ(=薔薇)とマリーあるいはメアリー(女性名)という2つの語がくっついて出来たように思われるのですが、実はそうではありません。

語源的には、ラテン語で”露”を意味する"ros"と、”海”を意味する"maris"が結合した、"ros maris"(海の露)に由来するものです。ローズマリーが何故”海の露”と呼ばれ始めたかも興味深いですが、このハーブが海岸近くで生息することが多いことからだそうです。(Wikipediaによる)

"ros maris"の語尾の"-s"はその後、複数形のsと解され、"-s"が脱落した、"ros mari"が単数形と誤解されたようです。

このような変遷を経て、最終的に"rosemary"が定着したようです。

2009年12月9日水曜日

語源探訪の楽しみ=異分析(3) ― trialogue

今日取り上げる単語、"trialogue"は、"dialogue"から派生したと言われています。

trialogue
[名]三者間の対話、会談; 鼎談


tri-という接頭辞は見慣れたものだと思います。trioとかtrilogyとかいう単語がありますが、いずれも数字の3に関連しており、この接頭辞がつく単語は3の概念を含むものですね。

では、"dialogue"は、"di-"という接頭辞で、多分これは数字の2の概念なのだろう、ということになりますが、厳密にはこれは違うようです。"dialogue"は、"dia-"プラス"logos"というギリシャ語源に遡り、接頭辞の"dia-"は数字の2ではなく、”~を通って、横切って”というような意味だそうです。(尤も、さらに遡ると、"dia-"と"di-"は同根であるということですが。)

trialogueという単語は、"dialogue"を誤って、”(2人の間の)対話”といった捉え方をしたところから、接頭辞を、3を示す"tri-"に置き換えて生まれた造語だと言えます。

対話という行為を考えた時、一対一ですから、合計で2、ということも考えられますが、実は語源としては、2という数字の概念は無い、ということなのです。

面白いですね。

2009年12月8日火曜日

語源探訪の楽しみ=異分析(2) ― apron

日本語でもエプロン、前掛けと言いますが、この英単語も異分析に分類される単語です。

昨日のtawdryに似ているのですが、元々apronを指す単語は、"napron"というものだったようです。

さらに遡ること、古フランス語では、"naperon"という綴りであり、"a"で始まるものではありませんでした。

英語の不定冠詞"a, an"はご存知ですね?続く単語の語頭が母音である場合(あるいは発音されないhで始まる場合)には、"a"ではなく、"an"が用いられます。

かくして、"napron"は、

"a napron"

という形で出現、あるいは発音されることになったのですが、いつしか、

"an apron"

と誤って解釈されるようになり、それが定着してしまったということのようです。

ところで、apronという単語は、古フランス語のnaperonまで遡ると上で書きましたが、さらには、ラテン語のmappaという語に遡ることができるようです。(American Heritage Dictionaryによる)

ラテン語の"mappa"はnapkin(ナプキン)の意だそうですが、その綴りから、map(地図)に関連があるそうです。

”地図”と”ナプキン”の関係?

昔は、地図はナプキンなどの布(Cloth)に描かれていたそうです。

語源を辿って行くときりがありません。

2009年12月7日月曜日

語源探訪の楽しみ=異分析(1) ― tawdry

英語に限らず、言葉や表現が産まれた経緯について知ることは、語学の勉強の中でも格別楽しいものがあります。

辞書でも中辞典以上になると、語源欄もかなり充実しており、仕事中に意味を調べるために引いたエントリで語源欄に目が行き、さらにリンクされている他の単語を求めて、いつの間にか辞書のページを繰っている、ということがよくあります。電子化、インターネットの時代は便利なものですが、興味の向くまま次から次へとクリックしていて、はて、何を調べていたんだっけ?ということもあります。

さて、語源欄には色々と見慣れない用語や表記法にあふれており、英語の場合はラテン語やギリシャ語、古英語、ドイツ語などまでが引用され、一見、言語学や英語の専門家以外はあまり寄せ付けないような雰囲気もありますが、難しいことは抜きにして、語源探訪は楽しいものなのです。

今日取り上げる単語tawdryは、専門用語では”異分析”と呼ばれる部類に入るそうなのですが、これは、”捉え方や解釈の間違い、誤解から産まれた単語”ということができると思います。


tawdry
[名]けばけばしい飾り、安っぽい装飾
[形]けばけばしい、安ピカの、派手で趣味が悪い


まるで悪いこと尽くしの意味でちょっと使い方には注意が必要なように思われますが、この単語は昔々、7世紀頃に、Northumbriaという、今のイギリス北部にあった王国の王女が好んで身につけていたネックレスに遡るということです。

その王女は、"Saint Audrey"といい、ネックレスについては、"Saint Audrey's (neck)lace"と呼ばれたそうです。(American Heritage Dictionaryによる)

"Saint"の末尾"t"の文字と、続く"Audrey's"に注目して下さい。

発音される場合は、母音が直前の子音に引っ張られる傾向があることはご存知と思いますが、この場合もそのように発音されることから、"Saint Audrey"は、

tawdry

と間違って表記されるようになったようです。

間違いはいつしか定着してしまい、誰もが"tawdry"を単語として認識するようになったのです。

実際に王女が身につけていたネックレスが、"tawdry"が意味するようなけばけばしい、安っぽいものだったのかどうかは知る由もありません。恐らくは、"Saint Audrey's necklace"の触れ込みも最初は高級品だったのかも知れませんが、そのうち商売競争が熾烈になってきて、安ピカものを売る商売人が出てくるにあたり、次第にその価値を落としてきたのではないかと思います。(これは想像ですが・・・。)

今週は、異分析で産まれた単語をテーマに取り上げたいと思います。

引用は、醜聞に塗れるタイガー・ウッズに関する記事からです。


Mindy Lawton, one of the women claiming to have had an affair with Tiger Woods is quoted as saying that she and Woods had sex in the house that Tiger and his family live in in Windermere, Florida.

The tawdry description of her relationship does not stop there. Lawton, who is waitress at an Orlando restaurant, has told London's News of the World that she and Woods had sex while Woods' wife, was pregnant.
(Ron Hart. Associated Content. December 6, 2009.)

2009年12月4日金曜日

理科の実験だけではありません ― experiment

私の勉強不足を露呈するようですが、”experiment=(理科のクラスでの)実験”という理解しかなかったのですが、”新しいことをやってみる”という、科学・サイエンスにSpecificではない、よりGeneralな意味で用いられる用例もあることを、今日知りました。

もう少し俗っぽく言うと、


手を出す、手を染める


といった意味にも使える表現のように思えます。

昨日のタバコの話題に続いて、10代の若者の喫煙が映画での俳優の喫煙シーンをきっかけにしているという記事です。


Seeing movie characters smoke cigarettes increases the risk that Mexican-American teens will try smoking, according to a new study that calls for movies with smoking scenes to receive an R-rating.

It followed 1,328 Mexican-American adolescents, aged 11 to 13, for four years and noted the types of movies they viewed.

At the start of the study, 10 percent of the adolescents had experimented with smoking, compared with 17 percent by the end of the study. The more smoking scenes they had seen in movies, the more likely they were to experiment with smoking.

"Exposure to movie smoking predicted smoking onset even after controlling for several established risk factors, like exposure to friends who smoke," study author Anna Wilkinson, an assistant professor in the epidemiology department at the University of Texas M.D. Anderson Cancer Center, said in an American Association for Cancer Research news release.
(Movies May Tempt Teens to Smoke. US News. December 3, 2009.)

2009年12月3日木曜日

hikeのトレンドは登り坂

hikeという単語は語源不明らしいですが(American Heritage Dictionary)、いわゆるハイキング、動詞ではハイキングにでかける、という意味以外に、価格などの上昇(しばしば急激な上昇を指すようです)を意味するために用いられます。

日本のマスコミでは、欧米諸国と比較してもかなり安い日本のタバコ事情を取り上げ、タバコ増税の議論がやかましいですが、結局タバコ1本につき2~3円の増税に留まりそうなのか、そのような報道を引き金に、何某タバコ会社の株価がこれまでにない上げ幅だったということです。


TOKYO, Dec 3 (Reuters) - Shares of Japan Tobacco (2914.T) gained the most in 13 months on Thursday as investors were relieved by a report that the government would hike taxes on cigarettes by less than expected.

The Japanese government plans to raise the tax on tobacco by a few yen per cigarette, Kyodo news agency reported, a much smaller increase than the 10-20 yen anticipated by some market participants.

"It's positive if the tax hike is only 2-3 yen per cigarette, as there have been concerns about a much heftier hike, like pushing up prices to 500 yen a pack or more," said Takeshi Osawa, senior fund manager at Norinchukin Zenkyoren Asset Management.
(UPDATE 1-JT shares jump on report of smaller tax hike. Reuters. December 3, 2009.)


私はタバコを吸いませんので何ともないのですが、愛煙家の方々には嫌な話題でしょうか。

2009年12月2日水曜日

Feed your brain!

オフィスで向かいに座っている同僚から、こんな表現みたことありますか?とメモを渡されました。

feed your brain

見慣れない表現でしたが、"feed"が動詞、"your brain"は目的語、というのは直感的に理解できました。私は、"feed your brain"に前置詞"with"が続くパターンではないかと思いましたが、その同僚と話をするに、"feed your brain"というフレーズの日本語訳が問題なのでした。

色々調べてみますと、英和辞典の類にどんぴしゃりのエントリや訳は見当たりませんでしたが、"feed your brain"というのは、結構常套句として通用しているらしいという感触を得ました。

意味としてはフレーズそのままで、”脳に栄養を供給する”といった意味ですが、その意味するところは、純粋に生理学的に、例えば糖分や脂肪が脳の働きに必要、といったものから、脳の活性化には様々な刺激が必要、といったものまで、幅広いようです。

恐らくは、前者のような、より厳密な医科生理学的なコンテクストで用いられていたものが、後者のような、より広範囲での脳に対する刺激、といったコンテクストで用いられるようになったものと思われます。

要は、”脳に(頭に)いいことをしましょう”、というメッセージです。

実例は枚挙に暇がありませんが、下記の記事からの引用は興味深いです。これから受験シーズンを迎えられる学生の方々、もはや常識と思うかも知れませんが、重要なポイントですね。


From study groups to practice tests, everyone has a method to prepare for exams. And with just a few short weeks between mid-terms and finals, efficiency is key. While nothing replaces proper revision, other factors influence how well your brain performs and retains information. The Guide to Colleges and Universities has compiled tips and tricks to help you work with your brain, not against it:

Move toward the (natural) light.

(中略)

Feed your brain. Despite all the talk of "brain foods," no single food will make you smarter, says Doug Cook, a registered dietician and nutritionist at St. Michael's Hospital, and co-author with Carol Ann Rinzler of Nutrition for Canadians for Dummies (2008).

Good eating habits fuel the brain and boost concentration, a great help when you're studying or taking exams, he says.

"Eating regularly will help learning," the dietician says. "Trying to study when hungry is not only distracting, but it literally starves the brain," he adds, a warning to dieters or those with erratic eating patterns.

Fuel your brain with carbohydrates, preferably produce and whole grains, and lean protein, including chicken, fish and beans. Before a test, eat a light meal to keep your energy up. Anything too heavy might make you feel sluggish, Cook says.

Caffeine is fine in small doses, as is a celebratory drink, "but no one needs to be told how being a bit hung over will negatively affects one's scholastic aspirations."
(Boost your brain at exam time. Tronto Star. November 11, 2009.)

2009年12月1日火曜日

debar

昨日の"behind bars"に続き、今日も"bar"(鉄棒)に関連する単語です。

debarという単語を見慣れている、という人は法律の専門家などでなければそう多くないと思います。

私も始めてこの単語にお目にかかったのは、米国の連邦規則(Federal Regulations)関係の文書中でした。

"debar"は動詞で、


締め出す、(人が)(~するのを)禁止する


という意味があります。上で、法律の専門家と書きましたが、コンテクストとしてはやはり法律や規制が絡むことが多いです。単に禁止したり、締め出したりするのではなく、禁止や締め出しの行為そのものには、法律や規則に基づいているという根拠が明確に、あるいは暗にあります。


The FDA would gain authority to debar device clinical trial researchers convicted of felonies under a bill introduced in the House. The Strengthening of FDA Integrity Act, H.R. 3932, was introduced by Rep. Joe Barton (R-Texas) and has seven co-sponsors. The bill also would require the FDA to send annual debarment reports to Congress and would reduce the time it has to debar a researcher from five years to one.
(FDA News. November 30, 2009.)


上の引用にも出てきますが、名詞形は、"debarment"です。

米国連邦規則などでは、"debarment certification"、"suspension and debarment certification"といった表現がよく出てきます。日本語に訳しにくい語ですが、”過去に法律違反などで処分を受けていないことの証明”といった感じでしょうか。