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2013年2月28日木曜日

米・バドワイザーが訴えられる ― water down

大阪の老舗酒造メーカーが純米酒に醸造用アルコールを混ぜていたということが発覚して先日来ニュースになっていますが、アメリカではバドワイザーで有名なビール会社が、アルコール度数を不当表示しているとして消費者から訴えられているそうです。


A pack of lawsuit are brewing around the country after angry beer-lovers accused the maker of "The King of Beers" of watering down its beverages.

Beer fans in Pennsylvania, New Jersey, California and other states have filed suits against Anheuser-Busch InBev accusing the company of printing the incorrect alcohol content on its labels.

In a class action suit filed in a San Francisco court on Friday, the beer company is accused of intentionally "overstating the alcoholic content of its products" to increase profits.
(Linsey Davis. Beer-Lovers Accuse Anheuser-Busch of Watery Brews. ABC News. February 27, 2013.)


"water (down)"という表現は水で薄める、という意味ですが、"down"という副詞が“品質を落とす”という意味を強くしています。

私のバドワイザーに対する印象は“(味の)薄いビール”というもので、個人的にあまり好きな方ではありません。最近はあまりアメリカに旅行する機会がありませんが、向こうでビールを飲む機会があればバドワイザー以外を選択します。そうした経験もあって、バドワイザーが、“薄い!”と訴えられるというのは、今さら?という感もあるのですが・・・。


2013年2月27日水曜日

甘い囁きには代償が ― siren song

Siren(セイレン)はギリシャ神話に出てくる海の精で、上半身は美女、下半身は鳥の姿で、イタリアのシチリア島(Sicily)に住んでいたということです。その美しい声で近くを通る船の船員を誘惑し、難破させたという少し怖い話が伝えられています。

日本の高速バスは昨今色々な事故があり、その安全管理が随分と議論されましたが、ニューヨーカーにとっても、バスは安全性よりも安さ、なのでしょうか?


For the dozens of people milling about on a sidewalk of Canal Street in Manhattan on Tuesday afternoon, reports that a popular Chinatown bus line was being shut down were drowned out by the siren song of a $15 fare to Boston.

Even after the federal government ordered the bus line, Fung Wah Bus Transportation, to stop running its fleet, about 40 people lined up outside the company’s ticket office for a four-hour ride to Boston. Some had heard of the company’s latest problems, and some had not — but none were deterred.
(Patrick McGeehan. Cheap Bus Fare Lures Riders Despite Company’s Troubles. The New York Times. February 28, 2013.)


"siren song of a $15 fare"というのは、まさしくセイレンの美声になぞらえることができるでしょう。そして、安全性よりもコスト(美声)につられることの帰結は事故(難破)であることも、火を見るより明らかなことかもしれません。

"siren song"を辞書で引くと、


魅惑的な歌; 誘惑の言葉
(ランダムハウス英和辞書)


とありますが、魅惑的、誘惑的なものが往々にしてそうであるように、それを選択した場合のリスクを暗示しています。甘い囁きにはその代償があると考えるべき、ということでしょう。


2013年2月26日火曜日

修整された大統領夫人のドレス ― coverage

米アカデミー賞が話題です。授賞式は日本時間の月曜日、つまり昨日行われ、アカデミー作品賞にはベン・アフレック監督の「アルゴ」(Argo)が選ばれました。

テレビを見ないものですから生中継などには縁が無く、授賞式の華やかさなど詳しくは知らないのですが、報道によりますとホワイトハウスから衛星中継でオバマ大統領夫人が作品賞を発表したというサプライズだったそうです。

この華やかな授賞式には、着飾った各界の名士、美男美女が出席していますが、ミシェル夫人も例外ではなく、イブニングドレス(というんでしょうか?)を着て受賞作品の衛星生中継に登場していました。

ところでこのドレス姿の写真がイランの通信社の報道ではものの見事に“修整”されたという事件が話題になっています。


Iran had some interesting "coverage" of Michelle Obama's Oscar ceremony appearance late Sunday night.

The FARS news agency ran a picture of the first lady announcing the Best Picture winner, but photo-shopped in additions to her dress, covering up her shoulders and upper chest.

As Buzzfeed put it, the doctored photo is "an apparent attempt to render the First Lady modest enough for public consumption" in Iran.
(David Jackson. Iran 'covers up' Michelle Obama's Oscar gig. USA Today. February 25, 2013.)


百聞は一見に如かず、イラン通信社のFARSのサイトの写真では、大統領夫人の着ているイブニングドレスが胸部と肩をすっかり覆うものに修整されているのです。

この件はガーディアン紙でも報道されており、記事に掲載された写真は修整前と修整後を並べており分かりやすいです。

宗教観から、女性が人前で肌を晒すことを厳しく禁じるイランならではの措置であることは言うまでもありません。イスラム文化圏では女性は人前ではヒジャーブと呼ばれるスカーフを着用することが義務付けられ、腕や足などの肌を晒すことは禁じられてています。外国人やテレビに出演する女優、有名人などについてはある程度の自由が認められているそうですが、大統領夫人の余りに"Revealing"なドレスは修整対象になったのでしょう。

上記に引用した記事の冒頭、"coverage"は敢えてダブルクォーテーション(引用符)で括られていますが、巧いジョークではないでしょうか。

つまり、報道、取材の意味の"coverage"と、写真の修整を意味する"cover up"をかけたという訳です。


2013年2月25日月曜日

こんな意味もあったの? ― spoil

おなじみ、“こんな意味もあったの?”のコーナーです。今日取り上げるのは、"spoil"です。

"spoil"という動詞は、腐らせる、駄目にする、という意味で使われることはいまさら言わなくてもご存知でしょう。日本語でも“スポイルする”、とカタカナで書きますが、その場合は“甘やかす”、“(甘やかすことで)駄目にしてしまう”、という意味です。

ところが!

"spoil (for)"というフレーズは、


~したくてたまらない;~したくてうずうずしている


という意味で用いられることをご存知でしたか?(毎度のことながら、不勉強な私は知りませんでした。)


Pistorius 'often spoiling for a fight'

A SOUTH African sportsman whose argument with the murder suspect Oscar Pistorius was brought up during his bail hearing last week has described in detail the alleged threats made against him by the paralympian.

Marc Batchelor received two calls from Mr Pistorius threatening to "f*** him up" after he had stepped in to defend a friend who was involved in a row with the athlete over a girlfriend.

Mr Batchelor claimed that Mr Pistorius regularly spoiled for fights with other men. He also said he believed that Mr Pistorius's behaviour, around local rugby clubs and racecourses he enjoyed, would have been confronted much earlier were it not for the fact that he was a double amputee.
(Lucy Bannerman. Pistorius 'often spoiling for a fight.' The Australian. February 25, 2013.)


ブレードランナーとして一躍有名になった、2013年ロンドンパラリンピックの金メダリストが恋人の殺人容疑で逮捕されたニュースは世界中に衝撃を与えました。逮捕後間もなく、既に裁判が始まっているようですが、関係者の証言は金メダリストには不利なものばかりのようです。

"spoil"という単語は、略奪品を意味するラテン語spoliumに由来するそうですが、なぜ"spoil for"が“~したくてうずうずしている”という意味になったのか不思議です。

Online Etymology Dictionaryによりますと、略奪品を意味する"spolium"というラテン語は(狩猟で殺した)動物の皮を剥いだもの、という意味から発展したものであり、Proto-Indoeuropeanまで遡ると"split"(剥ぐ)という意味に由来するそうです。

"spoil for"が、“for以下の対象”を求める、という意味になったのは、その対象を得られない場合に主語の人物が"spoil"する(つまり、駄目になる?)、という概念から生じたとのことです。


2013年2月22日金曜日

forty winks

"forty winks"で、うたた寝、短い時間の昼寝を意味します。


Catching forty winks between flights

Long airport stopovers are a bane of the business traveller. It can be a poor connection between flights, or extended waiting times due to delays or cancelled flights.

And while some airports let you make the most of a 12-hour layover by quickly and easily escaping to the city – Hong Kong and San Francisco spring to mind – most see you trapped in transit.
(The Sydney Morning Herald. February 20, 2013.)


"wink"とはウィンク、瞬きをすることですが、forty(40)というからには、40回の瞬き、ということなのでしょうか。

なぜ、"forty winks"がうたた寝の意味になるのか不思議に思う方もいると思います。色々と調べてみましたが、これには諸説あるようで、はっきりしたことは言えないというのが結論ではないかと思います。

1つには、まったく眠れない状況(日本語で、まんじりともしない、という状況)のことを英語で、


not sleep a wink

あるいは、

not get (have) a wink of sleep


と表現しますが、ここでの"a wink"(つまり単数)に対して、"forty winks"はその40倍であり、十分なレベルの睡眠、ということで、うたた寝を意味するようになった、と言われています。

でも、なぜ60や80、100ではなく、40なのか?

私の勝手な推測ですが、うたた寝と言えば大体15分から20分くらいの時間かと思いますが、瞬き1回が大体20~30秒くらい、かけることの40で、大体それくらいの時間になるので、"forty winks"ではないのかと・・・。失礼しました(笑)

今週はえいご1日1語の投稿1000回達成を記念して、数字で始まる単語(表現)を特集しました。ではまた来週!