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2026年9月30日水曜日

pistol-whip

記事の引用からどうぞ。


A violent pair bashed a man in the head with a gun before swiping his luxury watch and a bundle of cash outside an East Village dive bar early Tuesday, cops said. 

The duo — both strangers — approached the victim around 3:20 a.m. in front of Josie’s Bar on East 6th Street near Avenue A and yanked on his fanny pack, police said. 

One of the muggers then pulled out a gun and hit him over the head multiple times, leaving him bloody, authorities said.
(Amanda Woods. Violent pair pistol-whips man, steals his luxury watch, cash outside NYC bar: cops. New York Post. September 29, 2026.)


強盗の話ですが、記事のタイトルで、


pistol-whip


という表現が使われています。ニューヨーク繁華街のバーで二人組が男性1人を襲って時計や金を奪ったというものですが、"pistol-whip"の意味するところは本文からお分かりのようにピストルで打撃を加えた、ということです。

変わった表現だなぁと思ったのですが、意外にも(?!)この"pistol-whip"という単語は辞書にちゃんと載っているんですね。ランダムハウス英和辞書ではアメリカ英語の表現として、


(特に人の頭部と肩を)ピストルで繰り返し殴る


とあります。映画のワンシーンのようですが、ピストルは弾丸を撃ち込めば殺傷能力もある武器ですが、ピストルをちらつかせて脅すのに使われることもあれば、相手を殴打するのにも使えるという訳です。

ある意味銃社外アメリカを彷彿とさせる表現ではないかと思います。

以前取り上げましたが"hot as a pistol"という表現もご覧下さい。



2026年9月29日火曜日

rogue

人智を超え、制御が効かなくなって暴走するAI — 。そのようなAI(人工知能)に付加される形容に、


rogue


があります。暴走する、手に追えない、(行動などが)予測不能な、凶暴な、などといった意味合いがあります。


Chipmaker Nvidia said Monday it is introducing a new software platform to address concerns about artificial intelligence agents that have “gone rogue” and operated outside human control.

“Today, with over 100 industry partners, we introduced the NVIDIA Open Agent Safety Platform,” Nvidia CEO Jensen Huang wrote in a post on X Monday.

Nvidia (NVDA) says its technology will enable companies to monitor every action undertaken by an AI agent, as well as enforce policies.
(Chris Isidore.Nvidia launches new tool to keep AI agents from going rogue. CNN. September 28, 2026.)


この"rogue"という単語はごろつき、悪漢、詐欺師などの意味もある名詞でもありますが、その語源はよく分かっていないようです。American Heritage Dictionaryでは"Origin unknown."(語源不詳)とあるのみです。

研究社新英和大辞典では、他人を頼る(to ask)という意味のラテン語動詞rogareと関連があり、「OxfordやCambridgeの苦学生を装った」不正直者、浮浪者というのが原義と推測される、との説明を載せています。このほか、よく参考にさせていただくOnline Etymology Dictionaryによれば、フランス語で高慢を意味するrogueやケルト語と関連があるとの説もあるそうですが、いずれの説も確証に欠けるようで、最終的には語源不詳に落ち着いているもののようです。

"rogue"という単語にはかほどにネガティヴな意味が強いのですが、茶目っ気や剽軽という意味合いもあります。また、群れからはぐれて単独行動を取る象のことを"rogue elephant"というそうです。性格が荒いために群れに馴染めない動物を指すともあります。

こうした意味合いから、AIに対する形容として使われる、制御不能な、という意味は最近になって生じたもののようです。


2026年9月28日月曜日

order of magnitude

記事の引用からお読みください。


OpenAI, Anthropic and security researchers are investigating tens of thousands of incidents in which their frontier models took steps that outside evaluators would consider problematic, sources told Axios.

Why it matters: The sheer number of incidents, which occurred in recent months in internal testing and the real world, indicates that the problem is orders of magnitude more complex than what is publicly known.
(Madison Mills. Scoop: Top AI companies probing tens of thousands of security incidents. Axios. September 26, 2026.)


最近世間を騒がせている、制御不能になってしまうAI(人工知能)の危険性に関する話しです。これまでにAIがテスト環境から逸脱して実際のシステム脆弱性をターゲットにしたという事例や、オーストラリアでは本来アクセスが許可されない健康保険データベースへの侵入があったなど、幾つかのインシデントが公になっています。しかしながら、実際には何万件というインシデントが発生しているとの報告があり、暴走するAIの事例は我々が知らないだけで枚挙にいとまが無い状況なのだと思われます。

そして記事では、


the problem is orders of magnitude more complex than what is publicly known


というくだりがあります。

この箇所の文意を最初掴みあぐねたのですが、イタリックにした部分、"orders of magnitude"というフレーズの解釈が問題です。

AIのインシデントが認識されているよりも、より複雑なものであった、というのが文意ですが、"order of magnitude"は後続の"(more) complex"を修飾する副詞のような働きをしていると考えられます。

この"order of magnitude"は慣用的なフレーズで、"order"は等級、"magnitude"は大きさ、程度を意味するものですが、いわゆる数字の「桁」を指すと辞書にあります。それは数字としては10倍、つまりゼロ(0)一つ分、ということなのですが、ここでは"orders of magnitude"と複数形ですから、10倍以上、100、1,000という桁違いである、ということになります。

辞書の例文には、


of the same order of magnitude(同程度の大きさの)
Their estate is larger than ours by two orders of magnitude.(彼らの土地は我々のよりも二桁分大きい。(100倍もある。))


といったものが載っています。(研究社新英和大辞典)

これらの用例は、"of the same order of magnitude"や"by two orders of magnitude"であり、前置詞ofやbyがありますが、記事の用例は前置詞がありません。

このような用法は〜倍を意味するtime(s)という名詞が前置詞を伴わずに後続の形容詞を修飾するように使われるのに似ています。


2026年9月25日金曜日

peace sign

先日、約3ヶ月のブランクを経て公務に復帰したマコネル上院議員の話題を取り上げましたが、今日読んだ記事によるとその後も車椅子で登院し、法案議決の投票を行ったと報じられています。

記事によれば、マコネル議員は報道のカメラに向けて"peace sign"をしてみせ、元気なところをアピールしたとあります。


Sen. Mitch McConnell, R-Kentucky, appeared to acknowledge cameras with a peace sign on Tuesday, Sept. 22, after returning to his Washington home from the U.S. Capitol.

The 84-year-old senator was captured on video being pushed in a wheelchair toward the entrance of his residence after spending time on Capitol Hill. As he was being taken inside, McConnell raised two fingers in what appeared to be a peace sign.

The moment came about a week after McConnell returned to the Senate following a months-long absence from public view.
(Anthony Thompson. Mitch McConnell flashes peace sign after Capitol return. USA TODAY. September 24, 2026.)


そうです、"peace sign"とはあの「ピース」のことです。この「ピース」、あるいは「Vサイン」とも呼ばれる、写真を撮る際にカメラに向けられる二本指を立てて作るハンドサインというのは小生が子供の頃流行っていた(?!)と言いますか、当たり前のようにやっていたので、日本人の文化で和製英語だろうと勝手に思い込んでいたのですが、そうでは無いということを知った次第です。

Merriam-Webster Dictionaryでは、


a sign made by holding the palm outward and forming a V with the index and middle fingers and used to indicate the desire for peace


と定義されています。

この"peace sign"の起源は諸説あるようですが、Wikipediaによりますと、元は"victory sign"、つまりVサインとして始まったもののようです。

昔、戦争で負けた側の兵士は銃の引き金を引くことが出来ないように人差し指と中指を切り落とされたそうですが、この二本指はまさしく"peace sign"、また"victory sign"を形造るのに使う指です。戦いに勝ち残るということは指を切り落とされなかったということであり、勝利をアピールするのにこの二本指を立てたハンドサインが定着したという説です。

この"victory sign"が"peace sign"へと変わってきたのはベトナム戦争の時代だといいます。アメリカなどで反戦運動が高まった時期です。勝利(victory)を声高に主張するのではなく、平和(peace)を希求する、ということでしょうか。

小生が子供の時、写真に写る際にこぞってやるあの「ピースサイン」は戦後に定着したものとの話もあります。アメリカの進駐軍がやっていたのをを真似たということらしいですが、つまりは和製英語でも無かったということで、小生の不勉強を恥じる次第です。



2026年9月24日木曜日

diesel

トランプ大統領が"diesel"の国外輸出を禁止する可能性について言及したと報じられています。

ニュース記事では単に"diesel"と書かれているのですが、これはディーゼルエンジン用の燃料、すなわち日本語でいう「軽油」のことを指しています。ディーゼルエンジンのことなのかと読み違えそうでしたが、英単語の"diesel"にはディーゼルエンジンの意味と、それを動かす燃料(fuel)という両方の意味が辞書でも確認できます。


The oil industry has warned a diesel export ban will backfire and exacerbate the global fuel crisis as President Donald Trump weighs restrictions.

Trump appeared to back an export ban earlier this week, as he faces mounting political pressure to tackle rising fuel prices ahead of the midterm elections in November.

“I’ve said let’s not send out the diesel. We make a lot of diesel,” Trump told reporters Tuesday on the sidelines of the annual United Nations General Assembly. “I’ve called for it within my people. I’ve been talking about it.”
(Spencer Kimball. Oil industry warns a diesel export ban will raise fuel prices as Trump weighs restrictions. CNBC. September 23, 2026.)


トランプ大統領の発言は2ヶ月後に行われる中間選挙を意識したもので、アメリカ国内のガソリン等燃料価格の高騰への対策を意図したもののようです。記事によればアメリカ国内の"diesel"燃料価格は1ガロン当たり3ドル以上高値で推移しており、農業関係者らの経営に悪影響を及ぼしているといいます。しかしながら、"diesel"を輸出禁止にしたところで、価格高騰に歯止めはかからないと経済の専門家は指摘しているようです。

さて、"diesel"は普通名詞になっていますが、このエンジン(内燃機関)を発明したドイツ人
Rudolph Diesel (1858-1913) の名前に由来します。

一般的なガソリンエンジンはエンジンのシリンダ内に噴射したガソリン燃料にスパークプラグで点火することで得られる爆発によりピストンを動かすというものですが、"diesel"エンジンは圧縮して高温になった空気に"diesel"燃料を噴射、これにより燃料が自然発火して爆発することでパワーを得る仕組みです。この発明は、それまでの蒸気機関のエネルギー損失と比較すると画期的なものであったとされます。

今回の話題、"diesel"燃料、すなわち「軽油」も化石燃料という点ではガソリンと同じです。(もちろん、ディーゼルエンジンにガソリンは使えず、その逆も同じですが。)故に、"diesel"燃料の禁輸は燃料価格高騰には効果が無いのだろうと思います。現にトランプ氏の発言を受けて軽油燃料は高騰しているそうです。

2026年9月23日水曜日

macromastia

怪しからんとのお叱りを受けるかも知れませんが、男性というものは女性の胸というものに対して、大きいのが良いというようなステレオタイプ的な見方があるように思います。

しかしながら、女性にしてみれば大きな胸というのは、それはそれで悩ましいものがあるのだとも聞いたことがあります。

引用する記事ですが、体形に比して大きく発達した胸というのは、肩コリや腰痛などの他、様々な身体症状を引き起こすそうで、異常なケースは"macromastia"と呼ばれるそうです。


Women with larger breasts are all too familiar with the backaches and neck pain that can come with a bigger set of ta-tas.

But a new study published today links having disproportionately big breasts with an unexpected health issue — that, on its surface, isn’t connected to the chest at all.

“Many people think of enlarged breast tissue primarily as a cosmetic issue, but our findings suggest it may be associated with a broader range of women’s health concerns,” lead study author Kristyn Pocock said in a press release.

(中略)

The researchers specifically looked at macromastia, a medical condition involving abnormally large breasts. In this case, “abnormally large” refers to breast size disproportionately larger that the person’s frame. There is no specific cup size.
(Rachel Sacks. Having disproportionately big boobs linked to a surprising health issue: study. September 22, 2026.)


体形に比して異常に大きな胸が引き起こす症状には、偏頭痛や睡眠時の呼吸不全などもあり、深刻な問題であるとされます。

さて、"macromastia"という用語ですが、接頭辞のmacro-は説明不要でしょうが、大きいという意味ですね。mastiaという部分に関しては、乳房を意味するmasto-から来ています。(以前取り上げたmastectomyも参照ください。)

このmasto-というのは木の実を指す古英語mastに由来するそうですが、更に遡って印欧祖語ではmad-という語根で、その意味は湿った(moist, wet)という意味なんだそうです。この印欧祖語は派生するゲルマン語系の言語やラテン語などにおいて、上述した木の実の他、食べ物や食べること、飲むことを表す語に繋がっているそうで、乳を出す器官を意味する語になっているのも頷けます。




2026年9月22日火曜日

splay

今日の1語は"splay"という動詞です。(sprayではありません、念の為。)

用例として記事の引用から以下をどうぞ。


“The helicopter just crashed!” a voice in the crowd yelled, drawing eyes away from the splayed-out wreckage of a bus collision that claimed two lives.
(Dalia Faheid. An SUV slammed into a city bus, then the news helicopters took flight. How one tragedy led to another. CNN. September 20, 2026.)


飲酒運転のSUVが停車中のバスに突っ込み2名が死亡という大事故の現場に、報道のヘリコプターが墜落しさらに3名が死亡という凄惨な事故があったというニュースです。

今日の1語は、


splayed-out wreckage of a bus collision


というくだりで、動詞というよりも過去分詞形での形容詞として用いられています。動詞の"splay"(しつこいようですが、sprayではありません)はあまりお目にかかったことがありませんが、広げる、張る、という意味で使われると辞書にあります。形容詞としては、外へ広がった、という意味のほか、不格好な、ぶざまな、という意味があるようです。

SUVが横腹に突っ込んだ後のバスの車体は文字通り酷く損傷しており、ぶざまな様子です。

"splay"という単語の成り立ちですが、"display"の短縮形であると語源欄に説明があります。"display"とはご存知の通り、陳列する、展示する、という意味の動詞であり、原義は(見せるために)広げるという意味です。接頭辞dis-と、たたむ、巻くという意味のラテン語動詞plicareから成ります。畳むことの反対、故に広げる(display)という意味になる訳です。



2026年9月21日月曜日

kryptonite

11月の中間選挙を前にして騒がしくなってきました。

長引くイランとの戦争とそれに伴う国内経済状況の悪化などを背景にトランプ大統領の支持率は低迷しており、共和党の候補らはトランプ氏との距離を置く傾向が見られるとのことです。つまり、不人気な大統領の累が自身の選挙戦に影響することを恐れているという訳です。

候補者らにとってトランプ氏は、"kryptonite"だ、というのです。


The pressure is only increasing with the midterms less than two months away. Trump’s approval rating is stuck under 40%. while several POLITICO polls have found that half of Americans think his deportation agenda is too aggressive and that even Trump’s loyal MAGA base is losing patience with the Iran war, given the economic costs.

“These candidates know how to read a poll,” said a GOP strategist working for Republicans in races around the country who was granted anonymity to speak candidly. Referring to Trump, they added: “They know he is kryptonite.”

Some other battleground Republicans who received Trump’s endorsement have since deleted or minimized references to the president on their campaign websites.
(‘He is kryptonite’: Republicans start breaking with Trump. Politico. September 21, 2026.)


この"kryptonite"という言葉はスーパーマンに由来するのだそうです。アメリカでコミックとして人気を博したスーパーヒーローですが、この"kryptonite"という緑色の放射性物質に触れると能力が発揮できなくなるというストーリー設定があり、特定の状況下において立場を危うくするもの、というような意味合いで用いられるようになったものです。Merriam-Webster Dictionaryでは、


a substance that causes the comic-book character Superman to become weak when he is exposed to it


と定義されています。

2026年9月18日金曜日

synthetic performer

SNSを眺めているとAI(人工知能)で生成された、本物と見紛うばかりの画像や動画にびっくりします。特に人間が出てくる動画で、それがAIで生成された人工的なものだと言われるとその精巧さには舌を巻くほどです。

カリフォルニア州で、広告に生成AIによる人間そっくりの音声や動画が含まれる場合には、消費者に対してその旨を明示しなければならないという法律が成立しました。

生成AIによる人間そっくりの登場人物のことを、"synthetic performer"というそうです。


That confident spokesperson walking you through a new blender's features, or explaining why this insurance plan is "right for your family," might not be a person at all. Starting January 1, 2027, California advertisers will have to tell you that upfront. Governor Gavin Newsom signed SB 1050 on September 16, 2026, adding a targeted disclosure requirement to the state's existing false advertising framework. 

Any audio, video, or audiovisual advertisement that features a "synthetic performer" in a prominent role must include a clear and conspicuous disclosure. Acceptable language includes "This performance features a synthetic performer" or "No human performer is depicted." The law defines a AI-generated figure, voice, or representation. It creates a realistic impression of a human performance but depicts no identifiable real person.
(Al Landes. California Will Make Ads Tell You When Their “Actors” Are AI. Yahoo! News. September 18, 2026.)


生成AIが高度化し、もはや本物と「本物そっくり」を見分けることが難しくなってしまった消費者を保護するための法制化と考えられます。今はネット上の動画像での話しですが、いずれは街中や店舗などで対面する相手が本物なのか「本物そっくり」なのか、見分けがつかないという時代がやってくるのでしょう。



2026年9月17日木曜日

老人虐待 ー elder abuse

マコネル上院議員が約3ヶ月振りに議場に姿を見せたというニュースです。

84歳と高齢のマコネル上院議員ですが、3ヶ月前自宅で転倒し、以降、公の場に姿を見せず、同氏の健康状態は様々な憶測を呼び、死亡説まで出ていました。

この度カムバックを果たした訳ですが、医者の見立ては完全復活ということではなさそうです。


A top doctor has warned that Mitch McConnell appeared as though he wasn’t well enough to return to the Senate and expressed deep concerns about elder abuse.

The 84-year-old senator was seen in public for the first time on Monday evening, after being hospitalized on June 14.

(中略)

“If he had another fall, it could kill him. It could absolutely kill him,” said Dr. Anahita Dua, a vascular surgeon.

(中略)

Dua warned Senate work would absolutely be a distraction from his recovery and add to the strain, and warned the entire situation reeked of “elder abuse.”
(Sarah Ewall-Wice.Doctor Fears McConnell’s Senate Return Could Prove Fatal. The Daily Beast. September 16, 2026.)


マコネル議員は車椅子に乗って議場に姿を現しましたが、議場での投票を終えると早々に退出したようです。移動の車中から親指を立てて報道のカメラに反応する姿も見られたそうですが、医者の見立ては公務を果たしうる状態ではないとのこと。

そして、仮にもまた転倒するようなことがあれば命の危険があり、現在のマコネル氏にとって上院議員の勤めは老人虐待(elder abuse)だとまで言っています。

「老人虐待」とは穏やかでない言葉遣いです。この言葉から受けるイメージは、高齢者の周りにいる家族や介護者が老人に対して身体的、精神的な苦痛を与えるような行為を繰り返すというものに思われます。

果たしてマコネル氏は家族や関係者から無理矢理にワシントンの議場に行かせられたというのでしょうか。そのような報道も憶測と思われる言及もありませんが、マコネル氏が公務に復帰する健康状態に無いということを分かっていながらそれを止めない周囲の判断に問題があるということなのかも知れません。

記事では2023年、92歳で死去したDainne Feinstein上院議員の例が触れられています。同氏は病気治療のため入院、辞職した方が良いと言われながらもそれを拒んで復帰、車椅子で登院しましたが、その後亡くなりました。


2026年9月16日水曜日

digs

世紀のカップルとでも言うべき、テイラー・スイフトさんとアメフト選手の結婚式がニューヨークのど真ん中マジソンスクエアガーデンで行われたことを先日取り上げました。新居はオハイオ州、エリー湖を望む2万1,000平方メートルという広大な敷地に建てられたマンションだそうです。二人の意向でセキュリティとプライバシーは非常に厳重になっているとの話しです。


Taylor Swift and Travis Kelce aren’t taking any chances when it comes to feeling safe in their new Ohio mansion.

Page Six has exclusively learned that the couple have set up a warning alarm surrounding their new digs.

“A neighbor approached the house and got a voice warning about not passing onto the property after getting too close to the house,” a nearby neighbor shared.
(Lanae Brody. Taylor Swift and Travis Kelce go to extreme measures to keep nosy neighbors away from new Ohio mansion. Page Six. September 15, 2026.)


引用した記事では新居のことを、


their new digs


と表現しています。

"digs"という単語に住む処という意味があることを知りませんでした。しばしば"new digs"というフレーズで新居、新しい居場所というような意味合いでカジュアルに使われるようです。因みに、この意味で用いる場合にはdigs"というように複数形で使われるものとなっています。

このような"digs"の意味合いは、"diggings"という言葉からきており、イギリス英語なんだそうです。英和辞書には下宿という日本語が載っています。つまり借りて住む場所を指すのですが、世紀のカップルの新居は贅を尽くした豪華なマンションですから、借家を指す"digs"というのはちょっと違うようにも思われます。

さて、動詞の"dig"には掘るという意味がありますが、土を掘って作った洞穴住居のイメージなんでしょうか。洞穴を住居としていたのは原始時代と考えると、随分古い歴史でもあるのかと思わされますが、いくつかの辞書を見てみましたが、詳しい語源に触れているものは見当たりませんでした。

インターネットを検索してみますと、"digs"、"diggings"の由来について触れた興味深いサイトがありました。それによると、19世紀半ばのゴールドラッシュの時代に期限があるという説があるそうで、掘る(dig)という行為と住処の関連が見て取れます。しかしながら、住処という意味での"digs"の初出はそれ以前、18世紀始め頃にディケンズの小説でも確認されており、ゴールドラッシュとの関連は眉唾のようです。

"dig"という単語ですが、このほかには、皮肉、当てこすり、という意味もあります。



2026年9月15日火曜日

kill switch

昨日の投稿ではAIが人間を超えて自律的に働くことで抑制が効かなくなるというリスクが現実のものとして議論されているという話題を取り上げました。

今日も同じ話題で恐縮ですが、議論はアメリカのみならず世界各国で行われているようで、以下に引用するのはイギリスでの話です。

イギリスの国会ではAIに"kill switch"を導入すべきとの議論が行われたそうで、この"kill switch"という言葉がトレンドのようになっています。


The UK government has rejected the idea of creating a so-called "kill switch" to stop a dangerous attack from rogue AI.

The proposal to create a legal mechanism for the UK to switch off an AI model in an emergency has been brought to Parliament by lords and MPs in recent weeks as fears grow about the threat the tech poses.

But the Cabinet Office - the part of government which leads on AI safety - said the UK "cannot simply turn AI off".
(Joe Tidy. UK government rejects 'kill switch' idea for dangerous AI. BBC News. September 11, 2026.)


"kill switch"はカタカナでも「キルスイッチ」として使われていますが、強制停止装置などと訳され、非常時に機械やシステムなどを停止させる仕組みのことを言い、Merriam-Webster Dictionaryでは、


a mechanism or feature on a mechanical or electronic device that allows one or more functions to be turned off or made unavailable


と定義されています。

さて、イギリスではAIに"kill switch"を義務化するという法案が議会に提案されましたが、否決されたとあります。

理由はイギリスだけで出来るものでは無い、ということのようですが、国境の無いインターネット環境において、ある国だけが"kill switch"を設けたとしても、それが果たして機能するのか分からないということのようです。

トランプ米大統領はAI開発を抑制することは愚行であり、ロシアによる"hoax"だとし、そんなことをすれば喜ぶのは中国だとまで言っています。


2026年9月14日月曜日

cataclysmic

AI(人工知能)が自律的に発達を遂げた結果、人間の能力を遥かに超えてもはや抑制の効かない状況が生ずるという、SF小説か映画のようなストーリーがまことしやかに語られています。

しかし、現実にそのような状況が起きつつあると、AI開発の先進企業のトップや幹部社員が警告したと、昨夕、ラジオのニュースで聞きました。

以下はCNNの記事からの引用です。


The latest warnings about AI seem intended to boggle minds and shock everyone into action.

Anthropic CEO Dario Amodei, a leader in the AI race, on Saturday called for a conscious slowdown in AI development in an essay posted to his website. AI is developing faster and faster and could outrun humans’ ability to manage it, he wrote.

“Left unchecked, it could outrun our ability to understand and control these systems, and so must be pursued very carefully, if at all,” Amodei wrote.
(Zachary B Wolf. AI and the end of humanity? OK, ‘doomer’ says one Trump official. CNN. September 13, 2026.)


記事によれば、この10年くらいでAIが人智を遥かに凌ぐことになるので、AIの開発を遅らせなければ、人類が終焉する可能性があるとまで言われているそうです。

このようなAI企業幹部の発言を受けて、サンダース上院議員のコメントです。


Among those calling for government action is Sen. Bernie Sanders, who takes the warnings seriously.

“Nearly every day, there is a frightening new story about how Big Tech companies are losing control of the technology they are developing, with potentially cataclysmic results,” Sanders said in announcing proposed legislation to ban artificial superintelligence. “It is irresponsible for society to allow them to move forward and make these products even more advanced.”
(ibid.)


人智を超えて自律的に振る舞うAIが、


cataclysmic


な結末をもたらす恐れがある、と。

"cataclysm"は激変とか大変革と訳されていますが、ギリシャ語kataklusmosは大洪水の意味で、洗い流すという意味のギリシャ語動詞kluzeinに由来します。

接頭辞cata-は、下方へ(down)、〜に反して(against)という意味合いで、過去には"cataract"や"catafalque"という単語を取り上げました。

余談ですが、"cataclysm"と意味合いも似た単語に"catastrophe"があり、大惨事、悲劇的な終末、カタカナでも「カタストロフ」と用いられます。こちらも同様に接頭辞cata-とギリシャ語動詞strephein(to
turn)の組み合わせによる語ですが、原義としてはギリシャ劇、特に悲劇における結末、大団円を指す言葉で、いわゆる破滅的、悲劇的な結末という意味合いは後になって生じたものだそうです。




2026年9月11日金曜日

bread and circuses

11月の米中間選挙を控え、トランプ大統領は共和党が勝利するならば全ての成人の米国民に一人当たり5,000ドル(約77万円)を支給すると発言したと報じられました。

もの凄い大盤振る舞い(!?)、または「バラマキ政策」と言えます。


Facing an uphill battle in the final weeks of an affordability-focused midterm election, President Donald Trump on Wednesday night made an audacious promise: Every adult American citizen will receive a $5,000 "dividend," but only if Republicans are victorious in November.

While extremely light on details, the proposal quickly drew heat from critics on both sides of the aisle, including some of Trump's own supporters. And it spurred questions of whether it would be illegal as a payment incentive to influence votes.

"I am hugely in favor of winning the midterms, and love much about this admin, but am strongly against bread and circus bribes," Palantir co-founder and Republican donor Joe Lonsdale said on X.
(Trump's $1 trillion-plus 'dividend' plan meets immediate bipartisan pushback. CNBC. September 10, 2026.)


有権者を買収するような発言に対し、民主党はもとより、共和党内からも反対意見が噴出しているそうです。

共和党を支持する大手企業トップによる批判が引用されており、


am strongly against bread and circus bribes…


とあります。"bread and circus"という表現に注目です。「パンとサーカス」というのが字句通りの訳になりますが、


Offerings, such as benefits or entertainments, intended to placate discontent or distract attention from a policy or situation.
(American Heritage Dictionary)


という意味で用いられるフレーズです。「パン」は食料、「サーカス」は娯楽の象徴で、これら二つを民衆に与えることで宥める、不満を解消する、ということなんですね。

このフレーズはラテン語panem et circensesを英語に置き換えたものとの説明が辞書に載っています。ローマの風刺詩人ユウェナーリスが用いた言葉だそうです。

なお、ラテン語panem et circensesのpanem、またcircensesは名詞の複数形・目的格となっています。(英語の一般名詞に格変化はありませんが、)英語へ置き換えたものは、"bread and circuses"となり、辞書にもこの複数形で載っています。


2026年9月10日木曜日

sizable

トランプ大統領がホワイトハウスの側近職員に現金を贈ったというニュース記事を読みました。

その額、45,000ドル。現ナマです。(わたしも欲しい・・・)


Donald Trump gave sizable holiday gifts to four White House aides, according to new financial disclosures released by the administration, including $45,000 to executive assistant Natalie Harp.

Communications adviser Margo Martin and deputy director of Oval Office operations Chamberlain Harris also received $45,000, while director of Oval Office operations Walt Nauta received a $20,000 gift.
(Trump gave $45,000 to Natalie Harp and other White House aides as holiday gifts. The Guardian. September 9, 2026.)


現金の名目は"holiday gift"だそうです。その形容に、


sizable


とあります。"size"に接尾辞-ableが付いたものですが、相当の大きさの、かなり大きい、という意味です。かつては、手頃な大きさの、という意味でも使われたようです。45,000ドルは手頃な額では決してありません。

臨時収入の恩恵に預かった職員の中には最近メディアの注目を集めているNatalie Harpという女性が含まれているとあります。イランの暗殺を恐れて大統領専用機ではなく、別の飛行機に隠密に乗り換えた際もトランプ大統領と行動を共にしたことで注目を浴びましたが、トランプ氏に好意的なメディアの記事を印刷して手渡しするのが主な仕事らしく、"Human Printer"と呼ばれているそうな。

さて、サイズ("size")の話しです。

物の大きさ、寸法を意味する"size"という単語は、"assize"という単語の頭音消失形であると辞書にあります。(古フランス語siseから来ているようですが、元はassisseという語であったものが変化したようです。l’assisseが誤って、la siseと解釈されたらしいという説は"apron"など、異分析により生じた単語の語源に似ています。)

その"assize"ですが、英単語としては残っており、辞書には巡回裁判という意味などが載っています。裁判と、寸法を意味する「サイズ」・・・。随分と意味合いが違います。

上述した古フランス語assisseですが、もう少し語源を遡ると動詞asseoir、ラテン語adsedereとなり、これは接頭辞ad-とsedere(to sit)からなる動詞なんですね。つまり、座るという意味合いなんですが、裁判という意味は審理のために関係者が集う(一堂に会して座る)ということから生じたようです。

そして、大きさを言う「サイズ」ですが、古くは物の大きさ、量、そしてその価格を法定価格として定めていたのですが、"assize"という単語にその意味合いを認めることができます。


2026年9月9日水曜日

algorithm

オーストラリアは16歳未満のSNS利用を禁止する法律を制定した最初の国ですが、SNS事業者に対する規制をさらに強化するようです。

その規制の内容はというと、事業者はSNSユーザーがアルゴリズムに基づくフィードが表示されないよう選択できるオプションを提供しなければならない、というものです。

今時のSNSでは好むと好まざるとに関わらず、いわゆる「オススメ」というような形式で、ユーザーの興味や関心のあるコンテンツが自動的に表示されますが、その仕組みはユーザーの検索や利用履歴などのデータに基づいてコンピュータアルゴリズムが生成するものです。

新しい規制の趣旨は、わかりやすく言えば、このアルゴリズムを拒否する権利をユーザーに与えなければならないというものです。


Australian social media users would be given a choice to opt out of algorithms under proposed laws announced by the government Tuesday that would let users have more control over what they see on their social media feeds.

"We'll require social media platforms to provide user empowerment tools that give people over the age of 16 genuine and enduring choice about what they see in their feeds," Prime Minister Anthony Albanese told reporters in Canberra.
(Australian social media users to be offered choice to opt out of algorithms. NPR. September 8, 2026.)


さて、今日の1語は"algorithm"です。日本語でもカタカナで「アルゴリズム」という言葉を当たり前のように使う今日ですが、この単語が人の名前に由来するということをご存知でしたでしょうか?しかも、現代のコンピュータの専門用語にも思われる"algorithm"という単語はコンピュータが発明されるはるか以前から存在していました。

"algorithm"という単語は元は、


algorism


というスペルの語だったそうですが、この"algorism"は8世紀のイスラムの数学者


Muhammad ibn-Musa al-Khwarizmi (780?-850?)


の名前から来ているのだそうです。えっ、全然違う!?

そうですね、その名前がどうやったら"algorism"というスペルの語になるのかと言われると確かに分かりにくいのですが、名前のal-Khwarizmiという部分なんですね。カタカナで書くと、アル=フワーリズミー、となるようなんですが、これが「アルゴリズム」になった、ということなんですね。(ちなみに、al-Khwarizmiは、Khwarazm生まれの人、という意味らしく、Khwarazmは今のウズベキスタンにある都市Khivaに当たるそうです。)

さて、その数学者アル=フワーリズミーさんの偉業というのが、インド数学の記数法や演算をアラビア語で記した著作で、これが"algorism"として知られることになった、というのです。

"algorism"という語はその後、"arithmetic"(算術)という単語のスペルに影響を受け、現在の"algorithm"になったという訳です。

「アルゴリズム」(algorism)は数学の基本的な内容に触れたものだった訳ですが、解を求めるための計算のステップやルールを指す意味合いに拡張しました。

そして、インターネット時代、AIの時代におけるアルゴリズムは、ユーザーの行動に基づいて最適なコンテンツを表示する仕組みを指すようになったものです。その意味合いはMerriam-Webster Dictionary(オンライン版)の定義、


a hidden system used by an online platform (such as a social media, streaming, or retail site) to curate content for each user based on the user's behavior, profile, etc.


に見てとれます。

2026年9月8日火曜日

invest

記事の引用からどうぞ。


An Illinois mother had become “very invested” in the high-profile Lindsay Clancy murder trial before prosecutors say she killed her 2-year-old son on Tuesday, according to witnesses cited in court documents.

Corie Walsh, a 40-year-old resident of Frankfort, was charged with first-degree murder after prosecutors allege she fatally strangled her son, Barrett Walsh, according to a complaint filed on Friday and obtained by CNN affiliate WLS.

At the time over 1,000 miles away, the jury had been deliberating in the murder trial of Lindsay Clancy, a former nurse accused of killing her three children. Walsh had been discussing the case on a group text message with her friends up until 12:30 p.m. Tuesday, prosecutors said witnesses told them, according to court documents obtained by WLS.
(Dalia Faheid. Illinois mother texted friends about Lindsay Clancy’s murder trial hours before killing her 2-year-old, prosecutors say. CNN. September 7, 2026.)


この数週間のトップニュースに、マサチューセッツ州の母親が幼い子供3人を殺害した事件があります。出産後の精神障害を患ったが故に及んだ殺人事件ともされ、陪審は合意に至らず、審理がストップしているというものです。

上記に引用した記事はそれとはまた別の事件で、今度はイリノイ州シカゴで、やはり母親が2歳児の首を締めて殺害したという事件です。この母親について、


… had become “very invested” in the high-profile Lindsay Clancy murder trial…


とのくだりがあり、"invest"という動詞が引用符付きになっています。

"invest"という動詞から真っ先に思い浮かぶのは、投資する、という意味ではないでしょうか。しかし、ここではその意味だとおかしなことになります。

小生は(老眼もあって)この箇所の"invested"が"interested"に見えたのですが、あながち間違いでは無かったようです。

別記事を読んでみますと、"invest"は、関心がある(interested)、という意味合いで使われていることがわかります。また、この"invest"というワードのチョイスは検察官の発言のようです。


A suburban Illinois mother who had become interested in the Lindsay Clancy case has been charged with murder after she allegedly killed her 2-year-old son then attempted to harm herself, according to police and court records.

A quiet street in the affluent village of Frankfort, Illinois, about 35 miles southwest of Chicago, became a scene of terror earlier this week when the 2-year-old child was found hanging in the basement and his mother, Corie A. Walsh, was discovered in a bathtub in an apparent suicide attempt.

Walsh, 40, was charged with three counts of first-degree murder on Friday, police announced.

Before the killing, Walsh had “recently become very invested in the Lindsay Clancy murder trial,” prosecutors said in their petition to deny her pretrial release.
(Marlene Lenthang. Illinois mother charged with murder in death of her 2-year-old. NBC News. September 5, 2026.)


"invest"という動詞にそのような意味があるとは知りませんでした。辞書を引いてみますが、そのような意味合いを載せているものは見当たらず、唯一(と言って良いかどうか)Merriam-Webster Dictionaryの定義の中に、


to involve or engage especially emotionally


というものがあり、これが近いかと思われました。

"invest"という単語は接頭辞in-とvest(服を着せるという意味のラテン語)から成ります。(カタカナにもなっている、袖の無い上着のベストも同じ語源です。)

"vest"は動詞にもなっていますが、その意味は財産や権利などを授ける、付与する、といったものです。地位のある人の特別な装いは、権力や財力があることのメタファーともなったという訳です。"invest"の「投資する」という意味合いはこうした財力との意味合いに関連があります。

"invest"という単語にも、服を着せるという意味合いは残っており、(物の回りを)覆う、纏わせる、という意味を辞書に確認することができます。よって、ある対象に関心を抱く、そのことを考えるのに時間を費やす、というような意味合いも理解できるところです。("invest"の「投資」の対象はお金に限らず、時間や精力などもありますね。)


2026年9月7日月曜日

brunette

トランプ大統領の頭髪は何かと話題になるのですが、またまたSNSでバズっているようです。トレードマークとも言える金髪は実はカツラではないかという噂もありましたが、意外にもフサフサだというニュースは先月取り上げたところです。

今回はあの金髪から"brunette"に変わったと、たいそう騒がれています。


President Donald Trump appeared to debut a darker hair color Friday, sparking widespread speculation online after stepping off Air Force One in New Jersey ahead of a weekend at his Bedminster golf club.

Known for his signature blond hairstyle, Trump was photographed arriving at Morristown Municipal Airport with what appeared to be a noticeably darker, more brunette look —prompting a flood of reactions across social media.

"Trump becoming a brunette was definitely not on my 2026 bingo card," one user wrote on X.
(Sophia Compton. Trump appears to debut darker hair, sparking online buzz. Fox News. September 6, 2026.)


記事にありますように、"blonde"(金髪)から"brunette"へ変化ということなのですが、"brunette"英和辞書では褐色、焦茶色とあります。記事の写真を見ると、確かに金髪との違いは明らかなんですが、褐色、焦茶、と言われるとそれも微妙のような・・・。どちらかというと白髪の方が目立つように思いました。

"brunette"はブラウン(brown)を意味するゲルマン語系の語brunがフランス語経由で英語になったものだそうです。フランス語ではbrunetなんですが、その女性形が"brunette"です。よって、"a brunette"は女性を指すことになってしまうのですが、英語ではあまり区別していないようです。形容詞として使われるのはもっぱら"brunette"のようです。



2026年9月4日金曜日

cognitive war

アメリカ国内で過熱するデータセンター建設への反対運動、またFlock Camera(ナンバー自動読取機能のついたセキュリティカメラ)によるプライバシー侵害への抗議運動など、一連の動きは反トランプ政権の活動を主導する左派政治ネットワークが大きな影響を及ぼしている - Fox Newsによる独自取材による記事を引用します。


The same hard-left network behind "No Kings" and other protests is leading the battle against data centers and Flock surveillance cameras, according to a Fox News Digital investigation and a new report.

In growing protests from San Francisco to North Carolina, organizations and activists associated with the same ecosystem that rallied against President Donald Trump, Israel, Elon Musk, Tesla and Immigration and Customs Enforcement (ICE) over the last two years are now taking on data-center construction and license-plate readers.

(中略)

"These influence actions are cognitive warfare. Foreign actors don't need Americans to become pro-China," Rob Joyce, former director of cybersecurity at the National Security Agency, told Fox News Digital. "They need Americans to argue for the outcomes Beijing wants. And a free society that can't build the power and govern the advanced technology is going to wind up renting it from the adversary, read the PRC, that doesn't share its own values. And that scares me as an American."
(Arsa Q Nomani. FIRST ON FOX: ‘No Kings’ protest network behind fight against AI data centers and Flock cameras. Fox News. September 3, 2026.)


報告によれば、第二次トランプ政権がスタートした2025年以降、アメリカ国内を二分するような大規模な抗議デモや活動は、そのほとんどが左派政治ネットワークによる影響が見られるとのことです。そして、その背後にちらつくのは中国だというのです。

識者はこれを、


cognitive warfare


とコメントしています。「認知戦」と訳される術語で、戦わずして相手国家の基盤を弱体化させることなどを意味するものです。

現代では、敵対国への攻撃は武力によらず、インターネット、主にSNS上での情報流布により相手国民の認知に働き掛けることで、分断を生じさせたりするやり方が主流になっているというもので、これはアメリカに限らず、日本を含む世界各国で起きていることだとされます。

2026年9月3日木曜日

rah-rah

データセンター建設の是非を巡る論争が先鋭化し、関連記事を当ブログでも取り上げてきました。アメリカでは中間選挙を控えて政治問題化している状況にあり、データセンター建設に伴う環境や光熱費等への悪影響を不安視する有権者をどうなだめるかという政治家のスタンスが問われています。

トランプ大統領は先日、データセンター建設への反対運動は愚かで、時代に逆行する行為だと発言したようです。豊かになりたければデータセンター建設を受け入れるべきだというものです。一方、ヴァンス副大統領はデータセンター建設に対する住民の不安をある程度理解する姿勢を見せており、政権内でも微妙な立ち位置の違いが見られるということです。


President Donald Trump is doing plenty of things that must be making his party nervous ahead of the midterm elections. But high on that list is his rah-rah advocacy for much-derided AI data centers.

And his and Vice President JD Vance’s very different comments about the subject Monday underscored the GOP’s messaging problems.

While traveling to Michigan, where data centers are expected to figure significantly in races for Senate and other offices, Vance gave a very nuanced answer on the issue.
(Aaron Blake. I feel your pain vs. ‘let Data Reign’: How Trump and his VP are out of step on data centers. CNN. September 2, 2026.)


トランプ氏の姿勢、つまりデータセンターは豊かさをもたらすものだとする姿勢について、


rah-rah advocacy


と表現しているくだりがあります。ここで使われている"rah-rah"という表現は初めて見るものでした。

熱狂的な、というような意味合いの形容詞だそうです。

"rah"は"hurrah"が短縮されたもので、ご存じのように応援の掛け声で「フレー、フレー」という時のあれです。また、万歳(バンザイ!)という喝采でもあります。

記事での用例のように、形容詞的に用いられ、


rah-rah attitude
rah-rah statement
rah-rah speech


などといった言い回しが見られるほか、


is rah-rah about (something)
is rah-rah for (something)


のようなパターンでも使われます。

AIがもたらす恩恵は確かに大きなものがあるでしょう。それを支える大規模データセンターが悪いものであるはずは無い、「データセンター、バンザイ!」ということですかね。


2026年9月2日水曜日

blackball

小生はアメフトファンでもなく、競技やルールにも明るくありませんが、この選手の名前は覚えています。Collin Kaepernick、49erというチームの選手でした。

過去形なのは既に引退していて現役選手ではないからですが、ハッピーな形で引退したのではありませんでした。

10年前、ミネソタ州で警官が無辜の黒人を死なせる事件を起こし、人種差別に対する抗議が全米で起きました。いわゆる、Black Lives Matter運動です。

Kaepernick選手は試合開始前のセレモニーにおいて、国家演奏の際にグラウンドで片膝をつく抗議の姿勢を示しました。また、ナイキ広告での起用でもひと騒動がありました。当ブログで最初に関連記事を取り上げたのが2018年9月のことです。

10年を経て、Kaepernick選手のインタビューがあったようです。


The 38-year-old Kaepernick, who led the 49ers to a Super Bowl after the 2012 season, hasn’t played since the 2016 season finale, an exile that began not long after he started taking a knee during the national anthem to highlight social injustices.

“I’m not gonna support an organization that one, is actively blackballing me, but two, has targeted my brothers who have been protesting as part of this as well,” Kaepernick said.
(Colin Kaepernick says NFL is ‘actively blackballing me’ 10 years after kneeling controversy. New York Post. September 1, 2026.)


Kaepernickさんは好んでアメフトというスポーツから引退したのでは無いようです。抗議の意思を示した2016年の出来事により、NFLリーグから追われる形になってしまったようです。記事では、


actively blackballing me


とあります。

この"blackball(ing)"とは、組織などからシャットアウトすることを意味する表現だそうです。

黒いボール、ということですが、いにしえの時代に投票の際に用いられた反対票が黒色のボールであったことに因むとの解説が辞書に見られます。反対票を投じるという意味が、相手に対する敵対的姿勢、ボイコットという意味に発展したものと思われます。日本語でいうと村八分にする(ostracize)というのに近いでしょうか。

ちなみに、日本の国会における採決で用いられるのは、賛成票が白色の木札で、反対票は青色だそうです。画像検索すると、青色というよりもシアンのような感じです。しかし、反対票が青色というのは色のイメージからは少しフェイントのように思われます。黒色という方がまだしっくりくるのではと思いました。




2026年9月1日火曜日

all over the map

トランプ大統領はカナダとの国境に跨るオンタリオ湖をアメリカ湖に名称変更すると一方的に宣言し、大統領令に署名しました。

これを受けてグーグルマップはいち早く地図サービス上で名称変更を反映したと報じられています。

一方、他のネット上の地図情報サービスでは、Map Questは名称変更しないとのスタンスを明確にしているとのことです。そして、アップルの地図情報サービスですが、トランプ氏はアップルに名称変更を促しているとのことですが、現時点では対応について明確にしていない模様です。

それでは以下の記事引用をどうぞ。


Navigation platforms are all over the map so far on President Donald Trump's push to change the name of Lake Ontario to Lake America.

After Trump's Aug. 27 executive order renaming the body of water between the United States and Canada, some are eyeing platforms like Google Maps and Apple Maps to see how they plan to handle the change.

Trump's order instructs the Department of the Interior and the U.S. Board on Geographic Names to formalize the change to Lake America within 30 days. It comes amid an escalating trade war between the United States and Canada.
(Melina Khan. How maps are handling Lake Ontario to Lake America name change. USA TODAY. August 31, 2026.)


冒頭部分、


Navigation platforms are all over the map so far …


との表現があります。"all over the map"という表現は慣用表現で、混乱しているとか、まとまりが無い、一貫性を欠く、という意味合いで使われます。

世界地図など、大きな地図を拡げた時、広大な範囲のあちこちに散在しているイメージから来る表現と理解することができます。"all over the map"は多種多様であるというポジティブな意味合いで使われることもありますが、逆に言えば多種多様であるということはまとまりに欠けるとも言えるわけです。

地図に関する話題だけに"all over the map"という表現のチョイスはしゃれが効いています。