今日取り上げる1語、"raffle"は富くじという意味の名詞、また富くじで売るという意味の動詞です。
名画がオークションにかけられるというのはよく聞くニュースですが、富くじの抽選で当たった人に売られるというのは聞いたことがありません。
それもピカソのオリジナルで、値を付ければ数億円になろうかというものが、くじの当たった人にたったの117ドルで売られるというのですから、破格です。
A Pablo Picasso painting valued at $1.1 million will be handed over to a lucky raffle winner at an upcoming Alzheimer research charity fundraiser — and tickets will only cost around $117.
About 120,000 tickets to the event will be sold worldwide, and they must be bought through the Fondation Recherche Alzheimer, the French research foundation hosting the raffle April 14 at Christie’s in Paris.
(中略)
The artwork to be raffled is Picasso’s 1941 “Tête de Femme,” a gouache-on-paper portrait painted during a difficult time between the artist and his first wife, according to Artsy.
(Mikella Schuettler. This million-dollar Picasso could be yours for just $117. New York Post. December 14, 2025.)
この催しはフランスのアルツハイマー研究基金によるチャリティイベントということです。117ドルの参加費用を払えば誰でもくじに参加できるそうで、約12万枚のチケットが売りに出されるということですから、単純計算で1,400万ドル以上の収益があるということになります。
"raffle"という単語の語源はサイコロゲームを意味するフランス語から来ているそうです。研究社新英和大辞典によると、「ラッフル」というゲームでは、サイコロを3個転がして、全部同じ目になるか、2つ同じ目で一番数が多いプレーヤーが勝つゲームだそうです。
このゲームから由来したと思われる「富くじ販売法」と呼ばれるものは、参加者から一定の参加費用を徴収した上で、抽選に当たった人に品物を渡すという方式を指す用語だそうです。記事で取り上げられているのと同じ話です。
語源的には異説もあるようですが、レーキ(火かき棒)を意味するゲルマン語系の語raffelに由来するとの説もあるそうです。参加者が出資した分をかき集めるというニュアンスに繋がるようです。