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2012年11月21日水曜日

sans

公共の場での裸を見せることを禁じる条例がサンフランシスコで可決されたというニュースです。違反すると100ドルの罰金が課せられ、悪質とされた場合には禁固刑になるという厳しい内容です。


The San Francisco Board of Supervisors voted 6 to 5 on Tuesday to approve a ban on public nudity. The vote means that there will be no more lounging nude in the city’s plazas, parading up and down city streets sans pants or riding subways and buses bare-bottomed.
(Malia Wollan. San Francisco Officials Approve a Ban on Public Nudity. The New York Times. November 20, 2012.)


文化の違いでしょうか、公共の場でのヌードと言われてもピンときません。今回の件は、サンフランシスコでもカストロ地区(Castro district)と呼ばれる特別な一帯、つまり“その手の人達”が集まってくる場所が取り沙汰されているようですが、Naturist(記事では、naturalistとありますが)と呼ばれる人たちの信条にとっては重要な問題のようで、反発必至というところです。

さて個人的には、ヌードの問題よりも言葉に関心がありますので今日の単語に入りたいと思います。

今日の単語は、"sans"です。

上記の引用で、


parading up and down city streets sans pants


の"sans"は、フランス語を勉強したことのある方なら当然ご存知の、“~なしに”(without)という意味の前置詞です。

私も大学で第二外国語がフランス語でしたので(多くの単語や文法は忘れてしまいましたが)この"sans"という単語くらいは覚えています。が、英単語として使われているのを目にしたのは初めてです。

英単語としての用法は現代フランス語から借用されたものと勝手に思っていましたが、いくつかの辞書を引いてみると実は1300年代、中期英語から使われている単語であることを知りました。

尤も中期英語のそれも、元は古期フランス語から来たものであり、さらに遡るとラテン語の"sine"にたどりつくようです。

現代フランス語での発音は末尾のsを発音しませんが、英単語としては末尾のsも発音(清音のsではなく、濁音のzになります)します。


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