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2015年3月31日火曜日

こんな意味もあったの? ― rest

こんな意味もあったの?のコーナーです。

今日はボストンマラソンでの爆弾テロ事件の裁判に関するニュースから引用します。


Prosecution rests in Boston Marathon bombing trial. What's ahead for defense?

Boston — The prosecution finished its case against accused Boston Marathon bomber Dzhokhar Tsarnaev the same way it began nearly two months ago – painting a picture of the devastation and heartache caused by the bombings.

After having spent the past weeks meticulously exploring police investigations into the attacks, the prosecution circled back Monday with graphic witness testimony about the day of the attacks. The prosecution opened the trial with a similar collection of witnesses whose testimony the defense had earlier tried, unsuccessfully, to limit.
(Henry Gass. Prosecution rests in Boston Marathon bombing trial. What's ahead for defense? Christian Science Monitor. March 30, 2015.)


"rest"という単語は基本中の基本ではありますが、引用記事のタイトルでは法律用語として使われています。

辞書を引けば載っていますが、"rest"には訴訟での弁論を終える、という意味があります。知りませんでしたねぇ。

記事は、爆破テロ事件の裁判で、主犯であるDzhokor Tsarnaev容疑者に対する検察側の主張が終わり、これから弁護側の主張がスタートするという局面にあることを伝えているものです。


2015年3月30日月曜日

strand

スペイン・バルセロナからドイツ・デュッセルドルフへ向かっていたジャーマンウイングス機が墜落し、150名の乗員乗客が全員死亡とされる大惨事では、副操縦士が故意に墜落させたとの見方が強まっており、日々報道されています。

今日見た報道では、犠牲者のうち78名のDNAが確認されたと報道されていました。記事からの引用です。


Investigators sifting through the wreckage of the Germanwings crash that killed all 150 people aboard say they have identified 78 different strands of DNA.

The Düsseldorf-bound jet crashed into the French Alps less than an hour after departing Barcelona on March 24. French and German investigators say co-pilot Andreas Lubitz, 27, deliberately crashed it.
(Jane Onyanga-Omara. Alps crash investigators identify 78 DNA strands. USA Today. March 30, 2015.)


記事を最初に読んだときに、


78 different strands of DNA


というところが引っかかりました。文脈から、犠牲者のうち78名のDNA、を指しているということは明らかですが、"strand"をこのように助数詞として用いているのを見るのは初めてのように思ったからです。

"strand"を改めて辞書で引いてみると、DNAに関連したところでは“DNA鎖”のことを指すということになっています。

生物の授業の復習みたいですが、DNAはいわゆる二重らせん構造であり、"strand"はそのうちの1つを指すことになります。つまり、一人あたり2本の"strands"となる訳ですので、屁理屈をこねると、78 strandsは39人分、ということになります。

記事において、敢えて"78 different strands"というように、"different"としているのは39人分ではない、ということを強調するためでしょうか。

ちなみに、Guardian紙では、


Forensic teams have identified 78 distinct DNA strands from body parts spread across the remote mountainside in the French Alps where Germanwings flight 4U9525 crashed, killing all 150 people on board.
(Germanwings crash: forensic teams identify 78 DNA strands from remains. The Guardian. March 30, 2015.)


となっており、やはり"distinct"という但し書き!?があります。


2015年3月27日金曜日

a wild goose chase

"a wild goose chase"という表現をご存知でしょうか?

辞書を引けばわかることですが、


見込みのない(当てのない)試み
雲をつかむような話
途方もない計画


といった意味で用いられる成句です。


The reported kidnapping of a Vallejo, California, woman for ransom this week was nothing but a hoax, police said.

Vallejo police Lt. Kenny Park went as far as to call it a "wild goose chase" that wasted department resources.
(Ed Payne. California woman's alleged kidnapping a hoax, police call it 'wild goose chase.' CNN. March 26, 2015.)


これはCNNの記事からの引用ですが、誘拐事件が実は狂言(やらせ)だったということで、警察当局にしてみると"wild goose chase"となるわけです。

ところで、何故"wild goose chase"と言うのでしょうか?

一説によると、シェークスピアがロメオとジュリエットで使ったのが書いたものとして確認できる最初のものであると言われています。しかしながら、意味というものは時を経て変化するもので、現代のような意味(つまり、果てのない試み)が使われるようになったのはもっと後のことのようです。

鳥のガン(wild goose)が空高く群れを成して飛ぶ様をよく見かけますが、あのガンの群れを追うようなこと(つまり、とても捕獲できそうにない試み)を意味するようになったのは19世紀になってからだということです。(The Phrase Finderのサイトを参考ください。)

要は、骨折り損のくたびれ儲け、といったところでしょうか。


2015年3月26日木曜日

Gotham

とりあえず引用から入ります。


The Big Apple tops TripAdvisor’s list of best places to visit in the US.

New York City retained its coveted No. 1 spot domestically for the second straight year, in TripAdvisor’s Top 10 Travelers’ Choice Destinations 2015 report released Monday.

Gotham topped Chicago — with the Windy City coming in second for the second straight year. Charleston, SC, jumped up 10 spots and came in third. Las Vegas maintained its fourth spot.
(Yaron Steinbuch. NYC sits atop TripAdvisor’s best places in US. New York Post. March 24, 2015.)


これを読んで1回で理解できる方はニューヨーク、いやアメリカの都市についてよくご存知の方ではないかと思います。といいますか、私は最初読んだ時点で混乱してしまい、数度読み直しました。

"Big Apple"は以前取り上げたことがあるので覚えていました。"Big Apple"はNew York Cityの愛称です。記事はいわゆるアメリカの人気都市ランキングみたいな話ですが、ニューヨークが堂々の1位だったというのがタイトルからも分かります。

3つ目の段落が混乱したのです。

"Gotham"はこれもまたNew York Cityの別称です。シカゴがN.Y.に続いて2位、ということですが、"the Windy City"はこれもまた、シカゴの俗称なのでした。

ところで、なにゆえ"Gotham"と呼ぶようになったのでしょうか?

NYCがGothamと呼ばれるようになったのは、Washington Irvingが作中で使ったことに由来するとされています。Gothamとは愚鈍なる者が住む地だったということです。つまり、ニューヨークは間抜けが住む街!?ということでしょうか。

Gothamという地名はイギリス中部に実在するそうですが、Irvingが実在する地名を意図して用いたのか、はたまたたまたま使っただけなのかはよくわかっていないそうです。


2015年3月25日水曜日

rope in

インターネット検索大手のグーグルが新しいCFO(最高財務責任者)をウォールストリートから抜擢したというニュースが話題です。

当ブログでも先日、同社のCFOが退任したことを取り上げました。


Google has roped in Morgan Stanley Chief Financial Officer Ruth Porat to head the the finance operations of world's largest search engine company.

Porat will start at Google as CFO on May 26, reporting to Google CEO and Co-Founder, Larry Page, it said in a statement.
(Google ropes in Morgan Stanley CFO Ruth Porat. Business Standard. March 25, 2015.)


"rope in"という表現は初めて見るような気がしました。辞書を引くと、


(特に欺いて)おびき寄せる、誘い込む、巻き込む


となどとあります。

モルガン・スタンレー出身の女性を財務のトップに据えるという決断をしたグーグルに何かの思惑がある、といわんばかりですが、他の記事を読んでも真意はよくわからないところです。

"rope in"をMerriam-Websterのオンライン辞書でチェックすると、


to use clever or tricky methods to get (someone) to do something


とありました。縄を輪にして獲物を捕えるということから来ているようです。


2015年3月24日火曜日

Kondo-ing

英語のニュース記事を読む場合、タイトル、あるいは見出し、リード部分で大体どんな記事か(何に関する記事か)が分かりますが、時にまったく分からないことがあります。

ひとつには私自身の英語力が十分でないということは言うまでもありませんが、英語のボキャブラリーや文法の知識というよりも、話題になっていること(トレンド)に通じているかどうかということがポイントだったりします。

今日取り上げる、


Kondo-ing


はこの動詞の元になっている近藤さんを知らないとちょっと分からないでしょう。


How ‘Kondo-ing’ my closet brought joy to my life

If tidying up were an Olympic sport, Marie Kondo would be a gold medalist. The organization expert is so famous that she’s often stopped on the street in her native Japan, where a TV movie has been made about her and there’s a three-month wait list for her services.

For Kondo, cleaning out your closet isn’t to be approached casually.
(Mackenzie Dawson. How ‘Kondo-ing’ my closet brought joy to my life. New York Post. March 23, 2015.)


読めば分かるとおり、"Kondo-ing"は"Marie Kondo"さんから来ています。近藤麻理枝さんをご存知でしょうか?

本文と記事の写真を見て、あっと思ったのですが、テレビを見ない私も新聞の広告などでこの人を見た覚えがありました。たしか「片付けコンサルタント」だとか。

"Kondo-ing"とは、近藤麻理枝さんが推奨する方法論で片付けを行うことを指していると理解できます。

実に、人の名前が動詞として使われるようになったわけですが、同記事中にも下記のように使われています。


Kondo calls her process the KonMari Method, and her fans use her last name as a verb, as in, “I Kondo’d my refrigerator last night.”
(ibid.)


New York Post紙だけではありません。Haffington Postでも確認できます。


In her bestselling book, The Life-Changing Magic of Tidying Up, Marie Kondo offers insight into the Japanese art of tidying, or releasing ourselves from the clutter that threatens chaos. The how-to book has gained traction globally by helping people reform their own spaces -- physically and mentally. Scores of fans have posted photos of their reorganized drawers on social media and have even turned the author's name into a verb -- "Kondoed" -- to express the act of purging unnecessary belongings, the Wall Street Journal reported.
(Lindsay Holmes. The Psychological Benefits Of 'Kondoing' Your House. Huffington Post. March 12, 2015.)



2015年3月23日月曜日

peanuts

そうです、ピーナッツなんです。私にはピーナッツには見えませんが・・・。


Hate buying some new gadget, only to wind up with a sea of packing peanuts that do little more than spill on to the floor? Don't be too quick to toss them out -- they may be the key to a new generation of lithium-ion batteries. Purdue University researchers have developed a heating process that converts these shipping leftovers into anodes (where lithium ions are stored during charging) made from carbon. On top of eliminating waste, this technique should lead to batteries that recharge much faster. The carbon anodes are only a tenth as thick as their commercially available counterparts, so they don't produce nearly as much electrical resistance.
(Jon Fingas. Packing peanuts are the key to fast-charging batteries. Engadget. March 23, 2015.)


少し唐突でしたが、あれのことを"packing peanuts"というとは知りませんでした。

上記の引用は記事の出だしの部分なのですが、読み始めて"packing peanuts"がいったい何のことやら分からず、数度読み直して、また記事の写真を見て初めて、ああそういうことか、と分かった次第です。

"packing peanuts"とは、壊れ物を梱包するときにクッションに用いる緩衝材のことです。緩衝材と言うと、プチプチ(気泡緩衝材)がまず思い浮かびますが、"packing peanuts"は発砲スチロールを細かい小片状にしたよう緩衝材で、ピーナッツ豆のような形状からそのように呼ばれるということです。(千葉県民の落花生好きの私にはピーナッツよりもかなり大きいように見えますが・・・。)

ちなみに、"packing noodles"、"styrofoam popcorn"などと呼ばれることもあるそうです。

さて、この"peanuts"は輸送での役目を終えてしまえばゴミになってしまう訳ですが(プチプチにはお楽しみがありますけれども)、これがリチウムイオン充電池の材料になりうるということでにわかに注目を集めているようです。

"packing peanuts"は軽くて便利な緩衝材である一方、その処分は厄介で環境に及ぼす影響も懸念があるためにリサイクルが課題とされていましたが、これを微粉砕してバッテリーの材料にするという新しい活用法が確立すれば画期的なものになるそうです。


2015年3月20日金曜日

questionably

昼休みにニュース記事を読んでいたら最近はやりのウェアラブル端末と健康についての記事が目に留まりました。

アップルウォッチの発売が発表されたこともあって、連日ウェアラブル端末に関するニュースが目立つようになりました。例によって私はウェアラブル端末とは無縁ですが、ランニングをするので関心がないわけではありません。

しかしながら、過去に携帯電話と健康のコーナーでもいくつか取り上げたように、電磁波を発する端末が体に何らかの影響を及ぼすものであることは以前から指摘されており、今後懸念が高まってくることも考えられます。


We have extensively alleged that mobile phones, which emit low levels of radiation, which if held too close to the human body for extensive periods, may possibly result to disturbed blood rhythms, cancer, brain tumors, and other physical condition dilemma. However, here we are in the year 2015, with businesses like Samsung and Apple persuading us to purchase their gadgets that we are supposed to attach to our bodies all throughout the day.

Although there is no authoritative investigation on the physical condition effects of wearable gadgets (the Apple watch is not even on store shelves yet), we can assume a bit from the present research on cellphone radiation.

The most authoritative and questionably fair outcome in this area come from a board within the World Health Organization (WHO), the International Agency for Research on Cancer (IARC), that consisted of 31 scientists from 14 nation states.

In 2011, the board concluded that cell phones were “possibly carcinogenic” and that the gadgets could be as dangerous as certain dry-cleaning substances and insect repellents after scrutinizing dozens of peer-reviewed studies on cell phone safety. Note that the board defended its conclusions with the remark “possibly”.
(Wearable Gadgets: The Lesser you use them and Farther they are From Your Body the Less Harmful they are to you, Study. Empire State Tribune. March 19, 2015.)


さて、少し引用が長くなってしまいましたが、中ほどに出てくる、


questionably fair (outcome)


という表現が気になりましたので取り上げます。

文脈からすると、いわゆるウェアラブル端末(Gadget)が健康被害を及ぼすことが懸念されるけれども、正統な研究調査(authoritative investigation)というのはまだないのでそこのところは実のところよく分からない、というのが前段までの論旨となっています。

そこに続けて、


The most authoritative and questionably fair outcome in this area...


と来るわけです。この"questionably fair"を見て、私は、一体“それ”(これから言及しようとしている研究調査の結果=outcome)は"questionable"(いかがわしい)なのか、それとも"fair"(もっともなこと)なのか、と疑問が出てきました。

一体、"questionably"とはどういう意味なのでしょうか?

形容詞である、"questionable"はよく見かけますが、"questionably"は副詞であり、ここでは"fair"を修飾する関係になっています。

"fair"を否定すると考えるならば、“それ”(結果)はもっともらしいとは思われない、つまり“いかがわしい”ということになりますが、それならばなぜ単に"questionable"としないのかという疑問が出てきます。また、前半の"most authoritative"とも矛盾するような感じがしてしっくりきません。

ひょっとして誤用でしょうか?


2015年3月19日木曜日

睡眠はよい性生活の基本 ― sack

のっけから家族計画のようなタイトルで大変申し訳ありません。

よい性生活の基本には十分な睡眠が必要である、という研究レポートがあるそうです。


For a better time in the sack, hit the sack. That's the implication of a new study which found young women were more likely to desire sex – and have it – if they slept longer the previous night.

Women who got an extra hour of sleep were 14 per cent more likely to have sex with their partner the next day, according to findings published in the peer-reviewed Journal of Sexual Medicine on Monday.

And women who usually slept for longer reported better genital arousal than those whose average nightly shut-eye was shorter, the study reported.

This did not necessarily mean "the more sleep the better", lead author David Kalmbach said. Rather, maintaining a healthy amount of nightly rest was important to sexual health.
(Michael Koziol. Sleep the secret to sexual success: study. The Sydney Morning Herald. March 19, 2015.)


不埒な解釈かもしれませんが、女性は睡眠が十分か否かによって性欲が違ってくる、と読めます。つまり、あなたのパートナーをよく寝かせてあげることが大切です。

さて、"sack"とは袋のことです。寝袋もサックです。従って、ここから“睡眠”という意味で用いられるようになりました。

"hit the sack"とは寝るという意味です。"in the sack"も、寝ている、という意味です。

しかしながら、“寝る”という表現はコンテクストによっては性交をほのめかすものがあり、上記の引用でも、


For a better time in the sack, hit the sack.


とある部分の"sack"は、記事の趣旨からすれば、前半の"sack"と後半の"sack"は異なる意味合いで用いられています。

以前取り上げた、"hit the hay"という表現も同様でしょう。


2015年3月18日水曜日

ダイエット飲料は本当に効果があるのか ― soda-yes

私自身以前から疑問に思っていたのですが、ダイエットコークなどのいわゆるダイエット飲料というものは、それを飲む人のダイエットに本当に効果があるのでしょうか?

今日たまたま見つけた記事では、ダイエット~と謳っていても、炭酸飲料はやはり太る原因である、という研究結果があるそうです。


If you want to lose or maintain your weight, scrap all forms of soda-yes, including diet drinks.

Many people are now shifting from regular to diet beverages, believing that they are drinking fewer calories. However, a new study by University of Texas Health Science Center says otherwise: you can gain 3 times as much as a non-drinker in your waist.
(Diet Soda Can Really Make You Fat. Youth Health Magazine. March 18, 2015.)


さて、引用した記事に、


soda-yes


という表現が出てきますが、これに着目してみたいと思います。

文脈からして、"soda-yes"とは、"soda"と"yes"が結合していると考えるならば、炭酸飲料を肯定的に捉えること、というような意味だと推測できます。体型をキープしたかったら、炭酸飲料崇拝(!?)、あるいは炭酸飲料嗜好、は捨てることだね、ということだと思います。

"yes"は肯定を意味する表現ですが、"-yes"という表現パターン、つまり嗜好をあらわす単語に"-yes"が結合するパターンが一般的に存在するのでしょうか?例えば、


alcohol-yes
cigarette-yes
chocolate-yes


といった表現が可能なのでしょうか?

いろいろな辞書やコーパスなどを当たりましたが、辞書にそのような説明はなく、また似たような用例を見つけることができませんでした。

ご存知の方がおられましたら教えてください。


2015年3月17日火曜日

decimate

オーストラリアの北東に位置する島国バヌアツを襲ったサイクロンは同地域に壊滅的な被害をもたらしました。

バヌアツがどこにあるのか知らなかった人も多いかも知れませんが、被害の甚大さに世界各国から注目が集まっています。


Vanuatu's outer islands 'decimated': aid agencies

A team of aid groups say there is widespread destruction on one of Vanuatu's main outer islands, Tanna which is 200 kilometres south of the capital Port Vila.

The team was among the first to make an initial assessment of damage outside the main island of Efate, caused by Cyclone Pam over the weekend.

Reports from aid groups said the main town on the island of Erromango, north of Tanna, had suffered similar destruction.

The Australian Red Cross said it had reports of "total devastation" on the island with a population of 29,000, with most homes destroyed.

(中略)

"The reports from the team that went down yesterday was that it [Tanna] really has been decimated."
(Cyclone Pam: Australia sends more personnel to Vanuatu to help with disaster relief, damage assessment. ABC. March 16, 2015.)


さて、今日は"decimate"という単語を取り上げます。

単語のスペルを見て、数字の10が思い浮かんだあなたは英語のセンスがあります(笑)

"decimate"の"deci-"は数字の10を意味するラテン語のdecemに由来しています。

"decimate"とは元々、古代ローマにおいて、10人から1人を選んで処刑するというような意味でした。つまり、10分の1の話をしていたのですが、その後語義が変容し、10分の1どころか、大多数を撲滅する、という意味に変わったのだそうです。


2015年3月16日月曜日

みんなアイスクリームが好き ― I scream...

アイスクリームが嫌い、とはっきりと言うような人を寡聞にして知りません。私も大好きです。

ところで、英語でアイスクリームのことを言うのに、語呂合わせで、"I scream"と書いたりします。例えば、以下のような感じです。


I scream, you scream ...

Customers can get a free, soft serve 5-ounce vanilla cone at participating Dairy Queens and DQ Grill & Chills on Monday.
(Free cones at Dairy Queen on Monday. WTSP. March 15, 2015.)


"I scream"だから、次に来るのが、"you scream"になっています。この表現、単なるダジャレにも見えますが、辞書にもちゃんと載っていたりするので、ある意味定着したフレーズなのです。

ランダムハウス英和では、アイスクリームを意味する米俗語表現として、


I scream, you scream, we all scream for ice cream.


と載っています。

ところで、このフレーズの由来が気になったのでネットでいろいろ検索してみたところ、1920年代の歌の歌詞に由来するそうです。(Wikipediaより)

ちなみに、言語学ではこのような語呂合わせの表現を、oronymと分類するそうです。

"oronym"という言葉は聞いたことがありません。辞書を引いても載っていないのですが、"oronym"を日本語では“ぎなた読み”と言うのが大方の見方らしく、グーグルで検索すると、"I scream..."のフレーズが事例として決まって出てきます。

要は、耳に入ってくる連続する音をフレーズとしてどこで切るかによって解釈が違ってくるというもので、“アイス、クリーム”(ice cream)なのか、“アイ、スクリーム”(I scream)なのか、ということなんですね。


2015年3月13日金曜日

squat

"squat"はカタカナにもなっていて、スクワット、つまりしゃがんだ姿勢ですが、意外な意味もあることを知りました。

では、記事の引用です。


Cops hunt for ‘Bowel Movement Bandit’ who poops on cars

Cut the crap!

That’s what cops in Akron, Ohio, want a serial pooper to do after defecating on — and in — at least 19 parked cars in the last three years.

Police didn’t know squat about the suspect — but now hope to identify the dung-slinger after a resident on Tuesday snapped a photo of him baring his butt over the hood of a red car, Cleveland.com reported.

Akron police say that this man has defecated on 19 parked cars since 2012.

The so-called “Bowel Movement Bandit” also has left his mark by smearing feces on door handles and, when doors were unlocked, on car seats, police Lt. Rick Edwards said.
(Yaron Steinbuch. Cops hunt for ‘Bowel Movement Bandit’ who poops on cars. New York Post. March 12, 2015.)


駐車している車のボンネットやドアなどに大便をする変態男!?が出没、というニュースです。いやはや、変な人間はどこにでもいるものです。暖かくなってきたからでしょうか。

この男の正体、警察もつかみあぐねているそうですが、


Police didn't know squat about the suspect


とある部分の、"squat"はスクワットのことではありません。

Doodly-squat(もしくは、didlly-squat)という単語もあるそうですが、これらは、


the least amount; anything at all
(Merriam-Webster Dictionary)


という意味なのです。

なぜ"squat"がこのような意味になったかについては、やはり“ウンx”と関連あるようです。

つまり、スクワットの姿勢を別名“ウンコ座り”というのと同じです。


2015年3月12日木曜日

不幸中の幸い ― count one's lucky stars

先週、駐韓アメリカ大使が暴漢に襲われるという事件がありました。右頬をナイフで切りつけられ流血した痛ましい写真が世界を駆け巡りました。

幸いにして命に別状はなく、5日後に大使は無事退院したということですが、重傷を負ったことには違いなく、ニュース記事の写真では頬の手術跡がはっきり分かります。

その後の大使を伝える記事から引用します。


Ambassador Mark Lippert said Wednesday he's "counting his lucky stars" that a scary knife attack in South Korea last week didn't inflict even more damage.

Lippert had a long cut visible on his right cheek as he gave his first sit-down interview since a crazed assailant slashed him in Seoul on Thursday.

"I feel pretty darned good," Lippert told NBC's "Today" show. "I feel incredibly lucky. I feel really blessed. I'm counting my lucky stars. I do feel like someone was watching over me."
(David K. Li. Ambassador 'counting his lucky stars' after knife attack. New York Post. March 11,2015.)


大怪我を負ったにも関わらず大使はよほど気丈な人と見えます。退院後の大使のコメントは、


I'm counting my lucky stars.


この表現は初めて見るものでしたが、恐らく“幸運に感謝している”というくらいの意味になるのでしょう。辞書を当たりましたが載っていませんでした。

実際、ナイフの傷は頚動脈を数センチ外し、また顔面神経から逸れていた、ということらしく、大事に至らなかったのは不幸中の幸いだったのかも知れません。


2015年3月11日水曜日

今を楽しむ ― carpe diem

グーグルのCFO(最高財務責任者)が退任したというニュースが目に留まりました。

グーグルの業績は低迷していたっけ?と思いました。何か他の不祥事でクビになったのか?そう思った人も多いかも知れません。

いえいえ、いずれでもありません。退任の理由は、家族と過ごす時間を持つため、ということだそうです。ちなみに、CFOはまだ52歳です。


His goodbye post started off like so many other trite corporate farewells. Google Chief Financial Officer Patrick Pichette, after seven years spent deep in the Internet giant's financial books, announced on Tuesday he’ll be retiring from the job "to spend more time with my family."

But then it took a sincere turn seldom seen in the world of executive-departure spin. It appears he really is retiring to spend more time with his family.
('Carpe diem': Google CFO’s farewell will make you want to retire earlier. Market Watch. March 10, 2015.)


さて、この記事のタイトルに注目します。


'Carpe diem': Google CFO’s farewell will make you want to retire earlier


"Carpe diem"というのはラテン語です。英訳すると、


Catch the day.(あるいは、Seize the day.)


となりますが、 「この日をとらえよ」とは、未来の繁栄を求めるのではなく、今現在を楽しもう、というような意味で使われるフレーズです。

なるほど、その意味するところは分かりますが、サラリーマンたるもの、このCFOのように家族と過ごす時間を求めて仕事を辞めたら食い扶持がなくなってしまいます・・・。


2015年3月10日火曜日

special snowflake

先日もナルシズムに関する記事を取り上げましたが、今日もたまたま同じ話題の記事に目が留まりました。

子供がナルシズム傾向になるのは親の影響が大である、ということです。褒めて育てる、とはよく言われることですが、褒めすぎると自己愛の傾向が強まる、という統計があるのだとか。


Make your kid believe he's a "special snowflake" and you risk turning him into a narcissistic jerk, according to a new Dutch study.

Narcissistic individuals think they're better than everyone else, live for personal success and expect exceptional treatment, explained the authors of the study that appeared in the latest issue of the journal Proceedings of the National Academy of Sciences. When narcissists experience failure, they’re not pleasant to be around, sometimes even lashing out violently, the study notes.
(Liz Neporent. Too Much Praise Can Turn Your Kids Into Narcissistic Jerks, Study Finds. ABC News. March 9, 2015.)


引用した記事の冒頭に、


special snowflake


という見慣れない表現が使われています。文脈から何となく意味の想像はつきますが、"snowflake"で辞書を引いてもそれらしき意味は載っていません。

"special snowflake syndrome"という用語もあります。自分を特別な存在である、と思い込む傾向の強い人のことを、"special snowflake syndrome"にある人と定義づけています。


Generation Y are not bad people. For the most part, we’re educated, open-minded, accepting of others, and confident. But unfortunately, many of us are affected by a condition known as “Special Snowflake Syndrome”.

Special Snowflake Syndrome: The belief that one is a proverbial “unique and special snowflake”. Symptoms include inflated self-importance and an unfailing sense of entitlement. Those with exposure to excessive coddling in childhood are at especially high risk.

Gen Y is one of the first generations who grew up in a world where “everyone wins”, and as such, we often feel we are heroes who “deserve” everything in the world. We deserve a car when we turn 16, we deserve the new iPhone the day it comes out, we deserve to be “internet famous”, and we deserve near-perfect people to establish friendships and relationships with
(Leah Bentley. Overcoming “Special Snowflake Syndrome” as a Millennial. Medium.com. March 10, 2014.)


上記の引用による解説は大変分かりやすいと思いますが、日本で言えば少し前のゆとり教育や、今も教育現場で踏襲されているような、“みんな同じ、平等”のコンセプトがこのような"special snowflake syndrome"を拡大してきたとも読めます。

明確な勝ち負けがなかったり、不平等感を感じさせない過剰な取扱いがその傾向を助長しているとも言えるでしょう。

"special snowflake"は辞書のエントリにありませんので語源など不明ですが、本当はどれも同じような雪の結晶なのに自分だけは違う(specialである)と勘違いする、というところに由来するのだろうと想像します。


2015年3月9日月曜日

不明マレーシア航空機捜索、1から出直しか ― back to the drawing board

マレーシア航空機MH370便が消息を絶ったのはもう1年も前の2014年3月8日でした。(もう1年も経ったのかとの思いを禁じえません。)

同機の消息は依然として掴めておらず、オーストラリア大陸西部のインド洋上ではないかということで集中的な捜索が行われていましたが、結局何も見つからず仕舞いです。

不明から1年が経ち、捜索の計画が振り出しに戻る可能性が出てきました。


BEIJING - The three nations leading the search for Malaysia Airlines Flight MH370 will have to "go back to the drawing board," review all data and devise new plans if the plane hasn't been located by the end of May, Malaysia's transport minister said Saturday.
(Calum MacLeod. Countries back at square one if MH370 not found by May. USA Today. March 8, 2015.)


振り出しに戻る、ということを、


go back to the drawing board


と表現しています。

この表現は成句で、Collins Cobuild Dictionary of Idiomsによりますと、下記のような定義がされています。


If you say that you will have to go back to the drawing board, you mean that something which you have done has not been successful and you will have to start again or try another idea.


"drawing board"とは製図版のことですが、計画段階に立ち戻ってやり直す必要があるということで字句通りの意味ではあります。


2015年3月6日金曜日

自己愛には男女差あり ― narcissistic

ナルシズム(自己愛)には男女により差がある、という研究報告が話題です。


BUFFALO, N.Y. – With three decades of data from more than 475,000 participants, a new study on narcissism from the University at Buffalo School of Management reveals that men, on average, are more narcissistic than women.

Forthcoming in the journal Psychological Bulletin, the study compiled 31 years of narcissism research and found that men consistently scored higher in narcissism across multiple generations and regardless of age.
(Matthew Biddle. Study: Men tend to be more narcissistic than women. UB News Center. March 4, 2015.)


年齢に関わらず、男性の方が女性よりも自己愛傾向が強いそうです。

記事によると、この報告書の研究では数百の文献を調査する過程で、ナルシズムの傾向をリーダーシップ、自己顕示、特権意識、といった側面で評価したところ、最も男女差が見られたのが特権意識だったということです。(この特権意識というのは私が勝手に訳したものですが、英語では"entitlement"となっていますが、他人に先駆けて自分に権利があると考えるような傾向のことを指すようです。)

さて、今日の単語は、"narcissistic"です。ご存知の方も多いと思いますが、ギリシャ神話に出てくるナルキッソス(Narcissus)に由来する表現です。

ナルキッソスは湖面に映った自分の姿に見惚れてそのまま動くことができず、果てにスイセンになってしまいました。Narcissusはスイセン(属)の学名でもあります。

ちなみに、ナルキッソスは男性でした。自己愛傾向が女性よりも男性で強いというのは神話を踏襲しているのでしょうか。


2015年3月5日木曜日

Foggy Bottom

アメリカの次期大統領候補の中でも最有力と目されるヒラリー・クリントン氏がスキャンダルに揺れています。国務長官(Secretary of State)時代に、プライベートのメールアドレスを使って仕事をしていたということが表沙汰となり、糾弾されているようです。

サイバー犯罪やテロリズムが現実の脅威となった今日において、情報セキュリティが益々重要視されていることは言うまでもありませんが、しがないヒラ社員の私でも仕事をするのにプライベートのPCやメールアドレスを使ってはならないと厳しく言われております。国務長官たるもの、何をかいわんや、でしょう。

さて、クリントン氏の勤務先である、国務省(Department of State)には、


Foggy Bottom


という別称があるそうです。


While heading up Foggy Bottom, the potential presidential hopeful exclusively used an email server registered to her home in Chappaqua, New York, according to the Associated Press and New York Times.
(John Patrick Pullen. How to Email Like Hillary Clinton. Time. March 4, 2015.)


"Foggy Bottom"は辞書にも載っており、ワシントンD.C.のポトマック川沿いのエリア一帯を指しているとあります。このエリアは低地になっており、濃い霧が発生することからそう呼ばれるようになったそうです。

ちなみに、以前"Number 10"という表現を取り上げたことがありますが、これと同じく、メトニミーと呼ばれる表現に相当すると考えられます。


2015年3月4日水曜日

NSFW

当ブログで取り上げる“ネタ”は昼休みにオフィスでニュース記事を中心に漁って見つけることが多いのですが、昼休みとは言え内容によっては見ることが憚られるものがあります。

例によって今日もそのような記事が目に留まりました。“イチモツ”の平均的なサイズはどれくらいか、初めての報告が出たというものです。


Average Penis Size Study Shows 'Normal' Isn't Necessarily What You Thought
(The Huffington Post. March 3, 2015.)


念の為に言っておきますと、上記記事はGoogle Newsの"Health"(健康関連)のセクションで取り上げられていたもので、報告の内容もきわめてサイエンティフィックなものです。

しかしながら、タイトルを始めとして記事中の画像などはきわどいものもあり、さすがに背後を気にしてしまいます。

同記事中に、興味を引かれるタイトルの画像ギャラリーがあるのですが、警告文として、


Warning: While scientific, the following images may be considered NSFW and offensive to some. Please use your judgement.


とありました。

この"NSFW"とは一体何でしょうか?東西南北 ― 方位を表したものではありません!!(方位に"F"はありませんから・・・。)

手持ちの辞書には載っていませんでしたが、これは、


Not Suitable For Work


を略したもので、“職場に相応しくない”という意味です。まさに、何をかいわんや!というところです。


職場閲覧注意
職場危険
職場閲覧不適切


などとも訳されているようです。

ちなみに、当方が利用しているGoogleのBloggerサービスで、性的な内容のコンテンツを投稿することが最近禁じられるようになりました。


The search giant said that it will instead "step up" its enforcement of an existing policy that prohibits commercial pornography. Users of the service need to mark any blog containing NSFW material as “adult,” which hides the content behind a warning page.
(Thomas Halleck. NSFW: Google Cancels Ban On Blogger Porn After Receiving 'A Ton' Of Angry Feedback. International Business Times. February 27, 2015.)


この投稿ではNSFWという用語を取り上げています。Googleの新しいポリシーに抵触するとは考えていませんが、もしかしたら警告を受けるかも!?


2015年3月3日火曜日

privacy glasses

つい先日、顔認証の技術についての新聞記事を読みました。この分野の技術は飛躍的に向上しており、イベントの入場ゲートなどでは顔認証システムを本人確認に利用しているところもあるそうです。また、将来は例えば子供が迷子になったような場合でも、無人機に搭載したカメラから顔認識技術を使って探し出すというようなことも可能なのだそうで、へぇと思いましたね。

新しいテクノロジーは同時にある種のリスクも包含しているものですが、この顔認識(顔認証)技術についてもプライバシー面での懸念があると言われています。


Glasses might be helpful for improved vision, but a new type are[sic] being tested that allow wearers to be invisible in unwanted photographs.

Invisibility Glasses by AVG, a software security company, were designed in a bid to help protect people's online identities in the digital age.

With the increased use of cell phone cameras in public, the glasses makes it difficult to capture a person's identity in facial recognition software, for example the kind used on Facebook.
(Myriah Towner. Privacy glasses debut that make you invisible from facial recognition in bid to protect online identities. Daily Mail. March 3, 2015.)


このプライバシー面での懸念に対するソリューションの1つが、


privacy glasses


と呼ばれるものだそうです。見た目には単なる眼鏡ですが、カメラのフラッシュなどに反応して目の周辺が発光し、撮影された画像は顔認識に使えないようにするもののようです。

さてはて、売れるんでしょうか?

"privacy glasses"という単語は辞書には載っていませんが、ひょっとしたら2015年の新語大賞にノミネートされるかもしれませんね。


2015年3月2日月曜日

ついで買い ― impluse buy

“ついで買い”という言葉をご存知でしょうか?買い物に行った際、本来目的としていたモノ以外に余計に購入することを指します。あるいは、そのような購買者心理のことを指す用語として、マーケティング関係者などに知られているものです。

“ついで買い”をしてしまうのは洋の東西を問わないのでしょうか、ニュース記事で以下のようなくだりを見つけました。


The closer you are to something, the more likely you are to make an impulse buy.

It's why the areas by registers are so crowded with those little extras. If you walk into Starbucks for a $4 latte, the cafe can push up the value of that transaction by 25 percent just by getting you to grab a $1 tin of mints. So while nobody goes to Starbucks specifically for mints, a lot of people buy them.
(How restaurants get you to spend more money. Chicago Daily Herald. March 1, 2015.)


"impulse buy"という表現が使われれています。“衝動買い”とも訳せそうですが、Wikipediaによると、


An impulse purchase or impulse buying is an unplanned decision to buy a product or service, made just before a purchase.


という定義がされています。"made just before a purchase"とは、衝動買いにも当てはまりますが、レジ横などに陳列された商品を取って買い物かごに入れる“ついで買い”はまさにこれではないでしょうか。