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2019年9月20日金曜日

cut the mustard

昨日は、”pass muster”という表現を取り上げましたが、似たような表現で、


cut the mustard


という表現があるということを偶然に知りました。

きっかけは、”pass muster”という表現をMerriam-Websterのオンライン辞書で調べていて、出くわしたのです。

興味深い記事ですので、こちらを読んでみてください。

さて、”cut the mustard”は”pass muster”に言い回しも似ていますが、意味も似通っていて、


(選手、芸能人などが)期待通り(以上)の成績をあげる
(研究社新英和大辞典)


という意味だそうです。

Collins-Cobuild Dictionary of Idiomsにも載っているのですが、”not cut the mustard”というエントリで、つまり否定のコンテクストで使われる前提でした。

つまり、期待に沿わない、というような意味になります。


If you say that someone doesn’t cut the mustard, you mean that their work or performance is not as good as it should be.


例文です。(同じく、Collins-Cobuild Dictionary of Idiomsから。この例文は肯定の意味合いで使われています。)


The first backstage reports are that Sarah is okay. She has great presence and can really cut the mustard.


“Pass muster”との混同によるものか、”pass the mustard”やら、”cut the muster”といった表現も実例として存在するなどしているそうですが、正しくは"cut the mustard”ということです。

なお、この表現の由来については諸説あるそうですが、はっきりしたことは分かっておらず、語源不詳とされています。

2019年9月19日木曜日

pass muster

相次ぐ銃乱射事件の悲劇を受けて、米国内では銃規制を強化すべきという世論がこれまで以上に高まっているようです。

具体的には民主党を中心にして、銃売買の際に購入者のバックグラウンドチェックを強化するという法案が提出の動きがあるようです。


Washington (CNN) — Discussions around legislative fixes to mass shootings heated up Wednesday as the attorney general returned to Capitol Hill to meet with lawmakers about proposed gun bills, including a measure that would expand background checks for buyers.

The pitch -- outlined in a document that was obtained by CNN -- would expand background checks to all advertised commercial sales, though it's not clear whether it would pass muster with lawmakers. The White House on Wednesday made clear that President Donald Trump had not signed off on any plan, and GOP leaders have indicated they are awaiting word from Trump before taking action.

The outline, which was first reported by the Daily Caller, is a Justice Department document.

In the wake of a series of mass shootings over the August congressional recess, there has been talk on Capitol Hill about what, if any, gun legislation could pass. But on the divisive topic of firearm regulation, Congress has repeatedly failed to enact stricter gun control in the aftermath of shootings, despite calls for action.
(Proposal to expand background checks floated on Hill but Trump has yet to sign off on it or any other gun plan. CNN. September 18, 2019.)


今後法案の審議に入るのだろうと思われますが、記事では、


it's not clear whether it would pass muster with lawmakers


というくだりがあり、どうやら議会審議以前にハードルがあるようです。

ここでの、"pass muster"という表現ですが、


通り一遍の検閲に通る; 一応の標準に達する
(ランダムハウス英和辞書)


と、辞書に載っています。

"muster"というのは、兵士を検閲、点呼などのために召集するという動詞の意味、また閲兵のために召集された兵士という名詞の意味があり、ここでは検閲、閲兵という目的が重要らしく、故に"pass muster"というのはその検閲をパスする、という意味合いで元々使われ、以降、


To be judged as acceptable.
(American Heritage Dictionary)


の意味で一般的に用いられるようになったもののようです。

ちなみにですが、"muster"であり、"master"ではありません。

"muster"の語源をたどると、ラテン語のmonstrare(英語では、to showの意味)に遡り、例えば英単語の"demonstrate"も同じ語源となります。


2019年9月18日水曜日

be onto something

アメリカではこのところチキンサンドイッチが流行っているみたいですが、その流れに乗ってというのか、あるいは対抗してというべきか、フランチャイズ展開する各チェーンが新商品投入でしのぎを削っているようです。

日本でもよく知られたケンタッキーフライドチキン(KFC)は、チキンのバーガーのバンズでドーナツを使った(!?)、これまた奇抜な組み合わせの商品を発表して話題になっています。


(CNN) — In case you missed it, America has been kind of obsessed with chicken sandwiches lately. But KFC's iteration may be taking it a bit too far. Or maybe not.

KFC announced it will be testing a new combination of fried chicken and glazed doughnuts beginning September 16 -- a move that is either genius or insane.

Customers have two options: a chicken and doughnut basket meal for $5.49, which includes chicken tenders or bone-chicken plus a doughnut; or a chicken sandwich for $5.99, featuring a fried chicken patty between two doughnut buns -- the much more exciting option.

And if you just want the doughnut? You can add one to any meal for a dollar.

To be honest, the combination of salty and sweet is a little enticing. It's basically like chicken and waffles, right? And that doughnut hamburger is already a staple at state fairs across the country.

Maybe KFC is onto something.
(Leah Asmelash. KFC is testing some kind of Chicken & Donuts sandwich and we're ready for it. CNN. September 18, 2019.)


チキン(鶏肉)の食感に、砂糖をまぶしたドーナツというのはどのような味覚体験になるのか全く想像がつきません。

ちょっと普通では考えられない発想ではないでしょうか。

引用した部分の最後のところで、


Maybe KFC is onto something.


とあるのですが、ここでの"be onto something"というフレーズは口語表現で、


have an idea or information that is likely to lead to an important discovery
(New Oxford American Dictionary)


という意味です。ランダムハウス英和では、


気づいて、~をよく心得て(通じて)


というような日本語になっています。

ここでは、めくらめっぽうに奇抜なことをやっているのではなくて、勝算があってのことだ、ということを言わんとしているのでしょう。


2019年9月17日火曜日

off to a good start

アップルのスマートフォンの新型機種である、iPhone 11が先日発表されました。

このところ成長の鈍化もささやかれるアップルのビジネスですが、新型機種の発表の市場受けは良いらしく予約も好調のようです。


Somewhere in Cupertino, Apple executives are probably breathing sighs of relief — if not celebrating — as demand for the new iPhone 11 appears to be off to a good start.

Apple announced three versions of the new model at its annual media event last week: the more basic iPhone 11, and the premium iPhone 11 Pro and iPhone 11 Pro Max. The iPhone 11 looks largely the same as its predecessors, with functional improvements such as longer battery life and more cameras. But analysts say early demand for the new phone has been stronger than last year since Apple and several retailers began accepting preorders on Friday.
(Clare Duffy. Demand for the new iPhone 11 appears to be off to a good start. CNN. September 16, 2019.)


引用したCNN Businessの記事で、


off to a good start


という表現が使われていますが、これは「滑り出し好調」というような意味の慣用句です。

辞書には、


get off to a good start


という慣用句で、”start”の項に載っていました。(研究社新英和大辞典)


2019年9月16日月曜日

2つの「ポリシー 」ー policy

中学生の時だったか、高校生の時だったか、忘れてしまいましたが(大学だったかもしれません)、英語を教えてくれた教師が言った言葉が記憶に残っています。

「辞書は読み物です。」

(英和)辞書を引くのは分からない単語がある時というのが普通
ですが、辞書をパラパラとめくってみたり、ある単語の定義を読んでそこに引用されている別の表現に関心が出てきてそのエントリにジャンプしてみたり、語源解説を読んでみたり、というように、辞書は読み物になる、というのです。

爾来、私も暇な時や時間がある時にはハードカバーの辞書をパラパラとめくってみたりしています。

このような辞書の醍醐味はやはり電子辞書よりも、紙の辞書ならではではないかと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、そんなことをきっかけに蒙を啓かれるということは本当によくあるもので、今日は"policy”という単語を取り上げます。

「あの人にはポリシーが無い」というような感じで、この「ポリシー」(policy)という単語を使うことは日本語でも多いのですが、外交政策(foreign policy)などという時の”policy”も同じです。

一方、保険証券のことは、”insurance policy”と言いますよね。

不勉強を晒すようですが、私はどちらも同じ単語だと思っていたのですが、全く語源を異にする単語だと先日知りました。

まず、政策などの意味がある”policy”ですが、研究社新英和大辞典によると”police”や”polity”という単語と二重語、という解説があり、遡るとギリシャ語で都市を意味するポリス(polis)に因みます。

一方、証券を意味する”policy”ですが、こちらは、ギリシャ語のapodeixisから来ており、これは"proof”の意味だそうです。接頭辞apo-は分離して、とか離れて、という意味ですが、動詞deiknunaiは見せるとか提示するという意味(to show)です。「証券」が契約書的な役割を果たすことを考えると納得です。

余談ですが、証券を意味する”policy”のエントリを眺めていると、最後の方に興味深い意味が載っています。


(場末などで行われる)回転抽選機から出る数にかける一種のばくち


そして、参照として、”number”という単語が載っていますのでさらにそちらを参照してみますと、


the numbers (米俗)数当て富くじ


とありました。

これって街中やスーパーマーケットの入り口付近でよく見かけるあの「ナンバーズ」のことと同じ!?

辞書は読み物、を改めて実感した三連休でした。