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2020年1月24日金曜日

ground zero

中国湖北省の武漢で発生したコロナウィルスによる新型肺炎の脅威が益々高まっています。

中国国内では20名以上の死者が発生している中、日本や韓国などでも症例が確認されました。

中国では今週末からの旧正月を祝う人々による移動が増加することから、症例がさらに増加することが懸念されています。さらには、世界中でパンデミックに発展するのではないかとさえ言われています。

各メディアの報道をネットで見ていますと、今回の新型肺炎が最初に確認された武漢(Wuhan)について、"epicenter"という表現が使われているのを目にします。


As of Friday, eight cities were put under lockdown measures. Transportation services in Wuhan, the epicenter of the virus, were shut down on Jan. 23 and people were asked to not leave. The airport and train station in the city were also temporarily closed.
(Saheli Roy Chaudhury. China says 25 people have died from the coronavirus as South Korea, Japan confirm second cases. CNBC. January 23, 2020.)


"epicenter"には、震源地の意味がありますが、伝染病の発生地という意味もある(ランダムハウス英和辞書)ということなので、新型肺炎の発生地としてこの表現を使うのは適切と思われます。

他の記事では、"ground zero"という表現が使われています。


Wuhan -- ground zero for the pneumonia-like respiratory virus -- "temporarily" closed its airport and railway stations on Thursday for departing passengers. All public transport services in the city of 11 million people have also been suspended until further notice.
(Wuhan coronavirus virus spreads as China scraps New Year celebrations. CNN. January 24, 2020.)


"ground zero"をMerriam-Websterでチェックすると、


the point directly above, below, or at which a nuclear explosion occurs


という意味が最初に出てきます。これはいわゆる爆心地のことで、原水爆爆発の真下(真上)の地面または水面を意味する「ゼロ地点」(ランダムハウス英和辞書)という意味ですが、2番目の意味に、


the center or origin of rapid, intense, or violent activity or change


ともあり、引用した部分はこの意味で用いられていると思われます。

"ground zero"の初出は1946年となっており、第二次世界大戦における原爆使用に因むものだと推測されますが、2番目の意味は恐らくその後派生して生まれたものだと思われます。


2020年1月23日木曜日

再び、"bail"について ― bail on

このところ取り沙汰されているハリー王子とメーガン妃の英国王室離脱の問題ですが、エリザベス女王が最終的に夫妻が称号を返上することで王室からの離脱を認めるというスピード決済をし、一応の決着がついたようです。

尤も、夫妻にとっては、思い描いていた、王室に残りながら(!?)国外の生活拠点を築くという形("part-time royal"などと批判されているようです)にはならなかった訳で、ハリー王子はエリザベス女王に仕え続けることのできない無念さを滲ませているという報道がありました。

そもそも夫妻が王室から距離を置きたいと考えるようになったきっかけは、長男のアーチーちゃんが生まれてからの報道加熱によるプライバシーの問題が背景にあるようです。


Meghan Markle grew increasingly fed up with the media and the Palace as she fought for privacy for her son, Archie ... and this is one of several reasons she and Prince Harry decided to bail on the royals.

Sources close to the Duchess of Sussex tell TMZ ... she obviously knew she'd be world-famous when she married Harry, but underestimated how little control she'd have over the day-to-day media coverage ... and how much scrutiny she'd get for everything.
(MEGHAN MARKLE BATTLE FOR BABY ARCHIE'S PRIVACY INFLUENCED MEGXIT. TMZ. January 22, 2020.)


王室の一員であるというだけで、これほどまでにプライバシーが蔑ろにされるとは思わなかったのでしょう。

引用した記事の文中、


this is one of several reasons she and Prince Harry decided to bail on the royals


という部分に着目します。

"bail (on)"という表現が使われていますが、"bail"という単語からは「保釈」という意味を瞬間的に思い浮かべてしまいます。

以前も取り上げたことがあるのですが、"bail"には「保釈」という意味以外で用いられることがあります。

記事では、"bail on the royals"ということですが、ここでの"bail on"は恐らく"leave"とか、"abandon"とかいうような意味で用いられているのだろうと想像できます。

ランダムハウス英和辞書をチェックしてみると、「保釈」の意味の"bail"には動詞の意味として、立ち去る、行く、「すっぽかす」といった意味が俗語表現として載っており、これに相当するかと思われました。

以前取り上げた水を汲みだすという意味の"bail"には、


(責任回避などのため)手を引く;(窮境から)逃げ出す
(ランダムハウス英和辞書)


という意味もあるのでややこしいです。


2020年1月22日水曜日

Herculean

記事の引用からどうぞ。


Greeting card and stationery chain Papyrus is closing its stores in another blow to the ailing industry.

Most of the 254 closings will take place over four to six weeks, said Dominique Schurman, CEO of Papyrus parent company Schurman Retail Group.

Founded by Marcel and Margrit Schurman in 1950, Goodlettsville, Tennessee-based Schurman has about 1,400 employees at its stores.

“Despite our Herculean efforts to realign our Papyrus and American Greetings stores to fit today’s shopping environment, Schurman Retail Group had to make the difficult decision to close all 254 of our stores in North America," Schurman said in a statement sent to the USA TODAY Network's Indianapolis Star.

Tuesday, the Papyrus website advertised 20% off, and all sales were final.
(Papyrus closing stores nationwide in the next four to six weeks. USA Today. January 22, 2020.)


文具やグリーティングカードを販売するPapyrusという会社が、北米を中心に展開する254の店舗を閉鎖すると公表したということです。

今時、グリーティングカードなどは流行らないのでしょうか、ネット全盛時代のあおりを受けての苦渋の決断と推測されます。


“Despite our Herculean efforts..."


というコメントがありますが、経営努力だけではどうしようもなかったのかもしれません。

"Herculean"というのはギリシャ神話の登場人物ヘラクレスのことです。

ゼウス(Zeus)の息子にあたるヘラクレスは怪力の持ち主だったということで、途轍もないパワーや努力が要求されるような、という意味合いで用いられます。

余談ですが、ヘラクレスはゼウスが人間の女性との間に設けた私生児ということになっており、そのことに嫉妬した正妻のHeraは生まれて間もないヘラクレスの殺害を目論んだと言われています。

生まれながらにして逞しかったヘラクレスは、Heraが差し向けた刺客(大蛇)をやっつけますが、その後も様々な苦行を強いられます。

これが、”the twelve labors of Hercules”(あるいは、”Herculean labor”)と呼ばれるもので、神話によれば、普通ではとてもこなせないような12の難事をヘラクレスは成し遂げたということになっています。


2020年1月21日火曜日

calisthenics

全米で最も怠け者の州は?

そんな見出しに釣られて、アクセスしてみた記事が以下です。

「怠け者」とは運動しない人、という意味での話です。


How lazy is your state?

The Centers for Disease Control and Prevention (CDC) this month released its findings from a recent study on physical inactivity levels across the U.S. The study, which combined data from 2015 through 2018, is based on telephone interviews conducted by both federal and state health officials.

Overall, all states and territories had more than 15 percent of adults who were considered physically inactive. Physical inactivity was determined if they responded “no” to the question: “During the past month, other than your regular job, did you participate in any physical activities or exercises such as running, calisthenics, golf, gardening, or walking for exercise?”

The South had the highest levels of physical inactivity, with 28 percent of adults responding “no” to the above question. Coming in second was the Northeast, at 25.6 percent. The Midwest and the West followed behind at 25 percent and 20.5 percent, respectively.
(Madeline Farber. These are the laziest states in America, CDC study finds. Fox News. January 20, 2020.)


答えから先に言ってしまうと、最も運動しない州は南部に集中する傾向があるようで、オクラホマ州やルイジアナ州、ミシシッピ州などが入っているようです。

一方、ワシントンDCやユタ州、コロラド州、オレゴン州などは運動する人が比較的多いという集計結果が出ているようです。

この調査はアンケートの回答を元に算出したもののようで、直近の一か月で、仕事以外で身体を動かす活動(運動)を行ったか、という質問に対してノーの回答をした人の割合が指標になっています。

身体を動かす活動(運動)が具体的に何を指すかについては、例示として、


such as running, calisthenics, golf, gardening, or walking for exercise


となっているのですが、この中の"calisthenics"という単語を知りませんでした。

"calisthenics"というのは、美容健康体操とでも言うものを指す単語で、具体的には柔軟体操や腕立て伏せなど、器具を用いないで行うものを指すようです。

接頭辞のcali-は、ギリシャ語で美(beauty)を意味するkallosに由来しており、sthenosは"strength"を意味する、こちらもギリシャ語です。

接頭辞のcali-については、"calligraphy"(飾り文字書法)という単語にも見られるものです。


2020年1月20日月曜日

CRS

最近は食卓で見かけることの少なくなった、味の素(Aji-no-moto)の写真が目に留まりました。

CNNの記事からの引用です。


If you've heard of the term "MSG," you might have also heard of its common -- but inaccurate -- connotations.

For years, monosodium glutamate, a food additive known as MSG, has been branded as an unhealthy processed ingredient mainly found in Chinese food, despite a lack of supporting scientific evidence.

This perception, which activists argue is outdated and racist, is so widespread that the Merriam-Webster dictionary has an entry for the term "Chinese restaurant syndrome" -- a type of condition that allegedly affects people eating "Chinese food heavily seasoned with monosodium glutamate," with symptoms like dizziness and palpitations.

Now, activists have launched a campaign called "Redefine CRS." Headed by Japanese food and seasoning company Ajinomoto, the online campaign urges Merriam-Webster to change its entry to reflect the scientific consensus on MSG -- and the impact of misinformation on the American public's perception of Asian cuisine.
(Jessie Yeung. MSG in Chinese food isn't unhealthy -- you're just racist, activists say. CNN. January 19, 2020.)


いきなり略語ですが、MSGは”monosodium glutamate”、つまりグルタミン酸ナトリウムのことで、いわゆる「うま味成分」として知られています。味の素はグルタミン酸ナトリウムを主成分とした代表的な調味料製品です。

私も昔家族や友人が口にするのを聞いたことを覚えているのですが、いわゆるグルタミン酸ナトリウムというのは摂取し過ぎると発ガン性があるとか、身体に良くないなどと言われています。

これについては科学的根拠がないとも言われており、味の素という製品自体が市場に流通していることを考えると、恐らくは根拠の無い話なのかとも思われます。

さて、記事では、このグルタミン酸ナトリウムに対する不名誉なレッテルを取り除くべく、まさしく味の素社が起こしている行動が取り上げられています。

その行動とは、辞書の大御所、Merriam-Webster Dictionaryに対して、”Chinese Restaurant Syndrome”(CRS)という表現の定義を科学的な根拠に基づいて修正するようにと訴えているというものです。

Merriam-Websterオンラインによると、CRSは以下のように定義されています。


a group of symptoms (such as numbness of the neck, arms, and back with headache, dizziness, and palpitations) that is held to affect susceptible persons eating food and especially Chinese food heavily seasoned with monosodium glutamate


グルタミン酸ナトリウムによる味付けが主に中華料理に多いことから、”CRS”と呼ばれているようです。

中華料理にとっては不名誉な表現であり、グルタミン酸ナトリウムが有害か否かという科学的な議論は元より、特定の文化に対する差別問題にまで発展しています。

当のMerriam-Websterは訴えを受けて、定義を見直す姿勢も示しているそうですが、果たしてどうなるでしょうか。