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2009年9月29日火曜日

10が100になるマジック ― cent

さて、昨日取り上げたhundredで、その語源がインドヨーロッパ語族のdekm-という語にあることを確認しました。

このdekm-という語ですが、decimalやdimeなど、数字の10を意味する言葉の語源ともなっていることは昨日も取り上げた通りです。

ちなみに、Decemberもdekm-に由来しています。Decemberは12月ですが、元々は10番目の月です。これはローマ暦によるものですが、ローマ暦では、3月が始まりで、Decemberはちょうど10番目となります。ローマ暦では1、2月は月名が付けられず、グレゴリオ暦になってから、1月、2月がそれぞれ、January、Februaryとして追加され、以降2つずつずれた結果が現代のカレンダーです。

本題に戻って、centですが、言うまでもなく通貨の単位であり、意味としては10ではなく、100というのが常識でしょう。語源はやはりdekm-なのですが、10が100に化けるマジックは非常に興味深いものがあります。

まず、dekm-という形が、

dkm-tom

という形に変化し、さらに、

kmtom

という形になったというところがポイントです。

語頭が、d→kに変化しているところがポイントだと思われます。ラテン語では、centum(c-の発音は、k)となるのですが、ここで数字の100に化けているのだと思われます。

実は、昨日取り上げたhundredとラテン語centumは、比較言語学では重要な関係にあります。印欧語族の無声破裂音(k-の発音)は、ゲルマン祖語では無声摩擦音(h-の発音)に変化したという、有名なGrimmの法則です。

インドヨーロッパ語族のdekm-は、数字の10という本来の意味を引き継いだ単語群(decimalやdime)と、異なる変化形を経て数字の100の意味になった単語群(centやhundred)と、別々に派生していった、ということが言えるのだろうかと思われます。

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