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2015年11月30日月曜日

cute as a button

今年の5月(4月末だったかも知れません)に生まれたシャーロット王女の写真が公開され、そのあまりの可愛らしさが話題になっています。

赤ちゃんだから可愛くて当たり前ですが、それでも写真を見ると誰でも目尻を下げてしまうのではないかと思うような可愛らしさです。


Princess Charlotte Looks Cute as a Button in New Royal Baby Pic Taken by Kate

To thank their fans, Will and Kate release a portrait of their new daughter.

(中略)

And the photos released today of Princess Charlotte petting a toy dog follow in that long and venerable tradition. She's barely an inch of hair on her head, but not a hair of it is out of place.
(Tom Sykes. Princess Charlotte Looks Cute as a Button in New Royal Baby Pic Taken by Kate. The Daily Beast. November 29, 2015.)


母親のケイトさんは熱心なアマチュアカメラマンだそうです。公開された写真もケイトさん撮影のものだそうです。

さて、上記に引用した記事のタイトルに、


cute as a button


とあります。これは面白い表現です。

「ボタンのように可愛い」となりますが、可愛らしさを譬えるのに「ボタン」とはどういう発想なのでしょうか?

言うまでもないことですが、服のボタンであって、牡丹の花ではありません(笑)

"cute as a button"はとりわけ、女性や子供について可愛らしさを表現する際に使われる表現ですが、含意としては"smallness"(小さい)があるそうです。今回は生後半年くらいの赤ちゃんですから、まさにぴったりな表現です。

ところで、ここでの"button"は服の「ボタン」ではなく、花の「つぼみ」を意味する"button"だというのが、この表現についての一般的な説明となっています。

花のつぼみが、小さく、これから花開く期待を持たせるという可憐さを見るものに与えるという意味では、女性や子供の可愛らしさを表現するということでもしっくりときますね。


2015年11月27日金曜日

万人向けのダイエットは存在しない ― one-size-fits-all

唐突ですが、これならば絶対、というものはダイエットの世界に存在しません。基本的には摂取カロリーを上回るカロリーを消費することが痩せ(体重減少)につながるといわれていますが、食事をした際の吸収や血糖値の上昇は千差万別なのです。

したがって、万人向けのダイエットは存在しない、ということなのです。


Healthy diets may not be one-size-fits-all

(Reuters Health) - When two people follow the same weight-loss diet to the letter, but one fails to lose weight, the problem might be their bodies’ different responses to the same foods, a recent Israeli study suggests.

That’s because when two people eat the same meal, one may experience a spike in blood sugar levels when the other person doesn’t, the study found. Over time, elevated blood sugar can lead to health problems like obesity and diabetes.
(Lisa Rapaport. Healthy diets may not be one-size-fits-all. Reuters. November 26, 2015.)


"one-size-fits-all"とは、服のサイズに関する表現で、日本語で言えば、フリーサイズ、ということになります。どんな体型の人にも合う、という意味です。Oxford Dictionary(オンライン版)によりますと、1970年代から使われ始めたようです。

この"one-size-fits-all"という表現はその後使われるコンテクストが拡張し、服飾のみならず、例えば、道具・用具などに対して、「万能」といった意味で使われるようになります。

さらに、様々なケース、あるいはどんなケースにおいても大丈夫(問題なく使える、通用する)、また、「万人向け」というような意味合いで使われるようになりました。


one-size-fits-all approach





one-size-fits-all solution


といった表現がそうです。


But rather than using a one-size-fits-all approach, Coca-Cola has tailored advertising, promotions and other marketing efforts for specific areas.
(Atlanta Journal Constitution. 1998.)


2015年11月26日木曜日

FBアカウントの実名騒動、結局は偽名と判明 ― hoodwink

フェースブックのアカウントに登録している名前が「下品」だという理由で何度もアカウント利用停止措置を受けたという男性に関するニュースが先日話題になりました。「下品」とされた名前は男性の本名であることが公的な書類(パスポート)で証明されたことでフェースブック側が謝罪し、男性はめでたくフェースブックを利用することができるようになり、名誉が回復されたというような内容でした。

ところが、この一件は実は男性の嘘、つまり実名とされた「下品」な名前は全くの偽名であることが分かったということです。

この話題は日本でも様々なメディアで報じられたようですが、男性の嘘に振り回されたといったところでしょう。


The Australian man who claimed his name was 'Phuc Dat Bich' has admitted it was a hoax.

After outing himself in a rant on his Facebook page under his now infamous nom de plume, the man has spoken with Fairfax Media, saying now that he has been exposed he wants everyone to laugh with him.

The 23-year-old triggered an outpouring of support after he claimed Facebook had repeatedly shut down his page because the social media site believed his name was fake.

(中略)

The jokester, who claimed in his latest Facebook post that his name was 'Joe Carr', posted a long missive to his Facebook page on Wednesday congratulating himself of hood-winking the world media with the absurd name that he says started out as a joke between friends.
('Phuc Dat Bich' faked it: the man with awkward name turns out to be a hoax. The Syndey Morning Herald. November 25, 2015.)


男性は初めからだますつもりだったようです。フェースブックをだまし、メディアをからかって楽しむ、というのが動機だったのです。

さて、今日の単語は"hoodwink"です。

だます、というのがその意味です。

スペルから明らかですが、"hood"と"wink"が結合したものになっています。"hood"とは泥棒がカモに被せる目隠しです。"wink"とは目隠しをされて目を閉じてしまう(つまり、周りが見えなくなってしまう)ことを指しています。周りが見えなければ正常な判断はできません。

今回の一件で、メディア、あるいはフェースブック社は何が見えなくなってしまったのだろうかと思います。なぜ、ネットユーザーの一人による嘘を見抜けなかったのか?

男性が実名の証拠として示したパスポートは偽造されていたことが分かりましたが、偽造を見抜く以前の問題なのかもしれません。男性はフェースブックの対応(アカウント停止)の不満をSNSでぶちまけ、多くのユーザーからの支持を得ていたということですが、SNSの持つ影響力の前に運営側であるフェースブックも、そしてメディアもなす術がなかったのかもしれません。

同様の騒動がまた発生するでしょう。メディアがその度に取り上げれば、こうしたユーザーが増長するという悪循環ではないでしょうか。


2015年11月25日水曜日

vestibule

11月も後半となり、寒くなってまいりました。関東では今日は雨予報で、曇天下では風がちょっと吹いただけでも余計に寒く感じられました。

"vestibule"という単語をご存知でしょうか?

下記の引用では、"winter vestibule"とあります。


On this, the coldest week of the modern era in New York City, when even the trains want to stay inside and cuddle up under a warm blanket, let us honor the season’s true unsung heroes: winter vestibules.

You know the ones we mean: those little antechambers that pop up outside restaurants and bars each winter, serving as an air lock between the harsh, empty vacuum of the Outdoors and the welcoming, warm hospitality of the Inside. They’re the decompression chamber you enter where you can finally relish the fact that your long, cold slog is over.
(Tim Donnelly. In appreciation of the true heroes of the season: winter vestibules. New York Post. November 20, 2015.)


ニューヨークはもう雪が降っているのかもしれませんが、建物の入り口と外部を隔てるスペースが"vestibule"ということになります。室内の温度を一定に保つバッファーの役割を果たすものです。


Enter a restaurant that doesn’t have one, and you’ll loathe every new customer who comes in, bringing with them a brutal reminder of the coldness that awaits outdoors.
(ibid.)


"vestibule"は前室、前房などと訳されますが、寒い中暖を求めて入ったレストランで、来客の度に寒い風が入ってくるのに悩まされることがなくなります。

極寒にあまり慣れていない私は、札幌に出張した際の移動中、一般の住居で、建物の玄関を隔てるもうひとつの構造物(つまり、"vestibule")があることに気がつき、さすが雪国だなあと思った記憶があります。


2015年11月24日火曜日

米ファイザー社がアラガン社と合併 ― inversion

昨日(月曜日)は勤労感謝の日の祝日でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか。月曜のニュースでびっくりさせられたのが、アメリカの製薬メーカー大手であるファイザー社が同業他社のアラガンと合併すると発表した、というものです。

アメリカでもThanksgivingの連休を控えて既にホリデームードに入っている人が多かったかと思うのですが、かなり衝撃的なニュースだったのではないかと思われます。

アラガンというメーカーについては名前を聞いたことがありましたが、はてさて、どこのメーカーだったかな、と思いました。ニュースでアイルランドのメーカーであることを知り、なるほどそれがファイザーの戦略なのか、と思ったのはどなたも同じでしょうか。


A $160 billion megamerger announced Monday would turn U.S. pharmaceutical behemoth Pfizer Inc. into an Irish drug company, using a controversial tactic that allows companies to dodge billions of dollars in corporate taxes by renouncing their U.S. citizenship.

Pfizer’s deal with Botox-maker Allergan, which would create the world’s largest drugmaker, immediately sparked criticism from Democrats and Republicans in Congress who agree that such deals are problematic but have so far not taken legislative action against them. They slammed the tax loophole called an “inversion,” in which a U.S.-based company buys or merges with a foreign company and moves its headquarters to the country with a lower tax rate.
(Pfizer’s tax-avoiding megamerger with Allergan sparks outcry. The Washington Post. November 23, 2015.)


ファイザー社が取った戦略(に違いありません)とは、


inversion


と呼ばれるものです。昨日の発表直後から、共和党を始めとする議員がファイザーに対する批判を強めています。


“By nominally moving overseas while continuing to take all the benefits of a U.S. company, Pfizer is gaming the system and will avoid paying its fair share of U.S. tax dollars,” Senate Minority Leader Harry M. Reid (D-Nev.) said in a statement. “It’s time for Congress to get serious, close the loopholes, and prevent these kind of inversions from happening in the future.”
(ibid.)


"inversion"は記事の初出では引用符つきでしたが、議員コメントではそのままで使われています。"inversion"という単語を辞書で引くと、倒錯、逆転などといった日本語が見えますが、学術用語として多くの分野で専門的な使われ方をしていることが分かります。

ところが、本件の"inversion"については、適当な訳が見当たりません。

"inversion"の意味するところは「逆転現象」ということになるのですが、今回のケースで言えば買収側であるファイザーが被買収側であるアラガンの本拠地であるアイルランドに本社を移す、ということで、そこが「逆転」であるということだと思われます。(ちなみに、記事によりますと、今回の合併は規模が小さいほうのアラガンが大きい方のファイザーを買収するという構図になっているらしく、このあたりも両社のタクティクスなのでしょう。)

実は、ここでいう"inversion"は、経済用語で


corporate inversion


と呼ばれるものです。"corporate inversion"(別名、tax inversion)は下記のように定義されています。


The act of a parent company based in the United States switching its registration address with that of one of its offshore subsidies in order to take advantage of lower corporation taxes. Corporate inversion has gradually become more popular, though the U.S. government is attempting to limit its use.
(Farlex Financial Dictionaryオンライン版より引用)




2015年11月23日月曜日

ネコの写真に埋め尽くされるタイムライン ― radio silence

ネットのニュースを見ていたらテロ関係の報道なのに、内容には似つかわしくない可愛らしいネコの写真が目に留まりました。

先週末のパリでのテロ事件後、今度はベルギーの首都ブリュッセルが狙われているという報道があったところです。関係当局が警戒レベルを最大にしているところ、一般市民がTwitterに厳戒態勢下の街の様子を投稿するのが問題になりました。

何が問題かって?

警備が強化されている場所に関する情報がテロリストに分かってしまうからです。逆に言えば、警備が手薄なところも分かってしまうという訳です。


What do you do when police request no-one tweets pictures of an operation happening outside your door amid a city-wide lockdown?

For Twitter users in Brussels, the answer was obvious — you obey the police request, help defuse tensions, and defy the terror threat by filling the #BrusselsLockdown hashtag with arguably the internet's most meme-able animal — cats.

Belgian police said there were "various operations underway" in the country linked to a "terrorist threat", and on Saturday Brussels was put on maximum security alert.

While people initially tweeted pictures of police standing guard at hotels and roadblocks in the streets, police made the request asking for "radio silence" regarding the operation.

"For safety, please observe radio silence on social media #Bruxelles ongoing police operations. Thank you," federal police tweeted.
(Dan Smith. #BrusselsLockdown: Twitter users in Belgium combat terror lockdown with cat pictures. ABC News. November 23, 2015.)


警察当局はTwitter上で市民に対する異例ともいえる「お願い」を掲載します。


「お願い」の内容とは、"radio silence"です。

"radio silence"とは一体どういう意味でしょうか?(初めて見ました。)

ラジオを消す、という意味ではありません。"radio"というのは「無線」のことで、無線通信を控える、という意味です。つまり、Twitterで警備の状況をつぶやくのを止めてください、ということです。

Oxford Dictionary(オンライン版)には下記のように定義されています。


An absence of or abstention from radio transmission
A period during which one hears nothing from a normally communicative person or group


変わった表現だなあと思うのですが、語源がはっきりしません。意味合いからしてインターネット時代の表現ではないかと想像します。理由は、無線(電波)を使って人々がコミュニケーションするというのは携帯電話が広く普及して以降のことだからです。

さて、ブリュッセルの市民は当局からの「異例のお願い」にどう反応したか?

答えは必要ないかと思いますが、街を警備する警官の写真に代えて、ネコの写真を投稿したのです。ユーモアのなせる業でしょうか!?


2015年11月20日金曜日

dip one's toe into

レストランでチップを払うというのはアメリカでは常識になっています。私もかつて滞在した際にはチップをいくら払うのがいいか悩んだ経験がありますが、旅行などで海外を訪れる日本人の多くが同じ体験をしているでしょう。チップの“相場”も都市やレストランによって様々で、ニューヨークで食事した時など、チップを置いたのに少なすぎると突き返された経験があります。

ところで、アメリカのとあるレストランチェーンがチップ廃止に取り組んでいるようです。


National seafood chain Joe’s Crab Shack has dipped its toes into fresh waters with a test program to remove tipping from 18 of its more than 130 restaurants, the US company said on Wednesday.

No timeline is in place to implement the plan nationally but the test comes as a nascent movement has been launched to remove a more than century-old tradition of tipping in US restaurants.

At the test locations, Joe’s has paid some workers a minimum of $12 an hour, but did not specify how much workers made previously. The Houston-based company raised menu prices less than 20 percent to compensate for the higher labor costs. Initial surveys have shown improvement in service at places with the no-tipping policy, it said.
(National restaurant chain is putting an end to tipping. New York Post. November 11, 2015.)


「取り組んでいる」と書いてしまいましたが、引用した記事ではその部分を、


dipped its toes into fresh waters


と表現しています。初めて見る表現でしたが、"dip one's toe into"というフレーズは、


新しいことをやってみる、試してみる


という意味です。また、Oxford Learner's Dictionary(オンライン版)によりますと、


(informal) to start doing something very carefully to see if it will be successful or not


と定義されており、「取り組む」というよりは、注意深く、試験的に導入してみる、といった方が近いようです。

ところで、"fresh waters"というのは、"dip one's toe into"に続くフレーズとして一体のものなのだろうかという疑問が湧いてきました。

どうも辞書によっては1つのフレーズとして扱っているものもあれば、そうでない(dip one's toe into"のみとしている)ものと、分かれるようです。

"dip one's toe into water"は文字通りに訳せば、足のつま先を水につけてみることを指していますが、それは水温(あるいは湯温)を見るためにそうするということなので、注意深く試みる、という意味につながってきます。

Collins Cobuild Dictionary of Idiomsでは、


a toe in the water


というエントリで掲載されており、その定義は下記のようになっています。


If you dip your toe in the water, you start slowly and carefully doing something that you have not done before, because you are not sure if you will like it or if it will be successful.


動詞の部分は"dip"に限らず、"have"の場合もあります。


2015年11月19日木曜日

break a leg

昨日、11月18日はLove Theatre Day(日本語でいうと「演劇の日」、とでもなりましょうか)だったそうです。イギリスで昨年くらいから始まった記念日のようですが、世界各地で、またオンライン(SNS等)で話題になっているようです。

ところで、演劇の世界では、


break a leg


というフレーズが使われているということなのですが、どういう意味かご存知でしょうか?

これは、これからステージに出ようとする俳優に舞台袖からかける掛け声で、


しっかりうまくやれよ、頑張って


というような意味なのだそうです。

"break a leg"をそのまま訳すならば、「足を折れ」というぶっそうな、また不吉な意味になってしまいます。それが、相手へのはなむけの言葉のように用いられるのはいったいどういう経緯があったのでしょうか?

どうやら演劇の世界の人たちというのは迷信を信じる、あるいは験を担ぐタイプとでもいいましょうか、そういった傾向があるらしく、そのひとつには願ったことと逆のことが現実になると考えているそうなのです。(そのほかの迷信としては、衣裳部屋で口笛を吹くとよくないことが起きる、などがあるそうです。)

つまり、足を折るというような不吉なこと(bad luck)を唱えれば、その逆(good luck)になる、ということで、このフレーズが舞台を控えた俳優へ書けるフレーズとして定着したということらしいです。

ちなみに、その他の説としては、舞台がうまくいって最後に聴衆の喝采に俳優がお辞儀する際には「足を折る」(膝を曲げる)ことから、、というもの、また、同じく大成功した舞台には聴衆がお金を投げ込み、それを拾うためには「足を折って」(しゃがんで)拾わなければならないことから言われるようになった、などの説があるそうです。


2015年11月18日水曜日

遅延証明 ― excuse slip

都会に暮らす人の足は公共交通機関、つまり電車や地下鉄がメインですが、人身事故や信号機故障、安全確認などで遅延することしばしばです。

最近あまり見かけなくなったように思うのですが、事故などで大幅に遅れた場合に「遅延証明」なるものが駅係員によって配布されますが、あれを英語で何というのでしょうか?


More than a half a million straphangers have asked the MTA to tell their bosses that the transit system ate their commutes.

So far this year, nearly 109,000 riders have requested excuse slips to prove they were clocking in late because they got caught up in a public transit foul-up.

Since the MTA launched the program in May of 2010, more than half a million riders have asked the agency for a subway delay verification confirming that they didn't just oversleep, but that they were stuck underground in a circle of rush hour hell.
(Danielle Furfaro. Late commuters asked MTA for excuse slips more than half a million times. New York Post. November 17, 2015.)


答えは、


excuse slip


でした。

subway delay verificationという表現も出てきますが、そちらは正式名称でしょうか。

"excuse slip"をそのまま日本語にすると、言い訳(のための)伝票、とでもなるでしょうか。会社に遅刻した“言い訳”のみならず、欠勤、早退、私用外出、等々、会社には色々な届けがあるものですが、全て"excuse slip"で総括されるようです。

通勤電車に関連した類似の話題として、過去に取り上げました、「振り替え乗車を英語で?」もご覧ください。


2015年11月17日火曜日

便乗商法 ― tragedy bandwagon

週末の土曜日朝、パリで発生したテロ事件を伝えるニュースで目覚めました。129名の尊い命が奪われました。

昨晩、何気なくフェースブックを見ていると、タイムラインに出てくる写真の中で青、白、赤にハイライトされているものが目に付きました。言うまでもなく、フランスの国旗の色です。なるほど、と思うのと同時に、何となく安易なものも感じられ、そのように感じる私は他人との共感が少ない人間なのかもしれないとも思ったりしました。

そして、今朝、通勤途上でニュース記事を拾い読みしていると、下記のような記事に出くわしました。


You've temporarily changed your Facebook profile picture to the French tricolor in a sign of solidarity with the citizens of France -- why not paint your nails blue, white and red, too?

Brooklyn-based company Duri Cosmetics has jumped on the tragedy bandwagon by promoting a range of Paris-themed products so "beauty mavens can unite and wave hands (and toes) in unity."

In perhaps the most clueless p.r. stunt of the day, it distributed a gushing press release urging customers to buy three of its nail colors -- "Baton Rouge Blue," "I Do" (solid white) and "Parisian Tango" (red) -- at $6 a pop, describing the gesture as an "effortless way to pay respects and show support."

Trouble is, not a penny of the proceeds will help surviving victims of Friday's massacre, which claimed the lives of 129 people in the French capital.
(Jane Ridley. Nail Polish company exploits Paris tragedy for financial gain. New York Post. November 16, 2015.)


なんと商魂逞しいかと思わずにいられませんが、フランス国旗の3色のネイルカラーが宣伝されているというのです。

"jumped on the tragedy bandwagon"という表現に、今回の悲劇に乗じた便乗商法との批判が込められていると感じられます。


2015年11月16日月曜日

行列の話題 ― line-sitter

行列といっても高校数学の話ではありません。待ち行列の話です。

都会の人間は待つのが好きだ、などと揶揄されるのをよく聞きます。私もそう思います。ナントカいう外国のドーナツを買うのに何時間も並んだとか、アイフォーンの新製品を買うのに3日前からストア前に並ぶ人がいるとか、ヒマな人たちだなぁ、などと思ったりします。

誰でもそうでしょうが、並んで待つというのは避けたいというのが本音でしょう。ところで、こういった待ち行列に甘んじている人のことを言うのに英語では、


line-sitter


という単語があると知りました。


New Yorkers are constantly waiting — for trains, buses, movies or to get through the Midtown Tunnel. They hate waiting so much they are willing to pay line-sitters to buy them cronuts and Shakespeare in the Park tickets.

But in his new book, “Why Does the Other Line Always Move Faster? The Myths and Misery, Secrets and Psychology of Waiting in Line,” author David Andrews says “standing in line is a state of mind.”
(Amber Jamleson. How to improve your time waiting in line. New York Post. November 15, 2015.)


場所はニューヨークのお話なのですが、やはり都会人は・・・、ということのようです。

「なぜ隣の列の方が早く進んでいる(ように見える)のか?」というキャッチ―なコピーの本は日本でもありそうなものです。

記事によると、並んでいるのが男性の方が進みが早い傾向があるとか、右寄りよりも左寄りの列の方が並ぶ人が少ない傾向にある、などと言われているそうですが・・・。

待つのが嫌いな人はプロの「待ち屋」(!?)を雇うことをお勧めします。


Impatience has a price. Robert Samuel pegs it at $25 for the first hour and $10 for each additional half hour.

Samuel is founder and owner of S.O.L.D. or Same Ole Line Dudes, a professional line-sitting company that fields requests to wait (and wait and wait) for everything from sneaker launches to concert tickets.
(Katie Little. Hate long lines? Meet a professional line sitter. CNBC. June 17, 2014.)


最初の1時間が25米ドル、以降30分毎に10ドル・・・、払いますか(笑)

2015年11月13日金曜日

gentrification

"Keep Portland Weird!"というスローガンは何を言わんとしているのでしょうか?

"weird"とは、風変わりな、とっぴな、というような意味だと理解していますが、そうすると、「Portlandをこのまま風変わりなままで残そう!」ということになります。("weird"には、素敵な、という俗語の意味もあるので、ここではそういう意味で使われているとも解釈できますが。)

Portland(オレゴン州の都市)に行ったことがありませんのでどんな街なのか知りませんが、記事を読んで事情が呑み込めました。


PORTLAND, Ore. — Portland has been a magnet for young, creative adults for over a decade, beckoning droves with its quirkiness, liberal appeal and quality of life. But the city’s popularity has had another effect: Those who helped make it cool can’t afford to live here anymore.

A wave of evictions and skyrocketing rents are putting apartments out of reach of many, especially those working part-time, low wage or artistic jobs. It’s even harder to afford a house.

Some Portlanders are now looking for better-paying work. Some are giving up and leaving.
(Portland hipsters mad they'll have to work full-time jobs to pay the rent. New York Post. November 11, 2015.)


Portlandは若者やアーティストを引きつける街だったようですが、最近地価が上昇し、ある程度の稼ぎがないとなかなか住むことができなくなってきたということのようです。

その原因にはいわゆる「再開発」があるようですが、別の言い方では"gentrification"とも言われます。この"gentrification"とは一体何のことでしょうか?

上記引用記事のリードは下記のようになっています。


Portlanders has been fighting gentrification and ever-rising home prices with its 'Keep Portland Weird' campaign.
(ibid.)


ここで"gentrification"が出てくるのですが、比較的新しい(1964年~)、この"gentrification"はMerriam-Websterでは下記のように定義されています。


the process of renewal and rebuilding accompanying the influx of middle-class or affluent people into deteriorating areas that often displaces poorer residents


つまり、再開発により中産階級以上の人口が流入し、おそらくは地価や物価が上昇することで元々いた貧困層が住みにくい街になってしまうことを意味しています。(ちなみに、ランダムハウス英和では、「高級化」という日本語訳になっています。)

行政側の思惑なのかどうかはよく読み取れませんでしたが、"Portlanders has been fighting gentrification..."という引用からは、昔からPortlandに在住している人にとっては迷惑な話なのでしょう。


2015年11月12日木曜日

gather dust

人間というのは勝手なもので、夏には暑すぎてどうにかなってしまいそうだと言い、夏が過ぎて涼しくなると夏日が恋しいと言ったりします。

最近の朝の天気予報は、週末は真冬並みの気温でしょう、とか、9月上旬頃の陽気です、などと伝えます。

アメリカの天気予報をチェックしているわけではありませんが、記事によりますと平年と比較して暖かい気候が続いているそうです。寒くないのが有難いのが普通かと思いますが、小売業にとっては違うようです。


Warm weather means cold sales as retailers struggle to get shoppers in the holiday mood.

Winter coats, hats, sweaters and just about anything that keeps consumers warm in the winter have been gathering dust in stores as the unseasonably warm fall has wreaked havoc on retailers.

Shares of Macy’s, Kohl’s, JC Penney and Nordstrom tumbled between 2 percent and 5 percent on Monday as Wall Street braced for gloomy third-quarter results from those retailers beginning this week.
(Lisa Fickenscher. Warm weather keeps shoppers from getting in holiday mood. New York Post. November 10, 2015.)


寒くなってきたら、コートやマフラーなどが売り上げを伸ばすというのが期待されている訳です。ところが暖かいとこれらのアイテムが売れません。

"gather dust"というのは、文字通り、埃をかぶる、という意味になりますが、使われないでいる、また売れない(在庫になってしまう)、という意味にもなります。

この表現は、実際に埃をかぶっているかどうかというよりも、売れているか売れていないか、というのがポイントです。下記の引用を見てみましょう。


Wal-Mart Stores pioneered the use of technology and cost-cutting methods that many other retailers are now hustling to adopt. Under Walton, Wal-Mart linked stores with suppliers, using computers to track what is selling and what is gathering dust. That way, Wal-Mart achieved superior inventory control and avoided profit-gouging piles of sale merchandise.
(USA Today. 1992.)




2015年11月11日水曜日

silver spoon

"silver spoon"という表現(成句)をご存知でしょうか?

そのまま訳せば銀のスプーン(匙)となります。(キャットフードの商品名ではありません!?)

"silver spoon"とは裕福であること、それも(自分で努力したのではなく)生まれ持って与えられた富にあずかることのできる環境、という含意があります。その意味では、やや批判的なコンテクストで使われる成句です。

この成句は、


“born with a silver spoon in one's mouth”


というフレーズに由来するそうです。スプーンと言えば木製が当たり前だった時代、裕福な家庭では生まれた子供に洗礼式で銀のスプーンを与える習慣があったことに因むようです。

さて、引用です。


They're spoiled. They're demanding. And they're ruining travel for everyone else.

Don't take my word for it. That's what employees say about these guests, which they derisively call "silver spoon" travelers.
(Christopher Elliot. Putting entitled travelers in their place. USA Today. November 8, 2015.)


記事の冒頭部分だけなので何のことやら分からないかもしれませんが、飛行機のファーストクラスの乗客を皮肉って、"silver spoon travelers"と呼んでいます。

ここで、"silver spoon (travelers)"は単に裕福というよりも、上述したように与えられた富にあずかることで甘やかされてしまっている、あるいは増長している、という意味に近いと思われます。

そういえば私個人としては最近飛行機はほとんど利用しておらず、国際線となるとずいぶんご無沙汰です。

ロングフライトならずとも、ビジネスクラスやプレミアムシートを利用したいと思うのは誰でも同じだろうと思いますが、最近はマイレージでアップグレードできたり、エコノミークラスとビジネス/ファーストクラスやプレミアムシートのサービスがどんどん差別的になってきているようです。

乗客それぞれが自分の権利を主張するあまり、人間の欲望を垣間見るような状況が増してきているようです。

みんな同じ目的地へ向かっているというのに、さもしい話ですね・・・。


2015年11月10日火曜日

athleisure

そういえば日本でも最近流行っているような気がします。いや、もっと前から?

普段着にスポーツウェアを着るというのがアメリカでは流行しているそうです。名付けて、


athleisure


というそうですが、Merriam Websterのエントリに追加されることが決まっているそうです。


It's official: It's socially acceptable to wear your sweats out in public. What makes this possible, you ask? The word "athleisure" will be added to the Merriam-Webster Dictionary in 2016, Quartz reports.

The term refers to "casual clothing designed to be worn both for exercising and for general use." Most recently, athleisure has appeared on models like Gigi Hadid, not to mention the entire Kardashian-Jenner crew. The active/street-wear hybrid has become a focus of many higher-end labels like Mara Hoffman, Rebecca Minkoff, Tory Burch and Derek Lam.
(Kate Bratskeir. 'Athleisure' Will Be Added To The Merriam-Webster Dictionary. Huffington Post. November 9, 2015.)


"athleisure"は、"athletic"と"leisure"のかばん語ですね。

"athleisure"の市場は拡大しているらしく、ジーンズなど他のカジュアル衣料のマーケットを侵食しつつあるという報告もあるそうです。

記事によりますと、"athleisure"という単語自体は1976年に初出が認められているそうです。


And yet it's not a completely new concept -- athleisure has some roots in the past. Merriam-Webster told Quartz that the word first appeared in a 1976 ad that ran in the El Paso Herald Post: “Athleisure Shoes by Dunham. One of America’s largest boot & shoe manufacturers,” it reads. “Nylon with suede trim, traction sole.”
(ibid.)


"athleisure"が意味するところの最近のトレンドは、ヨガで着用するようなタイツやコンプレッションウェアなど肌にぴったりフィットウェアを着るということのようです。

個人的には、ジャージを普段着にしているのも"athleisure"の一種かと思っていましたがそれはファッショナブルではないのでしょう。いずれにしても、さすがにオフィスへ着て行くのはNGだろうと思われますが・・・。


2015年11月9日月曜日

高みから・・・ ― perch

排ガス規制逃れのスキャンダルでそのブランドを大きく傷つけてしまったフォルクスワーゲン社が、今後はハイブリッドや電気自動車に活路を見出しているというニュースです。


Volkswagen's renewed focus on hybrid and electric vehicles may be its last great hope of containing the fallout from a rapidly spreading diesel emissions scandal that has engulfed its Porsche and Audi brands -- and, most recently, even some of its gasoline-powered cars.

After setting aside more than $7 billion to pay for recalls and repairs, the German automaker lost $1.84 billion in the third quarter -- its first loss in a t least 15 years. And it tumbled from its hard-won perch as the world's largest auto manufacturer, a title it had wrested from Toyota earlier this year.
(Susan Carpenter. VW doubles down on electric vehicles, hoping to move beyond the diesel scandal. OCRegister. November 8, 2015.)


思い起こしてみると、VWがトヨタを抜いて世界トップの座に輝いたことが報道されたのは今年初めでした。それから1年も経たないうちに、ディーゼルカーでの排ガス規制逃れの不正が暴露されて、何千億円規模の損失を計上することになり、その座から陥落してしまったのです。

今日は、


hard-won perch


という表現が目に留まりました。"perch"というのは鳥の止まり木のことです。空を飛ぶ鳥が止まるのところは必然的に高いところとなりますが、そのことから比喩的に、


高くて安全な場所、高い安定した地位


という意味で使われるようになりました。自動車メーカーとしての首位の座は苦労して得た地位(hard-won perch)だったはずです。

おまけでもう1つ引用です。


[Arthur] Blank is credited not only with helping to steer Home Depot to its high perch in merchandising, but also in being a philanthropic leader.
(Atlanta Journal Constitution. 2002.)


“高み”という日本語がありますが、"perch"を修飾する形容詞として、"high"、"lofty"などがよく見られます。


2015年11月6日金曜日

dig out of rut

アメリカ小売業大手のWhole Foodsが苦戦しているようです。


What Whole Foods is doing to try to dig out of its rut

When Whole Foods Market frist began opening its groceries in cities and suburbs across the country, every store launch was something of a test case for whether orgaic eating was niche fad or part of a sweeping change in how many Americans want to eat.

For a while, Whole Foods consistently delivered impressive growth -- so impressive, in fact, that other massive retailers such as Wal-Mart, Kroger and Traget became eager to get in on what the industry now believes is a durable shift toward healthier less-processed food.

And that's when the going got tough for Whole Foods: The category it practically created was suddenly crowded with alternatives that often had lower price tags. On Wednesday, we saw some of the clearest evidence yet of how much Whole Foods has been hurt by this new reality. In its quarterly earnings report, the company said that sales were down 0.2 percent at stores open more than a year, the first time in at least four years it had seen a decline on this metric. Total revenue was up 6 percent, its smallest quarterly increase since at least 2011.
(Sarah Halzack. What Whole Foods is doing to try to dig out of its rut. The Washinton Post. November 5, 2015.)


アメリカに短期滞在した際、Whole Foodsを利用したことがありますが、健康志向を前面に打ち出した、こじゃれた感じの店舗だったという記憶があります。創業からしばらくは時流に乗って売り上げを伸ばしてきたのでしょうが、最近になって競合との差別化ができなくなり、売り上げに陰りがみられるということなのでしょう。

"dig out of its rut"というフレーズを初めて見たように思うのですが、"rut"とはわだち(轍)のことで、比喩的には“マンネリ”という意味です。

つまり、マンネリから脱却する、というのが"dig out of its rut"ということになりそうです。

手持ちの英和辞書にはこのフレーズは載っていませんでしたが、"dig out of rut"というのは結構お決まりのフレーズになっているようです。

ちなみに"dig out of rut"の逆、つまりマンネリにはまってしまう、というのは、


fall into rut


となります。


2015年11月5日木曜日

もうクリスマスツリーが・・・ ― spruce

先週末、繁華街を歩いておりますと、デパート前でクリスマスツリーの設置作業をしているのに出くわしました。

もうクリスマスツリー!?と思ってしまいましたが、11月に入ったところですから、今年も後残り2ヶ月あまりということで、年の瀬が迫っていることは間違いありません。

ニューヨークでも有名なロックフェラーセンターのクリスマスツリーの準備が進んでいるという報道が目に留まりました。


Rockefeller Center is about to be "spruced" up.

The country's most Christmas famous tree — a massive 78-foot, 10 ton Norway spruce — is en route to the Big Apple.

The tree, from the Gardiner, NY, home of Albert Asendorf and Nancy Puchalski, was chopped down and loaded onto a 115-foot-long trailer ahead of its hour-and-a-half journey to the city.
(Sophia Rosenbaum. Rockefeller Christmas tree begins journey to NYC. New York Post. November 4, 2015.)


クリスマスツリーとなる木はトウヒ(エゾマツ)ですが、英語では"spruce"といいます。

ところで記事の冒頭、"spruce"は動詞としても使われています。"spruce up"というフレーズですがこれは、


小ぎれいにする、めかす
(ランダムハウス英和辞書)


という意味で使われています。明らかにしゃれを意図したのでしょう。

"spruce"はドイツが原産とされますが、語源的にも"Prussia"(プロシア)が変化したものが"spruce"ということになっています。

ちなみに、“しゃれた”、“粋な”という形容詞の意味の"spruce"は、プロシアから輸入した革で作ったチョッキがその当時オシャレなアイテムとされたことから生まれた意味なのだそうです。

動詞の“小ぎれいにする、めかす”という意味はこの形容詞の意味がさらに発展したものです。


2015年11月4日水曜日

isinglass

ベジタリアンというのは菜食主義者のことです。このベジタリアンにも色々な“レベル”があって、単に肉類を食べないという人から、動物由来のものは一切受け付けない、という完全菜食主義者("vegan"と言います)まで様々だそうです。

ベジタリアンでもアルコール類は問題ないのでしょうか?実はビールも厳密に言うと動物由来の成分が含まれるらしいのです。

ビールで有名なギネス社は、完全菜食主義者に配慮した製造へとシフトするということです。


Guinness is set to become vegan friendly for the first time in its 256-year history, as the company announced its plan to stop using fish bladders in its filters.

A spokesman for Guinness told The Times that the firm would now look at using a new filtration plant that would be vegan-friendly, having previously used isinglass - a by-product of the fishing industry used to help the yeast settle faster.

The new system is due to be installed sometime in 2016.

“Whilst isinglass is a very effective means of clarification, and has been used for many years, we expect to stop using it as the new filtration asset is introduced,” the spokesman told The Times.
(Will Grice. Guinness to become vegan-friendly as fish bladder isinglass filtration process ditched after 256 years. The Independent. November 2, 2015.)


ベジタリアンが気にするビールの成分とは何なのでしょうか?

それは、"isinglass"、別名"fish bladder"と呼ばれるものです。"fish bladder"というのは魚の浮き袋のことで、特にチョウザメの浮き袋というのはゼリーの材料として使われたり、飲料の透明度を増すのに使われるのだそうです。(清澄剤と呼ばれるそうです。)

さて、本日の1語となる、"isinglass"ですがカタカナで“アイシングラス”とも言うようです。スペルから"glass"(ガラス)が見て取れますが、実はガラスでも何でもありません。

"isinglass"はオランダ語huysenblaseに由来するもので、浮き袋を意味するblaseが"glass"に置き換えられてしまった、いわゆる民間語源(異分析)により生まれたものです。


2015年11月3日火曜日

tween

年頃の子供を持つ親にとって、子供がケータイやスマホで何をやっているのかは気にかかるところであります。

アメリカでの最近の調査によると、子供がデジタルメディアにアクセスしている時間は1日あたり9時間にもなるということです。


Teens are spending more than one-third of their days using media such as online video or music — nearly nine hours on average, according to a new study from the family technology education non-profit group, Common Sense Media. For tweens, those between the ages of 8 and 12, the average is nearly six hours per day.

The Common Sense census was designed to set a new statistical baseline for research on teen and pre-teen media use, said Jim Steyer, the group's executive director.
(Hayley Tsukayama. Teens spend nearly nine hours every day consuming media. The Washington Post. November 3, 2015.)


ちなみにわたしは愚息(高校1年生、中1)、豚児(小4)にケータイやスマホは与えておりません。ケータイを買ってくれという愚息からの要望は日増しに強くなっています。

さて、"teens"という表現と並列して、"tweens"という表現が使われています。

言うまでもなく、"teen"とは、ティーンエイジャーのことを指しており、英語で"thirteen (13)"、"fourteen (14)"・・・、となる13歳から19歳までの年齢層のことです。日本語での10代は10歳から12歳も含みますが、"teen"は13歳以上19歳以下、というのが常識です。

では、"tween"とは?

引用した記事では、


those between the ages of 8 and 12


とあり、8歳以上12歳以下、となります。(これは恐らく記事で取り上げられている研究における定義でそうなっている、ということなのかもしれません。)

ところが、この"tween"については、辞書によっては異なる年齢層を定義しているものもあります。Merriam Websterでは、


a boy or girl who is 11 or 12 years old


となっているのです。

一方、Oxford(オンライン版)では、"tween"は"tweenager"の短縮形としており、"tweenager"の定義は、


A child between the ages of about 10 and 14


とありました。

う~ん、よくわかりませんが、日本語で言うと“年頃”の一言で済ませられるのかも!?(日本語は便利です。)


2015年11月2日月曜日

政治の世界は反則だらけ ― hitting below the belt

アメリカ大統領選の候補者レースが過熱していますが、政治の世界というのは泥仕合が常識とは言え、候補者間の中傷合戦は今も昔も変わらないようです。


It would be an exaggeration to say dirty tricks and mudslinging have been a part of every presidential campaign since the beginning. After all, George Washington did run unopposed.

But hitting below the belt has been a part of US presidential races since the days of suspenders.

As retold in Joseph Cummins’ book, “Anything for a Vote,” here are some of the most vicious, outrageous and frequently ridiculous slams, slanders and ploys used throughout American history to try and gain the White House:
(Michael Kane. A history of dirty tricks in presidential elections. New York Post. November 1, 2015.)


ヒラリー・クリントン氏のメール問題が取り沙汰されるのはありとしても、そんなことまでネタにして相手を非難するのか?というようなものもあるようです。つまり、


hitting below the belt


なのです。

"below the belt"というのは下腹部を指していますが、ボクシングではこの部分への打撃は反則行為とされています。

つまり、「反則行為」を意味する成句です。

日本でも維新の党の分裂に始まる口汚い中傷合戦が絶えませんが・・・。