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2017年4月20日木曜日

"prestitial ads"とは何ぞや? ― prestitial

インターネットが社会のインフラとなった現代、日々の生活でネットにアクセスしないで済む人というのはかなり珍しいと思いますが、ネット上は広告で溢れています。

検索結果に応じて表示される広告は当たり前で、話題の商品を検索しただけで、行く先々のウェブサイトでその商品の広告がしつこく表示されます。「買え、買え」としつこく迫られているようで不快な気分にもなります。

また、昔からある広告表示の1つにポップアップ広告(pop-up ads)というものがあります。訪問したウェブサイトとは別に意図しないウィンドウが開き、広告が表示される仕組みです。使用しているブラウザによってはこのポップアップ広告を表示しない機能が実装されていたりしますが、ネットは広告で成り立っているビジネスですから、様々な広告手法が次から次へと産み出され、ユーザーを襲います。

このようなインターネット広告について、広告そのものをブロックするという試みがあるそうで、グーグルの有名なブラウザであるChromeでは実装が検討されているという記事が目に留まりました。


Alphabet Inc.’s Google is planning to introduce an ad-blocking feature in the mobile and desktop versions of its popular Chrome web browser, according to people familiar with the company’s plans.

The ad-blocking feature, which could be switched on by default within Chrome, would filter out certain online ad types deemed to provide bad experiences for users as they move around the web.

Google could announce the feature within weeks, but it is still ironing out specific details and still could decide not to move ahead with the plan, the people said.

Unacceptable ad types would be those recently defined by the Coalition for Better Ads, an industry group that released a list of ad standards in March. According to those standards, ad formats such as pop-ups, auto-playing video ads with sound and “prestitial” ads with countdown timers are deemed to be “beneath a threshold of consumer acceptability.”
(Jack Marshall. Google Plans Ad-Blocking Feature in Popular Chrome Browser. The Wall Street Journal. April 19, 2017.)


ところで、インターネット広告の標準を定めようという動きがあるそうですが、それを主導している団体が定める「不快な広告手法」というものが記事に列挙されています。

その中に、


prestitial ads


というものが出てくるのですが、これは一体どのような広告(手法)なのでしょうか?

"prestitial"と引用符付きで用いられていることからも想像がつくのですが、この"prestitial"という単語は辞書に載っていません。

色々調べていると、"prestitial ads"と並んで、"interstitial ads"というものも存在するらしいことが分かりました。この"interstitial"という単語はご存知の方も多いのではないでしょうか。

"interstitial"という単語を見たのは生物学や生理学のコンテクストではないかと思いますが、「細胞間の」、「間質の」という意味の形容詞で、つまり、”間(あいだ)にある”、という意味です。

"interstitial ads"に話を戻すと、これはウェブサイトの記事が複数ページに分かれていて、読み進めるうち、ページをまたぐタイミングで表示される広告のことを指すようです。つまり、記事の途中、間(あいだ)に表示されるよう設定された(interstitialな)広告(ads)ということなんですね。

"prestitial"は恐らくこの"interstitial"から新たに作られた単語だと思われ、間(あいだ)を表す接頭辞inter-に代わり、pre-が使われていることから、「前に」という意味合いとなるものと思われます。

つまり、"interstitial ads"が途中に挿入される広告であるのに対して、"prestitial ads"は目的のウェブサイトのコンテンツが表示される前に挿入されている広告です。

記事では、"prestitial ads with countdown timers"とありますが、これはよくある、見たくもない広告動画が再生され、一定の時間経過した後、「閉じる」ボタンをクリックするとようやく目的の記事やコンテンツが表示されるというものですね。

仕方がないとはあきらめつつも、やはり広告はないほうがいいに決まっていますが・・・。


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