いよいよ大晦日を迎え、2018年も終わろうとしています。
この1ヶ月は「平成最後の〜」という枕詞が随所に見られました。確かに「平成最後」となるイベントもありますが、実際のところ来年は平成三十一年であり、まだもう少し平成なんですけどね。
さて、下記は英紙テレグラフの記事からの引用です。
Sung while standing in a circle and holding crossed hands with your nearest and dearest, it has been sung on New Year's Eve for generations.
But now Auld Lang Syne is at risk of dying out, streaming figures show, as Millennials are shunning the traditional way of ringing in the New Year.
For the next generation are willing to let old anthems be forgotten, according to new research which show the Scottish ballad is not a hit with younger listeners. The song, based on a poem by Robert Burns, is sung to ring in the New Year as people cross arms to hold hands in a circle throughout the song.
It was the most-played track between 11.55pm on New Year's Eve 2017 and 12.05am on January 1 this year, according to streaming service Deezer. However it is predicted to attract fewer plays when the clock strikes midnight tonight.
(Katie Morley. Will Auld Lang Syne be forgot this New Year's Eve? The Telegraph. December 31, 2018.)
“Auld Lang Syne”は日本では「蛍の光」という曲名で知られるあの有名な曲です。
年末には行く年を惜しんで、テレビやラジオでも耳にすることがあると思います。(確か、年末の風物詩とも言えるNHKの紅白歌合戦では番組の終わりは「蛍の光」で締めていたように思います。)
ご存知の方も多いと思いますが、原曲である”Auld Lang Syne”はスコットランド民謡です。
テレグラフ紙によれば、英国では大晦日から新年にかけて、このスコットランド民謡が歌われるそうですが、親しまれてきたこの民謡もミレニアル世代には忘れられつつあるようです。
“Auld Lang Syne”はスコットランド語なので、英語に直訳すると、Old Long Sinceとなりますが、意訳すれば古き良き日々、というくらいの意味です。
今年もえいご1日1語をご愛読ありがとうございました。
来年2019年はいよいよ10年を迎えます。2019年もよろしくお願いします。
2018年12月31日月曜日
2018年12月28日金曜日
macroglossia
舌を出して愛嬌を振りまいているようにも見える赤ちゃんの写真ですが、その舌は少し大き過ぎるようにも見えます。
A 16-month-old toddler in Jenks, Oklahoma, who was born with a rare condition that causes his tongue to be abnormally large will require surgery to reduce its size, his mother said.
Baker Roth was has a condition known as Beckwith-Wiedemann Syndrome or BWS. The genetic disorder is “commonly characterized by overgrowth,” according to the Children’s Hospital of Philadelphia. And it’s rare -- typically occurring with just one in 11,000 births.
(中略)
Baker’s BWS diagnosis came as a surprise. Though ultrasound images appeared to show the boy’s tongue sticking out of his mouth, neither Roth nor her doctors ever considered it to be a sign of the rare condition.
“I always thought it was cute that he had his tongue sticking out in ultrasound scans, but realistically it was macroglossia [enlarged tongue] caused by BWS,” Roth told The Daily Mail. “Not a lot of doctors are familiar with the syndrome and we just thought it was adorable, I even posted about how cute it was.”
(Madeline Farber. Oklahoma toddler who survived cancer requires surgery for abnormally sized tongue, mom says. Fox News. December 28, 2018.)
1歳4ヶ月の赤ちゃんが患っているのはベックウィズーヴィーデマン症候群(Beckwith-Wiedemann Syndrome (BWS))という、1万人以上に1人という確率でしか発症しないと言われる、遺伝子の異常によって引き起こされる病気だということです。
BWSの症状の1つに、
macroglossia
があり、これは記事中にも括弧書きで補足されていますが、大舌症、巨舌症、などと呼ばれるもので、異常に大きくなった舌のことです。
記事に出てくる赤ちゃんの例では胎児の超音波画像において既に口腔から舌が出ているのが認められていたようです。
この”macroglossia”のスペルを見て、-glossの部分に思い当たるところはないでしょうか?
そうです、我々がよく知っている、
glossary
も同じで、ギリシャ語で舌を意味するglottaから派生した単語です。
また、解剖学用語の声門(glottal)も同様です。
A 16-month-old toddler in Jenks, Oklahoma, who was born with a rare condition that causes his tongue to be abnormally large will require surgery to reduce its size, his mother said.
Baker Roth was has a condition known as Beckwith-Wiedemann Syndrome or BWS. The genetic disorder is “commonly characterized by overgrowth,” according to the Children’s Hospital of Philadelphia. And it’s rare -- typically occurring with just one in 11,000 births.
(中略)
Baker’s BWS diagnosis came as a surprise. Though ultrasound images appeared to show the boy’s tongue sticking out of his mouth, neither Roth nor her doctors ever considered it to be a sign of the rare condition.
“I always thought it was cute that he had his tongue sticking out in ultrasound scans, but realistically it was macroglossia [enlarged tongue] caused by BWS,” Roth told The Daily Mail. “Not a lot of doctors are familiar with the syndrome and we just thought it was adorable, I even posted about how cute it was.”
(Madeline Farber. Oklahoma toddler who survived cancer requires surgery for abnormally sized tongue, mom says. Fox News. December 28, 2018.)
1歳4ヶ月の赤ちゃんが患っているのはベックウィズーヴィーデマン症候群(Beckwith-Wiedemann Syndrome (BWS))という、1万人以上に1人という確率でしか発症しないと言われる、遺伝子の異常によって引き起こされる病気だということです。
BWSの症状の1つに、
macroglossia
があり、これは記事中にも括弧書きで補足されていますが、大舌症、巨舌症、などと呼ばれるもので、異常に大きくなった舌のことです。
記事に出てくる赤ちゃんの例では胎児の超音波画像において既に口腔から舌が出ているのが認められていたようです。
この”macroglossia”のスペルを見て、-glossの部分に思い当たるところはないでしょうか?
そうです、我々がよく知っている、
glossary
も同じで、ギリシャ語で舌を意味するglottaから派生した単語です。
また、解剖学用語の声門(glottal)も同様です。
2018年12月27日木曜日
sleep-texting
スマホが片時も手離せないでいる人達が増加し、深夜遅くまでベッドの中でスマホ画面を見続けることの弊害が指摘されて久しいです。
子供らが学校から持ち帰る便りの中には冬休みの過ごし方について、特にスマホ依存やSNSの危険性について注意喚起したものが最近は多くなっています。
ところが!です。
今や世の中には寝ながらにしてスマホを操作する程のツワモノがいるということですから、スマホ依存を通り越しているといっても過言ではないかもしれません。
その名も、”sleep-texting”です。
Andrew Watson, 26, was so good at coordinating international business deals that he did it in his sleep.
“I’d fall asleep with my work phone next to my head, [then send emails] and have no memory of doing it,” Watson, who worked for a cloud computing company, tells The Post. “It was really bad” — so bad that the San Francisco resident once woke up to discover he had signed off on a million-dollar deal.
According to a new report out of Villanova University, sleep-texting is a growing issue among young men and women. Scientists surveyed 372 students and found that nearly a quarter of them reported texting in their sleep — and 72 percent of those sleep-texters didn’t remember their midnight missives in the light of day.
(Hannah Frishberg. People are texting exes and buying stuff in their sleep. New York Post. December 26, 2018.)
睡眠の浅いレベルでスマホを操作して、無意識のうちにメールを送信(texting)してしまう人が増加しているとのことです。
メール送信に限らず、オンラインショッピングで買い物をするというような行為も見られるそうです。この話を聞いて心当たりがある人は要注意です。
ただ、テクノロジーが今日ほど浸透した状況ではこうした”sleep-texting”のような行為は特に驚くべきことでもないのかもしれません。
個人的な体験ですが、眠りが浅い状況で夢ともうつつとも判然としない中、英語をしゃべっていたり、(目覚めて振り返ってみると)不可思議なことを考えていたりする経験をしたことがあります。
そこで枕元に紙と鉛筆を置いて就寝し、そのような体験の際に書き留めるということを試みました。つまり、寝ながらにして、半うつつの状態で筆記をするということを試みたのです。
一度だけ成功しましたが、起床してから見るメモは意味不明な文字の羅列でした。
今日取り上げた”sleep-texting”は恐らくは”sleep-walking”(夢遊病)に倣った造語だと思われます。
子供らが学校から持ち帰る便りの中には冬休みの過ごし方について、特にスマホ依存やSNSの危険性について注意喚起したものが最近は多くなっています。
ところが!です。
今や世の中には寝ながらにしてスマホを操作する程のツワモノがいるということですから、スマホ依存を通り越しているといっても過言ではないかもしれません。
その名も、”sleep-texting”です。
Andrew Watson, 26, was so good at coordinating international business deals that he did it in his sleep.
“I’d fall asleep with my work phone next to my head, [then send emails] and have no memory of doing it,” Watson, who worked for a cloud computing company, tells The Post. “It was really bad” — so bad that the San Francisco resident once woke up to discover he had signed off on a million-dollar deal.
According to a new report out of Villanova University, sleep-texting is a growing issue among young men and women. Scientists surveyed 372 students and found that nearly a quarter of them reported texting in their sleep — and 72 percent of those sleep-texters didn’t remember their midnight missives in the light of day.
(Hannah Frishberg. People are texting exes and buying stuff in their sleep. New York Post. December 26, 2018.)
睡眠の浅いレベルでスマホを操作して、無意識のうちにメールを送信(texting)してしまう人が増加しているとのことです。
メール送信に限らず、オンラインショッピングで買い物をするというような行為も見られるそうです。この話を聞いて心当たりがある人は要注意です。
ただ、テクノロジーが今日ほど浸透した状況ではこうした”sleep-texting”のような行為は特に驚くべきことでもないのかもしれません。
個人的な体験ですが、眠りが浅い状況で夢ともうつつとも判然としない中、英語をしゃべっていたり、(目覚めて振り返ってみると)不可思議なことを考えていたりする経験をしたことがあります。
そこで枕元に紙と鉛筆を置いて就寝し、そのような体験の際に書き留めるということを試みました。つまり、寝ながらにして、半うつつの状態で筆記をするということを試みたのです。
一度だけ成功しましたが、起床してから見るメモは意味不明な文字の羅列でした。
今日取り上げた”sleep-texting”は恐らくは”sleep-walking”(夢遊病)に倣った造語だと思われます。
2018年12月26日水曜日
少数派? ー marginal
今年のクリスマスも終わってしまいましたが、いかがお過ごしだったでしょうか。
小生も子供が幼かった頃はクリスマスプレゼントの調達に奔走していましたが、大きくなった愚息らに対しては最早クリスマスプレゼントを準備する煩わしさみたいなものからは遠ざかりました。
そもそも子供ら自身がサンタクロースの存在を信じていません。
WASHINGTON – President Donald Trump questioned a 7-year-old’s belief in Santa Claus, telling the child it was “marginal” at that age to still think Father Christmas is real.
"Are you still a believer in Santa?" Trump said to a child calling in to the federal government's official "Santa Tracker," run by the North American Aerospace Defense Command. "Because at 7, it's marginal, right?" Trump said.
(Deidre Shesgreen. President Trump tells 7-year-old child it's 'marginal' to still believe in Santa Claus. USA Today. December 25, 2018.)
英語文化圏では“Father Christmas”とも呼ばれますが、サンタクロースがプレゼントを持って街にやって来るというのは何歳位までの子供が信じているものでしょうか?
ホワイトハウスのトランプ大統領と電話で繋がった7歳の少女は、大統領からサンタがいると信じているかと尋ねられ、信じている、と答えたそうです。
そも回答に対する大統領のコメントが、
Because at 7, it's marginal, right?
というものだったらしいのですが、ここで“marginal”をどう訳したものでしょうか。
辞書を引くと様々な意味が載っており、ここでのコンテクストにしっくりくるような、そのものずばりの意味は見当たりません。
“marginal”とは“margin”(余白)に関係するということになります。つまり、メインの部分、主要部分からは外れている、というのがその概念だと言えます。
トランプ氏のコメントの意図は恐らく、7歳にもなってまだサンタを信じているというのは珍しい、ということだったのだろうと思われます。
つまりそのくらいの年齢になれば大多数はサンタなどいないと知っているはずで、少女のようにサンタが存在すると信じているのは少数派、ということでしょう。
別記事では、“marginal”と言われてしまった少女は“marginal”の意味するところが実はよく分からなかったということを報じています。
小生も子供が幼かった頃はクリスマスプレゼントの調達に奔走していましたが、大きくなった愚息らに対しては最早クリスマスプレゼントを準備する煩わしさみたいなものからは遠ざかりました。
そもそも子供ら自身がサンタクロースの存在を信じていません。
WASHINGTON – President Donald Trump questioned a 7-year-old’s belief in Santa Claus, telling the child it was “marginal” at that age to still think Father Christmas is real.
"Are you still a believer in Santa?" Trump said to a child calling in to the federal government's official "Santa Tracker," run by the North American Aerospace Defense Command. "Because at 7, it's marginal, right?" Trump said.
(Deidre Shesgreen. President Trump tells 7-year-old child it's 'marginal' to still believe in Santa Claus. USA Today. December 25, 2018.)
英語文化圏では“Father Christmas”とも呼ばれますが、サンタクロースがプレゼントを持って街にやって来るというのは何歳位までの子供が信じているものでしょうか?
ホワイトハウスのトランプ大統領と電話で繋がった7歳の少女は、大統領からサンタがいると信じているかと尋ねられ、信じている、と答えたそうです。
そも回答に対する大統領のコメントが、
Because at 7, it's marginal, right?
というものだったらしいのですが、ここで“marginal”をどう訳したものでしょうか。
辞書を引くと様々な意味が載っており、ここでのコンテクストにしっくりくるような、そのものずばりの意味は見当たりません。
“marginal”とは“margin”(余白)に関係するということになります。つまり、メインの部分、主要部分からは外れている、というのがその概念だと言えます。
トランプ氏のコメントの意図は恐らく、7歳にもなってまだサンタを信じているというのは珍しい、ということだったのだろうと思われます。
つまりそのくらいの年齢になれば大多数はサンタなどいないと知っているはずで、少女のようにサンタが存在すると信じているのは少数派、ということでしょう。
別記事では、“marginal”と言われてしまった少女は“marginal”の意味するところが実はよく分からなかったということを報じています。
2018年12月25日火曜日
take the helm
かねてよりトランプ大統領との不仲が噂されてきたマティス国防長官が辞任することが公表され、日本でも大きく報道されています。
そのマティス氏の後任に、副長官のPatrick Shanahan氏が就任することが決まったようです。
It's official - deputy defense secretary Patrick Shanahan will be taking the helm at the Pentagon as acting secretary of defense.
James Mattis, who resigned from the position over US President Donald Trump's decision to pull troops out of Syria, will be forced out of the role before 2019. In his resignation letter, Mattis had offered to stay on for two months in order to facilitate a smooth transition.
Instead, Trump announced his new pick in a tweet on Sunday. He praised Shanahan, writing: "Patrick has a long list of accomplishments while serving as Deputy, & previously Boeing. He will be great!"
(Aine Cain. Meet Patrick Shanahan, the former Boeing executive nicknamed 'Mr. Fix-It' who's replacing General James Mattis as Defense secretary. Business Insider. December 23, 2018.)
Shanahan氏は航空機で有名なボーイング社の出身だそうですが、“Mr. Fix-It”とも渾名されるほどの腕利きだそうです。
さて、組織におけるリーダーを表現するのに、日本語でも「舵取り」という表現を用いますが、英語でも、
take the helm
という言い回しが使われます。
ここで”helm”とは船を操舵する舵のことです。
そのマティス氏の後任に、副長官のPatrick Shanahan氏が就任することが決まったようです。
It's official - deputy defense secretary Patrick Shanahan will be taking the helm at the Pentagon as acting secretary of defense.
James Mattis, who resigned from the position over US President Donald Trump's decision to pull troops out of Syria, will be forced out of the role before 2019. In his resignation letter, Mattis had offered to stay on for two months in order to facilitate a smooth transition.
Instead, Trump announced his new pick in a tweet on Sunday. He praised Shanahan, writing: "Patrick has a long list of accomplishments while serving as Deputy, & previously Boeing. He will be great!"
(Aine Cain. Meet Patrick Shanahan, the former Boeing executive nicknamed 'Mr. Fix-It' who's replacing General James Mattis as Defense secretary. Business Insider. December 23, 2018.)
Shanahan氏は航空機で有名なボーイング社の出身だそうですが、“Mr. Fix-It”とも渾名されるほどの腕利きだそうです。
さて、組織におけるリーダーを表現するのに、日本語でも「舵取り」という表現を用いますが、英語でも、
take the helm
という言い回しが使われます。
ここで”helm”とは船を操舵する舵のことです。
2018年12月24日月曜日
payroll
日産自動車のカルロス・ゴーン前CEOの逮捕は間違いなく今年のトップ10に入るニュースだと思いますが、この三連休を目前にした12月21日に特別背任の容疑で再逮捕され、改めて衝撃が走りました。
ゴーン氏は保釈される見通しだったようですが、この再逮捕を受けてクリスマスも新年も拘置所の中で過ごすことになるらしく、当然の報いと言えばそうかもしれませんが、可哀相だといえば可哀相です。
Former Nissan chief Carlos Ghosn, detained for the past five weeks on charges he underreported his income, will spend Christmas and New Year's Eve in a Tokyo jail cell.
The Tokyo District Court ruled Sunday that Ghosn can be held for a further 10 days without bail. The decision follows his rearrest on Friday on additional allegations of breach of trust. Japanese prosecutors petitioned the court to extend the executive's detention and restrict bail.
(中略)
Since his arrest on November 19, Ghosn has been fired as chairman by both Nissan and Mitsubishi Motors.
Renault has appointed interim management but kept Ghosn on the payroll.
(Andrew Grainer. Carlos Ghosn will spend Christmas in a Tokyo jail cell. CNN. December 23, 2018.)
ところで、ゴーン氏は既に日産と三菱自動車における役職は解かれていますが、ルノーにおいては会長兼CEOの職にまだあるとされています。
引用した記事の後半部分で、
(Renault) kept Ghosn on the payroll
とあります。
ここで、“payroll”という単語を改めて辞書を引いてみました。
給与(pay)支払いのリスト(roll)なので、“payroll”ですが、Merrim-Websterによると初出は1740年とあり、それなりに古い単語です。今時、給与支払リストを紙で管理している企業などないでしょうが・・・。
興味深いのは、ゴーン氏が未だ役職にあることを言うのに、“keep on the payroll”というような表現をしているということなのですが、ここで“payroll”は一種のメトニミーであると言うことができると思います。
ゴーン氏は現時点でルノーの役職に留まっていますが、解任(クビ)されれば“payroll”から削除される、ということになります。
Merriam-Websterのエントリの例文には以下のような用例が出ています。
They cut him from their payroll.
ゴーン氏は拘置所の独居房で除夜の鐘を聞くのでしょうか。
ゴーン氏は保釈される見通しだったようですが、この再逮捕を受けてクリスマスも新年も拘置所の中で過ごすことになるらしく、当然の報いと言えばそうかもしれませんが、可哀相だといえば可哀相です。
Former Nissan chief Carlos Ghosn, detained for the past five weeks on charges he underreported his income, will spend Christmas and New Year's Eve in a Tokyo jail cell.
The Tokyo District Court ruled Sunday that Ghosn can be held for a further 10 days without bail. The decision follows his rearrest on Friday on additional allegations of breach of trust. Japanese prosecutors petitioned the court to extend the executive's detention and restrict bail.
(中略)
Since his arrest on November 19, Ghosn has been fired as chairman by both Nissan and Mitsubishi Motors.
Renault has appointed interim management but kept Ghosn on the payroll.
(Andrew Grainer. Carlos Ghosn will spend Christmas in a Tokyo jail cell. CNN. December 23, 2018.)
ところで、ゴーン氏は既に日産と三菱自動車における役職は解かれていますが、ルノーにおいては会長兼CEOの職にまだあるとされています。
引用した記事の後半部分で、
(Renault) kept Ghosn on the payroll
とあります。
ここで、“payroll”という単語を改めて辞書を引いてみました。
給与(pay)支払いのリスト(roll)なので、“payroll”ですが、Merrim-Websterによると初出は1740年とあり、それなりに古い単語です。今時、給与支払リストを紙で管理している企業などないでしょうが・・・。
興味深いのは、ゴーン氏が未だ役職にあることを言うのに、“keep on the payroll”というような表現をしているということなのですが、ここで“payroll”は一種のメトニミーであると言うことができると思います。
ゴーン氏は現時点でルノーの役職に留まっていますが、解任(クビ)されれば“payroll”から削除される、ということになります。
Merriam-Websterのエントリの例文には以下のような用例が出ています。
They cut him from their payroll.
ゴーン氏は拘置所の独居房で除夜の鐘を聞くのでしょうか。
2018年12月21日金曜日
babushka
大きななニワトリの卵を割ったら、もう1つの卵が出てきた!というびっくりするような話です。
The babushka egg was laid by a free-range chicken at the Stockman's Eggs on the Atherton Tablelands, west of Cairns, in far north Queensland.
Farmer Scott Stockman said one of the staff found the egg and he was there soon after.
Mr Stockman said the egg weighed 176 grams, more than three times the size of an average egg.
And as for how the chicken is faring, Mr Stockman said "she would have had a pain in the bum".
When it was cracked, they discovered a second smaller egg sitting inside.
"It's just incredible actually — to have two perfectly formed eggs together," Mr Stockman said.
(Massive 'babushka' egg laid on far north Queensland farm never seen before by expert. ABC News. March 6, 2018.)
記事の写真を見ると、たしかに巨大な卵を割った中に普通サイズと思しき卵が入っていたようです。
記事ではこの不思議な卵のことを、
babushka egg
と呼んでいるようですが、学術的な用語かと思ったらそうではなく、"babushka egg"というのは我々もよく知っている、入れ子式になった民芸品であるマトリョーシカ(matryoshka)のことを言うようです。
ロシア語の"babushka"はおばあさん、老婦人、また女性が頭に被る三角巾(スカーフ)を指すそうです。
漠然とですが、太った、スカーフを被った大きなおばあさんのイメージがあります。入れ子になっているマトリョーシカはスカーフを被った少女だと思っていましたが、実のところは太ったおばあさんなのでしょうか!?
The babushka egg was laid by a free-range chicken at the Stockman's Eggs on the Atherton Tablelands, west of Cairns, in far north Queensland.
Farmer Scott Stockman said one of the staff found the egg and he was there soon after.
Mr Stockman said the egg weighed 176 grams, more than three times the size of an average egg.
And as for how the chicken is faring, Mr Stockman said "she would have had a pain in the bum".
When it was cracked, they discovered a second smaller egg sitting inside.
"It's just incredible actually — to have two perfectly formed eggs together," Mr Stockman said.
(Massive 'babushka' egg laid on far north Queensland farm never seen before by expert. ABC News. March 6, 2018.)
記事の写真を見ると、たしかに巨大な卵を割った中に普通サイズと思しき卵が入っていたようです。
記事ではこの不思議な卵のことを、
babushka egg
と呼んでいるようですが、学術的な用語かと思ったらそうではなく、"babushka egg"というのは我々もよく知っている、入れ子式になった民芸品であるマトリョーシカ(matryoshka)のことを言うようです。
ロシア語の"babushka"はおばあさん、老婦人、また女性が頭に被る三角巾(スカーフ)を指すそうです。
漠然とですが、太った、スカーフを被った大きなおばあさんのイメージがあります。入れ子になっているマトリョーシカはスカーフを被った少女だと思っていましたが、実のところは太ったおばあさんなのでしょうか!?
2018年12月20日木曜日
finger wave
郊外に突如として現れた、巨大な彫像が話題になっています。
彫像は人の手の形をしているのですが、中指だけ立てたものになっており、記事のビデオではモザイクがかけられています。
A Vermont man, involved in a long-running spat with local officials, erected a giant sculpture of the middle finger saluting city council with the one-finger wave.
Ted Pelkey had the sculpture erected next to a highway in the town of Westford earlier this month.
“It’s intended for the people who run the town of Westford,” Pelkey told WCAX-TV.
According to the news station, Pelkey has been in a long-running dispute with the town over red tape that’s preventing him from developing on his property. The man wants to move his recycling business and a truck repair shop from another town to his property to cut down on expenses. Pelkey claims city staff have a personal grudge against him and are creating red tape.
(Adam Frisk. Vermont man erects giant middle-finger sculpture, flipping off local government. Global News. December 12, 2018.)
ご存知のように中指を立てるゼスチャーは相手を侮辱する時に使われるものです。
巨大な彫像を立てた張本人は所有する土地の開発を巡って自治体関係者と揉めており、関係者に対する苛立ちを中指を立てた手の彫像という形で表現したかったようです。
中指を立てるゼスチャーのことを、
one-finger wave
と表現しています。
よく知られているのは、"flip off"や"flip (someone) the bird"というものですが、"finger wave"という言い方もするようです。
彫像は人の手の形をしているのですが、中指だけ立てたものになっており、記事のビデオではモザイクがかけられています。
A Vermont man, involved in a long-running spat with local officials, erected a giant sculpture of the middle finger saluting city council with the one-finger wave.
Ted Pelkey had the sculpture erected next to a highway in the town of Westford earlier this month.
“It’s intended for the people who run the town of Westford,” Pelkey told WCAX-TV.
According to the news station, Pelkey has been in a long-running dispute with the town over red tape that’s preventing him from developing on his property. The man wants to move his recycling business and a truck repair shop from another town to his property to cut down on expenses. Pelkey claims city staff have a personal grudge against him and are creating red tape.
(Adam Frisk. Vermont man erects giant middle-finger sculpture, flipping off local government. Global News. December 12, 2018.)
ご存知のように中指を立てるゼスチャーは相手を侮辱する時に使われるものです。
巨大な彫像を立てた張本人は所有する土地の開発を巡って自治体関係者と揉めており、関係者に対する苛立ちを中指を立てた手の彫像という形で表現したかったようです。
中指を立てるゼスチャーのことを、
one-finger wave
と表現しています。
よく知られているのは、"flip off"や"flip (someone) the bird"というものですが、"finger wave"という言い方もするようです。
2018年12月19日水曜日
米で急増する電子タバコ ー precipitous
アメリカではVapingと呼ばれる、いわゆる電子タバコの愛用者が急増しているそうです。
それも高校生など十代の若者の間で浸透しているということで、専門家らはニコチン中毒者の急増に危機感を募らせているようです。
A steep rise in nicotine vaping over the past year, accompanied by widespread minimizing of its potential harm, dominated the findings of a closely watched annual survey of American teenagers, released Monday.
The vaping increase was so precipitous, researchers said, that it was the largest annual jump in the use of any substance, including marijuana, they had seen in the project’s 44-year history.
In all, the researchers found, the rise amounted to 1.3 million more high school vapers in 2018 than in 2017.
(Jan Hoffman. Study Shows Big Rise in Teen Vaping This Year. New York Times. December 17, 2018.)
増加ぶりはこの種の調査が始まって以来最も急激なもので、高校1年生の10人に1人、高校3年生になると4割近くが電子タバコを吸ったことがあると回答し、昨年と比較すると高校生の電子タバコ利用者が130万人も増加しているという統計があるそうです。
さて、記事の本文中、この増加のトレンドを表現するのに、
The vaping increase was so precipitous
と出てくるのですが、”precipitous”という形容詞に引っかかりました。
これまでの経験上、”precipitous”には下落、つまりdownwardのイメージがあったので、上昇(upward)のトレンドについて用いられていることに違和感があったのです。
たしかに、”precipitous”は下降や下落の表現と共に用いられることが多く、コーパスで検索してみるとトップ3は、
precipitous decline
precipitous drop
precipitous fall
となりました。
ところが、一方では、
precipitous rise
precipitous increase
なる用法も少ないながらもあり、上昇のトレンドについて用いるのも誤用ではないようです。
Merriam-Webster Dictionaryでは、
very steep, perpendicular, or overhanging in rise or fall
と定義しており、上昇、下降いずれにおいても急激な変化を意味する形容詞となっています。
それも高校生など十代の若者の間で浸透しているということで、専門家らはニコチン中毒者の急増に危機感を募らせているようです。
A steep rise in nicotine vaping over the past year, accompanied by widespread minimizing of its potential harm, dominated the findings of a closely watched annual survey of American teenagers, released Monday.
The vaping increase was so precipitous, researchers said, that it was the largest annual jump in the use of any substance, including marijuana, they had seen in the project’s 44-year history.
In all, the researchers found, the rise amounted to 1.3 million more high school vapers in 2018 than in 2017.
(Jan Hoffman. Study Shows Big Rise in Teen Vaping This Year. New York Times. December 17, 2018.)
増加ぶりはこの種の調査が始まって以来最も急激なもので、高校1年生の10人に1人、高校3年生になると4割近くが電子タバコを吸ったことがあると回答し、昨年と比較すると高校生の電子タバコ利用者が130万人も増加しているという統計があるそうです。
さて、記事の本文中、この増加のトレンドを表現するのに、
The vaping increase was so precipitous
と出てくるのですが、”precipitous”という形容詞に引っかかりました。
これまでの経験上、”precipitous”には下落、つまりdownwardのイメージがあったので、上昇(upward)のトレンドについて用いられていることに違和感があったのです。
たしかに、”precipitous”は下降や下落の表現と共に用いられることが多く、コーパスで検索してみるとトップ3は、
precipitous decline
precipitous drop
precipitous fall
となりました。
ところが、一方では、
precipitous rise
precipitous increase
なる用法も少ないながらもあり、上昇のトレンドについて用いるのも誤用ではないようです。
Merriam-Webster Dictionaryでは、
very steep, perpendicular, or overhanging in rise or fall
と定義しており、上昇、下降いずれにおいても急激な変化を意味する形容詞となっています。
2018年12月18日火曜日
lead-footed
記事の引用からお読み下さい。
An Ohio police officer told a teenager "you're welcome" in an open letter on Facebook Sunday after issuing the 18-year-old a speeding ticket on State Route 10. And the cop hopes other lead-footed drivers will take note.
When the officer — who was not identified in the post — with the North Ridgeville Police Department pulled the teenager over for speeding, the driver claimed to not realize how fast he or she was going. But the officer immediately knew that wasn't true. In fact, the official said it should be pretty obvious you're speeding when you hit 100 miles per hour in a 65 mile-per-hour zone.
(Jennifer Earl. Ohio police officer pens emotional plea to speeders after ticketing teen for driving 100 mph. Fox News. December 17, 2018.)
法定速度時速65マイルの道路を時速100マイルで通行した18歳にスピード違反キップを切られました。
アメリカのいわゆる「ハイウェー」を懐かしく思い出します。郊外の一般道でもそれは日本の高速道路のような感じで、インターチェンジのような下道から流入する構造になっており、法定速度も高めに設定されていたように記憶します。時速65マイルはおよそ時速104キロに相当しますが、日本だと高速道路並みと言えます。
そこを時速160キロで走ったのですから60キロオーバーで、流石に警察のご厄介になるのは仕方ありません。
そしてこれもアメリカ人らしいですが、検挙した警察官が一件をフェースブックに投稿し、スピード違反の無謀な若者をたしなめるメッセージを送ったところが話題になり、記事で取り上げられているということです。
前置きが長くなりました。
記事の中で、
lead-footed drivers
という表現が使われています。
この”lead-footed”の”lead”は鉛を意味する”lead”です。
つまり、鉛の(ような)足、ということになるのですが、記事のコンテクストではどういう解釈になるでしょうか。
手元にあるランダムハウス英和辞書を引いてみると、
(常習的な)スピード狂、飛ばし屋
という意味が載っています。また、同時に
のろまな、愚鈍な
という、これは正反対のようにも思える意味も載っています。
後者の意味、つまり動きが鈍いということと、鉛は関連に納得感がありますね。日本語でも「鉛のように重たい足」などと表現することがあります。
一方の、スピード狂、飛ばし屋、については、どのように生じたのか興味深く思われます。
Online Etymology Dictionaryの解説によると、
opposite sense of "fast" emerged 1940s in trucker's jargon, from notion of a foot heavy on the gas pedal
とありました。
つまり、アクセルペダルに載せる足に荷重がかかるとスピードが上がる、という訳です。
An Ohio police officer told a teenager "you're welcome" in an open letter on Facebook Sunday after issuing the 18-year-old a speeding ticket on State Route 10. And the cop hopes other lead-footed drivers will take note.
When the officer — who was not identified in the post — with the North Ridgeville Police Department pulled the teenager over for speeding, the driver claimed to not realize how fast he or she was going. But the officer immediately knew that wasn't true. In fact, the official said it should be pretty obvious you're speeding when you hit 100 miles per hour in a 65 mile-per-hour zone.
(Jennifer Earl. Ohio police officer pens emotional plea to speeders after ticketing teen for driving 100 mph. Fox News. December 17, 2018.)
法定速度時速65マイルの道路を時速100マイルで通行した18歳にスピード違反キップを切られました。
アメリカのいわゆる「ハイウェー」を懐かしく思い出します。郊外の一般道でもそれは日本の高速道路のような感じで、インターチェンジのような下道から流入する構造になっており、法定速度も高めに設定されていたように記憶します。時速65マイルはおよそ時速104キロに相当しますが、日本だと高速道路並みと言えます。
そこを時速160キロで走ったのですから60キロオーバーで、流石に警察のご厄介になるのは仕方ありません。
そしてこれもアメリカ人らしいですが、検挙した警察官が一件をフェースブックに投稿し、スピード違反の無謀な若者をたしなめるメッセージを送ったところが話題になり、記事で取り上げられているということです。
前置きが長くなりました。
記事の中で、
lead-footed drivers
という表現が使われています。
この”lead-footed”の”lead”は鉛を意味する”lead”です。
つまり、鉛の(ような)足、ということになるのですが、記事のコンテクストではどういう解釈になるでしょうか。
手元にあるランダムハウス英和辞書を引いてみると、
(常習的な)スピード狂、飛ばし屋
という意味が載っています。また、同時に
のろまな、愚鈍な
という、これは正反対のようにも思える意味も載っています。
後者の意味、つまり動きが鈍いということと、鉛は関連に納得感がありますね。日本語でも「鉛のように重たい足」などと表現することがあります。
一方の、スピード狂、飛ばし屋、については、どのように生じたのか興味深く思われます。
Online Etymology Dictionaryの解説によると、
opposite sense of "fast" emerged 1940s in trucker's jargon, from notion of a foot heavy on the gas pedal
とありました。
つまり、アクセルペダルに載せる足に荷重がかかるとスピードが上がる、という訳です。
2021/12/24追記:
Additionally, you can drive more gently, which can make your car's engine operate more efficiently, De Haan said. In other words, don't do things like speed or race from light to light.
"But it's hard to convince motorists to back off their lead foot," he said.
(Sarah O'Brien. For holiday travelers going by car, there are ways to cut how much you spend on gas. CNBC. December 23, 2021.)
2018年12月17日月曜日
get under one’s skin
ラップに苛立つ大統領、そんなところでしょうか。
Vladimir Putin is declaring war on rap music
Vlad’s got 99 problems — and rap is one.
Russian autocrat Vladimir Putin, facing poverty, protests and allegations of attacking U.S. elections, declared war on hip-hop on Saturday, railing that “rap is based on three pillars: sex, drugs and protest,” which will lead to “ the degradation of the nation.”
Putin’s comments follow a spate of concert cancellations by venue owners and local authorities across Russia, and the arrest of popular rapper Husky, whose songs have gotten under his skin.
“If it is impossible to stop, then we must lead it and direct it,” Putin said.
(Vladimir Putin is declaring war on rap music. New York Post. December 15, 2018.)
かつてはTVに出演してラッパーに賞を贈呈していたというプーチン大統領ですが、方針を180度転換したかのように、ラップ音楽を腐敗と堕落の象徴と切って捨てているそうです。
ラップにはセックスや麻薬、そして体制への反抗などをテーマにしたものが多いというのがその理由のようですが、独裁者には特に反体制的なものが目障りなのかも知れません。
その音楽は、
Have gotten under his skin
ということなのですが、"get under one’s skin"は人を苛立たせる、という意味です。
Vladimir Putin is declaring war on rap music
Vlad’s got 99 problems — and rap is one.
Russian autocrat Vladimir Putin, facing poverty, protests and allegations of attacking U.S. elections, declared war on hip-hop on Saturday, railing that “rap is based on three pillars: sex, drugs and protest,” which will lead to “ the degradation of the nation.”
Putin’s comments follow a spate of concert cancellations by venue owners and local authorities across Russia, and the arrest of popular rapper Husky, whose songs have gotten under his skin.
“If it is impossible to stop, then we must lead it and direct it,” Putin said.
(Vladimir Putin is declaring war on rap music. New York Post. December 15, 2018.)
かつてはTVに出演してラッパーに賞を贈呈していたというプーチン大統領ですが、方針を180度転換したかのように、ラップ音楽を腐敗と堕落の象徴と切って捨てているそうです。
ラップにはセックスや麻薬、そして体制への反抗などをテーマにしたものが多いというのがその理由のようですが、独裁者には特に反体制的なものが目障りなのかも知れません。
その音楽は、
Have gotten under his skin
ということなのですが、"get under one’s skin"は人を苛立たせる、という意味です。
2018年12月14日金曜日
creamed
記事の引用からお読み下さい。
Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms
It’s been a month since the midterms, and the grad scale of the calamity that has befallen the Republican Party grows clearer by the day. And yet Republicans in Washington seem intent on denying it.
In his wild meeting Tuesday with Democratic congressional leaders Nancy Pelosi and Charles Schumer, President Trump emphasized the fact that the GOP expanded its majority in the Senate by two seats.
(John Pdhoretz. Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms. New York Post. December 12, 2018.)
11月に行われた米中間選挙では民主党が躍進し、共和党には厳しい結果となりましたが、下院では議席を減らした一方、上院では2議席を新たに獲得したというのは事実ではあります。
ということで、トランプ氏率いる共和党の言い分としては敗北ではないということらしいのですが・・・。
記事のタイトルに注目しましょう。
Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms
とあるのですが、ここで”cream(ed)”というのは、あの「クリーム」と同じ”cream”なのですが、
To defeat overwhelmingly; to damage severely; destroy
(American Heritage Dictionary)
という意味で使われています。
“Cream”にこんな意味があるとは知りませんでした。
スラング(俗語)としての用法になるようです。
Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms
It’s been a month since the midterms, and the grad scale of the calamity that has befallen the Republican Party grows clearer by the day. And yet Republicans in Washington seem intent on denying it.
In his wild meeting Tuesday with Democratic congressional leaders Nancy Pelosi and Charles Schumer, President Trump emphasized the fact that the GOP expanded its majority in the Senate by two seats.
(John Pdhoretz. Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms. New York Post. December 12, 2018.)
11月に行われた米中間選挙では民主党が躍進し、共和党には厳しい結果となりましたが、下院では議席を減らした一方、上院では2議席を新たに獲得したというのは事実ではあります。
ということで、トランプ氏率いる共和党の言い分としては敗北ではないということらしいのですが・・・。
記事のタイトルに注目しましょう。
Republicans refuse to admit they got creamed in the midterms
とあるのですが、ここで”cream(ed)”というのは、あの「クリーム」と同じ”cream”なのですが、
To defeat overwhelmingly; to damage severely; destroy
(American Heritage Dictionary)
という意味で使われています。
“Cream”にこんな意味があるとは知りませんでした。
スラング(俗語)としての用法になるようです。
2018年12月13日木曜日
swill
ジェームズ・ボンドにアルコール中毒の疑い!?
真面目な研究に基づくレポートのようです。
James Bond is a "severe" alcoholic and should have been provided with professional help by MI6, according to an academic study.
Public health researchers at the University of Otago in New Zealand analysed 24 Bond films and concluded that the martini-swilling secret agent suffered from "chronic" alcohol use disorder.
They wrote: "There is strong and consistent evidence that James Bond has a chronic alcohol consumption problem at the 'severe' end of the spectrum."
The analysis, published in the Medical Journal of Australia, found Bond sipped a drink 109 times, or an average of 4.5 times in each film.
(Nick Allen. 'Licence to swill' - James Bond declared 'severe' alcoholic by public health academics. The Telegraph. December 10, 2018.)
研究では映画の中でジェームズ・ボンドが頻回に渡ってマティーニを飲むことが取り上げられたようです。主人公がマティーニを注文するのは映画「007」でのおきまりのシーンですが、観る人に与える影響が良くないとでもいうことでしょうか。
同研究では主人公はあまりにストレスの高い状況に置かれているとして、雇用者であるMI6はストレス軽減措置を取るべきといった、提言もしているそうですが、フィクションに対して滑稽な内容にも思えてきます。
ところで、見慣れない動詞なのですが、"swill"という単語が使われています。
辞書を引いてみたら、
がぶ飲みする
という意味でした。
確かに見慣れない単語なのですが、語源的には"swallow"とも通じるらしく、そう考えると何となく身近に思われます。
記事のタイトルでは、
'Licence to swill'
となっていますが、これは映画「007」のサブタイトル"License to Kill"にあてつけた洒落です。
真面目な研究に基づくレポートのようです。
James Bond is a "severe" alcoholic and should have been provided with professional help by MI6, according to an academic study.
Public health researchers at the University of Otago in New Zealand analysed 24 Bond films and concluded that the martini-swilling secret agent suffered from "chronic" alcohol use disorder.
They wrote: "There is strong and consistent evidence that James Bond has a chronic alcohol consumption problem at the 'severe' end of the spectrum."
The analysis, published in the Medical Journal of Australia, found Bond sipped a drink 109 times, or an average of 4.5 times in each film.
(Nick Allen. 'Licence to swill' - James Bond declared 'severe' alcoholic by public health academics. The Telegraph. December 10, 2018.)
研究では映画の中でジェームズ・ボンドが頻回に渡ってマティーニを飲むことが取り上げられたようです。主人公がマティーニを注文するのは映画「007」でのおきまりのシーンですが、観る人に与える影響が良くないとでもいうことでしょうか。
同研究では主人公はあまりにストレスの高い状況に置かれているとして、雇用者であるMI6はストレス軽減措置を取るべきといった、提言もしているそうですが、フィクションに対して滑稽な内容にも思えてきます。
ところで、見慣れない動詞なのですが、"swill"という単語が使われています。
辞書を引いてみたら、
がぶ飲みする
という意味でした。
確かに見慣れない単語なのですが、語源的には"swallow"とも通じるらしく、そう考えると何となく身近に思われます。
記事のタイトルでは、
'Licence to swill'
となっていますが、これは映画「007」のサブタイトル"License to Kill"にあてつけた洒落です。
2018年12月12日水曜日
galore
あっという間に12月も半ばとなりました。
クリスマスシーズンです。
Christmas events galore this weekend in Houston. Take a look.
Houston will play host to several Christmas-oriented events this weekend. From plays and musical performances to an afternoon Christmas parade and visit from Santa Claus, it's a full weekend of opportunities.
(Christmas events galore this weekend in Houston. Take a look. Houston Herald. December 7, 2018.)
あちこちでクリスマスのイベントが盛りだくさんです。クリスマスツリーも、よほど不景気でないお店以外は必ずと言っていいほど飾っています。
引用した記事のタイトルに、
Christmas events galore this weekend
とありますが、この"galore"という表現に目が留まりました。
この単語を知らなかった私は、これは名詞なのか、はたまた動詞なのか?と思ったわけです。
答えは、形容詞、です。たくさん、豊富な、という意味で、大抵の場合名詞の後ろに置かれることが多いようです。
スペルがちょっと変わっていますが、興味深いことに由来はアイルランド語で十分に(sufficiently, enough)という意味のgo leorから来ているのだそうです。
この"galore"という単語はヘッドラインによく使われるみたいです。
Fitbit deals galore in Amazon 12 days of Christmas sale
It took a while but Fitbit smartwatches and fitness trackers have got a big sale over at Amazon, as part of the 12 Days of Christmas sale.
(James Stables. Fitbit deals galore in Amazon 12 days of Christmas sale. Wearable. December 11, 2018.)
クリスマスシーズンです。
Christmas events galore this weekend in Houston. Take a look.
Houston will play host to several Christmas-oriented events this weekend. From plays and musical performances to an afternoon Christmas parade and visit from Santa Claus, it's a full weekend of opportunities.
(Christmas events galore this weekend in Houston. Take a look. Houston Herald. December 7, 2018.)
あちこちでクリスマスのイベントが盛りだくさんです。クリスマスツリーも、よほど不景気でないお店以外は必ずと言っていいほど飾っています。
引用した記事のタイトルに、
Christmas events galore this weekend
とありますが、この"galore"という表現に目が留まりました。
この単語を知らなかった私は、これは名詞なのか、はたまた動詞なのか?と思ったわけです。
答えは、形容詞、です。たくさん、豊富な、という意味で、大抵の場合名詞の後ろに置かれることが多いようです。
スペルがちょっと変わっていますが、興味深いことに由来はアイルランド語で十分に(sufficiently, enough)という意味のgo leorから来ているのだそうです。
この"galore"という単語はヘッドラインによく使われるみたいです。
Fitbit deals galore in Amazon 12 days of Christmas sale
It took a while but Fitbit smartwatches and fitness trackers have got a big sale over at Amazon, as part of the 12 Days of Christmas sale.
(James Stables. Fitbit deals galore in Amazon 12 days of Christmas sale. Wearable. December 11, 2018.)
2018年12月11日火曜日
neti pot
Brain-eating amoebaというおっかない病原体のことを何年か前にニュースで知ったのですが、汚染されている水を飲んだりすることで脳内に致死的な症状を引き起こすらしいです。
引用する記事は高齢の女性がこのアメーバに侵されてしまったというものなのですが、”neti pot”なるものが原因ということで、この”neti pot”とは何ぞやというのが今日のテーマです。
A Seattle woman has died after contracting a a rare brain-eating amoeba from using tap water in a neti pot - which turned her brain into 'bloody mush'.
Doctors had prescribed the woman, 69, to use the pot to flush out her nasal cavity after she'd been suffering from a persistent sinus infection.
But she used Brita-filtered water instead of sterile water and soon developed a strange rash on the bridge of her nose.
Unbeknownst to her, over the course of the next year, an amoeba was gnawing away at the woman's brain tissue.
(Natalie Rahhal. Woman killed by a rare brain-eating amoeba which 'turned her brain into a bloody mush' after she used a NETI POT to treat her sinus infection. The Daily Mail. December 8, 2018.)
記事のタイトルでも使われているのですが、本文を読んでみてそれが、
The pot to flush out her nasal cavity
ということが分かり、これはつまり鼻洗浄のための器具であると分かります。
この”neti”という名称については固有名詞の類が一般名詞化したのかと最初想像したのですが、そうではありませんでした。
鼻洗浄という考えは古代インドに通じるらしく、ウィキペディアによりますと、サンスクリット語でJala-netiとは水で鼻を洗浄することを指すそうです。
つまり、”neti”とはサンスクリット語で鼻(nose)を指すのでした。
何だかとても博識になったような気分です。
引用する記事は高齢の女性がこのアメーバに侵されてしまったというものなのですが、”neti pot”なるものが原因ということで、この”neti pot”とは何ぞやというのが今日のテーマです。
A Seattle woman has died after contracting a a rare brain-eating amoeba from using tap water in a neti pot - which turned her brain into 'bloody mush'.
Doctors had prescribed the woman, 69, to use the pot to flush out her nasal cavity after she'd been suffering from a persistent sinus infection.
But she used Brita-filtered water instead of sterile water and soon developed a strange rash on the bridge of her nose.
Unbeknownst to her, over the course of the next year, an amoeba was gnawing away at the woman's brain tissue.
(Natalie Rahhal. Woman killed by a rare brain-eating amoeba which 'turned her brain into a bloody mush' after she used a NETI POT to treat her sinus infection. The Daily Mail. December 8, 2018.)
記事のタイトルでも使われているのですが、本文を読んでみてそれが、
The pot to flush out her nasal cavity
ということが分かり、これはつまり鼻洗浄のための器具であると分かります。
この”neti”という名称については固有名詞の類が一般名詞化したのかと最初想像したのですが、そうではありませんでした。
鼻洗浄という考えは古代インドに通じるらしく、ウィキペディアによりますと、サンスクリット語でJala-netiとは水で鼻を洗浄することを指すそうです。
つまり、”neti”とはサンスクリット語で鼻(nose)を指すのでした。
何だかとても博識になったような気分です。
2018年12月10日月曜日
otherworldly
アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機インサイトが先日から火星でのミッションを開始したところですが、火星上での風の音を史上初めて録音することに成功したそうです。
一体どんな風の音なんでしょうか?
CAPE CANAVERAL, Fla. (AP) — NASA’s new Mars lander has captured the first sounds of the “really unworldly” Martian wind.
The Jet Propulsion Laboratory released audio clips of the alien wind Friday. The low-frequency rumblings were collected by the InSight lander during its first week of operations at Mars.
The wind is estimated to be blowing 10 mph to 15 mph (16 kph to 24 kph). These are the first sounds from Mars that are detectable by human ears, according to the researchers.
(NASA Records Sound Of Mars’ ‘Really Unworldly’ Wind For The First Time. Huffington Post. December 8, 2018.)
人間に聴こえるものとしては初めての録音だそうです。その音について、
Really unworldly
と表現しています。
“Unworldly”とはこの世のものとは思えない、というような意味です。
Scientists involved in the project agree the sound has an otherworldly quality to it. Thomas Pike of Imperial College London said the rumbling is “rather different to anything that we’ve experienced on Earth, and I think it just gives us another way of thinking about how far away we are getting these signals.”
The noise is of the wind blowing against InSight’s solar panels and the resulting vibration of the entire spacecraft. The sounds were recorded by an air pressure sensor inside the lander that’s part of a weather station, as well as the seismometer on the deck of the spacecraft.
(ibid.)
一方、同じ記事の後段では、
Otherworldly quality
との表現が使われています。
私はこの”otherworldly”という表現を知らなかったのですが、”unworldly”に同じく、この世のものとは思えない、というような意味が辞書には載っています。
2つの単語、”unworldly”と”otherworldly”に違いがあるとすると、”otherworldly”にはこの世(現生)に対して「あの世」(other world)という対比が込められているという点でしょうか。対して、”unwordly”には奇抜さや現実世界から遊離したといった含意があります。
火星で録音された風の音はネットで聴くことができます。
ごく普通の風の音と言ってしまえばそれまでですが、屋外でビデオ撮影などをした際にマイクが風の音を拾ってしまう時のあの音くらいにしか聞こえなかったというのが正直なところです。
尤も、茫漠とした火星の表面上で録音されたと聞くと、この世のものとは思えないものに感じられるというのも分かるような気がしてきました。
一体どんな風の音なんでしょうか?
CAPE CANAVERAL, Fla. (AP) — NASA’s new Mars lander has captured the first sounds of the “really unworldly” Martian wind.
The Jet Propulsion Laboratory released audio clips of the alien wind Friday. The low-frequency rumblings were collected by the InSight lander during its first week of operations at Mars.
The wind is estimated to be blowing 10 mph to 15 mph (16 kph to 24 kph). These are the first sounds from Mars that are detectable by human ears, according to the researchers.
(NASA Records Sound Of Mars’ ‘Really Unworldly’ Wind For The First Time. Huffington Post. December 8, 2018.)
人間に聴こえるものとしては初めての録音だそうです。その音について、
Really unworldly
と表現しています。
“Unworldly”とはこの世のものとは思えない、というような意味です。
Scientists involved in the project agree the sound has an otherworldly quality to it. Thomas Pike of Imperial College London said the rumbling is “rather different to anything that we’ve experienced on Earth, and I think it just gives us another way of thinking about how far away we are getting these signals.”
The noise is of the wind blowing against InSight’s solar panels and the resulting vibration of the entire spacecraft. The sounds were recorded by an air pressure sensor inside the lander that’s part of a weather station, as well as the seismometer on the deck of the spacecraft.
(ibid.)
一方、同じ記事の後段では、
Otherworldly quality
との表現が使われています。
私はこの”otherworldly”という表現を知らなかったのですが、”unworldly”に同じく、この世のものとは思えない、というような意味が辞書には載っています。
2つの単語、”unworldly”と”otherworldly”に違いがあるとすると、”otherworldly”にはこの世(現生)に対して「あの世」(other world)という対比が込められているという点でしょうか。対して、”unwordly”には奇抜さや現実世界から遊離したといった含意があります。
火星で録音された風の音はネットで聴くことができます。
ごく普通の風の音と言ってしまえばそれまでですが、屋外でビデオ撮影などをした際にマイクが風の音を拾ってしまう時のあの音くらいにしか聞こえなかったというのが正直なところです。
尤も、茫漠とした火星の表面上で録音されたと聞くと、この世のものとは思えないものに感じられるというのも分かるような気がしてきました。
2018年12月7日金曜日
分かりにくい「世代」 ― Generation Z
以前、"millennial"という単語を取り上げましたが、最近"Generation Z"という表現を目にしました。
"millennial"については、別名"Generation Y"とも呼ばれるということで、"Generation Z"についても、「Y世代」に次ぐ世代のことだろうくらいは想像がつきましたが、いざ頭の中で整理して解釈しようとすると、これが実はよく分からないのです。
Much has been said about millennials and their wants and needs in the housing market, but Generation Z (ages 18-24) appears to already be planning for homeownership more than other generations. A realtor.com survey found this upcoming generation is twice more likely than previous generations to be saving or plan to save for a home by age 25. In fact, two of five aim to become homeowners by that age.
The online listing website of the National Association of Realtors surveyed 3,372 Americans across Generation X (ages 35-50), millennials/Generation Y (ages 25-34) and Generation Zers to better understand the generational differences in relation to homeownership and aspirations.
(Rose Meily. Real deal: Gen Z saving early, aspires for homeownership by age 25. Mercury News. November 30, 2018.)
上記の引用では、
Generation Xは、年齢にして35~50歳(つまり生まれは、1968年~1983年)
Generation Yは、年齢にして25~34歳(つまり生まれは、1984年~1993年)
Generation Zは、年齢にして18~24歳(つまり生まれは、1994年~2000年)
ということになります。
一方、"millennial"は、
A member of the generation born from the early 1980s to late 1990s, especially in the United States and Canada; a member of Generation Y.
(American Heritage Dictionary, 5th edition.)
と定義されており、1980年台前半から1990年台後半に生まれた世代ということで、上記のY世代とZ世代にかぶります。すなわち、"millennial"イコール"Generation Y"とはならないのです。
また、Z世代の定義についても、(同じForbes紙でありながら)揺れが見られます。
Generation Z is about to change the face of the workforce.
(中略)
The older members of this substantial group — more than 61 million individuals in the U.S. alone, often defined as the generation born between 1996 and 2010 — are now breaking into the labor force and should make up one-fifth of it by 2021.
(William Arruda. How To Make Your Workplace Ready For Gen Z. Forbes. November 13, 2018.)
上記の引用では、1996年〜2010年生まれの世代とされています。一方、下記では、
Raised in the era of technology and economic upheaval, Generation Z – born in 1995 and onward – are marked by their work ethic, practical approach to education, and embrace of technology.
(Jason Wingard. Training Generation Z. Forbes. November 21, 2018.)
1995年以降に生まれた世代です。
Z世代の定義に1〜2年の揺れがあるのはまあ良いとして、"millennial"(Y世代)について辞書(American Heritage Dictionary)の定義が、今日の"Generation Z"と矛盾することが問題かと思われました。
"millennial"については、別名"Generation Y"とも呼ばれるということで、"Generation Z"についても、「Y世代」に次ぐ世代のことだろうくらいは想像がつきましたが、いざ頭の中で整理して解釈しようとすると、これが実はよく分からないのです。
Much has been said about millennials and their wants and needs in the housing market, but Generation Z (ages 18-24) appears to already be planning for homeownership more than other generations. A realtor.com survey found this upcoming generation is twice more likely than previous generations to be saving or plan to save for a home by age 25. In fact, two of five aim to become homeowners by that age.
The online listing website of the National Association of Realtors surveyed 3,372 Americans across Generation X (ages 35-50), millennials/Generation Y (ages 25-34) and Generation Zers to better understand the generational differences in relation to homeownership and aspirations.
(Rose Meily. Real deal: Gen Z saving early, aspires for homeownership by age 25. Mercury News. November 30, 2018.)
上記の引用では、
Generation Xは、年齢にして35~50歳(つまり生まれは、1968年~1983年)
Generation Yは、年齢にして25~34歳(つまり生まれは、1984年~1993年)
Generation Zは、年齢にして18~24歳(つまり生まれは、1994年~2000年)
ということになります。
一方、"millennial"は、
A member of the generation born from the early 1980s to late 1990s, especially in the United States and Canada; a member of Generation Y.
(American Heritage Dictionary, 5th edition.)
と定義されており、1980年台前半から1990年台後半に生まれた世代ということで、上記のY世代とZ世代にかぶります。すなわち、"millennial"イコール"Generation Y"とはならないのです。
また、Z世代の定義についても、(同じForbes紙でありながら)揺れが見られます。
Generation Z is about to change the face of the workforce.
(中略)
The older members of this substantial group — more than 61 million individuals in the U.S. alone, often defined as the generation born between 1996 and 2010 — are now breaking into the labor force and should make up one-fifth of it by 2021.
(William Arruda. How To Make Your Workplace Ready For Gen Z. Forbes. November 13, 2018.)
上記の引用では、1996年〜2010年生まれの世代とされています。一方、下記では、
Raised in the era of technology and economic upheaval, Generation Z – born in 1995 and onward – are marked by their work ethic, practical approach to education, and embrace of technology.
(Jason Wingard. Training Generation Z. Forbes. November 21, 2018.)
1995年以降に生まれた世代です。
Z世代の定義に1〜2年の揺れがあるのはまあ良いとして、"millennial"(Y世代)について辞書(American Heritage Dictionary)の定義が、今日の"Generation Z"と矛盾することが問題かと思われました。
2018年12月6日木曜日
(続)今年の単語 ― gaslighting
昨日はOxfordが選出した今年の単語"toxic"を取り上げましたが、その続編ということで今日もOxfordのWord of the Year候補になった単語を取り上げたいと思います。
候補となった10余り単語のshortlistの中に、
gaslighting
という単語があります。
"gaslight"はガス灯の意味ですが、ここでは~ing形となっており、動詞で用いられる訳ですがどういう意味なのでしょうか?
Shortlisted for the Oxford English Dictionary’s 2018 word of the year, “gaslighting” has well and truly found its way into contemporary thought and vernacular.
The term has recently been employed to explain the behaviour of contestants on The Bachelor Australia, Monica Lewinksy’s experiences with the media post-Bill Clinton, and the words of US President Donald Trump.
But what, exactly, does it mean? Where did it come from? And why is it experiencing a resurgence today?
(Explainer: what does ‘gaslighting’ mean? The Conversation. December 6, 2018.)
記事の解説によると、"gaslighting"の語源は1944年に作製されたアメリカ映画"Gaslight"に因むそうです。
映画「ガス灯」はサスペンス映画だそうですが、その中でイングリッド・バーグマンが演じる妻は、夫の巧みな心理的操作により自らの精神状態が分からなくなってしまうというプロットが中心になっているそうです。
Although it can cover various behaviours, the central tenet of gaslighting is the psychological manipulation of a person in order to erode their sense of self and sanity.
The behaviour itself is not always deliberate, in that the perpetrator may not have consciously set out to distort another person’s experience of reality. But gaslighting is often used as a method of power and control.
(ibid.)
つまり、"gaslighting"の意味するところは、自らの主義や主張を通すために、相手の心理を欺く心理的なテクニックのことであると解釈されます。
この単語がWord of the Yearの候補に挙げられた背景として、またしてもトランプ米大統領が引き合いに出されています。
メディア報道の多くをフェイクニュースと攻撃して憚らないトランプ氏ですが、氏の発言を聞いているとひょっとしたら自分はフェイクニュースに踊らされているのかも知れないと思いはじめる人もいるかもしれません。
まさに"gaslighting"の狙うところだという訳です。
候補となった10余り単語のshortlistの中に、
gaslighting
という単語があります。
"gaslight"はガス灯の意味ですが、ここでは~ing形となっており、動詞で用いられる訳ですがどういう意味なのでしょうか?
Shortlisted for the Oxford English Dictionary’s 2018 word of the year, “gaslighting” has well and truly found its way into contemporary thought and vernacular.
The term has recently been employed to explain the behaviour of contestants on The Bachelor Australia, Monica Lewinksy’s experiences with the media post-Bill Clinton, and the words of US President Donald Trump.
But what, exactly, does it mean? Where did it come from? And why is it experiencing a resurgence today?
(Explainer: what does ‘gaslighting’ mean? The Conversation. December 6, 2018.)
記事の解説によると、"gaslighting"の語源は1944年に作製されたアメリカ映画"Gaslight"に因むそうです。
映画「ガス灯」はサスペンス映画だそうですが、その中でイングリッド・バーグマンが演じる妻は、夫の巧みな心理的操作により自らの精神状態が分からなくなってしまうというプロットが中心になっているそうです。
Although it can cover various behaviours, the central tenet of gaslighting is the psychological manipulation of a person in order to erode their sense of self and sanity.
The behaviour itself is not always deliberate, in that the perpetrator may not have consciously set out to distort another person’s experience of reality. But gaslighting is often used as a method of power and control.
(ibid.)
つまり、"gaslighting"の意味するところは、自らの主義や主張を通すために、相手の心理を欺く心理的なテクニックのことであると解釈されます。
この単語がWord of the Yearの候補に挙げられた背景として、またしてもトランプ米大統領が引き合いに出されています。
メディア報道の多くをフェイクニュースと攻撃して憚らないトランプ氏ですが、氏の発言を聞いているとひょっとしたら自分はフェイクニュースに踊らされているのかも知れないと思いはじめる人もいるかもしれません。
まさに"gaslighting"の狙うところだという訳です。
2018年12月5日水曜日
今年の単語 ― toxic
昨日新聞を読んでいたら、何某企業主催の新語大賞の発表について報じた記事が目に留まりました。
大賞に選ばれたのは「そだねー」ということでした。どうでもいいような気もしますが、果たしてこれが新語なのだろうかとも突っ込みたくなるところです。尤も、流行語という側面もあるようなのですが。
それで思い出したのですが、師走となり、英語の世界でもWord of the Yearが発表されているはず、とチェックしてみたら、先月のことでした。
Oxfordによる2018年のWord of the Yearは、
toxic
だそうです。
そうです、毒のある、という意味の"toxic"です。
It’s official: 2018 is toxic.
Well, lexicographically speaking, at least. Oxford Dictionaries has chosen “toxic” as its international word of the year, selecting it from a shortlist that included such politically inflected contenders as “gaslighting,” “incel” and “techlash.”
Katherine Connor Martin, the company’s head of U.S. dictionaries, said there had been a marked uptick of interest in the word on its website over the past year. But the word was chosen less for statistical reasons, she said, than for the sheer variety of contexts in which it has proliferated, from conversations about environmental poisons to laments about today’s poisonous political discourse to the #MeToo movement, with its calling out of “toxic masculinity.”
(Jennifer Schuessler. ‘Toxic’ Is Oxford’s Word of the Year. No, We’re Not Gaslighting You. New York Times. November 14, 2018.)
既に定着している"toxic"という単語が今年の1語とは意外な感がありますが、OxfordのWord of the Yearの選出過程は統計に基づいており、「そだねー」を選出した何某企業の方法については詳しく知りませんが、より学術的な雰囲気がします。
上記に引用した部分でも解説されていますが、Oxfordが提供する辞書検索サイトでの統計のみならず、2018年は"toxic"という単語が様々なコンテクストで使われるようになったということが背景にあるようです。
具体例として、"toxic masculinity"という表現が取り上げられています。
訳すならば「毒のある男らしさ」みたいになりますが、別の言い方をすると女性蔑視でしょうか。トランプ米大統領に見られる言動から、#MeTooで過熱する報道などが引き合いに出されています。
ところで、"toxic"という単語の語源を改めて確認してみると、意外な事実に驚きます。
記事でも以下のように解説されています。
“Toxic” derives from the Greek “toxikon pharmakon,” meaning “poison for arrows.” (The part of the phrase meaning arrows, rather than poison, became the basis for the word.) The current entry in the online Oxford English Dictionary dates its earliest known printed occurrence to 1664, in a book about forests.
(ibid.)
つまり、"toxic"はギリシャ語のフレーズtoxikon pharmakon(意味は"poinson for arrows"、つまり「矢の毒」)から来ているのですが、肝心のtoxiconは「矢」を意味するもので、「毒」を意味するのはpharmakonということなのです。
これは知りませんでしたねぇ。
大賞に選ばれたのは「そだねー」ということでした。どうでもいいような気もしますが、果たしてこれが新語なのだろうかとも突っ込みたくなるところです。尤も、流行語という側面もあるようなのですが。
それで思い出したのですが、師走となり、英語の世界でもWord of the Yearが発表されているはず、とチェックしてみたら、先月のことでした。
Oxfordによる2018年のWord of the Yearは、
toxic
だそうです。
そうです、毒のある、という意味の"toxic"です。
It’s official: 2018 is toxic.
Well, lexicographically speaking, at least. Oxford Dictionaries has chosen “toxic” as its international word of the year, selecting it from a shortlist that included such politically inflected contenders as “gaslighting,” “incel” and “techlash.”
Katherine Connor Martin, the company’s head of U.S. dictionaries, said there had been a marked uptick of interest in the word on its website over the past year. But the word was chosen less for statistical reasons, she said, than for the sheer variety of contexts in which it has proliferated, from conversations about environmental poisons to laments about today’s poisonous political discourse to the #MeToo movement, with its calling out of “toxic masculinity.”
(Jennifer Schuessler. ‘Toxic’ Is Oxford’s Word of the Year. No, We’re Not Gaslighting You. New York Times. November 14, 2018.)
既に定着している"toxic"という単語が今年の1語とは意外な感がありますが、OxfordのWord of the Yearの選出過程は統計に基づいており、「そだねー」を選出した何某企業の方法については詳しく知りませんが、より学術的な雰囲気がします。
上記に引用した部分でも解説されていますが、Oxfordが提供する辞書検索サイトでの統計のみならず、2018年は"toxic"という単語が様々なコンテクストで使われるようになったということが背景にあるようです。
具体例として、"toxic masculinity"という表現が取り上げられています。
訳すならば「毒のある男らしさ」みたいになりますが、別の言い方をすると女性蔑視でしょうか。トランプ米大統領に見られる言動から、#MeTooで過熱する報道などが引き合いに出されています。
ところで、"toxic"という単語の語源を改めて確認してみると、意外な事実に驚きます。
記事でも以下のように解説されています。
“Toxic” derives from the Greek “toxikon pharmakon,” meaning “poison for arrows.” (The part of the phrase meaning arrows, rather than poison, became the basis for the word.) The current entry in the online Oxford English Dictionary dates its earliest known printed occurrence to 1664, in a book about forests.
(ibid.)
つまり、"toxic"はギリシャ語のフレーズtoxikon pharmakon(意味は"poinson for arrows"、つまり「矢の毒」)から来ているのですが、肝心のtoxiconは「矢」を意味するもので、「毒」を意味するのはpharmakonということなのです。
これは知りませんでしたねぇ。
2018年12月4日火曜日
pallbearer
先週金曜日に94歳で亡くなった第41代大統領のGeorge H.W. Bush氏の亡骸がテキサス州ヒューストンの自宅から、公開安置されるワシントンDCのCapitol Hillへと特別機で運ばれました。
A military guard carried George H.W. Bush’s coffin into the U.S. Capitol on Monday as the sun set in Washington, beginning several days of ceremonies and tributes to the 41st president.
(中略)
Arriving from Houston in Special Air Mission 41, a presidential aircraft that was temporarily renamed to honor the 41st president, Bush’s coffin was greeted at Joint Base Andrews in Maryland by “Hail to the Chief” and a 21-gun salute. Two of the late president’s sons, George W. and Neil, flew on the presidential jet from Houston. His other children, Jeb, Marvin and Dorothy, met the plan when it landed.
(中略)
With an American flag draped over it, the coffin departed Houston at noon Eastern Time. Members of the late president’s Secret Service Bush Protective Division served as honorary pallbearers in Texas.
(Rebecca Morin. George H.W. Bush makes final landing in Washington. Politico. December 3, 2018.)
写真入りの記事では、アメリカ国旗で覆われた棺が、多くの人達に見守られながらワシントンの議会場の階段を運ばれていく様子が窺えます。
棺を運ぶというのは故人に親しかった人に任されることが多いですが、故ブッシュ氏の警護を担当したシークレットサービスのメンバーが今回は担ったようです。
記事では、
Pallbearer
という単語が使われているのですが、この単語を初めて目にしました。
“Pall”というのは元々は棺を覆う布のことを指していたようです。ラテン語で袖なしの外套を意味するpalliumに由来するそうです。
A military guard carried George H.W. Bush’s coffin into the U.S. Capitol on Monday as the sun set in Washington, beginning several days of ceremonies and tributes to the 41st president.
(中略)
Arriving from Houston in Special Air Mission 41, a presidential aircraft that was temporarily renamed to honor the 41st president, Bush’s coffin was greeted at Joint Base Andrews in Maryland by “Hail to the Chief” and a 21-gun salute. Two of the late president’s sons, George W. and Neil, flew on the presidential jet from Houston. His other children, Jeb, Marvin and Dorothy, met the plan when it landed.
(中略)
With an American flag draped over it, the coffin departed Houston at noon Eastern Time. Members of the late president’s Secret Service Bush Protective Division served as honorary pallbearers in Texas.
(Rebecca Morin. George H.W. Bush makes final landing in Washington. Politico. December 3, 2018.)
写真入りの記事では、アメリカ国旗で覆われた棺が、多くの人達に見守られながらワシントンの議会場の階段を運ばれていく様子が窺えます。
棺を運ぶというのは故人に親しかった人に任されることが多いですが、故ブッシュ氏の警護を担当したシークレットサービスのメンバーが今回は担ったようです。
記事では、
Pallbearer
という単語が使われているのですが、この単語を初めて目にしました。
“Pall”というのは元々は棺を覆う布のことを指していたようです。ラテン語で袖なしの外套を意味するpalliumに由来するそうです。
2018年12月3日月曜日
yardstick
アメリカ第41代大統領のジョージ・H・W・ブッシュ前大統領が死去しました。94歳でした。
邦紙では旧ソ連のゴルバチョフ元大統領ら、各国首脳からの弔意が伝えられているのを目にしました。
米国内でも勿論、クリントン元大統領やオバマ元大統領らが、故ブッシュ氏の生前の偉業を讃え、その死を悼むコメントを寄せています。
ワシントンポスト紙の記事から引用です。
‘Honorable, gracious and decent’: In death, Bush becomes a yardstick for President Trump
The tributes to former president George H.W. Bush poured in this weekend, each in their own way exposing the pitfalls ahead this week for the Oval Office’s current resident.
The 41st president was remembered by Barack Obama, the 44th, as “a humble servant.” “Honorable, gracious and decent” were the words Bill Clinton used in praise of his immediate predecessor. House Speaker Paul D. Ryan’s encomium described Bush as “great in his character, leading with decency and integrity.”
(中略)
In death, presidents are measured not only by their accomplishments but by what their tenure says about sitting presidents — and in this case, the contrast appears stark.
(Gregg Jaffe. ‘Honorable, gracious and decent’: In death, Bush becomes a yardstick for President Trump. The Washington Post. December 2, 2018.)
記事のタイトルで使われている"yardstick"は物差しのことです。ネットで画像検索すると、日本で言う物差し、定規(定木)の画像が出てきます。
その意味で、"yardstick"とは物事や人物を評価する際の基準、尺度、といった意味で使われます。
"yardstick"の実物を見たことはありませんが、"yard"は0.9144センチメートルなので、結構長い代物ではないかと思われます。
ブッシュファミリーとは仲が良くなかったにも関わらず、トランプ氏も故人の死を悼むコメントを発表しましたが、偉大な元大統領と比較される居心地の悪さもあるのでしょう。
邦紙では旧ソ連のゴルバチョフ元大統領ら、各国首脳からの弔意が伝えられているのを目にしました。
米国内でも勿論、クリントン元大統領やオバマ元大統領らが、故ブッシュ氏の生前の偉業を讃え、その死を悼むコメントを寄せています。
ワシントンポスト紙の記事から引用です。
‘Honorable, gracious and decent’: In death, Bush becomes a yardstick for President Trump
The tributes to former president George H.W. Bush poured in this weekend, each in their own way exposing the pitfalls ahead this week for the Oval Office’s current resident.
The 41st president was remembered by Barack Obama, the 44th, as “a humble servant.” “Honorable, gracious and decent” were the words Bill Clinton used in praise of his immediate predecessor. House Speaker Paul D. Ryan’s encomium described Bush as “great in his character, leading with decency and integrity.”
(中略)
In death, presidents are measured not only by their accomplishments but by what their tenure says about sitting presidents — and in this case, the contrast appears stark.
(Gregg Jaffe. ‘Honorable, gracious and decent’: In death, Bush becomes a yardstick for President Trump. The Washington Post. December 2, 2018.)
記事のタイトルで使われている"yardstick"は物差しのことです。ネットで画像検索すると、日本で言う物差し、定規(定木)の画像が出てきます。
その意味で、"yardstick"とは物事や人物を評価する際の基準、尺度、といった意味で使われます。
"yardstick"の実物を見たことはありませんが、"yard"は0.9144センチメートルなので、結構長い代物ではないかと思われます。
ブッシュファミリーとは仲が良くなかったにも関わらず、トランプ氏も故人の死を悼むコメントを発表しましたが、偉大な元大統領と比較される居心地の悪さもあるのでしょう。
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