アマチュア無線、あるいはその愛好家のことを“ハム”と呼ぶことをご存知でしょうか?
日本でもカタカナで“ハム”とよく呼ばれていますが、実は英語の世界でも"ham"なんです。といいますか、“ハム”(ham)というのは英語だということを今日初めて知ったように思います。
When two tornadoes swept through Schuylkill County during the same week in 2011, blacking out all major communications, amateur ham radio operators immediately jumped in, relaying messages to local authorities.
It's situations like that that led amateur radio groups in Schuylkill, Bucks and Montgomery counties to participate this weekend in the annual simulated disaster drill known as Field Day.
About 35,000 amateur radio operators — known as hams — from all over the country headed for remote spots where they could simulate the worst conditions after a disaster.
That meant sites with no electrical power sources, no telephones and only make-shift antennas and portable generators.
(Jacob Seibel. For amateur radio operators, practice makes perfect. The Morning Call. June 23, 2013.)
この"ham"には面白い語源があります。
"ham"を辞書で引くと、大根役者、田舎役者といった意味が見えます。演技ばかりが大げさな役者のことを言っているのですが、そのような意味が生まれたのはMinstrel show(ミュージカル演芸)の作品の1つ、"Hamfat Man"というタイトルからだそうです。この作品では不器用な人間が登場してくるそうですが、いつしか"hamfat"が不器用を意味する単語として用いられるようになり、それが、"ham"と短縮されたという説があるようです。
研究社の大英和を引くと、"hamfat"とは役者が化粧落としに使ったハムの脂身(つまり、ham fat)にちなむという説もあるそうです。食べるハムとアマチュアのハムには全く関係がないかと思ったら、この説ではそうとも言い切れないようです。
事のついでに添えると、ウィキペディアでは誤りとされていますが、"ham"は"ham-fisted"、あるいは"ham-handed"という表現に由来するという説もあるそうです。この2つの表現のいずれも、不器用なと言う意味で用いられるものです。
ハムがアマチュア無線を指すのに使われるようになったのは、いわゆる商業的な通信と対比しての“アマチュアの”という意味ですが、アマチュア、即ちプロフェッショナルではない、つまりどちらかというと不器用、ど素人、ということで、"ham"が定着したのだろうと思われます。
引用した記事は、災害訓練でアマチュア無線愛好家が集い、電気もアンテナ設備も満足にない状況から無線交信を確立するシミュレーションを行ったというものですが、ど素人レベルをはるかに越えているのではないでしょうか。
実は小生も父親の影響で、アマチュア無線を多少かじったことがあり、初級アマチュア無線技師(電話級)と電信級の免許を持っています。(更新を怠っているので恐らく今は無効になっているかと思いますが。)今は全くやりませんが、この記事を読んで非常に懐かしく、取り上げさせていただきました。
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