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2023年2月28日火曜日

diatribe

アメリカ人にはお馴染みの漫画「ディルバート」(Dilbert)の作者が黒人に差別的な発言をしたことで批判され、新聞やメディア各社が漫画掲載を中止するに至っているそうです。

アメリカの企業社会を風刺するその漫画をどこかで私も目にしたことがあるように記憶します。


(CNN) Scott Adams -- creator of the once popular "Dilbert" comic strip that lampoons corporate culture -- apparently doesn't like being held accountable for his recent undeniably racist rant in which he called Black Americans a "hate group" and urged White people to "get the hell away" from them.

On Saturday, in response to the fierce backlash over his remarks after hundreds of newspapers dropped his comic strip, Adams whined about being targeted for "cancellation."

In reality, this is not "cancel culture," but "consequence culture" where people are rightly held accountable for their words and actions.

Adams' bigoted diatribe was posted Wednesday on his YouTube show, "Real Coffee with Scott Adams."
(Dean Obeidallah. Opinion: Scott Adams has only himself to blame for Dilbert's troubles. CNN. February 27, 2023.)


作者のScott Adams氏がトランプ元大統領の支持者だと言われればなるほどというところでしょうか。過去にも黒人が白人の機会を奪っているというような発言を繰り返し、黒人は「ヘイト集団」であり、白人にとって脅威であるかのような持論を展開しているということで、いわゆる白人至上主義とみなされる発言です。

今回のきっかけはYouTubeに同氏が投稿した、


bigoted diatribe


であると記事にあります。"diatribe"という単語を取り上げたいと思います。

辞書には、


痛烈な非難、酷評、こき下ろし


などと載っていますが、元はこのような強い意味は無く、ギリシャ語では娯楽とか会話という意味だったそうです。

"diatribe"という単語は、接頭辞dia-(横切って、あるいは離れて、の意)と、消費する、擦り落とすという意味のギリシャ語動詞tribeinから成ると語源欄にもあります。

つまり、娯楽、会話といった原義に照らし合わせると、時間潰し、暇つぶし、という訳です。

尤も、ギリシャ人たちは下らない話に時間を浪費していたわけではなく、その内容は哲学や倫理に関するものだったようです。それは会話から書かれたもの(書物)になっていくわけですが、そこには批評的、あるいは説諭的なニュアンスを含んでいたと思われます。

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