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2012年9月27日木曜日

アンディ・ウィリアムズさん死去 ― crooner

今朝ジョギングから帰ってきてシャワーを浴びた後、食事を摂りながらラジオを聴いていると、アメリカ人歌手のアンディ・ウィリアムズさんの訃報を伝えていました。

聞いたことのある名前だな、というくらいの知識しか持ち合わせていませんでしたが、「ムーン・リバー」の有名なメロディーが流れてきてすぐに分かりました。

日本では紅白歌合戦にも参加したことがあるということで、「ムーン・リバー」という名曲においてもすでにそうですが、日本で人気のあるアメリカ人歌手の一人だと思います。

日本でこれだけ取り上げられる訳ですから、本国アメリカでも当然トップニュースの扱いです。


Andy Williams, the affable, boyishly handsome crooner who defined both easy listening and wholesome, easygoing charm for many American pop music fans in the 1960s, most notably with his signature song, “Moon River,” died on Tuesday night at his home in Branson, Mo. He was 84.
(Anita Gates. Andy Williams, Crooner of ‘Moon River,’ Dies at 84. The New York Times. September 26, 2012.)


さて、AP通信など、多くの記事見出しで、


Andy Williams, Crooner of Moon River


という表現されていますが、"crooner"という単語をご存知でしょうか?"Singer"ではなくて、"Crooner"なのです。

"croon"を辞書で引くと、


優しくなだめるように歌う、そっと口ずさむ
(ランダムハウス英和辞書)


という訳が見えます。まさに、我々が耳にしてきた「ムーン・リバー」の男性ボーカルに合う表現だと思いました。

ところで、"crooner"というのは元々は賞賛の表現というよりは、貶す表現として捉えられていたそうです。


Crooner is an American epithet given to male singers of pop standards, mostly from the Great American Songbook, either backed by a full orchestra, a big band or by a piano. Originally it was an ironic term denoting an emphatically sentimental, often emotional singing style made possible by the use of microphones.
(Wikipediaより)


ところで、"crooner"を日本語でどう訳したものでしょうか?ほとんどの辞書において、"crooner"のエントリは、動詞(または名詞)の"croon"の下に付加される存在で、訳語はありません。

Merriam Websterでは、"crooner"は、


one who croons; especially: a singer of popular songs


となっており、日本語も”ポピュラー歌手”のような無難な表現に落ち着いてしまうのかもしれませんが、"croon"という動詞や亡くなった氏の特徴的なボーカルを思い出すと、"crooner"に何かよい訳語はないものかと考えてしまいました。

ご冥福をお祈りします。


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