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2013年5月1日水曜日

第1世代iPhoneは”引退”へ ― out to pasture

スマートフォンの代名詞とも言える、アップル社のアイフォーン(iPhone)ですが、その第1世代の製品は発売から6年を経てついに“引退”というニュースです。


Bye-Phone.

Six years after the iPhone went on sale, Apple is putting the first-generation device out to pasture.

Apple will label the original iPhone an “obsolete” product in much of the world and “vintage” in the US, according to Apple fan blog 9to5Mac.

The vintage classification means that only people who purchased the original iPhone in California will have access to Apple repair services.

California laws are responsible for the special treatment, but within two years the first iPhone will be obsolete in all of the US.

The first iPhone is credited with revolutionizing mobile computing, sparking a media frenzy and generating long lines when it hit the market in June 2007. Time magazine named it gadget of the year in 2007.
(Garett Sloane. 1st Generation iPhone goes from ‘Gadget of the Year’ to ‘Obsolete’ in 6 years. New York Post. April 30, 2013.)


“引退”の意味というのは、アップル社が製品の修理をもはや受け付けなるということだそうです。

さて、“引退”を意味するのに、


put... out to pasture


という表現が使われています。ご存知のように、"pasture"とは、牧草地、牧場を意味する単語です。

"put... out to pasture"は家畜を牧草地に追いやる、というような意味になるかと思います。この表現は、人を退職させる、閑職に付かせる、というような意味で用いられます。

“追いやる”という表現には本人の意思に反して望ましくない状況や状態に移行させるというようなネガティヴな響きがあります。牧草地でのんびりと草を食んでいられるのは決して望ましくない状況などではなさそうですが、なぜにこのようなネガティヴな意味になったのでしょうか。

Online Etymology Dictionaryによると、“引退させる”という意味でのこの成句が使われ始めたのは1945年辺りと、比較的最近の話で、馬を現役(の激しい労働)から(牧草地で好きなように草を食んでいられるように)引退させるということから生まれた表現なのだそうです。つまり、馬にとっては苦役から開放されて望ましい状況のことを表現していたわけですが、いつの間にかネガティヴな意味に発展したようです。

一般的な話として、“引退”や“退職”は果たしてネガティヴなことなのでしょうか、それとも喜ばしいことなのでしょうか。iPhoneは人間ではありませんからその意思は分かりませんが。


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