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2013年11月29日金曜日

アイソン彗星、見えましたか? ― whimper

私は天文ファンではありませんが、早朝にジョギングするので特に冬の早朝はまだ暗く、瞬く星空を見上げて感激することがしばしばです。昔は理科の授業で星座や天体の話にはちっとも興味がありませんでしたが、人間やはり実体験が大事で、きれいな星や月を眺めると自然と興味が湧いてくるものです。

最近の天文の話題といえば、アイソン彗星です。世紀の彗星(the Comet of the Century)と呼ばれているようですが、昨晩からニュースなどでは、今日29日の明け方に太陽に最接近するということでした。

アイソン彗星を観測された方はいらっしゃいますでしょうか?


Telescopes saw the giant ball of ice and dust disappear behind the star, but only a dull streamer re-emerge.

Astronomers continued to search for the object, but it eventually became clear that the much vaunted "Comet of the Century" had gone out with a whimper.

Despite its great size, Ison was probably torn apart in the immense heat and tidal forces so close to the Sun.
(Jonathan Amos. Comet Ison destroyed in Sun passage. BBC News. November 28, 2013.)


残念ながら、この記事によりますと、アイソン彗星は太陽の強大なパワーによって消滅してしまった(!?)ようであるとのことです。

それでは今日の表現です。


"Comet of the Centry" had gone out with a whimper


とあるところの、"whimper"ですが、辞書を引くと、


めそめそした泣き声


という意味が載っています。赤ん坊や犬猫などが弱々しく発する声を指すようですが、アイソン彗星が泣いた(!?)訳ではないでしょう。


gone out with a whimper


とありますから、"with a whimper"が"gone out"(消滅)の様を形容する表現であると考えられます。つまり実際に泣いたり音を出したのではなく、比喩的な意味合いということです。

コーパスを調べてみると、"whimper"の用例としては、"with a whimper"が最も多いという結果が示されました。

また、典型的な表現としては、


end with a whimper
die with a whimper


などが見られ、華々しかったものが萎んで消えていく、というような意味合いで使われています。


start with a bang and end with a whimper


という表現もあるようです。


with a bang


はアメリカ口語で、“うまく; 華々しく; 成功して”という意味で使われ、"with a bang"と"with a whimper"は言ってみれば対比的に用いられることが多いようです。


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