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2020年9月17日木曜日

pander

米大統領選民主党候補のバイデン氏がフロリダ州での遊説の舞台で、スピーチの前にレゲエ音楽を流したことで話題になっています。

バイデン氏はスピーチを始める前に、自身のスマホを取り出し、レゲトンの人気ナンバーである「デスパスィート」を流し、聴衆の注目を集めました。


Democratic presidential nominee Joe Biden, who is struggling to win over Latino voters, made his first campaign appearance in Florida on Tuesday, at the opening of Hispanic Heritage Month.

But Biden's address at the event is likely to be remembered more for its opening music number than the content of the speech after the former vice president pulled out his phone and played "Despacito," a Spanish-language pop song, when he first took the stage.

(中略)

The moment quickly went viral on social media. Critics accused Biden of pandering to Latino voters, supporters fired back that the critics were not putting the moment in context and others lamented that people were not focused on more substantive issues.

(William Cummings. Google News - Biden goes viral after playing 'Despacito' at Florida campaign stop, as he tries to win Latino voters. USA Today. September 16, 2020.)


バイデン氏の意図は、まずはスピーチを開始する前に聴衆の注目を集めることにあったのだと思われますが、ラテンアメリカ系が集中する同州にあって、人気取りの意図も透けて見えるようです。

要は得票につなげる、ということになりますが、バイデン氏の行為については早速ネット上で賛否両論が戦わされているようです。

引用した記事では、


Critics accused Biden of pandering to Latino voters


と表現もされています。

ここで"pander(ing)"という動詞を取り上げたいと思います。

"pander"を辞書で引くと、


売春(情事)の仲介をする

(ランダムハウス英和辞書)


という、非常にいかがわしい意味が最初に出てきます。そして、もう一つの意味が、


迎合する、おもねる

(同上)


とありまして、記事のコンテクストではこちらの意味が相当するのであろうということなのですが、語源は興味深いものがあります。

語源欄を見ると、人の名前Pandarusに由来するとあるのですが、このPandarusという人は、ギリシャ神話のトロイア戦争に出てくる兵士で、AthenaにそそのかされてMelaneusの暗殺を企てた人物だということです。

尤も、このギリシャ神話の話はあまり知られておらず、英国詩人のチョーサーの著作になる「トロイラスとクレシダ」において、クレシダを慕うトロイラスにその仲を取り持った男ということで知られます。

「トロイラスとクレシダ」はシェークスピアの劇としても有名ですが、実のところまだ読んだことがありませんので、今度読んでみたいと思います。

情事の仲介をする、という意味合いは恐らく後者のストーリーから生まれた意味合いであろうと思われます。

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