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2021年8月26日木曜日

cautious optimism

"gig economy"、"ギグワーカー"といった言葉をわたしが初めて聞いたのは2017年くらいのことですが、パンデミック下、ギグワークは注目を集めており、ギグワーカーと呼ばれる人も増えているようです。街を行くウーバーイーツのデリバリーの光景はおなじみになりましたが、時代を映し出しているように思います。

ところで、アメリカで最近、ギグワーカーにとっては画期的とも司法判断が下されたそうです。


New York (CNN) -- Some California gig worker advocacy groups expressed cautious optimism Saturday about a federal court judge's Friday ruling against Prop. 22. Others who support the initiative argued the decision was a mistake.

Prop. 22 is a controversial ballot measure that was approved by a majority of California voters in November 2020. It allows companies such as Uber, Lyft and DoorDash to classify their drivers and couriers as independent contractors instead of employees who are entitled to benefits such as healthcare coverage, paid time off and the right to collectively bargain.

On Friday, Alameda County Superior Court Judge Frank Roesch determined Prop. 22 is "unconstitutional" and "unenforceable" because a section in the measure limits the ability of future legislatures to amend the law.
(Chauncey Alcorn. Gig worker advocacy groups react to court ruling that Prop. 22 is 'unconstitutional.' CNN. August 21, 2021.)


カリフォルニア州の"Prop. 22"と呼ばれる条例が違憲であるという判断が下されたというのがその内容なのですが、この条例は、ウーバーなどの企業に対し、配達員やドライバーを社員として扱わなくとも良いとするものなのだそうです。

この条例のために、デリバリー要員を始めとするギグワーカーの多くは、社員と同等の福利厚生等のベネフィットを受けられない立場にあるということです。

つまり、今回の判決は同州の条例を無効とするもので、ギグワーカーにとっては歓迎すべきことですが、引用した記事の冒頭では、


expressed cautious optimism Saturday about a federal court judge's Friday ruling against Prop. 22


とあり、ここの"cautious optimism"という表現が引っ掛かりました。

この"cautious optimism"は日本語では、


慎重な楽観;慎重的楽観論


などと訳されるようです。

ぱっと見、"cautious" (caution)と"optimism"は対立する概念のように思われます。というのは、"optimism"(楽観、楽観視)には、用心深さ(caution)は無い、と思うからです。その意味で形容矛盾のように思われます。

今回の司法判断はギグワーカーにとって将来の明るい兆しと言えるものですが、手放しで喜んでばかりもいられない、ということでしょうか。

ウーバーなど企業側はこの判断に不服を示し、控訴する構えだそうです。



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