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2012年11月27日火曜日

Facebook利用と著作権 ― boilerplate

私はフェースブックを利用していないのですが、親類や同僚、友人は多用しているようで、アカウントもってないの?などと言われたりします。

個人的には友達申請だとか公開の設定だとか、ややこしくてあまり好きではないので敢えて手を出していないのですが、私の周りの多くの方々はフェースブックを多用し、外出先ではスマートフォンで、自宅やオフィスではPCで、昼も夜も更新作業やお仲間のアップデート確認にお忙しくされているようです。

さて、そのフェースブックで著作権ポリシーの変更を騙る詐欺まがいのデマが広がっているというニュースを見つけ、利用者でもない私も何故かその内容に関心があり、記事を読んでみました。


For the last couple of days, my Facebook timeline, and probably yours, has been filled with repetitions of a peculiar piece of boilerplate text, from all kinds of friends. It goes something like this:

In response to the new Facebook guidelines, I hereby declare that my copyright is attached to all of my personal details, illustrations, comics, paintings, crafts, professional photos and videos, etc. (as a result of the Berner Convention).

For commercial use of the above my written consent is needed at all times!

Facebook is now an open capital entity. All members are recommended to publish a notice like this, or if you prefer, you may copy and paste this version.

Guess what? You’ve been >hoaxed.
(You Can Stop Spreading That Facebook Notice Now. The New York Times. November 26, 2012.)


この詐欺まがいのデマの出所がよく分かりませんが、誰かが言い始めたのには違いないでしょう、まさしくSNSの威力といったところですが、フェースブックユーザーが自分自身の投稿の著作権を主張しようと、無味乾燥な著作権の文言をいちいち自分の投稿に含めたため、タイムライン上が趣味やその他の話題を押しのけて無味乾燥なテキストで埋め尽くされると言う事態にもなっているということです。

今日の単語は、"boilerplate"です。

この単語は、契約書の条文だとか、製品やサービスの説明書などに書かれてある利用許諾とか著作権だとかの規定だったり、とにかく、ほぼ決まりきったフレーズで構成される文のことを意味しています。

決まりきったフレーズのことをなぜ"boilerplate"と言うのでしょうか?

語源を調べると、"boilerplate"とはその名前の通り、"boiler"(湯沸し釜)を作るの使われる"plate"(金属板、鋼板)のことを意味していますが、特に"boiler"の製造メーカー名などの情報を記したプレート(ラベル)のことを指していました。このようなプレートは内容は同じですから、同じものを大量生産されるボイラーのそれぞれに取り付ける訳です。

のち、"boilerplate"は印刷業界では新聞や広告など大量配布するための記事原版としての意味で用いられるようになります。プレートと印刷の原版がどちらも金属であることなどの類似性に着目してのことでしょう。

現代では、"boilerplate"は上述したように、法律や契約などの決まりきったフレーズという意味で使われる他に、陳腐で使い古された言い回しというようなやや批判的な意味合いで使われることもあります。


In this case, as in any case in which a child under its supervision dies, the city's Human Resources Administration had the same reply: no comment. This boilerplate response springs from laws intended to protect the privacy of families. Similar statutes exist in every state and often make it difficult for anyone outside the child-welfare system, including relatives, reporters, probation officers and teachers, to find out how the system worked, even after a child has been murdered.
(The New York Times. 1992.)


上記の例では、"boilerplate response"とありますが、“お決まりの対応、反応”とでも訳しましょうか。この時の“お決まりの”という言い回しには多少の批判が込められています。


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