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2016年5月13日金曜日

dead ringer

アメリカ航空宇宙局(NASA)が"alien Earth"なる惑星を観測したと発表しました。

"alien Earth"というのは、記事で"exoplanet"とされているものですが、これは「太陽系外惑星」(系外惑星とも呼ばれます)という意味です。辞書には載っていないのですが。


The first "alien Earth" continues to evade detection.

On Monday (May 10), astronomers announced the discovery of 1,284 exoplanets by NASA's Kepler space telescope, bringing the prolific observatory's total haul to 2,325 confirmed alien worlds. But none of these appears to be a true Earth twin, mission scientists said.

"We don't necessarily have an exact dead ringer for a planet like Earth, in terms of its orbit and size," Kepler mission scientist Natalie Batalha, of NASA's Ames Research Center in Moffett Field, California, said during a news conference Monday.
(Mike Wall. First Alien Earth Still Elusive Despite Huge Exoplanet Haul. NBC News. May 11, 2016.)


ケプラー望宇宙遠鏡と呼ばれる観測機器で確認できた"exoplanet"のその数、なんと1,284個ということですが、地球のように生命体が存在するのか、またその前提となる水が存在するのか、などについてはまだ十分には分かっていないそうです。

観測された太陽系外惑星のうち、ケプラー1638bとケプラー1229bと呼ばれる2つの惑星については、水が存在する可能性があり、もしかしたら将来、地球から移住するなんてこともあるのかもしれません。

途方も無い夢想にしばし浸りました。

さて、今日取り上げたい表現ですが、NASAの研究者のコメントに、


a dead ringer for a planet like Earch


と出てきます。この"dead ringer"という見慣れない表現についてです。

太陽系外惑星の中に地球と同じ、もしくはそれと近い性質を持つもの、つまり地球そっくな惑星を求めているのですが、その「そっくり」を言っているのが"dead ringer"という表現となります。

初めて見る表現だったので辞書で確認するまで分かりませんでしたが、"ringer"のエントリに、


ある人に大変良く似た人、生き写し


という意味があることを知りました。ここで疑問が。

なぜ、"ringer"がそのような意味になるのか?また、"dead"とはどういう意味なのか?

まず1点目ですが、非常に興味深いことに、"ringer"には「替え玉」という意味があるんですね。これは、現代的には受験の替え玉というのが真っ先に思い浮かぶ意味のですが、元は競馬において、遅い(のろい)馬の代わりに走らせる速い馬のこと(つまり替え玉ですね)を言っていました。

そして、この「替え玉」の意味の"ringer"は、"ring"という動詞にも関連してみられます。

例えば、"ring the changes"という成句ですが、「手を変え品を変えてする」という意味で使われます。(ここでの、"changes"とは音楽用語における「調、調子」のことで、主題を様々に転調させることを、「手を変え品を変え」という表現に発展させたもののようです。)この表現には、相手を騙す、という意味がほのめかされているようですが、「替え玉」という意味に発展するのもうなずけます。

さて、戻りますと「替え玉」となるには少なくとも外見がそっくりでなくては難しいでしょうから、"ringer"がある人に大変良く似た人を意味するようになるのは自然なことと思われます。

問題は2点目の、なぜ"dead"なのか、です。

この"dead"は「死んだ」という意味ではなく、おそらく強意として使われる副詞の"dead"であろうと思われます。

久しぶりの語源探訪でした。


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