小生はここ数か月、職場ではスタンディングデスクで仕事をしています。
スタンディングデスクなるものが、昨年から窓際に数か所設置されているのですが、最初は使う人もほとんどおらず、私もあまり興味がわきませんでした。
ですが、ある日ずっと座っているのはタバコを吸うのと同じくらい健康に悪い、というような記事を読むに至って、使い始めるようになりました。
しかし!
今日引用する記事によれば、実はスタンディングデスクの長時間使用は却って健康に悪く、また生産性の阻害にもなり得る、という全く正反対の報告があるというのです。
In the past few years, standing desks have gained popularity among office employees and anyone who must spend hours sitting working on a desk. Their advantage seemed obvious, and we were advised on the many benefits a standing desk could have on our health. The Smithsonian.com listed five benefits of standing desks that sounded almost miraculous: reduced risk of obesity, reduced risk of cardiovascular disease, reduced risk of type 2 diabetes and other metabolic diseases, reduced risk of cancer, and lower long-term mortality risk.
People and corporations flocked to buy and try this new office equipment to boost their productivity while improving their health. Many were quick to sing the praises of their new standing desks. Gwynn Guilford, a writer for Quartz, reported that within a week of using her standing desk, her back pain started receding; a month on, and she had almost forgotten about it.
(New Research Shows Standing Desks Can Be Hazardous To Your Health. Inquistr. February 27, 2018.)
極端なんだよなぁ、と思います。
コーヒーや赤ワインが体にいいとか悪いとか、この手の話で真逆の取り上げ方がされるのはよく知っているつもりですが、またかという感じです。
ところでスタンディングデスクを使い続けると何が具体的に問題かという点については以下のように続きます。
Guilford also reported that along with the benefits she was experiencing by working on her feet, she soon noticed her ankles becoming swollen. She described them as “canckles,” a derogatory term which is a blend of “calf” and “ankle,” and is used to shame women who have less than perfect ankles. Additionally, according to the Washington Post, new research shows that standing desks may be harmful to your productivity and your health. The study, conducted by Curtin University in Australia suggests that standing at a desk for a prolonged period of time will create “discomfort and deteriorating mental reactiveness.” The research included only 20 people, so it is not very comprehensive; however, there are other more complete studies which show the negative effects of standing too long causes back discomfort and the swelling of veins.
(ibid.)
要は過ぎたるは及ばざるが如し、ということでしょうか。何だってそうです。
ところで、記事中に、
canckles
という表現が出てきますが、面白いので取り上げました。
記事中の説明にあるように、"calf"(ふくらはぎ)と"ankle"(くるぶし、足首)のかばん語です。
説明から解釈するに、足のふくらはぎと足首の部分が見分けがつかない状態、つまり足首のくびれがなくなっている状態を指すようです。
腫れているためにそうなっているのか、あるいは肥満を原因とする、いわゆる「ダイコン脚」なのか、については、"to shame women who have less than perfect ankles"ということから、恐らく後者を指すのでしょう。
2018年2月28日水曜日
2018年2月27日火曜日
スマホ・タブレット普及で字が書けなくなる子供たち ― dexterity
ショッキングな報告です。まさかと思いましたが、あり得ない話では無いと思いました。
iPadなどに代表されるタブレット端末やスマホが普及する現代にあって、幼少期からこれらの端末に触れる機会が増えている子供たちに、鉛筆が正しく持てない、そして字が書けない、といった現象がみられるそうです。
記事によりますと、鉛筆を持って字を書くという行為は手指の筋肉のコントロールが要求される動作であり、我々が字を書くことができるのは訓練と実践の賜物なのです。
手指を使う玩具や筆記具に触れることなく、スマホの画面をなぞるだけの経験しかしていない子供たちは、鉛筆をコントロールするために必要な手指の協調的な運動能力が発達しないのです。
Children are increasingly finding it hard to hold pens and pencils because of an excessive use of technology, senior paediatric doctors have warned.
An overuse of touchscreen phones and tablets is preventing children’s finger muscles from developing sufficiently to enable them to hold a pencil correctly, they say.
“Children are not coming into school with the hand strength and dexterity they had 10 years ago,” said Sally Payne, the head paediatric occupational therapist at the Heart of England foundation NHS Trust. “Children coming into school are being given a pencil but are increasingly not be able to hold it because they don’t have the fundamental movement skills.
“To be able to grip a pencil and move it, you need strong control of the fine muscles in your fingers,. Children need lots of opportunity to develop those skills.”
(Amelia Hill. Children struggle to hold pencils due to too much tech, doctors say. The Guardian. February 25, 2018.)
今日取り上げるのは、"dexterity"という単語です。手先の器用さ、という意味です。
そんな単語知っているよ、という人は多いでしょう。ですので、語源を紐解いてみたいと思います。
これもご存じの方は多いでしょうが、"dexterity"の語源を遡るとラテン語のdexter(「右」を意味します)にたどり着きます。さらにはインドヨーロッパ語のdeks-という語幹に遡るのですが、何故か右というのは良いこと、繁栄、などと結び付けられていたようです。
その逆に、「左」は不吉とされ、これもご存じのように、"sinister"は左利き、不吉、といった意味があります。左利きの人に差別的なようですが、左は不吉、というのが昔の人の概念だったようです。
そう言えば、日本語でも、左遷という単語があります。
この右、左については、東を向いている人を基準に、右が南、左が北、をそれぞれ指すこととつながっているようです。(南は繁栄!?北は不吉!?でしょうか。)
この話で思い出すのが、"southpaw"(左投げ、左利きの選手)の語源です。
これも有名な話ですが、野球のグラウンドはホームベースが西側に設置され、ゆえにピッチャーが左利きの場合、振りかぶる際、腕が南側に上がることから来ている、という説があります。
iPadなどに代表されるタブレット端末やスマホが普及する現代にあって、幼少期からこれらの端末に触れる機会が増えている子供たちに、鉛筆が正しく持てない、そして字が書けない、といった現象がみられるそうです。
記事によりますと、鉛筆を持って字を書くという行為は手指の筋肉のコントロールが要求される動作であり、我々が字を書くことができるのは訓練と実践の賜物なのです。
手指を使う玩具や筆記具に触れることなく、スマホの画面をなぞるだけの経験しかしていない子供たちは、鉛筆をコントロールするために必要な手指の協調的な運動能力が発達しないのです。
Children are increasingly finding it hard to hold pens and pencils because of an excessive use of technology, senior paediatric doctors have warned.
An overuse of touchscreen phones and tablets is preventing children’s finger muscles from developing sufficiently to enable them to hold a pencil correctly, they say.
“Children are not coming into school with the hand strength and dexterity they had 10 years ago,” said Sally Payne, the head paediatric occupational therapist at the Heart of England foundation NHS Trust. “Children coming into school are being given a pencil but are increasingly not be able to hold it because they don’t have the fundamental movement skills.
“To be able to grip a pencil and move it, you need strong control of the fine muscles in your fingers,. Children need lots of opportunity to develop those skills.”
(Amelia Hill. Children struggle to hold pencils due to too much tech, doctors say. The Guardian. February 25, 2018.)
今日取り上げるのは、"dexterity"という単語です。手先の器用さ、という意味です。
そんな単語知っているよ、という人は多いでしょう。ですので、語源を紐解いてみたいと思います。
これもご存じの方は多いでしょうが、"dexterity"の語源を遡るとラテン語のdexter(「右」を意味します)にたどり着きます。さらにはインドヨーロッパ語のdeks-という語幹に遡るのですが、何故か右というのは良いこと、繁栄、などと結び付けられていたようです。
その逆に、「左」は不吉とされ、これもご存じのように、"sinister"は左利き、不吉、といった意味があります。左利きの人に差別的なようですが、左は不吉、というのが昔の人の概念だったようです。
そう言えば、日本語でも、左遷という単語があります。
この右、左については、東を向いている人を基準に、右が南、左が北、をそれぞれ指すこととつながっているようです。(南は繁栄!?北は不吉!?でしょうか。)
この話で思い出すのが、"southpaw"(左投げ、左利きの選手)の語源です。
これも有名な話ですが、野球のグラウンドはホームベースが西側に設置され、ゆえにピッチャーが左利きの場合、振りかぶる際、腕が南側に上がることから来ている、という説があります。
2018年2月26日月曜日
予防線を張る ― draw a line in the sand
とりあえずは記事の引用からお読みください。
Companies like Impossible Foods and Beyond Meat are combining plant-based ingredients and science, rather than animals, to create fake-meat burgers and other products that taste like the real thing.
Now U.S. Cattlemen's Association is looking to draw a line in the sand.
The association launched what could be the first salvo in a long battle against plant-based foods. Earlier this month, the association filed a 15-page petition with the U.S. Department of Agriculture calling for an official definition for the term "beef," and more broadly, "meat."
(Jaden Urbi. Ranchers set to fight back against vegetarian 'fake meat.' USA Today. February 25, 2018.)
いつの時代にもダイエットブームというものがあるように思いますが、アメリカでは肉のようで実は肉ではない(!?)、フェイクミート(fake meat)の市場が拡大しているそうです。
これらフェイクミートは、植物由来の原料やプロテインから合成され、肉とほぼ変わらない食感だとされ、ハンバーガーなどの材料に利用されているそうです。
ところで、記事中に、
draw a line in the sand
というフレーズが使われていますが、今日はこの表現を取り上げたいと思います。
フェイクミートの登場に危機感を募らせるのが肉牛を飼育する事業者らによって結成されているCattlemen's Associationです。
つまり、フェイクミートによって自らのビジネスに不利益があっては大変、ということです。記事からは、フェイクミートと本物の肉との明確な線引きを試みているものと読めます。
"draw a line in the sand"に関しては、砂の上に線を引く、というのがそのままの訳となりますが、ここでなぜ「砂の上」(in the sand)なのか考えてみたいと思います。
「砂」には一般的に、はかないもの、不安定なもの(砂上の楼閣、といった表現にも見られます)、というイメージがありますが、英語でも同じなのでしょうか。
砂の上に線を引くという行為は、引いた線がやがて消えてしまう可能性も大きいのですが、そうなると線を引いたところでそれが確定する訳でもなく、改めて引き直すことになることも考えられます。また、子供の遊びではありませんが、「引いた者勝ち」という印象もあります。
手持ちの辞書で"draw line in the sand"の説明を見つけることはできなかったのですが、どうやらこのフレーズは自らが不利益を被る可能性がある場合に備えて(あらかじめ)線を引いておく、という意味で用いられるようです。
日本語で言えば、「予防線を張る」という表現が近いでしょうか。
記事のコンテクストに当てはめて考えると、本物の肉とフェイクミートに明確な定義が存在しない現状、かつ今後市場がどう変化していくのか曖昧な状況下で、如何に不利益を蒙らないようにするか、がポイントになっていると言えます。
Companies like Impossible Foods and Beyond Meat are combining plant-based ingredients and science, rather than animals, to create fake-meat burgers and other products that taste like the real thing.
Now U.S. Cattlemen's Association is looking to draw a line in the sand.
The association launched what could be the first salvo in a long battle against plant-based foods. Earlier this month, the association filed a 15-page petition with the U.S. Department of Agriculture calling for an official definition for the term "beef," and more broadly, "meat."
(Jaden Urbi. Ranchers set to fight back against vegetarian 'fake meat.' USA Today. February 25, 2018.)
いつの時代にもダイエットブームというものがあるように思いますが、アメリカでは肉のようで実は肉ではない(!?)、フェイクミート(fake meat)の市場が拡大しているそうです。
これらフェイクミートは、植物由来の原料やプロテインから合成され、肉とほぼ変わらない食感だとされ、ハンバーガーなどの材料に利用されているそうです。
ところで、記事中に、
draw a line in the sand
というフレーズが使われていますが、今日はこの表現を取り上げたいと思います。
フェイクミートの登場に危機感を募らせるのが肉牛を飼育する事業者らによって結成されているCattlemen's Associationです。
つまり、フェイクミートによって自らのビジネスに不利益があっては大変、ということです。記事からは、フェイクミートと本物の肉との明確な線引きを試みているものと読めます。
"draw a line in the sand"に関しては、砂の上に線を引く、というのがそのままの訳となりますが、ここでなぜ「砂の上」(in the sand)なのか考えてみたいと思います。
「砂」には一般的に、はかないもの、不安定なもの(砂上の楼閣、といった表現にも見られます)、というイメージがありますが、英語でも同じなのでしょうか。
砂の上に線を引くという行為は、引いた線がやがて消えてしまう可能性も大きいのですが、そうなると線を引いたところでそれが確定する訳でもなく、改めて引き直すことになることも考えられます。また、子供の遊びではありませんが、「引いた者勝ち」という印象もあります。
手持ちの辞書で"draw line in the sand"の説明を見つけることはできなかったのですが、どうやらこのフレーズは自らが不利益を被る可能性がある場合に備えて(あらかじめ)線を引いておく、という意味で用いられるようです。
日本語で言えば、「予防線を張る」という表現が近いでしょうか。
記事のコンテクストに当てはめて考えると、本物の肉とフェイクミートに明確な定義が存在しない現状、かつ今後市場がどう変化していくのか曖昧な状況下で、如何に不利益を蒙らないようにするか、がポイントになっていると言えます。
2018年2月23日金曜日
rapprochement
ピョンチャン冬季オリンピック閉幕まで残りわずかとなりました。日本は過去最多のメダル獲得数に沸いています。
一方、相も変わらず五輪は政治の舞台です。オリンピック閉会式にアメリカは大統領の娘であるイバンカ氏を出席させるそうですが、今日の報道では北朝鮮がテロ作戦の幹部である高官を派遣すると発表しました。
ロイター通信がオリンピックを舞台に繰り広げられる北朝鮮、韓国、そしてアメリカの駆け引きについて書いた論説を読んでみました。
North Korea’s Olympic athletes will not be bringing home any medals, but their participation may have earned the peninsula something more substantial.
By taking part so visibly alongside South Korea, Pyongyang has been able to present itself as a credible global and regional power in a way that has eluded North Korean leaders since the war that divided the peninsula. The real strategic winner, however, is the South Korean government, which has shrewdly used the games to reshape the diplomatic landscape.
For all the talk of reconciliation, neither North nor South Korea has much appetite for the compromises – or the catastrophic war – that reunification would take. What both countries have been desperate to do, however, is to blunt the potential threat of a major unilateral U.S. strike on Pyongyang’s nuclear facilities.
The potential for renewed dialogue puts Washington in a distinctly difficult position. This year, President Donald Trump’s administration had intended to ramp up military pressure on Pyongyang, reinforcing the Kim regime’s fears that further nuclear progress might lead to U.S. action. The Olympic rapprochement with the South, however, has compelled Washington to abort some of its plans, at Seoul’s request.
(Peter Apps. Commentary: South Korea's Olympic gambit traps both Kim and Trump. Reuters. February 23, 2018.)
結局ピョンチャンオリンピックを舞台にした政治的駆け引きの勝者は誰だったのか?そんなことを考えさせられる論説です。
もちろん、オリンピックはまだ終わっていませんので、だれが駆け引きの勝者かを決めることはできませんが、論説では現時点で韓国に軍配が上がるという見方のようです。そして、北朝鮮も、スポーツの祭典を巧みに利用し、融和ムードを演出したことで、米国による先制攻撃のリスクを回避し、また大国と渡り合う自国を印象づけることに成功したという見方です。
引用した記事の最後の段落で、
The Olympic rapprochement with the South
という表現がでてきます。
"rapprochement"という単語は見慣れないものですが、和解とか和睦、親善、といった意味です。
まさに、(北の)オリンピックを利用した韓国との融和、ということでしょう。
この"rapprochement"という単語ですが、スペルからも想像がつくようにフランス語から来ています。また、発音もフランス語式に最後のtは発音しません。
政治や外交のコンテクストで使われるキーワードにはフランス語が多いですね。以前取り上げた"detente"も参考ください。
一方、相も変わらず五輪は政治の舞台です。オリンピック閉会式にアメリカは大統領の娘であるイバンカ氏を出席させるそうですが、今日の報道では北朝鮮がテロ作戦の幹部である高官を派遣すると発表しました。
ロイター通信がオリンピックを舞台に繰り広げられる北朝鮮、韓国、そしてアメリカの駆け引きについて書いた論説を読んでみました。
North Korea’s Olympic athletes will not be bringing home any medals, but their participation may have earned the peninsula something more substantial.
By taking part so visibly alongside South Korea, Pyongyang has been able to present itself as a credible global and regional power in a way that has eluded North Korean leaders since the war that divided the peninsula. The real strategic winner, however, is the South Korean government, which has shrewdly used the games to reshape the diplomatic landscape.
For all the talk of reconciliation, neither North nor South Korea has much appetite for the compromises – or the catastrophic war – that reunification would take. What both countries have been desperate to do, however, is to blunt the potential threat of a major unilateral U.S. strike on Pyongyang’s nuclear facilities.
The potential for renewed dialogue puts Washington in a distinctly difficult position. This year, President Donald Trump’s administration had intended to ramp up military pressure on Pyongyang, reinforcing the Kim regime’s fears that further nuclear progress might lead to U.S. action. The Olympic rapprochement with the South, however, has compelled Washington to abort some of its plans, at Seoul’s request.
(Peter Apps. Commentary: South Korea's Olympic gambit traps both Kim and Trump. Reuters. February 23, 2018.)
結局ピョンチャンオリンピックを舞台にした政治的駆け引きの勝者は誰だったのか?そんなことを考えさせられる論説です。
もちろん、オリンピックはまだ終わっていませんので、だれが駆け引きの勝者かを決めることはできませんが、論説では現時点で韓国に軍配が上がるという見方のようです。そして、北朝鮮も、スポーツの祭典を巧みに利用し、融和ムードを演出したことで、米国による先制攻撃のリスクを回避し、また大国と渡り合う自国を印象づけることに成功したという見方です。
引用した記事の最後の段落で、
The Olympic rapprochement with the South
という表現がでてきます。
"rapprochement"という単語は見慣れないものですが、和解とか和睦、親善、といった意味です。
まさに、(北の)オリンピックを利用した韓国との融和、ということでしょう。
この"rapprochement"という単語ですが、スペルからも想像がつくようにフランス語から来ています。また、発音もフランス語式に最後のtは発音しません。
政治や外交のコンテクストで使われるキーワードにはフランス語が多いですね。以前取り上げた"detente"も参考ください。
2018年2月22日木曜日
Chink
米・フィラデルフィアで、ファーストフード店の店員が客に対して侮蔑的な呼称を用いたことで解雇されました。
A Taco Bell cashier has been fired after printing a racial slur on a customer’s receipt.
In Young Lee, a first-year Ph.D. student at Penn Medicine in Pennsylvania, visited a Taco Bell in Philadelphia at around 1:40 am, after a night out with some friends.
According to Lee, he ordered his food and gave the cashier a fake name of “Steve” to save time since trying to explain the spelling of his name is “inconvenient for both the cashier and me,” he told CBS Philly.
The interaction was normal, until Lee says he received his receipt and was angered at what was printed.
“Our interaction was very ordinary and cordial even until I saw my name on the receipt that read ‘STEVE CHINK,'” Lee wrote on Facebook.
(Alexandra Deabler. Taco Bell employee fired for 'derogatory slur' printed on receipt. Fox News. February 20, 2018.)
問題になったのは、レシートに印刷された客の名前に含まれていた
Chink
という表現でした。
"Chink"は中国人に対する侮蔑的な呼称とされ、日本人をジャップ(Jap)というのに近いものと思われます。
A Taco Bell cashier has been fired after printing a racial slur on a customer’s receipt.
In Young Lee, a first-year Ph.D. student at Penn Medicine in Pennsylvania, visited a Taco Bell in Philadelphia at around 1:40 am, after a night out with some friends.
According to Lee, he ordered his food and gave the cashier a fake name of “Steve” to save time since trying to explain the spelling of his name is “inconvenient for both the cashier and me,” he told CBS Philly.
The interaction was normal, until Lee says he received his receipt and was angered at what was printed.
“Our interaction was very ordinary and cordial even until I saw my name on the receipt that read ‘STEVE CHINK,'” Lee wrote on Facebook.
(Alexandra Deabler. Taco Bell employee fired for 'derogatory slur' printed on receipt. Fox News. February 20, 2018.)
問題になったのは、レシートに印刷された客の名前に含まれていた
Chink
という表現でした。
"Chink"は中国人に対する侮蔑的な呼称とされ、日本人をジャップ(Jap)というのに近いものと思われます。
2018年2月21日水曜日
stone's throw
Eコマース大手のアマゾンが本社の移転を計画しているというニュースを以前も見たことがあるように記憶するのですが、果たしてアメリカのどの都市が候補になっているのかということが誰も分からず、噂の域を出ていなかったようです。
ところが、最近になって候補地はどうやらバージニア州アーリントンなのではないかということが言われ始めました。
Amazon may have just tipped its hand again.
Consider Arlington, Virginia. The city is a stone’s throw from Washington, DC, and is considered a part of its metropolitan area.
A local news site called ARLnow.com says it recently saw an unusual spike in traffic to an article from December titled “County Wins Top Environmental Award from US Green Building Council” explaining how Arlington County was the first in the US to be selected for an environmental award.
The site says the story recently saw a spike of about 6,000 pageviews mostly referred from what it identifies as an internal Amazon.com page.
(Dennis Green. Amazon employees just accidentally dropped a big clue about where the new headquarters could be. Business Insider. February 20, 2018.)
根も葉もない噂かというとそうでもないらしく、アーリントンが環境大賞を受賞したという記事へのアクセスから分かったそうです。
同記事へのアクセスが急増したそうなのですが、そのアクセス元がアマゾン社内からのものであったということが分かっているそうです。
その分析が当たっているか否かはさておくとして、バージニア州アーリントンについては、
The city is a stone’s throw from Washington, DC
と解説されていますが、この"stone's throw"という表現を初めて見ました。
意味は、石を投げて届くくらい近い、という意味なのですが、いわゆる誇張表現の一種ということができると思います。
ところが、最近になって候補地はどうやらバージニア州アーリントンなのではないかということが言われ始めました。
Amazon may have just tipped its hand again.
Consider Arlington, Virginia. The city is a stone’s throw from Washington, DC, and is considered a part of its metropolitan area.
A local news site called ARLnow.com says it recently saw an unusual spike in traffic to an article from December titled “County Wins Top Environmental Award from US Green Building Council” explaining how Arlington County was the first in the US to be selected for an environmental award.
The site says the story recently saw a spike of about 6,000 pageviews mostly referred from what it identifies as an internal Amazon.com page.
(Dennis Green. Amazon employees just accidentally dropped a big clue about where the new headquarters could be. Business Insider. February 20, 2018.)
根も葉もない噂かというとそうでもないらしく、アーリントンが環境大賞を受賞したという記事へのアクセスから分かったそうです。
同記事へのアクセスが急増したそうなのですが、そのアクセス元がアマゾン社内からのものであったということが分かっているそうです。
その分析が当たっているか否かはさておくとして、バージニア州アーリントンについては、
The city is a stone’s throw from Washington, DC
と解説されていますが、この"stone's throw"という表現を初めて見ました。
意味は、石を投げて届くくらい近い、という意味なのですが、いわゆる誇張表現の一種ということができると思います。
2018年2月20日火曜日
Why did the chicken cross the road?
ケンタッキーフライドチキンと言えば、日本でもお馴染みのファーストフードチェーンですが、イギリスで店舗が閉鎖に追い込まれているそうです。
食中毒でも起こしたのでしょうか?
いえ、そうではありません。単に材料の鶏肉が調達できないということが原因だそうです。
Why didn't the chicken cross the road?
In the United Kingdom, the answer is there aren't enough of them to cross — and that's bad news for the 900 KFC restaurants there.
The fast-food chain once known as Kentucky Fried Chicken is engulfed in a crisis in the U.K., where about two-thirds of its restaurants are temporarily closed amid delivery challenges.
The cause? A chicken shortage — coming at a chain whose core product is chicken.
Trying to make light of the situation, KFC referenced the old-fashioned riddle joke in a tweet.
"The chicken crossed the road, just not to our restaurants," KFC's United Kingdom and Ireland outfit said on Twitter. "We've brought a new delivery partner onboard, but they've had a couple of teething problems — getting chicken out to 900 restaurants across the country is pretty complex!"
(Nathan Bomey. KFC is suffering from a chicken shortage in the U.K. Yes, you read that right. USA Today. February 19, 2018.)
さて、本日はジョークを取り上げます。当ブログではたぶん初めてのことです。
英語のジョークを聞いてその面白さが分かる人というのはそうそういないのではないかと思います。小生も何が面白いの?と感じることしばしばです。
引用した記事の冒頭に、
Why didn't the chicken cross the road?
といきなり出てきますが、勘の良い人はこれが、
Why did the chicken cross the road?
というよく知られるジョークをもじったものであることがお分かりと思います。
上述したように、記事の話題は鶏肉(chicken)の調達トラブルで店舗閉鎖に追い込まれているKFCのことであり、それとも掛けているという訳です。
KFCは深刻な状況にも関わらず、公式ツイッターではこのジョークを使っておどけて見せました。
"The chicken crossed the road, just not to our restaurants"
というのがその内容ですが、ジョークの前提知識がない人には何ともよく分からない内容でしょう。
このジョーク、"Why did the chicken cross the road?"は古くからあるそうなのですが、質問である「なぜニワトリは道路を渡ったの?」に対する回答は、
To get to the other side.(「反対側に行くためさ。」)
が標準的なものとされています。
何とも人を食ったような、馬鹿にしたような答えではないでしょうか!?
このジョークの面白さを解説するだけのセンスを持ち合わせておりませんが、English speakerというものはこうした単純すぎる“オチ”のあるジョークを好むようです。
ケンタの記事に戻りますと、チキンは道路を渡ったけれども、我々の(ケンタの)お店に来るためではなかったようだ・・・(つまり材料の鶏肉を調達できなかった)、という自虐的なオチとなっています。
食中毒でも起こしたのでしょうか?
いえ、そうではありません。単に材料の鶏肉が調達できないということが原因だそうです。
Why didn't the chicken cross the road?
In the United Kingdom, the answer is there aren't enough of them to cross — and that's bad news for the 900 KFC restaurants there.
The fast-food chain once known as Kentucky Fried Chicken is engulfed in a crisis in the U.K., where about two-thirds of its restaurants are temporarily closed amid delivery challenges.
The cause? A chicken shortage — coming at a chain whose core product is chicken.
Trying to make light of the situation, KFC referenced the old-fashioned riddle joke in a tweet.
"The chicken crossed the road, just not to our restaurants," KFC's United Kingdom and Ireland outfit said on Twitter. "We've brought a new delivery partner onboard, but they've had a couple of teething problems — getting chicken out to 900 restaurants across the country is pretty complex!"
(Nathan Bomey. KFC is suffering from a chicken shortage in the U.K. Yes, you read that right. USA Today. February 19, 2018.)
さて、本日はジョークを取り上げます。当ブログではたぶん初めてのことです。
英語のジョークを聞いてその面白さが分かる人というのはそうそういないのではないかと思います。小生も何が面白いの?と感じることしばしばです。
引用した記事の冒頭に、
Why didn't the chicken cross the road?
といきなり出てきますが、勘の良い人はこれが、
Why did the chicken cross the road?
というよく知られるジョークをもじったものであることがお分かりと思います。
上述したように、記事の話題は鶏肉(chicken)の調達トラブルで店舗閉鎖に追い込まれているKFCのことであり、それとも掛けているという訳です。
KFCは深刻な状況にも関わらず、公式ツイッターではこのジョークを使っておどけて見せました。
"The chicken crossed the road, just not to our restaurants"
というのがその内容ですが、ジョークの前提知識がない人には何ともよく分からない内容でしょう。
このジョーク、"Why did the chicken cross the road?"は古くからあるそうなのですが、質問である「なぜニワトリは道路を渡ったの?」に対する回答は、
To get to the other side.(「反対側に行くためさ。」)
が標準的なものとされています。
何とも人を食ったような、馬鹿にしたような答えではないでしょうか!?
このジョークの面白さを解説するだけのセンスを持ち合わせておりませんが、English speakerというものはこうした単純すぎる“オチ”のあるジョークを好むようです。
ケンタの記事に戻りますと、チキンは道路を渡ったけれども、我々の(ケンタの)お店に来るためではなかったようだ・・・(つまり材料の鶏肉を調達できなかった)、という自虐的なオチとなっています。
2018年2月19日月曜日
nuclear football
北朝鮮情勢を巡っては先制攻撃だとか、核戦争の始まりだとか物騒な話が多いですが、かつて、トランプ大統領がツイッターの投稿で「核ミサイルのボタンは大統領執務室の机上にある」と書いたことがありました。
では大統領が外遊中などでホワイトハウスを離れている時は誰が核のボタンを押すのでしょうか?
考えたことも無かったのですが、核のボタン(nuclear button)とは別に、”nuclear football”なるものがあるそうです。
During President Donald Trump's visit to Beijing last November, a US Secret Service agent reportedly tackled a Chinese security official after attempts to block the movement of the "nuclear football."
The nuclear football, officially known as the "president's emergency satchel," is a black leather briefcase that allows the US president to authorize a nuclear strike while away from a command center. It is carried by a military aide and is supposed to be in close proximity to the president at all times.
(Tara Francis Chan. A Secret Service agent tackled a Chinese security official over the nuclear football when Trump visited China. Business Insider. February 19, 2018.)
“nuclear football”というのは大統領が行く所常に付き添っている軍事顧問が持ち運ぶブリーフケースを指しており、その中には核攻撃の命令を下すための手順や、大統領のみが知る極秘の命令コードなどが含まれるということです。
報道によると、昨年11月に大統領が中国を公式訪問しましたが、”nuclear football”を持ち運ぶ顧問が大統領に続いて人民大会堂に入ろうとした際、と中国側の警備員、さらにはシークレットサービスまで巻き込んで小競り合いになったそうです。
私は”nuclear football”なる存在を知らなかったので何故「フットボール」というのか疑問に思い、一応手元のランダムハウス英和大辞典を引いてみたところ、ちゃんと解説がありました。
大統領に付き添う軍事補佐官の間で次々に手渡されることから「フットボール」なのだそうです。
アメフトのプレーでパスを繰り出しているイメージでしょうか。
因みに、軍事顧問担当は一人ではなく複数名による交代制をとっているそうで、担当の間でブリーフケースが引き継がれることを喩えているものと思われます。
では大統領が外遊中などでホワイトハウスを離れている時は誰が核のボタンを押すのでしょうか?
考えたことも無かったのですが、核のボタン(nuclear button)とは別に、”nuclear football”なるものがあるそうです。
During President Donald Trump's visit to Beijing last November, a US Secret Service agent reportedly tackled a Chinese security official after attempts to block the movement of the "nuclear football."
The nuclear football, officially known as the "president's emergency satchel," is a black leather briefcase that allows the US president to authorize a nuclear strike while away from a command center. It is carried by a military aide and is supposed to be in close proximity to the president at all times.
(Tara Francis Chan. A Secret Service agent tackled a Chinese security official over the nuclear football when Trump visited China. Business Insider. February 19, 2018.)
“nuclear football”というのは大統領が行く所常に付き添っている軍事顧問が持ち運ぶブリーフケースを指しており、その中には核攻撃の命令を下すための手順や、大統領のみが知る極秘の命令コードなどが含まれるということです。
報道によると、昨年11月に大統領が中国を公式訪問しましたが、”nuclear football”を持ち運ぶ顧問が大統領に続いて人民大会堂に入ろうとした際、と中国側の警備員、さらにはシークレットサービスまで巻き込んで小競り合いになったそうです。
私は”nuclear football”なる存在を知らなかったので何故「フットボール」というのか疑問に思い、一応手元のランダムハウス英和大辞典を引いてみたところ、ちゃんと解説がありました。
大統領に付き添う軍事補佐官の間で次々に手渡されることから「フットボール」なのだそうです。
アメフトのプレーでパスを繰り出しているイメージでしょうか。
因みに、軍事顧問担当は一人ではなく複数名による交代制をとっているそうで、担当の間でブリーフケースが引き継がれることを喩えているものと思われます。
2018年2月16日金曜日
対北朝鮮に"bloody nose"攻撃はあるか?― bloody nose
北朝鮮の金労働党委員長が韓国の文在寅大統領の訪朝を要求し、大統領も訪朝の方向性で調整中と先日報道されました。
その一方で、日米は北朝鮮が核兵器開発を放棄するまで圧力をかけ続けるべきと主張し、韓国に対しては北朝鮮に取り込まれる危険性を警告しています。
平昌オリンピックが開催中ですが、オリンピック終了後の南北朝鮮関係はどう展開するのでしょうか?
WASHINGTON (Reuters) - The senior U.S. diplomat for Asia, Susan Thornton, said on Thursday she understood the Trump administration had no strategy for a so-called bloody nose strike on North Korea, but Pyongyang would be forced to give up its nuclear weapons “one way or another.”
President Donald Trump’s administration says it prefers a diplomatic solution to the crisis over North Korea’s development of nuclear missiles capable of hitting the United States.
But U.S. officials have told Reuters and other media that Trump and his advisers have discussed the possibility of a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government.
(David Brunnstrom. No 'bloody nose' plan for North Korea: U.S. official, senators. Reuters. February 16, 2018.)
引用した記事はロイター通信からのものですが、トランプ政権の北朝鮮に対する今後の対応に関する内容です。その中で、
a so-called bloody nose strike
と出てくるのですが、この"bloody nose (strike)"という表現を解釈してみたいと思います。
"bloody nose"は鼻血で血まみれになった鼻のことですから、鼻血を出させるような攻撃、ということになります。具体的には何を言わんとしているのでしょうか?
記事は下記のように続きます。
Such talk of a “bloody nose” strike has alarmed Korean experts who said that this could trigger catastrophic retaliation, but it has died down since North and South Korea resumed talks last month and North Korea joined the Winter Olympics in South Korea.
(ibid.)
記事のタイトルと引用の最初の段落からお分かりのように、トランプ政権は"bloody nose strike"は選択肢には無い、としているのですが、上記引用にあるように、このような"bloody nose strike"により、(北朝鮮による)破滅的な報復攻撃を招く恐れがある(could trigger catastrophic retaliation)ということが背景にあるように読めます。
そうしますと、最初に引用した第2段落目の内容と一致してくるのですが、"bloody nose strike"とは、
a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government
である、と解釈できるでしょう。
つまり、相手を壊滅させるような総攻撃ではなく、限定的な先制攻撃のことであると言えます。
Merriam-Webster Dictionaryには、"bloody nose"という表現のエントリがあり、
a usually minor wound, injury, or defeat
と説明されていました。
つまり、鼻血というのは「軽傷」であり、決定打ではないのです。
"bloody nose strike"とは、相手を怯ませる程度の効果はあるかもしれませんが、その一撃で壊滅させるようなものではないということになります。
その一方で、日米は北朝鮮が核兵器開発を放棄するまで圧力をかけ続けるべきと主張し、韓国に対しては北朝鮮に取り込まれる危険性を警告しています。
平昌オリンピックが開催中ですが、オリンピック終了後の南北朝鮮関係はどう展開するのでしょうか?
WASHINGTON (Reuters) - The senior U.S. diplomat for Asia, Susan Thornton, said on Thursday she understood the Trump administration had no strategy for a so-called bloody nose strike on North Korea, but Pyongyang would be forced to give up its nuclear weapons “one way or another.”
President Donald Trump’s administration says it prefers a diplomatic solution to the crisis over North Korea’s development of nuclear missiles capable of hitting the United States.
But U.S. officials have told Reuters and other media that Trump and his advisers have discussed the possibility of a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government.
(David Brunnstrom. No 'bloody nose' plan for North Korea: U.S. official, senators. Reuters. February 16, 2018.)
引用した記事はロイター通信からのものですが、トランプ政権の北朝鮮に対する今後の対応に関する内容です。その中で、
a so-called bloody nose strike
と出てくるのですが、この"bloody nose (strike)"という表現を解釈してみたいと思います。
"bloody nose"は鼻血で血まみれになった鼻のことですから、鼻血を出させるような攻撃、ということになります。具体的には何を言わんとしているのでしょうか?
記事は下記のように続きます。
Such talk of a “bloody nose” strike has alarmed Korean experts who said that this could trigger catastrophic retaliation, but it has died down since North and South Korea resumed talks last month and North Korea joined the Winter Olympics in South Korea.
(ibid.)
記事のタイトルと引用の最初の段落からお分かりのように、トランプ政権は"bloody nose strike"は選択肢には無い、としているのですが、上記引用にあるように、このような"bloody nose strike"により、(北朝鮮による)破滅的な報復攻撃を招く恐れがある(could trigger catastrophic retaliation)ということが背景にあるように読めます。
そうしますと、最初に引用した第2段落目の内容と一致してくるのですが、"bloody nose strike"とは、
a limited strike on North Korea that would neither knock out its program nor overthrow leader Kim Jong Un’s government
である、と解釈できるでしょう。
つまり、相手を壊滅させるような総攻撃ではなく、限定的な先制攻撃のことであると言えます。
Merriam-Webster Dictionaryには、"bloody nose"という表現のエントリがあり、
a usually minor wound, injury, or defeat
と説明されていました。
つまり、鼻血というのは「軽傷」であり、決定打ではないのです。
"bloody nose strike"とは、相手を怯ませる程度の効果はあるかもしれませんが、その一撃で壊滅させるようなものではないということになります。
2018年2月15日木曜日
foot the bill
平昌オリンピックが開催中です。先日も触れましたが、北朝鮮に都合良く利用されている実態がまた一つ明らかになりました。
PYEONGCHANG, South Korea — South Korea is footing the bill for hundreds of members of North Korea’s delegation to the Winter Olympics.
The South and North Exchange Cooperation Promotion Council agreed on Wednesday to use $2.64 million in South Korean government funds to pay for the North’s expenses while in Pyeongchang.
(Aamer Medhani. South Korea agrees to pay North's Olympic expenses. USA Today. February 14, 2018.)
北朝鮮から参加している22名の選手に加え、開会式に参加した楽団や金総書記の妹の金与正氏らの滞在費など、全て韓国持ちなんだそうです。
ところで、費用などを負担することを表現するのに、
foot the bill
という表現があります。
何故、”foot the bill”がそのような意味になるのか気になったので調べてみました。
動詞である”foot”の意味には、加算する(to add up)という意味があるんですねぇ。もう少し分かりやすい定義を引用すると、
To add up (a column of numbers) and write the sum at the bottom
(American Heritage Dictionary)
ということであり、つまりは勘定書の各費目を縦に並べて、最後に合計した金額が一番下に書かれている、ということなんですね。
PYEONGCHANG, South Korea — South Korea is footing the bill for hundreds of members of North Korea’s delegation to the Winter Olympics.
The South and North Exchange Cooperation Promotion Council agreed on Wednesday to use $2.64 million in South Korean government funds to pay for the North’s expenses while in Pyeongchang.
(Aamer Medhani. South Korea agrees to pay North's Olympic expenses. USA Today. February 14, 2018.)
北朝鮮から参加している22名の選手に加え、開会式に参加した楽団や金総書記の妹の金与正氏らの滞在費など、全て韓国持ちなんだそうです。
ところで、費用などを負担することを表現するのに、
foot the bill
という表現があります。
何故、”foot the bill”がそのような意味になるのか気になったので調べてみました。
動詞である”foot”の意味には、加算する(to add up)という意味があるんですねぇ。もう少し分かりやすい定義を引用すると、
To add up (a column of numbers) and write the sum at the bottom
(American Heritage Dictionary)
ということであり、つまりは勘定書の各費目を縦に並べて、最後に合計した金額が一番下に書かれている、ということなんですね。
2018年2月14日水曜日
退職勧奨 ー manage out
アマゾンが大規模なリストラを計画しているとのニュースです。
Amazon is laying off employees in the "low hundreds" in an effort to shift head count allocation to businesses that are growing, CNBC has learned.
The Seattle Times first reported that Amazon was laying off "hundreds" of employees and "managing out" others as the company consolidates its retail operations.
(Amazon is cutting hundreds of employees to shift resources to fast-growing businesses. CNBC. February 13, 2018)
その具体的な内容として、数100人規模の解雇(laying off)と、
managing out
とあるのですが、この”managing out”という表現を初めてみました。
辞書には載っていませんので、ネットを検索するとどうやらこれは退職勧奨といった意味に近いようです。
Financial Timesから引用します。
Mr Evans was likely to have been “managed out”, a process that companies sometimes turn to as an alternative to redundancy programmes and as a way of selecting those employees they would like to lose. In the UK and the US, where the process is sometimes known as “counselling out”, it involves persuading an employee that it would be in their interests to leave, often with a reasonable financial settlement thrown in.
(How employers ‘manage out’ unwanted staff. Financial Times. March 16, 2017.)
冒頭、リストラと書きましたが、組織の再構築を意味するこの単語も今では解雇とほぼ同義であることは周知の通りです。
"managing out"についても同じようなことが言えるでしょう。
Amazon is laying off employees in the "low hundreds" in an effort to shift head count allocation to businesses that are growing, CNBC has learned.
The Seattle Times first reported that Amazon was laying off "hundreds" of employees and "managing out" others as the company consolidates its retail operations.
(Amazon is cutting hundreds of employees to shift resources to fast-growing businesses. CNBC. February 13, 2018)
その具体的な内容として、数100人規模の解雇(laying off)と、
managing out
とあるのですが、この”managing out”という表現を初めてみました。
辞書には載っていませんので、ネットを検索するとどうやらこれは退職勧奨といった意味に近いようです。
Financial Timesから引用します。
Mr Evans was likely to have been “managed out”, a process that companies sometimes turn to as an alternative to redundancy programmes and as a way of selecting those employees they would like to lose. In the UK and the US, where the process is sometimes known as “counselling out”, it involves persuading an employee that it would be in their interests to leave, often with a reasonable financial settlement thrown in.
(How employers ‘manage out’ unwanted staff. Financial Times. March 16, 2017.)
冒頭、リストラと書きましたが、組織の再構築を意味するこの単語も今では解雇とほぼ同義であることは周知の通りです。
"managing out"についても同じようなことが言えるでしょう。
2018年2月13日火曜日
puff
韓国平昌で冬季オリンピックが開幕しました。
北朝鮮は金総書記の妹である金予正氏を送り込み、国際社会による経済制裁に穴を開けようとの目論見が見え見えです。
多くの報道機関が、このようなオリンピックの政治利用に対して批判的な記事を展開していますが、CNNはちょっと違うようです。
CNN is getting dragged online for writing a glowing puff piece about North Korean leader Kim Jong Un’s sister appearing at the Olympics in Pyeongchang, South Korea — with a headline claiming she was “stealing the show.”
The article, published Saturday afternoon, began with these cooing words about the woman who gave South Korean President Moon Jae-in an invite to visit North Korea:
“If ‘diplomatic dance’ were an event at the Winter Olympics, Kim Jong Un’s younger sister would be favored to win gold. With a smile, a handshake and a warm message in South Korea’s presidential guest book, Kim Yo Jong has struck a chord with the public just one day into the PyeongChang Games.”
(Frank Miles. CNN slammed for glowing puff piece about Kim Jong Un's sister at Olympics. Fox News. February 13, 2018.)
記事中、
a glowing puff piece
という表現が出てきます。
この”puff”という単語の意味を知らなかったのですが、American Heritage Dictionaryによると、
An approving or flattering recommendation.
と定義されていました。
つまり、CNNだけは北朝鮮に対して好意的な記事を出しているということのようです。
この"puff"という単語にはもうひとつ、
A piece of writing, as on the jacket of a book, containing often exaggerated praise, used for promotional purposes.
という意味もあるそうで、これは新刊書などについている帯のことですね。
北朝鮮は金総書記の妹である金予正氏を送り込み、国際社会による経済制裁に穴を開けようとの目論見が見え見えです。
多くの報道機関が、このようなオリンピックの政治利用に対して批判的な記事を展開していますが、CNNはちょっと違うようです。
CNN is getting dragged online for writing a glowing puff piece about North Korean leader Kim Jong Un’s sister appearing at the Olympics in Pyeongchang, South Korea — with a headline claiming she was “stealing the show.”
The article, published Saturday afternoon, began with these cooing words about the woman who gave South Korean President Moon Jae-in an invite to visit North Korea:
“If ‘diplomatic dance’ were an event at the Winter Olympics, Kim Jong Un’s younger sister would be favored to win gold. With a smile, a handshake and a warm message in South Korea’s presidential guest book, Kim Yo Jong has struck a chord with the public just one day into the PyeongChang Games.”
(Frank Miles. CNN slammed for glowing puff piece about Kim Jong Un's sister at Olympics. Fox News. February 13, 2018.)
記事中、
a glowing puff piece
という表現が出てきます。
この”puff”という単語の意味を知らなかったのですが、American Heritage Dictionaryによると、
An approving or flattering recommendation.
と定義されていました。
つまり、CNNだけは北朝鮮に対して好意的な記事を出しているということのようです。
この"puff"という単語にはもうひとつ、
A piece of writing, as on the jacket of a book, containing often exaggerated praise, used for promotional purposes.
という意味もあるそうで、これは新刊書などについている帯のことですね。
2018年2月12日月曜日
緊急着水 ー ditching
随分久しぶりに国内線の飛行機を利用しました。エコノミークラスの座席に着席すると、前のシートにポケットがあるのは昔から変わらずです。
そして、非常の際の手順を説明した「安全の手引き」(Safety Instructions)なるリーフレットがあるのもお馴染みで、頻繁に飛行機を利用する方はもはやそんなものには目もくれないのだと思いますが、久しぶりなので(というよりも他にすることもないので)、「安全のしおり」を手に取ってみました。
その中に「緊急着水時」という項があり、その対訳が、
ditching
となっています。
改めて、"ditch"の意味をチェックした次第です。
一般的に知られている"ditch"の意味は、捨てる、という意味なので、緊急着水という日本語にはそぐわないように思われるかもしれないのですが、この"ditch"には航空専門用語として、
bring (an aircraft) down on water in emergency
という意味があります。
「安全のしおり」のイラストには、飛行機か水面に浮かび、乗客は機体に横付けされたボートに避難している様子が描かれています。
イラストは続いて、機体から離れていくボートを描いています。それは乗員、乗客が今しがたまで搭乗していた飛行機を見捨てて(ditch)いるようにも見えます。
そして、非常の際の手順を説明した「安全の手引き」(Safety Instructions)なるリーフレットがあるのもお馴染みで、頻繁に飛行機を利用する方はもはやそんなものには目もくれないのだと思いますが、久しぶりなので(というよりも他にすることもないので)、「安全のしおり」を手に取ってみました。
その中に「緊急着水時」という項があり、その対訳が、
ditching
となっています。
改めて、"ditch"の意味をチェックした次第です。
一般的に知られている"ditch"の意味は、捨てる、という意味なので、緊急着水という日本語にはそぐわないように思われるかもしれないのですが、この"ditch"には航空専門用語として、
bring (an aircraft) down on water in emergency
という意味があります。
「安全のしおり」のイラストには、飛行機か水面に浮かび、乗客は機体に横付けされたボートに避難している様子が描かれています。
イラストは続いて、機体から離れていくボートを描いています。それは乗員、乗客が今しがたまで搭乗していた飛行機を見捨てて(ditch)いるようにも見えます。
2018年2月9日金曜日
“four out of five”
最近Yahoo! Japanのヘッドラインにも出ていたのでご存知の方も多いと思いますが、「洗剤チャレンジ」と呼ばれる危険な行為がネットで広まり問題になっています。
敢えて説明するのもバカバカしいのですが、固形洗剤を口に含んでどれだけ耐えられるかどうかを競い合うという、向こう見ずな若者の愚かな悪ふざけです。洗剤を飲むバカはいません。お腹を壊します。最悪の場合は死ぬこともあるということですから、悪ふざけでは済みません。
さて、USAトゥデイ紙の記事から引用です。
この「洗剤チャレンジ」なる行為には、P&G社の販売するTide Podという固形漂白剤が使われており、同社は自社製品のイメージが傷つく事に頭を悩ませながらも生産には拍車をかけており、商魂逞しいとはこのことでしょうか。
Despite unwanted viral publicity from internet pranksters eating Tide Pods, Procter & Gamble continues to ramp up production of the wildly successful colorful detergent pouches.
Just before the New Year, a spate of teenage poisonings were reported in the U.S. as a result of an internet-based dare encouraging youths to post video of themselves biting or eating Tide Pods. The stunt, dubbed "The Tide Pod Challenge," has resulted in poison centers reporting 142 incidents in January.
Swallowing highly concentrated laundry detergent can cause seizures, pulmonary edema, respiratory arrest, coma, and even death, health officials warn. So far, no one has died from the craze.
The controversy comes just after the Cincinnati-based consumer products giant rolled out Pods in Japan and China – P&G's largest market outside the U.S.
(Tide Pods: Despite 'The Challenge,' P&G doubles down on detergent pouches. USA Today. February 8, 2018.)
記事を読んでみますと、Tide Podは20億ドル以上の売り上げがあり、P&G社にとって看板商品とも言える重要な商品だということです。
同社は固形漂白剤の市場を開拓してきたパイオニアでもあります。
First introduced in 2012, Tide Pods have been a runaway hit product for P&G. The company has had unit-dose detergents since 2001, but Pods with three separate chambers in each capsule were the breakthrough. The triple-chamber product allowed P&G to distribute a detergent with more highly-concentrated detergents that wouldn't interact until the capsules dissolved in the wash.
(中略)
Even amid the bubbling controversy in January, P&G executives disclosed that Tide Pods were powering 90% of the laundry detergent sales growth. Worldwide, P&G sells four out of five dollars of all unit-dose laundry products.
(ibid.)
さて、前置きが長くなりましたが、引用の最後の部分で使われている表現に着目しましょう。
Worldwide, P&G sells four out of five dollars of all unit-dose laundry products.
とある部分の、"four out of five dollars of..."というところで、少し解釈に躓いたのですが、ここで"dollars"の意味は、通貨のドルのことではなくて、富とか、収益、といった意味です。(以前も取り上げたことがあります。)ここでは、「市場」といった意味が適当でしょうか。
興味深いのは、"four out of five (dollars)"という部分です。
最初に躓いてしまったのは、"five dollars"をまとまったひとかたまりとして読んでしまったということがあります。
ここは、そうではなく、"four out of five"、つまり「5分の4」の"dollars"と解釈すべきということになります。
「5分の4」、つまり80パーセントなのですが、何故か、"four out of five"と英語では表現するようです。
実際のところ、"four out of five"はよく使われているようです。
ひょっとすると片手で5本指を基本とした概念なのかも知れません。
敢えて説明するのもバカバカしいのですが、固形洗剤を口に含んでどれだけ耐えられるかどうかを競い合うという、向こう見ずな若者の愚かな悪ふざけです。洗剤を飲むバカはいません。お腹を壊します。最悪の場合は死ぬこともあるということですから、悪ふざけでは済みません。
さて、USAトゥデイ紙の記事から引用です。
この「洗剤チャレンジ」なる行為には、P&G社の販売するTide Podという固形漂白剤が使われており、同社は自社製品のイメージが傷つく事に頭を悩ませながらも生産には拍車をかけており、商魂逞しいとはこのことでしょうか。
Despite unwanted viral publicity from internet pranksters eating Tide Pods, Procter & Gamble continues to ramp up production of the wildly successful colorful detergent pouches.
Just before the New Year, a spate of teenage poisonings were reported in the U.S. as a result of an internet-based dare encouraging youths to post video of themselves biting or eating Tide Pods. The stunt, dubbed "The Tide Pod Challenge," has resulted in poison centers reporting 142 incidents in January.
Swallowing highly concentrated laundry detergent can cause seizures, pulmonary edema, respiratory arrest, coma, and even death, health officials warn. So far, no one has died from the craze.
The controversy comes just after the Cincinnati-based consumer products giant rolled out Pods in Japan and China – P&G's largest market outside the U.S.
(Tide Pods: Despite 'The Challenge,' P&G doubles down on detergent pouches. USA Today. February 8, 2018.)
記事を読んでみますと、Tide Podは20億ドル以上の売り上げがあり、P&G社にとって看板商品とも言える重要な商品だということです。
同社は固形漂白剤の市場を開拓してきたパイオニアでもあります。
First introduced in 2012, Tide Pods have been a runaway hit product for P&G. The company has had unit-dose detergents since 2001, but Pods with three separate chambers in each capsule were the breakthrough. The triple-chamber product allowed P&G to distribute a detergent with more highly-concentrated detergents that wouldn't interact until the capsules dissolved in the wash.
(中略)
Even amid the bubbling controversy in January, P&G executives disclosed that Tide Pods were powering 90% of the laundry detergent sales growth. Worldwide, P&G sells four out of five dollars of all unit-dose laundry products.
(ibid.)
さて、前置きが長くなりましたが、引用の最後の部分で使われている表現に着目しましょう。
Worldwide, P&G sells four out of five dollars of all unit-dose laundry products.
とある部分の、"four out of five dollars of..."というところで、少し解釈に躓いたのですが、ここで"dollars"の意味は、通貨のドルのことではなくて、富とか、収益、といった意味です。(以前も取り上げたことがあります。)ここでは、「市場」といった意味が適当でしょうか。
興味深いのは、"four out of five (dollars)"という部分です。
最初に躓いてしまったのは、"five dollars"をまとまったひとかたまりとして読んでしまったということがあります。
ここは、そうではなく、"four out of five"、つまり「5分の4」の"dollars"と解釈すべきということになります。
「5分の4」、つまり80パーセントなのですが、何故か、"four out of five"と英語では表現するようです。
実際のところ、"four out of five"はよく使われているようです。
ひょっとすると片手で5本指を基本とした概念なのかも知れません。
2018年2月8日木曜日
バーコード!? ― combover
トランプ米大統領の髪型については、大統領選の時から何かと取り沙汰されていました。
あれは鬘(かつら)ではないのか?というメディアの推量に対して、敢えて髪を触らせて鬘ではないことを証明したり、といったこともありました。
ところが最近になって、改めてトランプ氏の髪型について、禿ではないものの「フサフサ」という訳でもなさそうだという事情が明らかになりました。
It was President Trump’s very bad hair day.
A video shows the president climbing the stairs to Air Force One last Friday when a sudden gust of wind catches his combover.
The blast lifted the strands of hair like a flap and revealed his bare scalp underneath for all to see.
Trump’s hairdo has created volumes of speculation about whether it’s a wig, or implants, or his carefully coiffed natural hair.
(Mark Moore. Trump’s bad hair day gets worse after gust of wind. New York Post. February 7, 2018.)
トランプ氏が大統領専用機エアフォースワンに乗り込もうとしてタラップを登っていたとき、強風によって氏の髪型も乱れに乱れたそうです。
普段整えられているあの特徴的な整髪の乱れの中に、露な頭皮が目撃されたと報じられています。
記事中、
a sudden gust of wind catches his combover
と出てきますが、この"combover"は、
an arrangement of hair on a balding man in which hair from the side of the head is combed over the bald spot
とMerriam-Webster Dictionaryで定義されていました。
つまり、禿を隠すために覆うように整髪された状態のことを指しています。
この単語、櫛(comb)を使って周到に禿げた部分を覆い隠す(over)、という成り立ちは腑に落ちます。
一部オンライン辞書では、いわゆる「バーコード」などという和訳もあるそうですが(笑)
あれは鬘(かつら)ではないのか?というメディアの推量に対して、敢えて髪を触らせて鬘ではないことを証明したり、といったこともありました。
ところが最近になって、改めてトランプ氏の髪型について、禿ではないものの「フサフサ」という訳でもなさそうだという事情が明らかになりました。
It was President Trump’s very bad hair day.
A video shows the president climbing the stairs to Air Force One last Friday when a sudden gust of wind catches his combover.
The blast lifted the strands of hair like a flap and revealed his bare scalp underneath for all to see.
Trump’s hairdo has created volumes of speculation about whether it’s a wig, or implants, or his carefully coiffed natural hair.
(Mark Moore. Trump’s bad hair day gets worse after gust of wind. New York Post. February 7, 2018.)
トランプ氏が大統領専用機エアフォースワンに乗り込もうとしてタラップを登っていたとき、強風によって氏の髪型も乱れに乱れたそうです。
普段整えられているあの特徴的な整髪の乱れの中に、露な頭皮が目撃されたと報じられています。
記事中、
a sudden gust of wind catches his combover
と出てきますが、この"combover"は、
an arrangement of hair on a balding man in which hair from the side of the head is combed over the bald spot
とMerriam-Webster Dictionaryで定義されていました。
つまり、禿を隠すために覆うように整髪された状態のことを指しています。
この単語、櫛(comb)を使って周到に禿げた部分を覆い隠す(over)、という成り立ちは腑に落ちます。
一部オンライン辞書では、いわゆる「バーコード」などという和訳もあるそうですが(笑)
2018年2月7日水曜日
mansplaining
先日も"PC"の話題でしたが、今日も"PC"の話です(苦笑・・・)。
ちなみに今日の記事はカナダ発、です。
Canadian Prime Minister Justin Trudeau is facing a backlash for correcting a woman who used the term "mankind".
During a town hall event in Edmonton, Alberta, last week, Mr Trudeau interrupted the young woman and urged her to say "peoplekind" instead.
Critics accused the prime minister of "mansplaining", "virtue-signalling" and making up words.
But his spokesman said Mr Trudeau was "a proud feminist" whose policies reflect "commitments to equality".
(Canada PM Trudeau faces PC backlash over 'peoplekind' comment. BBC News. February 7, 2018.)
カナダの首相が"PC"で批判にさらされているという内容ですが、ことの次第はこうです。
タウンホールミーティングで首相に質問をした女性が、発言中"mankind"という単語を使ったそうなのですが、首相はそれをたしなめ、(より適切な)"peoplekind"という表現を使うべきだ、と発言したところ、SNSなどで批判が集中しました。
首相は特に性差別には敏感だということで、質問をした女性も首相の取り組みに対する賞賛を送ったということですが、"PC"にも程があるというところでしょうか。
特に、"peoplekind"なる単語は存在しておらず、"mankind"の"man-"を嫌って、新しい単語を作り出してまで・・・、という感じはします。
さて、"PC"の話題には事欠きませんが、今日取り上げたいのは、
mansplaining
という単語です。この単語をご存知でしょうか?
実はこの"mansplaining"も辞書には載っていないのですが、"man"と"explain(ining)"のかばん語です。
Merriam-Webster Dictionaryのサイトでこの単語の解説がされています。以下抜粋しますと、
Mansplaining is, at its core, a very specific thing. It's what occurs when a man talks condescendingly to someone (especially a woman) about something he has incomplete knowledge of, with the mistaken assumption that he knows more about it than the person he's talking to does.
とあり、つまり男性が女性に対して、相手を一段低く見るように話す、ということです。
よくいますよね、女性に対して、訳知り顔で説教口調で講釈を垂れる男の人・・・。
首相は女性の使った"mankind"をたしなめて、"peoplekind"と訂正しましたが、その態度が横柄だったのでしょう。
"man-"を嫌った結果、"mansplaining"と批判されるとは皮肉なものです。
ちなみに今日の記事はカナダ発、です。
Canadian Prime Minister Justin Trudeau is facing a backlash for correcting a woman who used the term "mankind".
During a town hall event in Edmonton, Alberta, last week, Mr Trudeau interrupted the young woman and urged her to say "peoplekind" instead.
Critics accused the prime minister of "mansplaining", "virtue-signalling" and making up words.
But his spokesman said Mr Trudeau was "a proud feminist" whose policies reflect "commitments to equality".
(Canada PM Trudeau faces PC backlash over 'peoplekind' comment. BBC News. February 7, 2018.)
カナダの首相が"PC"で批判にさらされているという内容ですが、ことの次第はこうです。
タウンホールミーティングで首相に質問をした女性が、発言中"mankind"という単語を使ったそうなのですが、首相はそれをたしなめ、(より適切な)"peoplekind"という表現を使うべきだ、と発言したところ、SNSなどで批判が集中しました。
首相は特に性差別には敏感だということで、質問をした女性も首相の取り組みに対する賞賛を送ったということですが、"PC"にも程があるというところでしょうか。
特に、"peoplekind"なる単語は存在しておらず、"mankind"の"man-"を嫌って、新しい単語を作り出してまで・・・、という感じはします。
さて、"PC"の話題には事欠きませんが、今日取り上げたいのは、
mansplaining
という単語です。この単語をご存知でしょうか?
実はこの"mansplaining"も辞書には載っていないのですが、"man"と"explain(ining)"のかばん語です。
Merriam-Webster Dictionaryのサイトでこの単語の解説がされています。以下抜粋しますと、
Mansplaining is, at its core, a very specific thing. It's what occurs when a man talks condescendingly to someone (especially a woman) about something he has incomplete knowledge of, with the mistaken assumption that he knows more about it than the person he's talking to does.
とあり、つまり男性が女性に対して、相手を一段低く見るように話す、ということです。
よくいますよね、女性に対して、訳知り顔で説教口調で講釈を垂れる男の人・・・。
首相は女性の使った"mankind"をたしなめて、"peoplekind"と訂正しましたが、その態度が横柄だったのでしょう。
"man-"を嫌った結果、"mansplaining"と批判されるとは皮肉なものです。
2018年2月6日火曜日
運頼み ー the luck of the draw
まずは記事の引用をお読みください。
BARRE, Vt. (AP) — Officials say getting a quick response from police when calling 911 requires a bit of luck.
Some towns and cities in the state have their own police departments so getting a relatively quick response to a situation such as a suspicious person hanging around a residence is the norm. But towns that don't have their own police elect to either contract with their local sheriff's department or state police for law enforcement, or they have to depend on state police troopers to show up when called. And towns that do contract for law enforcement generally don't receive 24/7 coverage because officials say there just aren't enough law enforcement professionals available and the cost for comprehensive coverage is more than towns can afford.
(中略)
Maj. Rick Hopkins, commander of the Field Force Division of Vermont State Police, said unlike a municipal police department, troopers have a lot of ground to cover. Hopkins said "sometimes it's just luck of the draw" when it comes to getting a quick response time from state police.
(Officials say quick 911 response requires bit of luck. San Francisco Chronicle. February 5, 2018.)
先日新聞の朝刊を読んでいたら、日本における110番の利用の内、たしか7割以上が本来の110番の利用に照らして適切でない内容という統計があると取り上げていました。
救急車をタクシーがわりに呼びつける不適切な事例は以前から知られていますが、緊急を要する110番への通報も、近くのガソリンスタンドを教えて欲しいだとか、妻が浮気しているようだ、とか、全く緊急性のないものがとみに増えているらしく、モラルの低下はここに極まれり、というところでしょう。
それに比べると、引用した記事の内容は、アメリカの911はつながればいい方だということで、平和ボケの日本と対照をなしているとも思えてきます。
今日取り上げたいのは、
the luck of the draw
という表現です。
“draw”はくじの意味です。つまり、くじを引いて当たりがでるか否か、ということで、運頼み、という意味になります。
手持ちの辞書では
If something that happens depends on the luck of the draw, it depends on chance rather than on the efforts or merits of the people invovlved.
(Collinc Cobuild Dictionary of Idioms)
という解説がありました。
良い意味でも悪い意味でもグローバル化が進んでいるのは間違いありませんが、日本人が当たり前に思っているサービス、例えば110番通報に対するレスポンスが今後も今と同じ水準で期待できるのかは怪しいと肝に命じるべきかもしれません。何事もコストと秤にかけられる時代ですから。
アメリカで911が繋がるのが運頼みというのは近い将来の日本の話かも知れません。
BARRE, Vt. (AP) — Officials say getting a quick response from police when calling 911 requires a bit of luck.
Some towns and cities in the state have their own police departments so getting a relatively quick response to a situation such as a suspicious person hanging around a residence is the norm. But towns that don't have their own police elect to either contract with their local sheriff's department or state police for law enforcement, or they have to depend on state police troopers to show up when called. And towns that do contract for law enforcement generally don't receive 24/7 coverage because officials say there just aren't enough law enforcement professionals available and the cost for comprehensive coverage is more than towns can afford.
(中略)
Maj. Rick Hopkins, commander of the Field Force Division of Vermont State Police, said unlike a municipal police department, troopers have a lot of ground to cover. Hopkins said "sometimes it's just luck of the draw" when it comes to getting a quick response time from state police.
(Officials say quick 911 response requires bit of luck. San Francisco Chronicle. February 5, 2018.)
先日新聞の朝刊を読んでいたら、日本における110番の利用の内、たしか7割以上が本来の110番の利用に照らして適切でない内容という統計があると取り上げていました。
救急車をタクシーがわりに呼びつける不適切な事例は以前から知られていますが、緊急を要する110番への通報も、近くのガソリンスタンドを教えて欲しいだとか、妻が浮気しているようだ、とか、全く緊急性のないものがとみに増えているらしく、モラルの低下はここに極まれり、というところでしょう。
それに比べると、引用した記事の内容は、アメリカの911はつながればいい方だということで、平和ボケの日本と対照をなしているとも思えてきます。
今日取り上げたいのは、
the luck of the draw
という表現です。
“draw”はくじの意味です。つまり、くじを引いて当たりがでるか否か、ということで、運頼み、という意味になります。
手持ちの辞書では
If something that happens depends on the luck of the draw, it depends on chance rather than on the efforts or merits of the people invovlved.
(Collinc Cobuild Dictionary of Idioms)
という解説がありました。
良い意味でも悪い意味でもグローバル化が進んでいるのは間違いありませんが、日本人が当たり前に思っているサービス、例えば110番通報に対するレスポンスが今後も今と同じ水準で期待できるのかは怪しいと肝に命じるべきかもしれません。何事もコストと秤にかけられる時代ですから。
アメリカで911が繋がるのが運頼みというのは近い将来の日本の話かも知れません。
2018年2月5日月曜日
PC culture
PCカルチャー(PC culture)といっても、Personal Computer(PC)のことではありません!?
PC culture killed our school’s father-daughter dance: parents
A Staten Island elementary school scrapped its traditional father-daughter dance this coming Friday because of the Department of Education’s new gender guidelines.
The DOE ordered schools to “eliminate” any “gender-based” practices like the dance in a March 2017 policy update unless they serve a “clear” educational purpose.
The PS 65 shindig, set for Feb. 9, was abruptly postponed until next month after the school’s PTA realized the dance would run afoul of the rules.
“Until we understand what we are legally permitted to do, we need to table this event,” PTA president Toni Bennett wrote to a private school-parents group on Facebook.
(PC culture killed our school’s father-daughter dance: parents. New York Post. February 3, 2018.)
PCはPolicical Correctness(あるいは、Politically Correct)の頭文字を取ったものです。
"politically correct"については以前取り上げたことがありますが、簡潔に表現すると、差別や偏見を助長しないような政治的に正しい言葉使い、というように解説されることが多いです。
"PC"の概念自体は1980年代のアメリカに遡るそうですが、最近になってとみに"PC"が喧しいのには、いわゆるジェンダーアイデンティティーに絡めての議論が背景にあるようです。
アメリカの教育省(Department of Education)が制定した新しいガイドラインでは、性別に基づくような内容のプログラムを学校主催で実施してはならないと定めているらしいのですが、これにより小学校で行ってきた父娘のダンスパーティーが延期(中止)に追い込まれたというものです。
父親と娘が仲睦まじくダンスに参加するのがどのようにgender-neutralityに悪影響を及ぼすというのか、親御さん達の当惑や怒りはごもっともに思われますが、生きにくい世の中になったものだと思います。
PC culture killed our school’s father-daughter dance: parents
A Staten Island elementary school scrapped its traditional father-daughter dance this coming Friday because of the Department of Education’s new gender guidelines.
The DOE ordered schools to “eliminate” any “gender-based” practices like the dance in a March 2017 policy update unless they serve a “clear” educational purpose.
The PS 65 shindig, set for Feb. 9, was abruptly postponed until next month after the school’s PTA realized the dance would run afoul of the rules.
“Until we understand what we are legally permitted to do, we need to table this event,” PTA president Toni Bennett wrote to a private school-parents group on Facebook.
(PC culture killed our school’s father-daughter dance: parents. New York Post. February 3, 2018.)
PCはPolicical Correctness(あるいは、Politically Correct)の頭文字を取ったものです。
"politically correct"については以前取り上げたことがありますが、簡潔に表現すると、差別や偏見を助長しないような政治的に正しい言葉使い、というように解説されることが多いです。
"PC"の概念自体は1980年代のアメリカに遡るそうですが、最近になってとみに"PC"が喧しいのには、いわゆるジェンダーアイデンティティーに絡めての議論が背景にあるようです。
アメリカの教育省(Department of Education)が制定した新しいガイドラインでは、性別に基づくような内容のプログラムを学校主催で実施してはならないと定めているらしいのですが、これにより小学校で行ってきた父娘のダンスパーティーが延期(中止)に追い込まれたというものです。
父親と娘が仲睦まじくダンスに参加するのがどのようにgender-neutralityに悪影響を及ぼすというのか、親御さん達の当惑や怒りはごもっともに思われますが、生きにくい世の中になったものだと思います。
2018年2月2日金曜日
spokesduck
トランプ大統領夫人であるメラニア・トランプさんはかつてテレビコマーシャルに出演したことがあるそうです。
Melania Trump is known for saying little in public. But in a 2005 commercial she spoke to the world — in the voice of the Aflac insurance spokesduck.
President Trump on Wednesday brought up the fact that his wife had once appeared in a television ad for the insurance giant, something you might have missed (confession: we didn’t remember the spot). Here’s how it resurfaced: Reps for Aflac met with Trump in the Oval Office to laud the recent tax reform legislation. Trump, true to form, made it all about Trump.
“They actually, a long time ago, hired my wife to do a big commercial. You know that, right? An Aflac commercial. And I think it was a successful commercial, too,” Trump said, per the pool report.
(Emily Heil. Donald Trump would like to remind us that Melania Trump was once in an Aflac commercial. The Washington Post. February 1, 2018.)
引用をお読みいただくと分かる通り、そのコマーシャルというのは日本でもお馴染みの生命保険会社AFLAC(アフラック)のコマーシャルです。
記事でYouTubeの動画がリンクされていますが、2005年当時のコマーシャルのようです。
さて、今日取り上げたいのは、
spokesduck
という単語です。
はてなと思ったら、”spokesduck”というのは、あのお馴染みのコマーシャルに出てくるアヒルのキャラクターのことなんですね。
それを思いつく前に、”spokesduck”を辞書で引いてみたんですが、当然そんな単語は載っていません。
以前このブログで取り上げましたが、”spokesman”とアヒルのduckを結びつけた、いわゆるカバン語です。
さて、興味深いことに、このようなspokes-と結合して派生した単語は色々あるんですね。
例えば、”spokesmodel”という単語があるそうですが、これは”spokesman”の役目を担うモデルさんのことだそうです。
元々、スポークスマンというのは組織の広報担当といった意味で、専門職を指していたものですが、この”spokesmodel”については広報や宣伝には見映えの良いモデルが相応しいという発想から生まれたものだそうです。
さらには、コーパスを検索すると、”spokesdog”や”spokesbird”などといった単語も見られ、こうなると例のアフラックのアヒルと並んで、いわゆるマスコットキャラクターという意味合いが強くなります。
Melania Trump is known for saying little in public. But in a 2005 commercial she spoke to the world — in the voice of the Aflac insurance spokesduck.
President Trump on Wednesday brought up the fact that his wife had once appeared in a television ad for the insurance giant, something you might have missed (confession: we didn’t remember the spot). Here’s how it resurfaced: Reps for Aflac met with Trump in the Oval Office to laud the recent tax reform legislation. Trump, true to form, made it all about Trump.
“They actually, a long time ago, hired my wife to do a big commercial. You know that, right? An Aflac commercial. And I think it was a successful commercial, too,” Trump said, per the pool report.
(Emily Heil. Donald Trump would like to remind us that Melania Trump was once in an Aflac commercial. The Washington Post. February 1, 2018.)
引用をお読みいただくと分かる通り、そのコマーシャルというのは日本でもお馴染みの生命保険会社AFLAC(アフラック)のコマーシャルです。
記事でYouTubeの動画がリンクされていますが、2005年当時のコマーシャルのようです。
さて、今日取り上げたいのは、
spokesduck
という単語です。
はてなと思ったら、”spokesduck”というのは、あのお馴染みのコマーシャルに出てくるアヒルのキャラクターのことなんですね。
それを思いつく前に、”spokesduck”を辞書で引いてみたんですが、当然そんな単語は載っていません。
以前このブログで取り上げましたが、”spokesman”とアヒルのduckを結びつけた、いわゆるカバン語です。
さて、興味深いことに、このようなspokes-と結合して派生した単語は色々あるんですね。
例えば、”spokesmodel”という単語があるそうですが、これは”spokesman”の役目を担うモデルさんのことだそうです。
元々、スポークスマンというのは組織の広報担当といった意味で、専門職を指していたものですが、この”spokesmodel”については広報や宣伝には見映えの良いモデルが相応しいという発想から生まれたものだそうです。
さらには、コーパスを検索すると、”spokesdog”や”spokesbird”などといった単語も見られ、こうなると例のアフラックのアヒルと並んで、いわゆるマスコットキャラクターという意味合いが強くなります。
2018年2月1日木曜日
escapee
記事の引用からどうぞ。
The prison escapee who broke out of Queensland's Capricornia Correctional Centre on Sunday has finally been caught, five days later.
Jermaine Lee Anderson pulled off his second getaway in four days after slipping through police fingers Wednesday afternoon, but was found Thursday afternoon in South Mackay, Seven News reports.
(Dangerous prison escapee arrested less than a day after he evaded officers by giving them a fake name when they didn't recognise him. Daily Mail. February 1, 2018.)
難しい内容の記事ではありませんね。
"prison escapee"とありますから、脱獄者の話です。
取り上げたいのは、"escapee"という単語なのですが、この"escapee"に違和感はないでしょうか?
"escapee"は、動詞"escape"から来ているというのは明らかだと思いますが、何に違和感を感じるかというと、語尾の-eeに対してです。
多くの方は、語尾の-eeは受動の意味で使われると理解していると思います。つまり、動詞(多くの場合は他動詞)に-eeをつければ、その動作を受ける側の人を指す、というように理解しているはずです。
例えば、"examinee"は、"examine"(試す)に-eeがついて、「試される」人(受験者)、"employee"は"employ"(雇う)に-eeがついて、「雇われる人」(被雇用者)、です。
その他にも、
trainee
nominee
などがありますね。
ところが、"escapee"は"escape"(逃げる)に-eeがついて、「逃がされる(!?)」人、とはなりません。
「逃げる」人、脱走者、です。
ということで、改めて辞書を確認したのですが、語尾の-eeには、自動詞や名詞について、行為主を表す用法もあるということを改めて確認しました。
実はその例は我々がよく知っている単語でもあることを今さらながら知った次第です。
例えば、"attendee"がそうです。("attend"+ -ee)
そのほか、
absentee
devotee
refugee
など、探すと結構たくさんあります。
知ってしまえばそれまでですが、語尾の-eeは被動作主を意味すると考えていたのは勘違いでした。
The prison escapee who broke out of Queensland's Capricornia Correctional Centre on Sunday has finally been caught, five days later.
Jermaine Lee Anderson pulled off his second getaway in four days after slipping through police fingers Wednesday afternoon, but was found Thursday afternoon in South Mackay, Seven News reports.
(Dangerous prison escapee arrested less than a day after he evaded officers by giving them a fake name when they didn't recognise him. Daily Mail. February 1, 2018.)
難しい内容の記事ではありませんね。
"prison escapee"とありますから、脱獄者の話です。
取り上げたいのは、"escapee"という単語なのですが、この"escapee"に違和感はないでしょうか?
"escapee"は、動詞"escape"から来ているというのは明らかだと思いますが、何に違和感を感じるかというと、語尾の-eeに対してです。
多くの方は、語尾の-eeは受動の意味で使われると理解していると思います。つまり、動詞(多くの場合は他動詞)に-eeをつければ、その動作を受ける側の人を指す、というように理解しているはずです。
例えば、"examinee"は、"examine"(試す)に-eeがついて、「試される」人(受験者)、"employee"は"employ"(雇う)に-eeがついて、「雇われる人」(被雇用者)、です。
その他にも、
trainee
nominee
などがありますね。
ところが、"escapee"は"escape"(逃げる)に-eeがついて、「逃がされる(!?)」人、とはなりません。
「逃げる」人、脱走者、です。
ということで、改めて辞書を確認したのですが、語尾の-eeには、自動詞や名詞について、行為主を表す用法もあるということを改めて確認しました。
実はその例は我々がよく知っている単語でもあることを今さらながら知った次第です。
例えば、"attendee"がそうです。("attend"+ -ee)
そのほか、
absentee
devotee
refugee
など、探すと結構たくさんあります。
知ってしまえばそれまでですが、語尾の-eeは被動作主を意味すると考えていたのは勘違いでした。
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