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2024年1月9日火曜日

yoni

週末日曜日にアカデミー賞(Golden Globe)の授賞式が行われたようですが、出席した有名女優のドレスが話題になっています。

内容は一応、成人向けとなっております。


Actress Gillian Anderson donned a gown embroidered with female anatomy for Sunday night's Golden Globes, citing "so many reasons" behind her decision to do so. 

"My dress was designed by Gabriela Hearst and it has vaginas on it," the actor told Deadline, adding she chose the dress "for so many reasons."

(中略)

"The dress has yonis, if you'd like to pan down, there are so many yonis... it's about 150 hours of embroidery," she explained.
(Kendal Tiez. Actress sports dress featuring embroidered vaginas as apparent protest of restrictions to female rights. Fox News. January 8, 2024.)


引用したFox Newsの記事はタイトルから短刀直入です。しかし、本文では"female anatomy"という控えめな表現になっています。要は女性器を表現したものだということで、関係者に少なからずショックを与えているというのです。

記事の写真を見ますと、純白のドレスに女性器を思わせる刺繍が施されているのですが、目を凝らして見ないと(またそう言われなければ)それとは分からないようなものです。因みにこの刺繍はひとつにつき数時間もかかる労作で、ドレス1着分としては150時間を要したそうです。

物議を醸すドレスに込めたメッセージについては、女優曰く、さまざまな理由と背景があるとのことですが、女性の中絶の権利を認めた、いわゆるロー判決(Roe v. Wade)が2022年に覆されたこと(2022年5月17日)への反発もあるようです。

さて、ドレスに施されたモチーフについては、


yoni


とも表現されています。

この単語を知りませんでしたが、辞書には英単語として載っており、"yoni"とはヒンドゥー教において「性力の象徴とする女陰」を指すサンスクリット語なのだそうです。

ところで、引用したFox Newsの記事タイトルでは、"vagina"とあるのですが、実際の刺繍は(解剖学的には?!)外陰部を模したデザインとなっており、"vagina"は正しくない、という指摘があります。他メディアでは"vulva"という単語が使われており、"yoni"についてもヒンドゥー教に見られる装飾は明らかに"vagina"ではなく、"vulva"を表現したものとなっています。

3年前、2020年のオスカーでは、やはり性、生殖に関連したCM(産後女性のケア用品の宣伝)の内容が生々しいという理由で、授賞式のテレビ中継番組のCMとして除外される一件がありました。(2020年2月14日

今回のドレスは控えめな主張という判断からか、排除するという騒動までには至っていないようです。

セックスをタブー視しがちな日本に比べ、あけすけに性や生殖の問題を語り、女性の権利を主張するアメリカの違いをまた見たように思った一件でした。


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