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2024年8月7日水曜日

fear-o-meter

米大統領選の民主党正式候補に指名されたカマラ・ハリス氏ですが、"running mate"、つまり副大統領候補に誰を選ぶのか注目されていました。

Josh Shapiroペンシルバニア州知事、Mark Kelly上院議員などの名前があがっていましたが、今日のニュースでTim Walzミネソタ州知事を指名したと報道されています。


Vice President Kamala Harris has chosen Gov. Tim Walz of Minnesota as her running mate, elevating the former teacher and Army National Guard veteran to join the Democratic ticket and help lead the party’s fight to defeat Donald Trump.

(中略)

“The chemistry was really important to Harris and it really clicked for both of them,” the source said. “Then, on top of that, the Harris campaign, like all of us, saw how energizing Walz was for the base.”
(Harris decides on Tim Walz as running mate. CNN. August 6, 2024.)


Walz氏を含む3名の名前が取り沙汰されていましたが、大方の想定ではShapiro氏を指名するのではないかというもので、Walz氏については想定外、全くの「ダークホース」だったようです。

共和党サイドもWalz氏指名は意外だったようで、選挙戦対策は練り直しというところのようです。


When speculation began about who Harris would pick as a running mate, Walz started out as the darkest of dark horses.

(中略)

Walz was also a surprise to Republicans.

“Tim Walz doesn’t even register on the fear-o-meter,” Minnesota Republican strategist Kevin Poindexter said before the announcement, adding that Republicans had been more worried about Harris picking either Arizona Sen. Mark Kelly or Pennsylvania Gov. Josh Shapiro. “Him joining the ticket as VP does not bring anything.”
(ibid.)


引用で共和党関係者のコメントが引用されていますが、その中に、


fear-o-meter


という見慣れない表現が使われています。どういう意味なんでしょうね?

まずスペルが変わっています。"fear"は恐れとか恐怖、-meterという部分は何かを測定する時に使うメーター(計測器)のことでしょうか。

記事のコンテクストから、共和党筋はカマラ氏が副大統領候補にWalz氏を指名するとは想定していなかったということですが、これは「ノーマーク」、あるいは指名されたとして特に脅威となるような候補だとは見なされていなかった、ということでしょう。

つまり、Walz氏については共和党内の"fear"の度合いとしてほとんどゼロだった、ということかと思います。

この"fear-o-meter"なる表現は辞書には見当たりません。

しかしながら、コーパスなどを検索してみますと、


XXX-o-meter


というパターンが色々見つかります。

つまりXXXの部分に色々な単語が来るのですが、いくつか拾ってみますと、


stress-o-meter
rage-o-meter
trend-o-meter


など、具体的な用例まではここに引用しませんが、意味合いとしては想像つくものです。

ではこの変わったスペルの-o-という部分は何なのか?

ランダムハウス英和辞書には、


ギリシア語起源の複合語の第一要素につく連結母音。またしばしば語源に関係なく挿入辞として英語で用いられる


との説明があります。

そしてこの"-o-meter"という表現はやはり測定機器のイメージであり、第一要素に来る名詞について、その度合い、程度を指す表現と解釈するのが妥当のようです。

今回の用例でいえば、やはり(候補者の)懸念度、といった訳になるでしょうか。


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