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2025年4月1日火曜日

end run

ここ数日、トランプ大統領が3期目を画策しているという報道を目にします。

ご存知の通り、トランプ氏は昨年の大統領選でバイデン氏に勝利しました。今年1月からの任期は2期目であり、任期は2029年1月までとなりますが、もう3期目の野望とは気が早いというか・・・。


President Trump has once again floated the idea of testing the Constitution's presidential term limits by seeking a third term, as his administration continues to challenge constitutional provisions and push an expansive view of executive power.
(Hansi Lo Wang. Presidents can be elected twice. Trump could try end runs around that, experts say. NPR. March 31, 2025.)


実のところ、アメリカ合衆国大統領の任期は2期までというルールがあるそうで(合衆国憲法修正第22条)、このルールの下ではトランプ氏の3期目というのは無いことになります。

唯一の例外がルーズベルト大統領で、1933年〜1945年に渡り4期に渡り大統領職にありました。(ルーズベルト大統領は1945年、4期目就任の数ヶ月後に病没。)

その後、1947年に大統領任期を2期までに制限するルールが出来たということです。

従って、トランプ氏が3期目も大統領を務めるためには、ルールを変えるか何かしない限り無理な訳ですが、記事は以下のように続きます。


Changing presidential term limits with a new constitutional amendment would need support from three-fourths of the states.

But some legal experts point to plausible strategies for attempting end runs around the 22nd Amendment under unusual scenarios.
(ibid.)


ルール変更となると憲法改正となり、これには米国の全州の3/4以上の同意が必要となるということで、かなりハードルが高そうです。

そこで考えられるのが、ルール回避という手段なのですが、


attempting end runs around the 22nd Amendment under unusual scenarios


とありますね。

ここで"end run"とは、アメフトのプレー用語エンドランのことで、


ボールを持った選手が防御陣のエンドを回避して駆け抜けるプレー
(ランダムハウス英和辞書)


を言うそうです。

アメフトのことをほとんど知らない私でも、ボールを脇に抱えて疾走し、敵をかわしてトライを決めるプレーのイメージが浮かびます。

そして、"end run"は口語表現として、巧みな身のかわし、回避策という意味合いで使われると辞書にあります。

トランプ氏の3期目の可能性に関しては、様々なトリックが想定されており、例えば2029年1月に大統領任期が切れた後、一旦副大統領に就任して、その後大統領の辞任に伴い、副大統領から大統領に就任するなどのシナリオが挙げられています。

Merriam-Webster Dictionaryでは、


an evasive trick or maneuver


と定義されています。日本語で、姑息な手段、という表現がありますが、近いものがあるかと。


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