赤ちゃんは“おっぱい”を欲しがりますし、授乳のシーンは普通に“おっぱい”をあげている、飲んでいる、というように表現されるもので、“おっぱい”という表現が忌避されるようなものではないと思います。
英語では事情が違うのでしょうか、"boob"という単語には何か卑猥なものを連想させるのか、問題になっているようです。
Baby-pink ribbons, they are not. But a federal judge in Pennsylvania has ruled that “I ♥ Boobies” bracelets — worn as breast cancer awareness accessories — are not lewd, either, and overturned a ban on them at a public middle school there.
(Sarah Wheaton. Bands Promote Awareness, and Giggles, but Aren’t Lewd. The New York Times. April 14, 2011.)
乳がんに対する意識は日本でも高まっていますが、米国で乳がんの啓発のために作られた、"I love boobies"と刻印されたブレスレットが問題となったようです。
争点は、卑猥(lewd)か否かというところのようですが、非常に感覚的な問題であり、ネイティヴではない我々にはなかなか判断がつかないところです。
記事中には、問題のブレスレットを着用した学生が停学処分になったことが取り上げられています。
Kayla Martinez, 12, and Brianna Hawk, 13, received in-school suspensions at Easton Area Middle School after sporting the bracelets on the school’s breast cancer awareness day, Oct. 28 — a day after the ban was announced.
学校側は明らかに、"I love boobies"というブレスレットに刻印されたテキストに卑猥性を見ているようです。
過去の判例では、学校という組織には卑猥、わいせつな言動を禁じる権利があるということになっているようです。
ところが今回の件に関しては、司法の判断は、その逆で、"I love boobies"というメッセージには卑猥性が無い、と結論付けたようです。
In the 1986 case Bethel School District vs. Fraser, the Supreme Court ruled that public school administrators have the right to ban speech that is lewd or vulgar.
But Judge Mary A. McLaughlin, of United States District Court in Philadelphia, said the bracelets did not meet that standard.
In her ruling Tuesday, Judge McLaughlin rejected the district’s argument that the bracelets are lewd and vulgar, writing that “they can reasonably be viewed as speech designed to raise awareness of breast cancer and to reduce stigma associated with openly discussing breast health.”
今日の単語、"boob"は英和辞典では卑俗語として掲載されていますが、その訳語は、“乳房、おっぱい”などとなっています。普通の言い方では、"breast"になるのでしょうが、それを"boob"ということがどの程度卑猥に響くのか、ネイティヴでない我々には理解が及ばない限界だと思います。繰り返しになりますが、“おっぱい”という日本語は卑猥には響くものではないと思うのです。
卑猥か卑猥でないか、は、状況によって異なるのではないでしょうか。
返信削除おっぱい、と言うコトバを口にする男性に興味を持てない女性からすればそのヒトとそのコトバは卑猥なものでしょうね。
gi-kokeさん、コメントありがとうございます。
返信削除そうですね、卑猥かどうか、不愉快かどうかは、確かに受け取る人次第ですね。