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2022年2月28日月曜日

notch

トランプ元大統領は依然として保守層では期待されているらしく、次期大統領選の候補者の筆頭に挙げられています。

CPAC(保守政治活動協議会)が実施した、次期大統領選候補者に関する"straw poll"(紙上人気投票)では、トランプ氏が59パーセントを得票し、2位のデサンティス氏の28パーセントを大きく引き離すという結果でした。


Former President Trump emerged as the clear winner in the Conservative Political Action Conference's (CPAC) highly anticipated presidential straw poll, capturing a solid majority of support in a hypothetical primary match-up and cementing his status as the heavy favorite for the 2024 GOP nomination among the most devoted conservatives.

The straw poll, which received responses from more than 2,500 conference attendees, found that 59 percent back Trump for the 2024 Republican nod, a slight increase over last year's poll, which showed him with 55 percent support. 

Florida Gov. Ron DeSantis (R) finished in a distant second with 28 percent support, making him the only other prospective candidate to notch double-digit support. In last year's straw poll, DeSantis notched 21 percent support.  

Former Secretary of State Mike Pompeo finished in third place, with just 2 percent support.
(Max Greenwood. Trump wins CPAC straw poll as DeSantis's support grows. The Hill. February 27, 2022.)


今日は記事中でいくつか出てくる、"notch"という動詞を取り上げたいと思います。


notch double-digit support
notched 21 percent support


などとあります。意味するところはほとんど明らかですが、


獲得する、記録する


という意味です。そもそもは、刻み目、V字形の切欠きのことです。

V字形の刻みを入れることで記録をしていた時代の名残りなのでしょう。Online Etymology Dictionaryによればクリケットでのスコアの付け方に因むそうです。

第一級のことを、"top notch"と言いますが、最高得点と解釈するとスポーツのスコアリングと関連しているのかもしれません。

ところで、"notch"という単語は古くはotchというスペルだったそうなのですが(古フランス語ではoche)、an otchという不定冠詞との組み合わせが誤解により、a notchとなり、そのまま"notch"というスペルに固定してしまったという経緯があります。

いわゆる異分析と呼ばれるものですが、当ブログでも以前取り上げたように、"nickname"、"aught"、"apron"などの単語も同様で、この手のスペル変化をした単語は枚挙に暇がないくらいです。

余談ですが、今日のWordleで、最初にNOTCHと入力してみたところ、O、C、Hが含まれるというヒントが得られ、次にCHOKEとしたところ、大当たりで、いつも4回目、5回目くらいで何とか成功するところ、初めて2回目のGuessで成功しました。



2022年2月25日金曜日

戒厳令 ー martial law

2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。

米欧首脳はロシアへの制裁を発動、首都キエフなど複数の都市で爆発が発生、市民らが地下鉄駅に避難するなど混乱状態に。

ゼレンスキー大統領は国内に戒厳令(martial law)を発令しました。


Ukraine declared martial law as Russia launched a military operation in the country.

"Dear Ukrainian citizens, this morning President Putin announced a special military operation in Donbas. Russia conducted strikes on our military infrastructure and our border guards. There were blasts heard in many cities of Ukraine," Ukrainian President Volodymyr Zelensky said in an address to the nation, CNN reported. 

"We're introducing martial law on the whole territory of our country," he added. 

The announcement comes as explosions were heard in cities across Ukraine and Russian President Vladimir Putin threatened other countries against getting involved. 
(Ukraine declares martial law as Russia launches military operation. The Hill. February 24, 2022.)


戒厳令を英語で"martial law"と言います。

"martial"とは、戦争に関する、という意味の形容詞ですが、ローマ神話の軍神マルス(Mars)に由来します。

戒厳令とは、国の非常事態において、行政権などが制限され、軍に委ねられることを指します。


2022年2月24日木曜日

謁見 ー audience

エリザベス女王が新型コロナウィルス陽性を示したというニュースを見たのは確か先週だったと記憶します。

高齢であることからも容態が心配されましたが、その後は軽症だという報道だったので、記事のタイトルだけでスルーしていました。

ところが、今日見たところでは、死亡説が出ているということで、びっくり仰天です。

恐らくはフェイクニュースと思われるこの死亡説は、セレブのゴシップ専門のブログサイトが発信元らしく、バッキンガム宮殿はこれを否定する意図で女王の動静に関する公式声明をリリースしたということです。


Buckingham Palace has released another update regarding Queen Elizabeth’s health. 

The palace said Wednesday that the queen, who tested positive for COVID-19 on Sunday, held her weekly telephone audience with Prime Minister Boris Johnson. 

The news of the queen’s call followed the U.S. blog Hollywood Unlocked’s false “exclusive” claim Tuesday that Queen Elizabeth had died, which quickly circulated on social media and beyond.
(Carly Ledbetter. Buckingham Palace Gives Update On Queen Elizabeth's Health After Death Hoax Circulates. Huffington Post. February 23, 2022.)


バッキンガム宮殿による声明の内容は、今回の「死亡説」に直接言及したものではなく、コロナ感染後も女王が公務をこなしているという内容のものです。

記事では、ジョンソン首相との、


weekly telephone audience


を行った、とあるのですが、ここでの"audience"の用法(意味)を知らず、不勉強を恥じました。

イベントや演奏会の観客、聴衆、という意味は誰でも思い浮かぶところですが、


(国王、法王、高官などの)謁見、引見


という意味があるとは知りませんでした。"telephone audience"とは対面ではなく、電話を介しての謁見ということでしょう。

ところで、ランダムハウス英和辞典の例文では、


have audience of the Pope [=have an audience with the Pope]


とあり、和訳は「ローマ法王に謁見する」とあります。

つまり、"audience"に続く前置詞(of、またはwith)の目的語に来るのは目上の人であり、主語になるのは目下の者である、と解釈されます。

ところが、記事では、エリザベス女王が、


held her weekly telephone audience with Prime Minister Boris Johnson


となっており、目上と目下が逆転しています。動詞は"held" (hold) ですが、これは恐らく誤用ではないかと思いました。

Merriam-WebsterやAmerican Heritageなどの定義もチェックしてみたところ、


an opportunity of being heard


という定義からは、やはり主語(謁見を賜る方)が目下であると解釈されます。

「謁見を賜る」と書きましたが、「賜る」という日本語の表現自体、敬語としては謙譲表現として用いる場合と、尊敬語として用いる場合があり、どちらにも解釈できるところが難しいところです。"audience"の用法にもこれと似たものがあるのかも、と思ったりします。

しかしながら、コーパスで見る用例は、"audience"の目的語に来るのは目上の人というのがほとんどで、その逆は見当たりません。

辞書には、


grant an audience to (あるいは、with)


という言い回しも載っていますが、こちらは主語に来るのが目上の人で、目的語は目下、となります。

これが受身形になると、

be granted an audience with〜
be admitted an audience with〜


となり、当然のことながら主語、目的語が逆となります。


2022年2月23日水曜日

downstairs appendage

閉幕した北京オリンピックでは積雪量が足らず、人工雪で補ったと報道されていました。

あまり寒くないのかなどと思ったりしたものですが、実際のところそれなりに寒いというのは地理的に見ても当たり前ですが、肌感覚としてなかなか分かりませんね。

張家口市の会場で行われたクロスカントリースキー(50キロフリー)では荒天に見舞われたため、スタートを1時間遅らせ、さらに30キロに短縮して行われました。

荒天のレースを1時間以上かけてゴールしたフィンランドの選手は、「下(しも)の部分」が凍る悲劇に見舞われたそうです。


A Finnish skier competing in a men's cross-country skiing race at the 2022 Winter Olympics in Beijing suffered damage to his equipment on Saturday, but just not what you might expect, according to a report. 

Remi Lindholm, 24, of Finland, spent over an hour traversing the shortened men's 50km mass start free race in brutal temperatures and howling winds, causing his penis to become frozen, Reuters reported. 

"You can guess which body part was a little bit frozen when I finished ... it was one of the worst competitions I've been in," Lindholm told Finnish media. "It was just about battling through."
(David Aaro. Finnish skier suffers frozen penis during event at Beijing Olympics — After the race, Lindholm said he needed a heat pack to thaw out his downstairs appendage. Fox News. February 20, 2022.)


記事のタイトル(また本文中も)、"penis"(陰茎)と出てくるのでドキッとしますが(一応、解剖学の正式用語)、別表現では、"equipment"、また、


downstairs appendage


と表現されているのを興味深く思いました。

"downstairs"とは、階下の意味ですが、人間の上部と下部を分けて"downstairs"と表現する事例を初めて見るように思います。

また、appendageとは付属器官、例えば尻尾のような本体部分から飛び出たものを言いますが、これが何をいわんとするかはは明らかでしょう。

ちなみにReutersの記事では、


a particularly sensitive body part


という表現でした。

"downstairs"について、Oxford Dictionary of Euphemismsでは、


the genitalia. A genteel use by male and female.


という解説があり、婉曲表現として認知されているものであると分かります。(なお、"appendage"も同様に"penis"の婉曲表現。)

手元の英和辞典で"downstairs"を確認しましたが、このような婉曲表現の意味は見当たりませんでした。


2022年2月22日火曜日

duality

昨日の投稿でも触れましたが、冬季オリンピックの次回開催国はイタリアに決定しています。

閉会式のネット中継を見ていたところ、次回大会の開催予定都市へのHandover ceremonyが行われましたが、その演出で掲示された、


Duality, Together


というメッセージの意味がよく分からずにいました。

英語中継だったので、聞き逃したのかもしれません。中国語も添えられていましたが、こちらは理解できるだけの知識を持ち合わせていません。

東京オリンピックの時は、"solidarity together"でしたので、また違うメッセージを出してきたものだ、というくらいに考えたのですが、やはり気になったので録画映像を見直したくらいです。

"duality"を辞書で引くと、


二元性、二重性、双対性、相対性


などとありますが、いまいちよく分からないと思いつつ調べると以下の記事に辿り着きました。


With the completion of the Winter Olympics in Beijing and the approaching flag handover ceremony at the Closing Ceremony, we can start to set our sights on Milano Cortina 2026.

Milano Cortina 2026 will be the first Olympic Games to be hosted by two cities, two regions and two provinces. The idea of the Games will be based on two territories, seemingly distinct, becoming harmonious.

While the European terrain of Milan visibly displays landscape and skylines, Cortina is known for its nature and architecture. Through the Flag Handover Ceremony, a strong foundation created by duality and fragility will be set for Milano Cortina 2026.
(Julia Elbaba. Italy Introduces ‘Duality, Together' in Milano Cortina 2026 at Handover Ceremony. CNBC. February 20, 2022.)


昨日も触れましたように、次の冬季オリンピックの開催都市はミラノ/コルティナ・ダンペッツォで、オリンピック史上初めてとなる2都市共同開催ということです。

地図帳を拡げてみると、ミラノはイタリア北部、コルティナ・ダンペッツォはミラノからさらに北東方向、オーストリア国境付近の都市で、直線距離では200キロほど離れているかと思われました。

ミラノは平野部のように見えますが、コルティナは明らかに山岳地帯のようです。

"duality"はこうした二都市の性格の違いを表しているもののようです。

公式ホームページによれば、二都市開催ということの他、2つの地域、2つのプロバンス(州)にまたがる、6都市(ロケーション)で競技が行われるそうで、"duality"の意味するところは中々深いものがあるのでした。