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2009年10月19日月曜日

やらせ ― hoax

日本でも随分と話題になっていますが、米国コロラド州で、男児の父親が、熱気球に我が子が乗り込んで行方不明になったと、警察や消防に加え軍までもが出動して大騒ぎになった事件は、テレビ局を巻き込んだやらせ疑惑に発展し、重罪(feloney)にも問われる事態となっているとのことです。

 “やらせ”という表現は日本のメディアで見たものですが、海外メディアでは、対応する表現として"hoax"という単語が使われています。


Sheriff: Balloon boy hoax may have conspirators Investigators say they want to question an associate of Richard Heene after e-mails surfaced showing the two had discussed a balloon hoax months ago as part of a public relations campaign for a reality TV show.

(中略)

The alleged stunt temporarily shut down Denver International Airport, and the National Guard provided two helicopters in an attempt to rescue 6-year-old Falcon Heene, who was believed to be inside the flying-saucer shaped homemade balloon that hurtled more than 50 miles across two counties. The drama played out on live television to millions of viewers worldwide. When the balloon landed without the boy, officials thought he had fallen out and began the grim search for his body.
(The Associated Press. October 19, 2009.)


空港のオペレーションまで止めて、ヘリコプター2機を出動させたというのですから凄いです。

ところで、この"hoax"という単語ですが、"hocus pocus"という表現に由来するようです。

"hocus pocus"とは、マジシャンや呪術師が唱える呪文をもじった表現だということです。一部には、ラテン語の表現、"hoc est corpus meum" (This is my body) に由来するとも言われていますが、いずれにしても、人をかついでやろうという時の意味不明で怪しい(?)文句のことといって差し支えないように思われます。

“やらせ”では、信じる、信じない、は受け手に任されていると思うのですが、今回のような人騒がせな例はやはり咎められてしかるべきでしょう。“やらせ”とは、“演出”が過剰になった状態と自分自身の中では解釈していましたが、今回の例は演出の度を越していたということでしょうか?

“やらせ”に実害が無いとは思いませんが、少し“やらせ”とは違うものを感じています。


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