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2023年9月18日月曜日

culture war

英国ウェールズ地域で、主に住宅地などにおける自動車の速度規制の変更を巡って議論になっています。

先週くらいから、ニュースのヘッドラインからその議論たけなわといった感じでしたが、この日曜日に速度制限の変更は既に実施されてしまったようです。

その変更の内容ですが、従来の最高速度は時速30マイルに設定されていたところ、時速20マイルへと、低く設定されたというものです。


The Labour-led Welsh government has said introducing a default 20mph speed limit for residential roads is one of the most significant changes in 25 years of devolution and has accused the Tories of waging a “culture war” against it.

From Sunday, most roads in Wales that were 30mph have become 20mph, although councils have discretion to impose exemptions.
(Steven Morris. Welsh minister says Tories waging ‘culture war’ over new 20mph limit. The Guardian. September 17, 2023.)


制限速度を時速20マイルにすることで歩行者の死亡事故が減らせると主張する政府(労働党)側と、効率や経済面での影響を理由に反発する主に保守派の対立という構図となっていたようです。

別記事によれば、ドライバーに対する戦争である(a war on drivers)、と書いているものがありましたが、引用したガーディアン紙では、


culture war


と言っています。

"culture war"は、文化戦争、もしくは文化闘争と訳されます。

"culture war"という英語はドイツ語における文化闘争(Kulturkampf)という言葉を取り入れたものであると言われていますが、Kulturkampfとは19世紀ドイツにおいて、「ビスマルク政権がカトリック教会に対して教育・宗教上の権利を制限しようとしてとった諸方策」(研究社新英和大辞典)のことです。

Collins Dictionaryでは、


Culture war or a culture war is strong disagreements between groups, especially more liberal and more conservative groups, about social issues.


と説明していますが、社会的な問題における、主にリベラル派と保守派の対立である、と言っていますね。

現代社会において、対立を産んでいるほとんどあらゆる事柄は、保守対リベラル、という構図になっているような印象がありますが、制限速度の議論も同じだということなのでしょう。

因みに、"culture"という単語はMerriam-Webster Dictionaryが主催する2014年のWord of the Yearに選出されています。

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