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2011年11月23日水曜日

Kmartのこの下着、あなたなら買う? ― sleazy

今年の4月のことですが、“おっぱいは卑猥か?“という記事で、アメリカで”I ♥ boobies.”というテキストをあしらったブレスレット(リストバンド)が卑猥だと学校で問題になったものの、裁判所の判断で問題なしに至ったというニュースを引用しましたが、似たような”事件”は絶えないもので、今回はオーストラリアのKmartが”I ♥ rich boys”などのテキストをあしらったパンツを販売したところ消費者から猛反発を食って、あわてて販売を取り止めたという記事を引用します。


Kmart pulls 'disgusting, sleazy' girls underwear off shelves

The retail chain Kmart has been forced to withdraw a line of underwear for young girls that carries slogans such as "call me" and "I ♥ rich boys" after the store was accused of sexualising teenagers.

Kmart has confirmed that it will remove the underwear, which is part of its popular Girl Xpress range, after it was the target of a Twitter campaign led by outraged parents, who described the slogans as "disgusting" and "sleazy".


“sleazy”という単語はあまり見慣れない単語ですが、安っぽいとか、みすぼらしい、という意味で用いられる形容詞です。単に安っぽいというのであれば、”cheap”といった形容詞で間に合いますが、”sleazy”という単語の特徴は安っぽさに付加してさらに、腐敗しているとか堕落しているといった、意味合いがあることです。つまり低俗性を含意しているわけですが、その安っぽさが人に嫌悪感を抱かせるような性質のものである、とも言えるでしょう。

American Heritage Dictionaryの定義を借りますと、


Dishonest or corrupt; disreputable


とあります。実はランダムハウス英和辞書で”sleazy”を見たところ、“ポルノ調の”という意味もあったのですが、上記の記事のコンテクストではぴったりかも知れません。

ちなみに記事 では問題になったパンツ(underwear; 別の記事ではknickersとも)の画像もありますが、一体誰が好き好んでこんなものを買うだろうか、あるいは自分の娘に買い与えるだろうかと思わざるを得ません。そういう意味では、消費者の大反発というのはある意味納得ではありますが、黙殺してもいいようなレベルの話にも思えてきます。

さて、”sleazy”の語源ですが、American Heritage Dictionaryでは”Origin unknown.”となっているのですが、ランダムハウスでは、“Silesiaにちなむ”とあります。”Silesia”は何かと言うと、ヨーロッパ中部の地方都市の名前のようですが、なにゆえ一地方都市の名前がこのような形容詞に発展したのか分かりません。

インターネット上を色々と検索したところ、ある説によれば、”Silesia”は高級な綿織物の産地として有名だったそうですが、その高級な布地は(おそらくは高級品であるが故に)薄く、破れやすく、次第にその面が強調され、薄っぺらで破れやすい、さらに材質が悪いというような意味へと変化したということです。形容するところの意味が正反対になってしまった例ということになりますが、American Heritage Dictionaryはこの説を採用していないのは何故だろうかと別の関心が湧いてきます。(研究社の大英和も見てみましたが、語源不詳となっていました。)

なお上記の意味変化からさらに、頽廃や低俗性を強調するような形容詞でとして使われるようになったのは1900年代後半のごく最近のことのようです。

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