ブランド品やブランド物のスーツ、ブランド志向という言葉に見られる、「ブランド」と言えば、高級品というイメージがほぼ定着しています。
英語ではもちろん"brand"なのですが、その原義をご存知でしょうか?
Keith Raniere, the founder of an organization that presented itself as a self-help group, has been arrested on charges of sex trafficking after he allegedly blackmailed women, branded with his initials and kept them as “slaves.”
Over a month after an arrest warrant was issued for the 57-year-old, police officers tracked him down on Sunday to a luxury villa near Puerto Vallarta, Mexico, and detained him, according to Brooklyn federal court documents. He is due to appear in court in Texas on Tuesday to faces charges relating to sex trafficking and conspiracy to commit forced labor.
(Kashmira Gander. What Is NXIVM? Founder of Secretive Self-Help Group Charged with Sex Trafficking. Newsweek. March 27, 2018.)
NXIVM(ネクシウム、と発音するらしいです)という団体の創設者の男が逮捕されたというニュース記事から引用しました。
この団体の素性について解説されているところを読むと、いわゆる自己啓発を促すことを目的とした活動団体のようなのですが、実態は活動に参加する女性を性的な対象として扱い、食い物にする非情な側面があるということのようです。
問題の"brand"は動詞で使われているのですが、ブランド品に囲まれた我々にはすぐには意味が取れないのではないかと思います。
辞書を引いていただければ分かることですが、"brand"とは、
焼印を押す
という意味です。
家畜の所有者を明確にするために、またかつては奴隷や罪人に対して焼印を押すということが行われていました。
現代において、一人の人間に対して焼印を押すなど、想像し難い話ですが、性奴隷として扱われた女性には、この団体の創設者のイニシャルを象った焼印が押されていたということです。
英単語の"brand"は、ゲルマン語のfire(炎)に遡るそうですが、"burn"(燃やす、燃える)というよく知られた単語も同根だということです。
そこから発展して、製作者や品質を保証するための焼印を押すことを意味するようになったそうです。
さらに発展して、焼印の意味は薄れ、単に商標を意味する「ブランド」が現代で主に使われているものです。
2018年3月28日水曜日
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