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2019年7月3日水曜日

amicus curiae

昨日の朝刊で、アメリカのニューヨークで行われた、LGBTの人たちによる大規模なデモ行進を伝える記事が目に留まりました。

東京都心でも趣旨を同じくするパレードがあったことは聞いていたのですが、小生の勤務する会社においても、経営幹部がそのパレードに参加したという写真付きの報告が社内広報を通じてあり、企業経営者にとって性的マイノリティの人たちの権利擁護は避けて通ることのできない話題になっています。

米国ではLGBTだということで職場でいやがらせを受けたり、解雇などの不当な扱いを受ける事例が発生しており、裁判沙汰にもなっています。これら性的マイノリティの人たちの権利が法的にどのように擁護されるべきかについては意見が分かれるところらしいのですが、トランプ政権下では合衆国憲法に規定される市民権(Civil Rights)の規定には当たらないとの見解らしく、LGBTの人たちには不利な状況となっています。

このような状況を受けて、グーグルやアマゾンといった大手企業が性的マイノリティの人たちの権利擁護に関して、最高裁に意見書を提出したというニュース記事から引用します。


Many of America's best-known companies joined a letter to the Supreme Court this week to argue that the court should rule in favor of recognizing gender identity and sexual orientation as protected under existing civil rights statutes.

In a court filing more than 200 companies including Amazon, Microsoft, and Coca-Cola argued that only federal protection would serve as an adequate deterrent to discrimination against LGBTQ individuals.

(中略)

The companies were brought together to join the amicus curiae brief by several major organizations working to advance LGBTQ equality, including the Human Rights Campaign and Lambda Legal.
(John Bowden. Leading corporations urge Supreme Court to strengthen LGBTQ protections in workplace. The Hill. July 2, 2019.)


聞きなれない表現ですが、


amicus curiae


というラテン語が出てきます。

辞書を引くと、法廷助言者、という訳が載っているのですが、係争中の問題や事件について当事者でない立場の第三者のことを指します。

別名、"friend of court"とも表現されますが、同じ話題の別記事では"amicus curiae"の代わりにこちらの表現が使われています。


The companies filed a friend-of-the-court brief arguing that bias against LGBT people is a form of unlawful sex discrimination, and said a ruling otherwise would harm businesses and workers.
(Major companies call on U.S. Supreme Court to rule in favor of LGBT workers. Reuters. July 3, 2019.)


トランプ政権下においては、過去に性的マイノリティの権利を巡って争われた裁判ではその権利を認めない判決を下したケースが実際にありますが、今回の動きを受けて最高裁は10月にヒアリングを開催することになっており、今後の裁定が注目されます。


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