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2017年5月24日水曜日

hone

アップルが新しくダイバーシティー担当役員を設置したというニュースです。これまではダイレクターレベルだった役職を今回はCEOに直接報告する役員レベルのポジションに格上げしており、ダイバーシティが遅れているとの批判を受けているアップル社の新しい取り組みとして注目されているようです。


Apple hones diversity push with new VP role

It looks like Apple is getting more serious about diversity.

The iPhone maker has created a new vice president position to tackle eforts that have to do with inclusion. Apple's former HR chief, Denise Young Smith, is taking the role. She will report directly to Apple CEO Tim Cook.
(Shara Tibken. Apple hones diversity push with new VP role. CNET. May 23, 2017.)


さて、記事のタイトルで、


Apple hones diversity push...


とあるのですが、この"hones diversity push"という表現が興味深く思われました。

"hone"というのは砥石のことで、動詞としての意味は「砥石で研ぐ」、つまり磨くという意味で、腕や技術を磨くというような場合に、


hone one's skill


のように用いられることが多いです。

ところで引用した記事のタイトルでは、"hone"の目的語は、"diversity push"となっているのですが、これはダイバーシティーに関する取り組みを強化する、というようなことを言っていることは分かるのですが、"push"を磨く、というのはいまひとつピンと来ないと思いました。

ここでの"push"は物事を積極的に進めること、すなわち推進や促進を意味していると考えられます。

このような"push"と"hone"の組み合わせはコーパスでも見られません。

"hone"には磨くという意味に加えて、鋭くするという意味もあるようです。鋭いのと鈍いのとでは、鋭い方が望ましいというのは分かり易い概念ですが、そこから「効果的にする」という意味に発展したようです。(研究社大英和)

記事のタイトルの日本語訳としては、ダイバーシティにテコ入れ、といったところでしょうか。


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