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2021年10月29日金曜日

charley horse

こむら返り(足が攣ること)を英語で、


charley horse


と言うそうです。

こういうのは知っていないと分かりません。足が攣った、という時は、


I got a charley horse.


と言うらしいです。

ところで、何故、"charley horse"なのでしょうか?

語源は諸説あるらしく、明確なものはないようです。"Charley"というのは馬の名前だとか、試合中に足が攣った野球選手の名前(Charley Hoss)に因む、などの説があるようです。(ハフィントンポスト


Whenever I’ve had the displeasure of experiencing one of those painful leg muscle spasms known as a charley horse, I’ve often wondered why it’s called that (and also, “Why does this hurt so damn much?”).

Admittedly, the pain is the dominant thought, but still, I’ve been left asking, “Who is Charley? What was the deal with his horse?”
(Caroline Bologna. Why Is It Called A 'Charley Horse'? Huffington Post. August 9, 2019.)


ちなみに、"charlie-horse"という綴りもあるようです。(小生が読んだ小説ではこちらのスペルで使われていました。)



2021年10月28日木曜日

Does the bear shit in the woods?

英語には面白い表現があるものです。

"Does the bear shit in the woods?"という言い回しをご存知でしょうか?

小説を読んでいたところ出くわしました。


'Can you do it?'
'Take it easy, sure I can. Does a bear shit in the woods?'
(Stephen King. Rita Hayworth and Shawshank Redemption.)


直訳すると、「クマは森の中でう〇ちをするか?」、となります。

この疑問文の答えは、"Yes."でしょう。("No."とする理由が見当たりません。)

つまり、当たり前のことを聞いている訳で、このフレーズは、問いかけに対して、「そんなことは当然だ」、「当たり前だ」、「もちろん」、という強い自信を示す受け答えの仕方なのです。

ランダムハウス英和辞書にもこのフレーズが載っていたので、少し驚きました。

ところで、上記の引用の他、もう一か所、同じようなフレーズが出てくるくだりがあります。


'You funcking-A. I don't need any smart wife-killing banker to show me where the bear shit in the buckwheat.'
(ibid.)


今度は、


where the bear shit in the buckwheat


というフレーズなんですが、"bear"、"shit"、という単語が先のフレーズと共通しています。

"buckwheat"とは、蕎麦の実のことです。ここでは、恐らくは、蕎麦の実の中に紛れているクマの糞(がどこにあるか)、ということだろうと思われます。

蕎麦の実みたいに小さな粒にクマの糞(実際に見たことはありませんが)が混じっていたら、誰でも分るでしょう。つまり、明白。

従って、ここでは敢えて説明するまでもない明白な事、という意味合いを帯びているものです。

先の引用部分を解釈すれば、「そんな明白なことをわざわざ説明したり、教えてもらわなくても分かっている」、というくらいになります。



2021年10月27日水曜日

バケツリレー ― bucket brigading

日本語で「バケツリレー」と言いますが、英語では何と表現するかご存知でしょうか。

答えは、"bucket brigading"です。


"Sometimes we are just bucket brigading and removing debris by hand. Other times we are able to cut away and use concrete saws, jack hammers and breakers to cut away large pieces of concrete and medal," Brown said.
(Jordan Bowen. Task Force 3 deploys to Surfside to assist in rescue efforts. Tampa FOX 13 News. June 26, 2021.)


あれからもう4か月が過ぎようとしていますが、米・フロリダ州で発生したコンドミニアムの崩落事故のニュース記事からの引用です。


"brigade"というのは、旅団とか部隊という意味ですが、消防団は"fire brigade"、救助隊は"rescue brigade"というように、チーム(team)とほぼ同義で用いられています。

"bucket brigading"はバケツリレーという行為に焦点が当てられている表現ですが、"bucket brigade"はチームに焦点が当てられています。


Rescuers searching for a fifth day for survivors of a Florida condo building collapse used bucket brigades and heavy machinery Monday as they worked atop a precarious mound of pulverized concrete, twisted steel and the remnants of dozens of households.
(Tunnelling rescuers search for survivors in Florida condo collapse. The Associated Press. June 28, 2021.)



As rescuers climbed the immense pile of debris, they occasionally raised their fists in the air, the familiar signal for silence to listen for people trapped below. Firefighters and volunteers formed bucket brigades to pass 5-gallon containers of smaller debris away as they excavated.
(Maria Verza. At least 1 dead, 10 missing in landslide near Mexico City. The Associated Press. September 11, 2021.)



2021年10月26日火曜日

bottle up

今日取り上げる"bottle up"の定義ですが、


to keep (a feeling or emotion) inside instead of expressing it : to hide (a feeling or emotion)
(Merriam-Webster Dictionary)


というもので、日本語にすると、自分の感情を抑え込む、という意味です。

怒りや悲しみといった感情を表に出さず、中にため込む、もしくはひた隠しにする、ということです。

最近の記事からの用例を引用してみました。


While we are not yet out of the pandemic and must adhere to Covid-approriate behaviour, one also needs to "be cognisant of physical and mental health, do exercise/ yoga and spend good time with family", said Dr. Vipul Rastogi, Consultant neuropsychiatrist Medanta hospital, Gurugram, told IANS.

"Do not bottle-up your concerns and emotions. Share your feelings with family and friends and if it doesn't help seek professional help at the earliest," Rastogi added.
(Don't bottle up pandemic-induced stress, start socialising: Experts. The Tribune. October 9, 2021.)


"keep ~ bottled up"というパターンで用いられることも多いです。


He simply couldn't hide his disappointment or keep his emotions bottled up inside.
(ESPN, 2017)



2021年10月25日月曜日

cover one's ass

"cover one's ass"という表現をご存知でしょうか。

米口語の表現なのですが、言い逃れをする、とか隠蔽工作をする、アリバイ作り、というような意味合いで用いられます。

Merriam-Webster Dictionaryでは以下のように定義されています。


to keep oneself/someone else from being blamed or punished

(例文)
I wish he'd admit to his mistakes instead of always trying to cover his ass.


コーパスで用例を検索してみましたが、インフォーマルな口語表現故か、新聞記事の類ではあまり実例を見つけられませんでした。


The book's opening anecdote tells of an unnamed CIA briefer who flew to Bush's Texas ranch during the scary summer of 2001, amid a flurry of reports of a pending al-Qaeda attack, to call the president's attention personally to the now-famous Aug. 6, 2001, memo titled "Bin Ladin Determined to Strike in US." Bush reportedly heard the briefer out and replied: "All right. You've covered your ass, now."
(Houston Chronicle, 2006)


ちなみに、"cover your ass"を略して、単に"CYA"とすることがあるようです。


The newly elected members, knowing the makeup of their electorates and knowing the usual pattern in mid-term elections, would likely be exceedingly skittish from the start. At the same time, the expectations of the left would push the agenda in their direction, creating a very difficult push-pull both for a President Clinton and her speaker ally. If past history is any guide, most of those freshmen will be in full CYA mode, distancing themselves from their party and president.
(The Atlantic, 2016)


"ass"という単語自体、猥雑な響きがあるものですから、特にフォーマルさが求められるコンテクストでは避けられるものと思われます。そういうこともあってか、"ass"に代わって"tail"を用い、"cover one's tail"ということもあるようです。


The inspector, an architectural engineer, "went wild on it," Borchardt said, meaning it wasn't sound. This necessitated bringing in one inspector after another for their opinions. "They all got excessive trying to cover their tails," she said. "And we never really knew what was what."
(Chicago Sun Times, 1994)


以前取り上げた、"ass over teakettle"もご覧ください。



2021年10月22日金曜日

quaff

今日もフィッツジェラルドの記事からの引用です。(今日で最後です。)


Like the novel’s narrator Nick Carraway, most readers are mesmerised by the giddying world of glamourous socialites quaffing champagne cocktails...
(Sean Smith. A man divided: F Scott Fitzgerald and the birth of Gatsby. The Independent. October 15, 2021.)


"quaff"という見慣れない単語が使われています。私は初めて見ました。

がぶ飲みする、という意味です。

語源ははっきりとしないようですが、辞書によっては擬音語と推測されるという補足があります。

日本語で、「鯨飲する」という表現がありますが、それに近いかもしれません。「牛飲」という日本語もあります。

酒を飲むという行為を表現するのに、"drink"は最も標準的な単語です。

"imbibe"、"sip"などの単語もお馴染みだと思いますが、果たして"quaff"はネイティヴにも通じるのでしょうか。



2021年10月21日木曜日

crank out

昨日に引き続き、フィッツジェラルドについての記事からの引用です。


Fitzgerald was already mining his troubled marriage for material for the masterpiece that would expose the hollowness at the heart of the American dream. But for the time being, at least, Fitzgerald would have to keep cranking out mediocre short stories to pay for their lifestyle.
(Sean Smith. A man divided: F Scott Fitzgerald and the birth of Gatsby. The Independent. October 15, 2021.)


フィッツジェラルドが残した多くの短編小説には珠玉の名品とされる作品も多くありますが、生活費としての原稿料を稼ぐべく書いた、どちらかと言えば凡庸とされる作品も少なからずあったようです。(評論等でも、どの作品がそうである、とは明確に言われていませんが。)

引用部分はそうした側面について触れている訳ですが、


crank out


という表現を今日は取り上げました。

「クランク」(crank)と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

多くの人は具体的なイメージが無いのではないかと思います。自動車の内燃機関(エンジン)の部品であるクランクなどを思い浮かべるものの、具体的にどういうものなのか、説明できる人は技術者などに限られるのではないかと。

American Heritage Dictionaryによる"crank"の定義は、


A device for transmitting rotary motion, consisting of a handle or arm attached at right angles to a shaft.


というものです。

これは単純に言うと、手回し("a handle or arm")によって回転運動を起こすための機構である、と解釈することができます。

そして、動詞としての定義ですが、


To start or operate (an engine, for example) by or as if by turning a handle.


とあり、ハンドルを回して始動、もしくは稼働させること、とあります。

このようなクランクの部品としての役割の意味が発展して、"crank out"について、


To produce, especially mechanically and rapidly


という意味で用いられるようになったものです。

つまり、あたかもハンドルを回して次々と生み出すが如く、ということです。

コーパスにいくつか用例を求めてみました。枚挙に暇はありませんが、イメージしやすいものを引用します。


On a visit earlier this year, I was delighted by a sidewalk organ grinder who was cranking out the favorite waltz tunes from Vienna's very musical heritage.
(Washington Post, 1990)


Most impressive, though, is that 10 years ago Williams had a bad fall that gave him a concussion and took away his sense of smell and taste. Yet he still can crank out the chicken and dumplings (and many other dishes) to please.
(Atlanta Journal Constituion, 2000)


ちなみに、映画の世界では撮影を開始することを「クランク・イン」、全ての撮影を完了することを「クランク・アップ」と言いますが、これは和製英語的な表現だそうです。

しかしながら、映画におけるこれらの「クランク」の表現は撮影機材のクランク(かつてのカメラは手回しだったそうです)を指しており、英語表現としても通じそうです。

撮影機材のクランクも実際に目にしたことはありませんが、カタカナの「クランク」、英語の"crank"は何かと身近に使われているものですね。



2021年10月20日水曜日

bender

"bender"というのは"bend"するもの、つまり曲げるもの、ということで、「やっとこ」のような道具を指す名詞ですが、スラングの意味に、酒を飲んで騒ぐこと、また大酒飲みという意味があります。


In the evenings, Fitzgerald wrote short stories with limited success. When Zelda rebuffed a further proposal in June, Fitzgerald fell into despair and a month-long drinking bender only paused by the introduction of prohibition on 1 July 1919.
(Sean Smith. A man divided: F Scott Fitzgerald and the birth of Gatsby. The Independent. October 15, 2021.)


引用したのは先日偶々読んだ、フィッツジェラルドに関するインディペンデント紙の伝記的記事です。

昨年、2020年はフィッツジェラルドのちょうど没後80年でした。

そういうこともあって、私はフィッツジェラルドの著作を昨年、短編も含めて、かなり読みました。

44歳という若さで亡くなりましたが、晩年はアルコールに溺れる生活だったようです。

ところで、"bender"が酒飲みの意味を持つようになったことの解説は辞書に見当たらないのですが、以前取り上げた"elbow-bending"という表現を思い出しました。

グラス、もしくはジョッキを持って飲む際に肘を曲げることになるから"elbow-bending"なのですが、手元にあるOxford Dictionary of Euphemismsでは、"bend"のエントリで、


to drink intoxicants to excess
Probably a shortened form of the euphemistic bend the elbow; from the locomotion od the drinking vessel


という説明をしています。

一方、研究社の英和大辞典では"bend the elbow"は載っていても、"bend"という動詞そのものには酒を飲むことの意味合いは見当たりません。

"bend"の過去分詞形である"bent"には、酔っ払った、の意味が載っています。


2021年10月19日火曜日

trailblazer

ブッシュ政権下で国務長官を務めた、コリン・パウエル氏が死去したという訃報が邦紙でも報じられています。同氏は長らく癌を患っていたそうですが、新型コロナウィルス感染に伴う合併症が死因と報じられています。

84歳でした。


Colin Powell, the first Black US secretary of state whose leadership in several Republican administrations helped shape American foreign policy in the last years of the 20th century and the early years of the 21st, has died from complications from Covid-19, his family said on Facebook. He was 84.

(中略)

Powell was a distinguished and trailblazing professional soldier whose career took him from combat duty in Vietnam to becoming the first Black national security adviser during the end of Ronald Reagan's presidency and the youngest and first African American chairman of the Joint Chiefs of Staff under President George H.W. Bush.
(Devan Cole. Colin Powell, first Black US secretary of state, dies of Covid-19 complications amid cancer battle. CNN. October 19, 2021.)


パウエル氏は米国史上初の黒人の国務長官として歴史にその名を刻みました。記事中でも、


a distinguished and trailblazing professional soldier


と表現されており、元々は軍人であり、そこから政界のキャリアを駆け上がってきたものです。

"trailblazing"とは、草分けの、とか、開拓者の、などと訳されますが、黒人としても、軍人としても、キャリアを極めた草分け的な存在と目されているということができます。

ところで、"trailblazing"、また"trailblazer"(開拓者、先駆者)、という単語についてですが、"trail"とは道のことで、その「道」を"blaze"(する)というのは、炎を意味する"blaze"のことだと思っていましたが、これは勘違いでした。

何となく、道を(炎で)照らすとか、雑草だらけの道無き道を炎で焼いて開拓する、というようなイメージを持っていたのです。

ところが、"trailblazing"における"blaze"とは、炎を意味する"blaze"とは語源が異なる別の単語で、樹皮を剥ぎ取って印をつける、という意味なのです。

“blaze a trail”というフレーズとしても使われますが、樹木の皮を剥ぎ取り目印をつけることで、後に続く人が進むべき道が分かるようにする、ということであり、故に先駆者、開拓者、という意味に発展したものです。



2021年10月18日月曜日

cloture

先日、米議会では債務の上限引き上げ是非を巡って与野党が攻防を繰り広げている記事を取り上げましたが、またまた別の問題で民主党と共和党対立の構図となっているようです。

対立の火種となっているのは、投票権(voting rights)に関する規定などを修正するFor the People Actと呼ばれる法案だそうです。


Senate Majority Leader Charles Schumer (D-N.Y.) and Minority Leader Mitch McConnell (R-Ky.) are headed for another clash over voting rights legislation next week and it’s expected to result in another stalemate on a top Democratic priority.

Schumer announced in a “Dear Colleague” letter circulated Thursday morning that he will file cloture on Monday to set up a vote in the middle of next week on the Freedom to Vote legislation.

But McConnell on Thursday evening slammed the door on the idea of the bill picking up enough GOP support to move forward.
(Alexander Bolton. Schumer, McConnell headed for another collision over voting rights. October 14, 2021.)


引用した記事の中段で使われている"cloture"という単語は初めて見るものでした。

正直なところ、"closure"のスペルミスではないかと思ったくらいです。

不勉強を晒すようですが、"cloture"というスペルは正しく、


the closing or limitation of debate in a legislative body especially by calling for a vote
(Merriam-Webster Dictionary)


という定義であり、ランダムハウス英和では、


討論終結:法案の討論時間を制限し、直ちに採決に入る制度


とありました。

これはつまり強行採決と言われるもののことではないかと思われます。

ところで、この"cloture"という単語はフランス語由来なのですが、フランス語での意味は終了、終結、閉鎖、の意味であり、"closure"とほぼ同義です。

Merriam-Webster Dictionaryのオンラインを見ておりましたら、この"cloture"という単語の検索数が、2018年10月3日に急増したことがあったそうです。(しかも、その要因がまたしても民主党McConnell議員による"cloture"提案にあったとか。)



2021年10月15日金曜日

on the mend

昼過ぎにグーグルニュースを見ていたら、クリントン元大統領が感染症で入院というトップニュースが目に入ってきました。

すわ、新型コロナ感染か、と思ったのですが、そうではなく尿路感染症だそうです。


Former President Bill Clinton was admitted to the University of California Irvine Medical Center's intensive care unit for a urinary tract infection that spread to his bloodstream, his doctors told CNN on Thursday.
(Jamie Gangel. Former President Bill Clinton hospitalized for infection but 'on the mend' CNN. October 15, 2021.)


上記はCNNからの引用でしたが、他紙ではタイトルでも"non-COVID-related infection"としています。


“He is on the mend, in good spirits, and incredibly thankful to the doctors, nurses and staff providing him with excellent care,” Ureña said.
(Bill Clinton in California hospital with non-Covid infection. The Guardian. October 15, 2021.)


ところで、"He is on the mend"という、広報担当者のコメントが記事で引用されています。

これは、快方に向かっている、という意味の慣用句です。

以前取り上げた、"out of the woods"もご参考にどうぞ。



2021年10月14日木曜日

willy-nilly

いわゆる"reduplication"と呼ばれる単語で、韻を踏むように繰り返されるのが特徴です。

"willy-nilly"の"willy"はお分かりのように"will"から来ており、意思のことです。一方、"nilly"という単語はないものの、"willy"の否定形と考えられます。

ここから、望もうが望むまいが、という意味に、また否応無しに、という意味になります。


Children with autism didn't benefit from an experimental therapy made with a hormone thought to promote social bonding, researchers reported Wednesday in the largest study of its kind.

"This is really a major setback," said Linmarie Sikich, a Duke University researcher who led the multisite U.S. study published in the New England Journal of Medicine.

(中略)

Larry Young, an Emory University scientist who does animal research with oxytocin, said it's too soon to give up on it for treating autism.

(中略)

"This is a very important study because it does say that just willy-nilly giving daily administrations of oxytocin is not going to lead to improvement," Young said.
(Lindsey Tanner. 'Sociability' hormone oxytocin didn't help kids with autism, study finds. Associated Press. October 13, 2021.)


行きあたりばったり、手当たり次第に、という意味でも用いられます。


2021年10月13日水曜日

killware

テロ、大地震、温暖化を原因とする大規模自然災害、新型ウィルスによるパンデミック、・・・と、想定外の出来事が、忘れたころに、数年毎、もしくは毎年のように起きています。

新型コロナによるパンデミックの終息はまだ見通せませんが、次にどんな「想定外の出来事」が発生してパニックになるかと考えると、個人的にはサイバーセキュリティが絡む事故や大規模犯罪ではないかと思います。

そんなことをぼんやり想像してみたりしていたのですが、最近、"killware"という用語が登場したらしいということを知りました。


As most Americans are still learning about the hacking-for-cash crime of ransomware, the nation’s top homeland security official is worried about an even more dire digital danger: killware, or cyberattacks that can literally end lives.
(Josh Meyer. The next big cyberthreat isn't ransomware. It's killware. And it's just as bad as it sounds. USA Today. October 13, 2021.)


USA Today紙の記事で取り上げられているものですが、"killware"とは、言うまでもなく、"kill"と"software"が結合した「かばん語」です。

コンピューターウィルス、という言葉が一般的になったのはいつ頃だったでしょうか。その後、コンピュータや携帯電話、スマホが日常生活の必需品と化し、スパイウェア(spyware)とかマルウェア(malware)、ランサムウェア(ransomware)といった用語が生まれ、新聞等、メディアでも普通に使われるようになりました。振り返ってみると、ランサムウェアという言葉に初めて触れたのは6年も前のことですが、インターネットの技術進歩は速く、今や"killware"と呼ばれる時代だということです。

ちなみに、新語の典拠をUSA Today紙の記事に求めてみますと、この"killware"という用語を最初に用いたのはリサーチ会社のGartnerのアナリストであるWam Voster氏のようです。


A short glimpse in recent history shows us that attacks on OT (Operational Technology) are nothing new. Just think about the Maroochi Shire incident in 2000, Stuxnet in 2009 or Industroyer in 2016. A stark example is the Triton malware first identified in December 2017 on the OT systems of a petrochemical facility. Its purpose was to disable the safety instrumented system (SIS) built to shut down the plant in case of a hazardous event. If the malware had been effective then loss of life was highly likely.  It is not unreasonable to assume that this was an intended result. Hence “malware” has now entered the realm of “killware”.
(Wam Voster. The Emergence of Killware, the Lethal Malware. July 21, 2021.)


近年多発しつつある、社会インフラをターゲットにしたサイバー攻撃について言及しており、文字通り人々の命を奪いかねないインシデントを引き起こすものです。

あらゆるものがインターネットに接続されつつある現代社会において、大きなリスクであることは論を待たないでしょう。



2021年10月12日火曜日

掃いて捨てるほど・・・ ― a dime a dozen

ありふれているもの、どこにでもあるようなもの、を指す時に、日本語で「掃いて捨てるほど」という表現をよく使います。

その英語版のようなものですが、


a dime a dozen


という表現があると知りました。

直訳すると、1ダースあたり1ダイム、ということです。ダイム(dime)は10セント硬貨のことなので、10セントで1ダース分買える、つまりそれほど安く調達できる、どこにでもあるようなもの、という解釈になるようです。


I might take some flak for saying this, but morning routines are a dime a dozen. That's not to say they don't work. Many a blog and news outlet has covered the early morning productivity rituals of Oprah, Mark Cuban, Steve Jobs, and so on. But the key to morning routine success isn't mirroring what spotlight-grabbing celebs do.

Take Google CEO Sundar Pichai. His routine is, well, what most of might consider a pretty standard Saturday morning: wake up at a decent time, read the papcier [sic], drink some tea, think about the big picture.
(Jeff Steen. Massively Successful Morning Routine. It's Based on 3 Simple Things. Inc. October 10, 2021.)


10セント硬貨(a dime)に因む表現はこれまでも、“turn on a dime”、“stop on a dime”を取り上げました。

2021年10月11日月曜日

doormat

ひょんなことから、"doormat"という表現に出くわしました。

「玄関マット」のことですが、言うまでもなく屋内に入る際に、靴に付いた泥や水気を取るために床に置かれるマットのことです。

比喩的に、いつも踏みにじられている存在、人、という意味で用いられるようになりました。

用例をニュース記事に求めてみました。まずは分かりやすい例から。


Your boss wants you to stay late and complete a project while reminding you that he can’t give you overtime pay? Say no and walk out when your clocked time is up.
(Kristen Mae. How To Say No And Set Boundaries When You’re Used To Being A Doormat. Scary Mommy. September 18, 2021.)


使われているのは記事のタイトル部分です。残業を命じておきながら、残業代は出ないと言う上司。使われる部下は"doormat"です。

もうひとつ、少し前の記事ですが、用例として興味深いので取り上げます。


Vulnerable House Democrats are already being targeted over the massive tax hikes Speaker Nancy Pelosi is backing to pay for President Biden’s $3.5 trillion social welfare package.

The National Republican Campaign Committee launched a five-figure ad campaign on Thursday attacking Democratic lawmakers for “selling out their constituents” by refusing to buck one of the largest tax increases in U.S. history.
(‘Doormats’ for Pelosi: Vulnerable Democrats under fire over proposed tax hikes. The Washington Times. September 16, 2021.)


こちらもタイトル部分で使われているものです。政治でのコンテクストなので少し分かりにくいのですが、増税をめぐる与野党の応酬の話です。かつてないほどの増税を計画する民主党を攻撃する野党・共和党の矛先は下院議長のペロシ議員に向けられています。

ここでは、米国民が歓迎しない増税を支持しようとする民主党議員がペロシ氏の"doormat"に成り下がっている、と言っているようです。

支持者にそっぽを向かれてしまえば、議員は次の選挙では勝てないかもしれませんが、党の方向性、方針には合わせなければならない訳で、ここでも強い立場の人間にいいようにあしらわれてしまう下層の悲哀みたいなものが見えます。

ちなみに共和党は民主党議員に本物の玄関マット(doormat)をプレゼントに贈ったとか。皮肉というか、当て付けにも度が過ぎています。



2021年10月8日金曜日

ride the crest of wave

最近のニュースで、オックスフォードが、韓国語の26語を英語辞書のエントリに加えた、という記事がありました。

オックスフォードと言えば、英語辞書の総本山みたいな存在ですので、興味を引かれたところです。

BBC Newsの記事からの引用です。


The "accepted authority on the English language" has added 26 new words of Korean origin to its latest edition.

With these additions, "we are all riding the crest of the Korean wave" the OED says in a statement.
(Why 26 Korean words have been added to Oxford English Dictionary. BBC News. October 5, 2021.)


オックスフォードはそのオフィシャルサイトで、今回の韓国語の追加を"K-update"と表現していますが、Kとは勿論"Korean"のことです。

追加された単語には、K-pop、K-dramaなど、日本でもお馴染みの韓国文化の表現が含まれるほか、グルメ関連の用語などが見えます。

11年前ですが、当ブログでも英単語になった韓国語を取り上げたことがあります。

ところで、BBC Newsの記事では、オックスフォードの見解として、


With these additions, "we are all riding the crest of the Korean wave" the OED says in a statement.


と引用しています。ここでの、"ride the crest of wave"という表現を今日取り上げたいと思います。

実のところ、今回のニュースに関しては、Yahoo! Japanのニュース一覧に出ていたのを見たのがきっかけなんですが、日本語に翻訳された同記事では、「我々はみな、韓国の波のてっぺんに乗っている」と訳されていました。

いかにも翻訳口調な感がありますが、"crest"とは頂上のこと、波(wave)について言えば「波頭」のことを指します。

「波のてっぺん」は間違いではありませんが、"ride the crest of wave"は英語ではひとまとまりの表現として定着しているようです。

「波のてっぺん」に乗る、というのは、サーフィンでうまく波に乗っていることを指すのですが、得意の絶頂にある(ランダムハウス英和辞書)、(幸運・好調の)波に乗っている(研究社新英和大辞典)ことを指す比喩的な表現です。

時流に乗る、と言っても良いと思われます。

オックスフォードが韓国語を追加したのには、イギリス国内の韓流ブームが背景にあります。(日本でも一昔前、韓流ブームがありましたね。)

先に、この表現が英語ではひとまとまりのフレーズとして定着しているようだ、と書きましたが、コーパスを検索すると多少のバリエーションを持ちながら、多くの用例を確認することができます。

"wave"(波)の他、"boom"や"surge"といった類語に置き換えられているパターンを拾ってみました。


Located at the tip of the Baja peninsula, Cabo San Lucas has long been known to sports fishermen seeking trophy-sized catches. Now it is riding the crest of a tourist boom. It no longer is a hideaway town of 1,500, as it was a decade or more ago.
(Houston Chronicle, 1992)

They are riding the crest of a late-season surge that saw them win seven games in a row and 10 of 11. That's impressive for a team that began the season 5-7.
(USA Today, 2004)


「波のてっぺん」に乗る、とは、ある意味「勢いに乗る」と言い換えることもできそうです。



2021年10月7日木曜日

缶蹴り!? ― kick the can

アメリカでこのところ問題になっているのが、債務の上限(debt ceiling)引き上げ問題です。

米政府が借金することができる金額には上限が設定されているところ、その上限に近づいている状況なのですが、それを超えてしまうと、それ以上の借金(国債発行)ができなくなり、債務不履行(デフォルト)に陥るというシナリオが待っています。

つまり、資金繰りが間に合わなくなり、政府機能が停止してしまう危険性をはらんでいるもので、これを回避すべく債務上限の引き上げが計画されていました。

引き上げようとする民主党に対し、野党の共和党は拒否姿勢を示すという構図が続いていました。

今日のニュース記事では、共和党が歩み寄り(?)を見せたようですが、それに対しホワイトハウスは・・・。


The White House on Wednesday gave a chilly reception to an offer from Senate Minority Leader Mitch McConnell (R-Ky.) to raise the debt limit for two months to avoid a potential economic crisis.

Press secretary Jen Psaki briefed reporters at the same time some Democratic senators signaled they would accept McConnell's offer. But Psaki argued a more immediate, long-term solution to raise the debt ceiling would be preferable to what few details were available about the compromise.

"We could get this done today. We don't need to kick the can. We don't need to go through a cumbersome process that every day brings additional risks," Psaki said.
(Brett Samuels. White House cool to McConnell debt ceiling offer: 'We don't need to kick the can.' The Hill. October 6, 2021.)


共和党のMcConnell上院議員が、2か月間の債務上限引き上げという提案を行ったそうですが、これに対しホワイトハウスのサキ報道官は否定的な見解で、


We don't need to kick the can.


と発言したと報じられています。

この"kick the can"というフレーズを知りませんでした。(ちなみに、"kick the bucket"とは違います。)

手元の辞書には載っていなかったのですが、続く部分に以下のようなくだりがあり、


"If we're looking at the best options, why kick the can down the road a couple more weeks? Why create an additional layer of uncertainty? Why not just get it done now? That's what we're continuing to press for, and that's our first choice."
(ibid.)


このフレーズは"kick the can down the road"とも表現されることが分かります。

コンテクストからイメージが付くと思いますが、このフレーズの意味するところは、問題や課題解決を先延ばしにする、というものです。

ネット検索で見つけたMacmillan Dictionaryでは以下のように定義されているのですが、例文がまさに今日取り上げた記事にマッチしていますね。


to delay dealing with a serious problem in the hope that it will go away

You can’t solve a debt problem with more debt. That’s just kicking the can down the road.


このフレーズの由来についてもう少し調べてみました。Merriam-Webster Dictionaryによれば、「缶蹴り」遊びから来ているとの説明がありました。

昭和生まれの人なら(!?)、缶蹴りを知っているでしょう。

かくれんぼ遊びの一種ですが、鬼に見つかってしまった仲間を助ける方法は、鬼より早く缶を蹴っ飛ばすことです。缶を蹴っ飛ばすことに成功したら、鬼に捕まった仲間は「解放」されるというルールです。

缶蹴り遊びのルールの解釈が発展して、「缶を蹴る」ことが窮状からの一時的解放、というようなコンテクストで使われるようになった、と解説されています。


Then around the mid-1980s a new phrase began to be heard in the U.S. Congress. To “kick the can down the road” became, in the rhetoric of some lawmakers, a colorful and mildly critical new way of referring to putting off work on an issue for a later date.


なお、Merriam-Websterの解説では由来についてもう一つ別の説に触れています。


Another possible scenario: You see a can discarded in the street near your house and kick it over toward your neighbor’s, thus making it his or her responsibility to pick it up (boo).


こちらは、自宅の敷地に転がっている缶を見つけて、隣の敷地に蹴飛ばすというイメージです。自分で拾ってゴミ箱に捨ててしまえばそれで済む話ですが、他人が始末するように仕向ける、すなわち一時的に面倒なことを回避する、ということですね。



2021年10月6日水曜日

modus operandi

SNS大手のフェースブックが激震(!?)に見舞われているようです。

女性幹部による内部告発がテレビで取り上げられ、大きく報じられました。同社が若者や子供たちの精神衛生上の健康や安全よりも利益を重視しているとの内容の告発でした。

その告発の直後、関連は恐らく無いのでしょうが、ネットワーク障害により、各国でフェースブックを始め、インスタグラムなどのサービスにアクセスできない事態が発生。

ザッカーバーグCEOは過去にも召喚されましたが、内部告発をきっかけに改めて風当たりが強くなっているようです。


Facebook founder Mark Zuckerberg came in for his share of criticism at the hearing.

Committee chair Sen. Richard Blumenthal (D-Conn.) said, “Mark Zuckerberg ought to be looking himself in the mirror today. But rather than take responsibility and showing leadership, Mr. Zuckerberg is going sailing,"

“His new modus operandi: no apologies, no admission, no action, nothing to see here. Mark Zuckerberg you need to come before this committee, you need to explain to France Haugen, to us, to the world, and to the parents of America what you were doing and why you did it."
(Edward Segal. Facebook Has Another Bad PR Day When Whistleblower Testifies At Senate Hearing. Forbes. October 5, 2021.)


ザッカーバーグ氏は内部告発には対抗する姿勢のようですが、暢気にも(?)海でのバケーションを楽しむ写真を自身のSNSに投稿し、火に油を注ぐ形となっています。

そして、米上院では(告発内容に対して)「謝罪もしない、認めもしない、行動もしない」と揶揄されました。

"modus operandi"はラテン語のフレーズです。

"modus"はモード(mode、やり方、様式)のこと、"opearandi"は遂行するという意味の動詞operor(英単語の"operation"に通じています)の動名詞形となっています。

つまり、mode of operatingというのが逐語訳で、物事のやり方、という意味なのですが、やり口、手口、という日本語になると、いかがわしさが含意されるようになります。(引用した記事のコンテクストもそのような感じですね。)

このフレーズには、いつものやり方、お決まりの手順、といったニュアンスがあるようです。



2021年10月5日火曜日

岸田内閣発足 ― a stabilizing hand

自民党総裁選は岸田文雄氏が勝利し、昨日、第100代総理大臣に就任、岸田内閣がスタートしました。

CNNの記事からの引用です。


Japan's Fumio Kishida took office as the country's new Prime Minister on Monday, tasked with leading the world's third-largest economy out of the coronavirus pandemic.

Kishida, 64, who was elected leader of the ruling Liberal Democratic Party (LDP) last week, was officially confirmed as the country's 100th prime minster following a parliamentary vote -- his elevation all but a given due to the LDP's majority in the lower house.

(中略)

A moderate liberal regarded as a stabilizing hand, Kishida inherits a Japan that has suffered surging Covid-19 infections, a stagnating economy, a rapidly aging population and increasing tensions with China.
(Fumio Kishida takes office as Japan's new Prime Minister. CNN. October 4, 2021.)


日本の新しいリーダーの人となりが海外からも注目を集める訳ですが、岸田総理について、


A moderate liberal regarded as a stabilizing hand,


と表現されているところ、"a stabilizing hand"とはどういう意味なのか、何と訳したものか、少し考えさせられました。

"stabilize"は安定させる、という意味ですから、パンデミックで混乱する社会、経済を立て直して安定化させることを期待されていることを言わんとしているのだろうと想像がつきます。

"hand"はどうでしょうか。人手、また職工や、技能を持った専門家を指して用いられることがあります。また、権力、支配力といった意味もあります。

やはり岸田総理に求められている資質、期待されている役割は、安定をもたらすことに長けた能力ということなのでしょうか。

同記事には以下のようなくだりもあります。


Analysts say Kishida is seen as a consensus builder, an establishment choice who represents stability.
(ibid.)


周囲との協調、コンセンサスを重視する、という行動からも、安定性に寄与することが期待されているようです。

また、


"He's not going to be a TV star. He's not going to capture the imagination of the average Japanese person. But the Japanese people want stability and security, and I think he will be able to provide that," said Keith Henry, president of political risk and business consulting firm Asia Strategy.
(ibid.)


日本の国民こそが安定性(stability)を求めている、という見方にも触れています。

岸田内閣は発足10日後に解散、今月末投開票の衆院総選挙となりますが、果たして・・・。



2021年10月4日月曜日

contingent

"contingency plan"というと、不測の事態に備えた緊急時の危機管理計画のことを指します。

"contingency"という単語に不確実性のもの、不慮の事故といった意味があるからですが、その"contingency"の形容詞形である"contingent"もやはり、偶然の、とか不確実な、不確定の、といった意味で使われると理解してきました。

ところで、以下の引用記事に使われている"contingent"は形容詞ではなく、名詞として使われているのですが、このような用法は不勉強にして知りませんでした。


Vice President Kamala Harris and Second Gentleman Doug Emhoff​ went for a power walk on Sunday in Washington, DC, following her hush-hush overnight trip to California over the weekend. ​

(中略)

The couple were followed closely behind by a contingent of Secret Service agents.
(Mark Moore. Kamala Harris pictured power walking in DC following secret California trip. New York Post. October 3, 2021.)


ここで、"contingent"は"group"とほぼ同義で使われています。

何のグループに対しても使われるのかというとそうではないらしく、そもそもこのような"contingent"の用法は軍事のコンテクストで不測の事態において組織される分遣隊のような意味で用いられたという歴史があり、故に多少の物々しさを感じさせるものがあるように思われます。

上記はSP(シークレットサービス)2名を"contingent"としています。

以前の投稿ですが、以下のような記事を引用していました。


As cabinet ministers filed through Noda's residence for a late afternoon meeting, it was Zuckerberg who drew a fusillade of camera flashes from a hefty media contingent as he strode through the entrance like a movie star.
(Chris Gallagher. Star-struck Japan PM befriends Facebook's Zuckerberg. Reuters. March 29, 2012.)


こちらはメディア(マスコミ)の集団ということになります。

その他、コーパスでは、

a contingent of troops
a contingent of republicans
military contingent


等々。

やはり何か想定外の状況に備えるとか、特定の目的があって組織されているとかいったコンテクストが必要のようです。

2021年10月1日金曜日

finsta

アメリカの上院議会でSNSの大手フェースブックが取り沙汰されています。

アメリカではインスタグラムなどのSNSが若者の精神衛生に与える悪影響が言われており、10代の若者の自殺企図につながっているとの報告もあるそうです。

同社の安全性を担当する役員に対する聴聞会は3時間にも渡り行われたそうですが、質疑の中で、"finsta"なる新語が飛び出し、メディアで話題になっています。


Sen. Richard Blumental asked a top Facebook executive on Thursday if the company would “commit to ending ‘finsta'” – apparently unaware of the term’s true meaning.

Blumenthal (D-Conn.) questioned Facebook’s Global Head of Safety Antigone Davis as part of a Senate committee hearing that followed a Wall Street Journal report that the company’s internal research had found its platform Instagram makes “body image issues worse for one in three teen girls.”

There were several seconds of silence before Davis answered.

“Senator, again, let me explain,” she began. “We don’t actually – we don’t actually do ‘finsta’.
(Samuel Chamberlain. Sen. Richard Blumenthal asks Facebook exec to ‘end finsta’ at hearing. New York Post. September 30, 2021.)


私自身、この記事を読むまでは知りませんでしたが、"finsta"というのは、"fake"と"Instagram"のかばん語で、いわゆる「裏アカウント」のことを指します。

フェースブックへの質問を担当したBlumenthal議員は御年75歳ということで、インターネット、SNSの最新事情に通じていることを期待するのは難しいというものでしょう。

両者の間では"finsta"を巡って珍妙なやり取りが続き、議論がかみ合わないまま聴聞会は終了したようです。