新型コロナウィルスによる肺炎の感染者が中国国外においても拡大する中、マスクの需要がこれまでにない程高まっていると報道されています。
日本国内のドラッグストアなどではマスクが棚から消えた、とか、中国国内ではマスクの値段が通常の10倍になっているとか、とんでもない話を聞きます。
本当か?と首をかしげたくもなりますが、品薄状態なのは確からしく、増産が追い付かないという状況は十分考えられます。
アメリカ国内でもマスク需要は高まっているようです。
Face masks intended to keep out the deadly coronavirus aren’t only in short supply, they’re also costing an arm and a leg.
On Amazon, a Novotel medical face mask in a lovely print sells for $27.99, up from $14.99 just 10 days ago. And an AxPower Dust Mask Anti Pollution maskhas jumped from $15.99 to an eye-popping $40.99.
Disposal face masks still seem reasonably priced — a box of 100 goes for $30 — but Amazon puts the earliest delivery date in late February.
(Paula Froelich. Coronavirus outbreak: Prices skyrocket for face masks. New York Post. February 1, 2020.)
New York Post紙の記事から引用しましたが、
they’re also costing an arm and a leg
という部分の、"(cost) an arm and a leg"というのは、たくさんのお金(がかかる)という意味の成句です。
なぜ、腕(an arm)と脚(a leg)で「たくさんのお金」の意味になるのでしょう。
しばしば参考にさせていただくThe Phrase Finderのウェブサイトにはこの表現の由来について興味深い説明が載っていました。
まずは、肖像画を描いてもらうのに、上半身を含む顔が基本料金だとすると、腕や脚を含めた全身は追加コストがかかるから、という説明。
この手の表現の由来にありがちな、尤もらしい説明のように思えますが、この説はどうやら根拠に欠けるようです。
"an arm and a leg"という表現の初出は比較的最近らしく、第二次世界大戦後の1949年に確認されるということです。つまり肖像画云々の時代よりももっと新しいのです。
ちょうどその時代、戦争で腕や脚を失ってしまった人たちが街にはあふれていたのかもしれません。腕あるいは脚を失った、即ち途轍もない代償を払った、ということに因むものではないかいうのが同サイトが推測するところのようです。
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