今日のお題から。“pot shot”という表現をご存知でしょうか?
アメリカ大統領選の民主党での候補者選びに関するニュース記事から引用します。
Elizabeth Warren is still looking down on Mike Bloomberg — from a vantage point of at least one inch above.
The Massachusetts Democrat, speaking in Seattle after placing fourth in the Nevada caucuses, took a glancing ‘he’s short’ pot shot Saturday night at Bloomberg, a candidate who wasn’t even on the state’s ballot.
“I want to talk specifically for just a minute at the top about a threat that is coming our way,” began Warren, who first came out swinging against the billionaire upstart candidate at Wednesday night’s debates.
“And it’s a big threat — not a tall one, but a big one: Michael Bloomberg.”
(Laura Italiano. Warren can’t resist a Mike Bloomberg height joke. New York Post. February 23, 2020.)
今朝ほどの報道では、サンダース氏が首位に立っているとのことですが、記事はサンダース氏のことではなく、現在4位に位置しているエリザベス・ウォレン氏を話題にしています。
そのウォレン氏が、新たに参戦してきた実業家のマイケル・ブルームバーグ氏をこき下ろした発言が取り上げられているものです。
どうやら、ブルームバーグ氏はアメリカ人にしては背があまり高くないらしく、そのことを当てこすったウォレン氏のコメントが取り上げられているものです。
記事では、
took a glancing ‘he’s short’ pot shot
と表現されていますが、ここで“pot shot”という表現が使われています。
“pot shot”(あるいは“potshot”)を辞書で引くと、
狙い撃ち、至近距離からのでたらめ射撃
やみくも(思いつきの)論評
などと載っています。
“Shot”は分かりますが、この“pot”が何のことなのか気になるので調べてみます。
同様の表現に、“pothunter”というものがあります。こちらは、
(スポーツ精神などを無視した)獲物目当ての狩猟家
(何でも撃ち取る)乱猟家
とあり、“potshot”と“pothunter”には意味において通ずるものがあるようです。
Merriam-Websterオンラインでは、特別に解説が加えられているのですが、ここでの“pot”というのは食料を保存したり、料理に使う鍋を指すのだそうです。
つまり、スポーツとしての射撃ではなく、実利のためにやたらと獲物を狙って撃ちまくるのが“potshot”であり、この表現には多少の蔑みが含意されていると言って良いでしょう。
そのような“pot shot”ですから、意味合いとしては、相手を攻撃するために手っ取り早くあることないこと、闇雲に発する批判まがいの言説を指す表現としても使われるようになったようです。
大統領選の話に戻りますと、ブルームバーグ氏の身長は5フィート8インチ(約172センチメートル)で、アメリカ人男性の平均身長である5フィート10インチを下回るそうです。
ウォレン氏は、ブルームバーグ氏より1インチ高いそうで、女性にしては結構背が高い方ではないでしょうか。
ブルームバーグ氏の身長については、トランプ大統領(6フィート3インチ; 約190センチメートル)も折に触れて取り上げているらしく、大統領選というものは何と意地汚いものだろうかと思わずにいられません。
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蘭です。
返信削除外観で人を評価することはそう評価する人が恥ずかしく思うべきです。特に子供に対してそうしてはいけません。ずっと肌が黒いと言われてきて、軽蔑的なニックネームもつけられ、自信のないまま育たれてきました。本当に嫌なんです。
子供がいたら、絶対いっぱい褒めてあげます。