ここ数日、トランプ次期大統領が国外の領土に食指!?というようなヘッドラインが目立ちます。
少し前はカナダのトルドー首相に対し、カナダは米国の51番目の州になってはどうかと、冗談とも本気とも分からない発言をしたと報じられました。カナダからの輸入品に対し高い関税を課すという話に加えて、トルドー首相は支持率も崖っぷちだとか。
また、グリーンランドは米空軍にとって死活的に重要だとして、購入する可能性を示唆したと昨日報じられています。
もうひとつが中米カリブ海のパナマ運河に関してで、以下の引用記事にあるように、運河の通航料が不当に高いと主張、米国として運河を取り返すと発言したというものです。
President-elect Donald Trump over the weekend suggested the US should retake the Panama Canal, an idea that was immediately rejected by the government of Panama, which has controlled the passage for decades.
(中略)
It’s not clear how seriously Trump is taking his threat to reclaim control over the canal, though the weekend was not the first time he has said the US is getting a raw deal. The president-elect has not clarified how he would force a sovereign, friendly country to cede its own territory.
(Michael Williams. What’s the history of the Panama Canal, and why is Trump threatening to retake control of it? CNN. December 23, 2024.)
米国第一主義を掲げるトランプ氏が、自国に不利なディール(取引)は徹底して見直す、という姿勢を鮮明にするのはもはや驚きではありません。
"raw deal"という表現がそうですが、これは不公平な扱い、不当な仕打ち、という意味です。
"raw"という形容詞は生の、未加工の、という意味をまず思い浮かべますが、"unfair"(不公平)という単語の同義でもあるんですね。
ところで引用したCNNの記事はパナマ運河の歴史についても触れており、勉強(復習)になります。
ルーズベルト大統領の時代、1903年にパナマが独立します。コロンビアからのパナマ独立を推した米国はパナマ運河の永久租借権を得て、パナマ運河を開通させたと歴史年表にもあります。カリブ海進出を目論む政権の戦略だった訳です。
1914年の運河は開通以来、10マイルに渡る運河の租借権を米国が持ち続けてきましたが、1977年には新条約を締結し、運河の権利はパナマに譲渡されたという経緯があります。
0 件のコメント:
コメントを投稿