ニューヨーク中心部のホテル前で大手企業CEOを射殺した犯人が遂に逮捕されたというニュースがトップで報じられています。
ユナイテッド・ヘルスケア社のCEOが何者かに銃で撃たれその後死亡した事件で、容疑者の防犯カメラ映像などが公開され警察当局による捜査が続いていましたが、5日目にして逮捕に至ったというものです。
ペンシルベニア州のマクドナルドにいたところ、目敏い従業員が警察に通報し、あえなく御用となったようです。
関連ニュースを先日取り上げましたので、興味があっていくつかの記事にアクセスしました。容疑者は26歳とまだ若く、裕福な家庭に育ち、ペンシルベニア大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得しているというから驚きです。
The suspect in the fatal shooting of UnitedHealthcare CEO Brian Thompson has been identified as Luigi Nicholas Mangione — a 26-year-old Ivy League grad and seething anti-capitalist, cops and sources said.
Mangione, who is originally from Maryland, was arrested at a McDonald’s in Altoona, Pennsylvania after a quick-thinking employee alerted authorities to his whereabouts on Monday, police said.
He was ordered held without bail during his arraignment in a Pennsylvania court Monday evening.
The suspect was found with a a ghost gun, mask and writings linking him to last week’s deadly ambush outside a Midtown Manhattan hotel that sparked a massive days-long manhunt.
(Who is Luigi Mangione, suspect in UnitedHealthcare CEO Brian Thompson killing. New York Post. December 9, 2024.)
ところで、CEOを射殺するのに使われた銃器について、
ghost gun
と記事に出てきます。
この表現を知らなかったのですが、"ghost gun"とは手製の銃のことを言うそうで、別名homemade gunなどとも呼ばれるそうです。個人による自家製という訳です。
"Ghost guns" are firearms that can be assembled at home from parts that are bought online. Those parts can usually be obtained without background checks and do not have serial numbers.
(What to know about 'ghost guns,' the weapon allegedly tied to the CEO shooting. CBS News. December 10, 2024.)
"ghost gun"とはつまり、銃器製造メーカーにより製造され流通、管理されているものではなく、例えば3Dプリンタなどを使って作るものが該当します。
銃社会と言われる米国においても、銃器の購入にはライセンスが必要であり、購入する銃にはシリアルナンバーが付与され、購入者の詳細は記録されます。
"ghost gun"はそうした流通管理の仕組みが無いものですから、つまりは「実在しない」はずの銃器であり、故に"ghost"という形容になるようです。
"ghost"が付く言葉というのはいくつかありますが、ぱっと思いつくところでは、"ghost writer"ではないでしょうか。
ゴーストライターとは誰かの代わりになって文章を作成する人、代作者のことですが、実際にはそうした代作者がいるものの、「いない(存在しない)ことになっている」、ということで"ghost"ということかと思います。
その他、ここ数年で増えた"ghost kitchen"(cloud kitchen)というのがあります。この表現は少々トリッキーだと思うのですが、調理場(kitchen)としては実在するものの、レストラン店舗としては実在せず、故に"ghost"ということのようです。
また、"ghost worker"や"ghost company"(paper company? 英語では"shell company"というそうですが)なども、明らかに実在しないものですので、"ghost"です。
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