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2020年5月18日月曜日

"Believe Women" rule

今年のアメリカ大統領選で民主党指名候補確実とされているJoe Biden氏から性的暴行を受けたとして同氏を告発し、一躍時の人となったTara Readeさん。

共和党のトランプ陣営からは、Biden氏は説明責任を免れないとの主張も出ているところ、民主党内ではBiden氏を擁護する幹部の発言が取り上げられ、身内に甘いという批判は少なくありません。

が、その後の展開で、Tara Readeさんの説明につじつまが合わない点が多いことや、過去に周囲の人達と金銭的なトラブルなどを抱えていたことなどが報じられ、Readeさんにとっては不利な状況が報じられています。

ワシントンポスト紙からの引用です。


When Tara Reade, a former staffer in the office of then-Sen. Joe Biden, stepped forward to make a claim that Biden had sexually violated her, an endless stream of commentary ensued: It’s hard to not believe her if you believed Christine Blasey Ford (who accused Justice Brett M. Kavanaugh of sexual assault when both were teenagers). Democrats are in a pickle! Live by the “believe women” rule!

This effort at moral equivalency made the same error that all such comparisons do: It attempted to treat unequal things as equal. In the case of Ford, she had never changed her account of an assault at a party, which Kavanaugh denies. She testified under oath, credibly recounting the episode.
(Jennifer Rubin. There is a huge difference between Christine Blasey Ford and Tara Reade. Washington Post. May 17, 2020.)


民主党に対する批判は、Kavanaugh氏のセクハラ問題の際の追求姿勢と比較しての話で、いわばダブルスタンダードを指摘するものですが、引用した記事では、(Kavanaugh氏のケースにおける被害女性である)Chritine Blasey Fordさんと、Readeさんとでは、信憑性等を判断する上での事情が全く異なる、と切り捨てています。

最初の段落に出てくる、


Live by the “believe women” rule!


という批判は、民主党に向けられたものです。

この"Believe Women" (rule)というのが米国における政治スローガンだとは知りませんでした。

ウィキペディアの定義によりますと、


"Believe women", sometimes expressed by opponents as "Believe all women", is an American political slogan arising out of the #MeToo movement. It refers to the perceived necessity of accepting women's allegations of sexual harassment or sexual assault at face value.


ということで、いわゆる#MeTooのムーブメントから起きた、セクハラ被害を訴える女性の主張には真摯に耳を傾ける、寄り添う姿勢を見せる(つまり、その主張を否定しないで信用する?)、というもののようです。

引用したワシントンポスト紙の記事と、引用されているPolitico紙などの記事を読んでみましたが、過去の金銭トラブルはReadeさんという人物の本質に迫るような内容であるとも言えますし、本人を誹謗する周辺的な話題とも言えるかもしれません。Readeさんの担当弁護士は過去の話はセクハラ被害とは切り離されるべきであるとして、Readeさんの信用を毀損ずるジャーナリズムを批判しているそうです。

しかしながら、ワシントンポスト紙の記事では、


In sum, Reade’s story is riddled with inconsistencies. There are plenty of contemporaneous witnesses (including those who would have received a complaint and say they did not) to dispute her allegations. Questions about her credibility abound.
(ibid.)


と総括しています。

果たして今後の大統領選にどのように影響を与えることになるのでしょうか。


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