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2012年8月20日月曜日

浅漬けで食中毒 ― pickle

お盆休みも終わりました。私は実家に帰省しておりましたが、移動中の新幹線の社内でニュースのテロップを見ていましたら、北海道で浅漬けを食べた人が食中毒になり、4歳児を含む複数人が死亡したというニュースを伝えていました。つい最近では牛生レバーでの食中毒事故が記憶に新しいところですが、またしても死亡に至る食中毒事故ということで、暑い季節には余程注意しなければと改めて思う次第です。

さて、今回の食中毒事故について海外メディアでも取り上げられています。


SEVEN people, most of them elderly women, have died after eating pickles contaminated with E. coli in northern Japan, in the country's deadliest mass food poisoning in 10 years.

A total of 103 others have been made ill after eating the same lightly pickled Chinese cabbage produced in late July by a company in the city of Sapporo, according to health bulletins issued by the local government.

Of the dead, six were elderly women who ate the pickles at nursing homes in Sapporo and in another city on Hokkaido island. A four-year-old girl died on August 11 in Sapporo.
(Seven dead from contaminated pickles in Japan. Herald Sun. August 19, 2012.)


日本で言うところの”漬物”のことを英語では、“ピクルス”(pickle)と表現することはご存知の方も多いと思います。今回の食中毒は“白菜の浅漬け”が原因だったということですが、"lightly pickled Chinese cabbage"と表現されています。“浅く”、“漬けた”、ということで、"lightly"、"pickled"なのでしょう。ところで私は、"pickle"が動詞でもあることを知りませんでした。“漬け汁に漬ける、ピクルスにする”という他動詞です。

"pickle"についてもう1つ、興味深い語源があります。語源を辿ると、中期オランダ語の"pekel"に由来し、これは塩水(英語で"brine")を意味するのだそうです。

ピクルス、漬物を作る際には野菜を塩で揉んだり、酢や塩を混ぜ合わせたものを使うでしょうから、語源的にも真っ当なものと思われます。

もう1つ、"pickle"には好ましくない事態、苦境という意味もあるそうで、オランダ語、英語共に、窮地という意味で用いられる成句があるようです。

以上はAmerican Heritage Dictionaryの語源解説にあるのですが、中世においてオランダなど北海に面した国との交易が"pickle"という単語が英語に仲間入りすることに大いに関与しているとしています。なるほどと思います。


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