ロシアとウクライナの停戦を仲介するトランプ大統領ですが、ハンガリーで予定していた米露首脳会談を取り止めると言い出しました。曰く、「時間の無駄」ということなのですが、停戦の条件面で譲ろうとしないロシアへの不満を滲ませたもののようです。
この事態にロシアは少し焦っているようです。
Russia scrambled on Wednesday to salvage the prospect of in-person talks between U.S. President Donald Trump and Russia’s Vladimir Putin after they were unceremoniously put on hold.
Trump said on Tuesday that he didn’t want “to have a wasted meeting” with Putin, which was set to take place in Hungary in the next few weeks, as it became clear that Russia opposes the idea of an immediate ceasefire with Ukraine.
(Holly Ellyatt. Russia was smug about Trump-Putin talks. Now they’re on hold, Moscow’s anxious. CNBC. October 22 2025.)
停戦の条件面で強気に出たものの、会談そのものがお流れになるというシナリオは想定外だったのでしょうか。
記事ではロシアに自惚れ(smugness)があったといいます。
The suspension of talks with Russia appears to be yet another U-turn from the U.S. administration, which has seesawed this year over its position on Russia, the Ukraine war and its causes, and its potential resolution.
There was more than a whiff of smugness and schadenfreude in Moscow, and Russian state media, last week when Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy’s own in-person talks with Trump last Friday appeared to go badly.
(ibid.)
振り返ってみると、ロシアとウクライナの間に入るトランプ大統領の態度はコロコロと変わるというか、今年の始めにはウクライナのゼレンスキー大統領をどやしつけたかと思うと、逆にサポートに転じたり、またトマホークの供与を巡っては慎重さを示したりと、一定ではありません。
ロシアは米国がウクライナ寄りになれば警戒し、ウクライナを突き放せばほくそ笑むというところです。
今回はハンガリーでの米露首脳会談を前にして、ゼレンスキー大統領とトランプ氏の会談があまりうまく行かなかったところ、ロシアにとっては自国に有利になるという期待、トランプ氏はロシア寄りだという自惚れ(smugness)があったという見方のようです。
"smug"という単語はゲルマン語系の語源で、着飾るという意味のsmückenという語に由来するそうです。綺麗な服装を纏った女性が自尊心からとりすましている様子を形容するようになったそうです。
会ってくれというのならば会わんでも無い、そんな風に構えていたところ、会談は取り止めだ、と言われてしまったプーチン大統領の面目は果たして・・・!?
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