つい先日の朝刊で読んだような気がするのですが、アップル社のiPodやiPhoneの偽物が中国で出回っているそうです。中国は海賊版や偽ブランドの横行で有名ですが、何とアップルストアをそっくりそのまま真似た店舗まで出現したということですから、あきれます。
こうした状況にはどこのメーカーも苦慮しており、各社が対処に頭を悩ましているのが実情ですが、当のアップル社が本格的に対策に乗り出したのはわずか3年前の2008年頃からだということです。
WASHINGTON — Apple set up a global security team three years ago to combat rampant counterfeiting of the iPod and iPhone in China, according to a US diplomatic cable released by WikiLeaks.
The California-based gadget-maker hired away employees from the drug company Pfizer who led a crackdown on pirate Viagra to head its anti-counterfeiting efforts, the September 2008 cable from the US embassy in Beijing said.
(China piracy spurred Apple to action: WikiLeaks. AFP. August 31, 2011.)
さて、記事中に、
counterfeit(ing)
という単語が出てきますが、偽造品や偽造行為を指す一般的な表現です。この単語の後半部分、"-feit"は、ラテン語で”作る”という意味の動詞である、"facere"から来ています。また、"counter-"は”代わりの”を意味する接頭辞です。正規品の代わりになるもの、つまり模造品を作る、という意味です。
記事のタイトルにも使われていますが、"piracy"という単語も最近では著作権侵害行為、つまり海賊版を流布する行為を指すのに使われる一般的な表現です。
ところで、今日取り上げたい単語は、"knockoff" (knock-off)というものですが、これはあまりお目にかからないのではないでしょうか?
本日の記事タイトルでは敢えて、“ぱちもん”という日本語を充ててみました。
"Early evidence suggests nearly 100 percent of Apple products in unauthorized mainland markets are knock-offs, while factories in Guangdong province are exporting enough counterfeits to single-handedly supply the world with fake Apple products," it said.
Fake products include "what appear to be real iPods with 80 gigabytes of storage, but that in fact have only a very inexpensive 1GB hard drive inside," it said.
China is home to the biggest counterfeit market in the world, despite repeated government pledges to root out fake goods.
(ibid.)
“ぱちもん”(あるいは“ぱちもの”)という表現は関西でよく使われるものだと思いますが、いわゆるまがい物、高級ブランド品などを真似たコピー商品を指すのに使われます。
引用記事の本文中には同義語として、"fake goods"、"fake products"という表現も見られます。
"knockoff"は名詞として、模造品、コピー品、海賊版のことを指しますが、この表現は動詞句である、"knock off"という表現から来たものです。
実用例は見たことがないのですが、コーパスで調べると下記のようなものがありました。
Peruggia, who had worked at the Louvre, was put up to the job by an Argentine con man named Eduardo de Valfierno, who had a skilled art forger knock off six copies. Valfterno then sold the copies for the equivalent today of $67 million.
(Joseph A. Harris. Here's Looking at You, Kid. The American Spectator. 2010.)
("knock off"という動詞句には実に様々な意味があるようなのでコーパスでの検索も一筋縄には行かないのですが・・・。)
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