今日取り上げる表現は少し学校文法じみたものになります。
“a whole lot”という強調表現をご存知でしょうか?英和辞書では口語表現とされています。例えば以下のコンテクストでの使用例をご覧ください。
It turns out that the electricity used by data centers around the world increased a whole lot less from 2005 to 2010 than was originally predicted, according to new research by Stanford's Jonathan Koomey.
A big reason the power sucked up by the world's data centers only increased by about 56 percent over that five-year period rather than doubling as it did from 2000 to 2005? The global economic slowdown following the 2008 financial crisis resulted in a significant drop-off in new server installations, according to the Stanford professor.
(Damon Poeter. Study: Data Centers Sucking Up Less Power Than Predicted. PC Magazine. August 1, 2011.)
日本は節電の夏ですが、コンピューターのデンターセンターはさぞかし電力消費が多いだろうとか、停電対策や節電はどうなっているのか、などとかく槍玉に上がりそうですが、実は電力消費量は2005年比で見ると、予想されたよりも増えていないんだとか。最近の経済の低迷によるところも大きいようです。また、いわゆるヴァーチャル化の技術によって、昔ほどサーバーを新規に設置することもなくなってきたということもあるようです。これはグローバルレベルでの話で、日本だけで見た場合ではどうかはわかりませんが・・・。
さて、英語表現に戻りますが、
the electricity used by data centers... increased a whole lot less...
とありますが、”increase”、”whole”、”lot”、”less”と単語が連続しており、果たして増えたのか、減ったのか、ちょっと混乱してしまいそうです。
単語の意味からすれば、”increase”、”whole”、”lot”の3つは多い(増加)というイメージがあり、”less”はより少ない(減少)というイメージで、3対1で増加の方に分があるような風にも思えてくるのですが、正しい解釈は、
the electricity used by data centers... increased less...
であり、”増加はより少なかった”(つまり、あまり増えなかった)、ということになります。
そこで、”a whole lot”の解釈ですが、ここでは強調のための副詞句として用いられているもので、”ずっと”、”非常に”といった意味で用いられます。強調するという意味では、単に”a lot”と表現するのと大きく変わらないようにも思われます。”a whole lot”の方が単語1つ分多いだけ、より強調しているということになるのかもしれません。
もう1つ引用しましょう。
Off-road racing is a whole lot different from more traditional racing. The course is rough. The drivers have to navigate hills and quick turns. And the spectators aren't behind massive steel fences. Our Josh Levs giving us a look here at the track as well as the rules.
(CNN. 2010.)
“a whole lot”についてもう迷いませんね。
2011年8月2日火曜日
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