本日ですが、今日の1語に取り上げる適当なニュースネタが見つかりませんでした。こういう日もあります。
こういう日のために、日頃目に留まった表現で面白いと思ったものを書き留めているのですが、そのストックの中から取り上げます。
取り上げるのは、
sweat like a pig
という表現です。ブタのように汗をかく、ということですが、大汗をかく、汗だくになる、という意味の慣用表現です。
この表現ですが、たしかアニメの字幕英語で使われていたのを見たのを書き留めたものと記憶します。
You're sweating like a pig.
(お前、汗びっしょりだぞ。)
みたいな感じだったと思います。
ところで、どうして「ブタのように」汗をかく、なのでしょうか?ブタは汗かきなのでしょうか?
どうやらそうではないらしいです。
If someone is sweating like a pig, it can mean they are perspiring a lot. But pigs don't sweat. In this case, a 'pig' is actually referring to pig iron which sweats as it's cooled.
(Pig idioms and expressions. ABC Education. February 1, 2019.)
ブタはそんなに汗をかく動物ではないそうです。では、"like a pig"とはどういうことなのかと言うと、ここでの"pig"とは"pig iron"のことで、鉄の原材料になる銑鉄というものを指すらしいのです。
この銑鉄を溶かして鋼にするそうですが、銑鉄の冷却の過程で生じる水分(sweat)のことを指して、"sweat like a pig"という表現になったのだとか。一体誰が言い始めたんでしょうか!?
ところで、"pig"が"pig iron"(鉄の原料)のことだというのはそう言われればそれまでですが、何でそうなるの?という疑問が出てきます。
研究社新英和大辞典で"pig"を引くと、"pig iron"の意味は、
鋳床に鋳型を並べた所が子豚の乳を飲む様に似ているところから
という興味深い解説があります。
金属加工の専門用語では、鋳床のことを"pig bed"というらしいのですが、その溝(ランナー)の沿う個々の銑鉄が乳飲み子の子豚に似ているということのようです。さらに、金属加工の専門用語でこの鋳型、溶銑の流れる道を"sow"というそうですが、その"sow"には雌豚の意味があることと関係があるようです。
字面だけからは想像もつかない、未知の世界を見た思いです。
それでは皆様、よい三連休を!
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