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2020年4月22日水曜日

デパートは生き残れるのか? ― toast

小生が住む郊外の国道沿いに大きなショッピングモールが開店したのは3年くらい前のことですが、週末にはいっぱいになる駐車場もここ1~2週間はまばらに自家用車が見られるだけです。

コロナウィルスの影響で、食料品を扱うスーパーマーケットの店舗を除いて休業状態になっているためです。

駅前のデパートには久しく行っていませんが、こちらも食料品フロア以外は閉めていると聞いています。

ここ数年、デパートの経営統合や中核都市店舗の撤退が相次いでいましたが、新型コロナウィルスに影響により、さらに淘汰が加速するという見方があります。

デパートは生き残れるのでしょうか?


American department stores, once all-powerful shopping meccas that anchored malls and Main Streets across the country, have been dealt blow after blow in the past decade. J.C. Penney and Sears were upended by hedge funds. Macy’s has been closing stores and cutting corporate staff. Barneys New York filed for bankruptcy last year.

But nothing compares to the shock the weakened industry has taken from the coronavirus pandemic. The sales of clothing and accessories fell by more than half in March, a trend that is expected to only get worse in April. The entire executive team at Lord & Taylor was let go this month. Nordstrom has canceled orders and put off paying its vendors. The Neiman Marcus Group, the most glittering of the American department store chains, is expected to declare bankruptcy in the coming days, the first major retailer felled during the current crisis.

It is not likely to be the last.

“The department stores, which have been failing slowly for a very long time, really don’t get over this,” said Mark A. Cohen, the director of retail studies at Columbia University’s Business School. “The genre is toast, and looking at the other side of this, there are very few who are likely to survive.”
(The Death of the Department Store: ‘Very Few Are Likely to Survive.’ New York Times. April 21, 2020.)


考えてみると、冒頭に書いた郊外のショッピングモールや家電量販店が、デパートの顧客を奪ったものですが、そのショッピングモールですら、今後経営は危ういと思われます。

アメリカではこの10年くらい、大手デパートや量販店が破産申請するケースが多く見られましたが、コロナウィルスの影響がそれに拍車をかけると見られています。

さて、引用した記事の最後の部分で、専門家のコメントが引用されているのですが、


“The genre is toast..."


とあります。

ここで、"the genre"とは、デパートやショッピングモールなどの形態を指していると思いますが、"toast"の表現は初めて見るものでした。

食パンの「トースト」と同じなんですが、スラングで、


One that is doomed, in trouble, or unworthy of further consideration
(American Heritage Dictionary)


という意味で用いられることを知りました。

つまり、おしまいになった、もうダメになってしまった、というような意味です。

食パンのトーストがこのような意味で用いられるようになったのは不思議な気がします。

Online Etymology Dictionaryによれば、スラングの用法は比較的新しく、1987年から見られるそうですが、コンピュータなど機械が壊れて駄目になってしまったことを"fried"と表現するのと同じようなもので、また「食べられるべくして供される」という意味で使われるフレーズ("to be had on toast")とも関連して発生したのではないかとのことです。


1 件のコメント:

  1. 蘭です。
    toastは壊れた・起動できないなどの意味で、形容詞です。調べれば、toastはgunの意味もあります。特に、夜中で銃を持たずに外出することをtoastと言います。「We don't go nowhere without toast」のようです。
    まさか、普段食べている「パン」がこれほどで想像もしない意味があることは驚きました。

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