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2025年3月3日月曜日

battle of wills

ロシアとウクライナの停戦を巡り、ホワイトハウスでトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談が行われましたが、メディアにも公開されたやり取りでは、バンス副大統領も含めた米・ウの激しい応酬となり、合意どころか、物別れに終わりました。

土曜日の朝(日本時間)、その様子を伝える動画を見て、苛烈なやり取りにびっくりした次第です。

個人的な感想としては、バンス氏が「外交による平和云々と言い始めたところから両者の認識の相違が明らかとなり、議論に火が付いたように思います。ゼレンスキー大統領は、過去にロシアが合意を一方的に反故にしてウクライナへ攻め入ったことなどを挙げ、「アンタの言う外交って何だ?」と返し、バンス氏が「お前は米国に対し失礼だ!」とエスカレートしていったように思いました。

以下の記事はUSA TODAY紙のもので、会談が行われる前に、その行方を想定して書かれたものです。

会談は"battle of wills"になるだろう、と予想していますが、今読んでみて果たしてその通りになったなという感想です。


WASHINGTON –  President Donald Trump has been browbeating Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy into signing a “breakthrough agreement” that would give the U.S. access to his country’s minerals, oil and natural gas.

Both nations have agreed to the deal in concept: Ukraine would deposit 50% of the revenues earned from future investments in government-owned natural resources into a jointly controlled fund.

But the framework agreement does not currently include security guarantees that have been insisted on by Ukraine.

A battle of wills is expected to ensue between the leaders on Friday, when Zelenskyy gets his first-ever, sit-down in the Oval Office with Trump.
(Francesca Chambers. Zelenskyy's visit with Trump to be a battle of wills in the Oval Office. USA TODAY. February 28, 2025.)


"battle of wills"を何と訳すのか、英和辞書にはこの表現は見当たりません。

"will"とは意思、意向といった意味ですが、ここでは「意地」と言った方がぴったりくるように思われます。

ネットで検索すると、Collins Dictionaryのサイトでは、


A battle of wills is a situation that involves people who try to defeat each other by refusing to change their own aims or demands and hoping that their opponents will weaken first.


という定義がされていました。

"battle of wills"は、意地の張り合い、意地のぶつかり合い、というような訳が適当かと思われます。

先週金曜日の当ブログの投稿では、ゼレンスキー大統領を独裁者と呼び、ロシア寄りのトランプ氏も良心の声に導かれて少しまともになってきたかもという話題を取り上げたのですが、ロシア寄りかどうかは置くとして、やはりトランプ氏、バンス氏陣営は米国の利益、権益ということしか頭に無く、鉱物資源の米ウ合意と引き換えにゼレンスキー大統領が要求する自国の安全保障はそっちのけという感じがします。

この状況で両者譲らず、"battle of wills"が続くことでほくそ笑むのはひとりプーチン大統領だという論評はその通りではないかと思います。


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