今日の朝刊、1面のトップ記事は「米中 関税115%引き下げ」でした。(産経新聞)
トランプ大統領が中国に対し追加関税を次々と発動、最終的に145%という関税率に達し、対する中国側も米国に報復関税を課すなど泥沼のような状況となっていましたが、ジュネーブで行われた米中両政府の会談で関税の115%引き下げを合意したというものです。
90日間の暫定措置とは言うものの、最悪の景気後退を免れて関係者と市場は一抹の安堵に包まれたと報じられています。
President Donald Trump’s deal to dramatically slash tariffs on China thrilled markets and offered a sliver of relief for businesses across the country. It also revealed an important lesson: Even Teflon Don can’t outrun economic reality.
The deal brokered in Geneva, in which both sides agreed to lower tariff rates by triple-digit percentages, came as anxiety mounted about a potential downturn in the U.S.
(Trump and China call off the divorce. Politico. May 11, 2025.)
上記はポリティコ紙より引用しました。多くの関係者が感じているであろうことですが、
Even Teflon Don can’t outrun economic reality.
という思いです。
"Teflon Don"のDonはトランプ氏のファーストネーム「Donald」を指しているのは明らかです。
そして、"Teflon"は、これもご存知のようにフライパンなどに使われる表面加工の「テフロン」であり、これは商標です。
この"Teflon Don"という表現は実のところ、かつてアメリカ国内で暗躍したマフィアのボス、John Gottiを指したものだったそうです。数々の犯罪を首謀した罪で起訴されたものの、裁判官や陪審を買収したり脅すなどして有罪を免れたといいます。
また、Merriam-Webster Dictionary(オンライン)によりますと、レーガン元大統領(Donald Reagan)も"Teflon Don"と呼ばれたそうですが、政権に対する様々な批判も功を奏さず、全く受け付けない大統領の姿勢を揶揄してついたあだ名だそうです。
トランプ大統領も批判は枚挙に暇がありませんし、訴追もされていますが、それらは全く本人の言動に影響するところがありません。
故に"Teflon Don"呼ばわりされる訳ですが、そのトランプ氏をもってしても、米中貿易摩擦がもたらす米国経済への悪影響をはね飛ばすことは出来なかった、ということですね。
「テフロン」のあだ名が付いた政治家はアメリカの大統領ばかりではありません。16年前のことになりますが、日本のあの首相も"Teflon PM"と呼ばれました。
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