アメリカの老舗レストランチェーンがブランドロゴ変更を巡って炎上しています。
Cracker Barrelというレストランは、いわゆる「古き良き時代のアメリカ」みたいなブランディングで認知されてきた老舗レストランチェーンですが、1970年代から使用してきたロゴを刷新したところ、主にSNS上で多くの批判を浴びている模様です。
何が問題になっているかというと、旧ロゴに添えられていた、籐椅子に座って樽に肘を掛けているおじいさんの絵がそっくり削除されてしまったことがあるようです。
The restaurant chain responded on Monday to widespread criticism of its new logo and remodel. The pushback centered on the streamlined logo, which very noticeably did not include the "old timer," or Uncle Herschel, seated on a chair leaning up against a barrel.
(中略)
The "old timer" logo, which had been in place since 1977, was replaced with a barrel-shaped yellow background the the restaurant's name written across it in a similar font.
(Sarah Gray. Cracker Barrel responds to criticism of new logo, says 'old timer' will stay on menus and road signage. Business Insider. August 26, 2025.)
このおじいさん("old timer," or Uncle Herschel)こそがレストランのシンボルであり、ブランド価値であるところ、それを消し去ってしまうとは何事か、という顧客の怒りがSNSなどで共感を得、トランプ大統領ら政治家も同調する騒動に発展しているというものです。
"old timer"は老人、年寄りを指す表現ですが、他人に向かって"old timer"と言うのは失礼になることもある表現です。日本語で古株と言えば、チームや団体、職場などにおいて古くから長い間その場所にいる人のことを指します。"old timer"にも同じような響きがあります。自身のことを"old timer"と称するのは自虐的な表現としてOKでも、他人からそう言われるとムカッと来るというアレです。
くだんのレストランチェーンの問題は、ブランドロゴの変更に留まらず、店舗内装やメニューからも「古き良き時代のアメリカ」的なものが無くなってきている、ということが顧客のフラストレーションになっているようです。一部には、新経営陣の"wokeness"がそうさせているとの批判があるようです。
技術が進歩し、社会の風潮が変わっても、人々は「古き良き時代」、つまり"old timer"に親しみを覚えるものです。
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