有名ブランドのアディダスのシューズが文化盗用(cultural appropriation)の批判を受け謝罪に追い込まれました。
問題になっているのはOaxaca Slip-Onという新商品でメキシコの伝統的なサンダルである"huaraches"をベースに有名デザイナーが企画したそうですが、これがメキシコ原住民の伝統的な手工芸品にタダ乗りしたものとの批判を招き、メキシコ大統領も同社に謝罪を求める事態に発展しているというものです。
US fashion designer Willy Chavarria has apologised after a shoe he created in collaboration with Adidas Originals was criticised for "cultural appropriation".
The Oaxaca Slip-On was inspired by traditional leather sandals known as huaraches made by Indigenous artisans in Mexico.
The Mexican president was among those who spoke out against the footwear, which was reportedly made in China without consultation or credit to the communities who originated the design.
(Jennifer Meierhans. Adidas designer sorry for shoes 'appropriated' from Mexico. BBC News. August 11, 2025.)
メキシコの"huaraches"は平底に前足部の革の編上げが特徴的なサンダルです。英和辞書にもメキシコのサンダルという説明と共に載っています。「ハラチ」と発音するようです。
ところで、話が変わるようですが、小生のかつてのランニング仲間内に、普通のランニングシューズではなく、平底のソールをシンプルな編み紐で括りつけた草履のようなものを好むランナーがいました。それを「ワラーチ」と呼んでいましたが、これはメキシコのタラウマラ族という長距離走に長けたランナーが使うものとして知られます。
その見てくれに留まらず、名前(ワラーチ)も、日本語の「草鞋(わらじ)」によく似ています。残念ながら、語源的に結びつけるような説明は見当たりません。
"huaraches"も草鞋もいわゆるサンダル(sandal)に分類されるようです。
"sandal"を辞書で引くと、その起源はギリシャ・ローマにあるそうです。語源はラテン語sandalium、また遡るとギリシャ語sandalionにはヒラメ、カレイの意味もあるそうですが、これは平たいソール部分と関連するのでしょうか、それ以上の語源は不詳のようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿