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2025年8月19日火曜日

stickler

ウクライナのゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪問し、先日ロシアのプーチン大統領との首脳会談を終えたトランプ大統領と停戦について意見を交わしたと報じられています。

世界の注目は今後の情勢、つまり停戦合意に至ることが出来るのか、ウクライナ領土の割譲が条件となるのか否か、といった点に集まっていることはいうまでもありませんが、ゼレンスキー大統領の「装い」はやはり記事のネタなのでしょうか、今回も話題になっています。

前回、2月の訪問ではカーキのシャツにブーツというお決まりのミリタリースタイルで訪問し、ヴァンス副大統領に感謝の言葉は無いのかなどとなじられ、今回も同じような状況になるのではと懸念されていたところ、ゼレンスキー氏の装いに変化があったと報じられています。

実のところ、今回の訪問を前にして、ホワイトハウスからは装いに関する注文があったそうです。


The White House reportedly lobbied for Ukrainan President Volodymyr Zelenskyy to wear a suit to his Oval Office meeting with President Donald Trump on Monday. The Wall Street Journal, citing a European official and another person also involved in planning the summit, reported that the "White House has asked that Zelensky don a suit and tie to meet the president."
(Zeeshan Akeem. The White House reportedly pressured Zelenskyy to wear a suit and tie. He didn't. MSNBC. August 19, 2025.)


引用記事によれば、ホワイトハウスはゼレンスキー大統領に対し、スーツにネクタイ着用を求めたとあります。

しかし、ゼレンスキー氏もそうすんなりとは応じないと見えます。カーキのシャツに変えて、黒のボタンダウンの襟付きの上着を着用しましたが、ネクタイはしていません。

かねてより、スーツとネクタイを着用するのは戦争が終わってからだ、と言っていましたが、それを貫いたように見えます。尤も、ホワイトハウスの注文を無視するのも良くないと考えたのか、変化は付けたということでしょう。


Zelenskyy, dressed reluctantly in a black military-style suit to appease sticklers for protocol in the White House, largely sat by quietly as Trump claimed to have hammered out peace deals in six wars including one the veteran real estate developer said had taken place in the “Republic of the Condo”.
(Andrew Roth. All smoke but no fire as Zelenskky emerges unbruised after Trump meet. The Guardian. August 18, 2025.)


前置きが長くなりましたが、ゼレンスキー大統領のよそおの変化は自発的にというよりも、


to appease sticklers for protocol in the White House


とあるように、ホワイトハウスがうるさいので嫌々ながら、ということのようです。

ここで使われている"stickler"という単語は"stickle"という動詞からきていますが、その意味は、


(特にささいな問題などで)くどくど言い争う、しつこく論じる
(ランダムハウス英和辞書)


というものです。

"stickler"は細かい事にやかましい人、ということで、「うるさ方」という訳語も見られます。

記事では、"stickler for protocol"とあります。つまり、外交儀礼(protocol)にやかましい人ということです。コーパスで用例を検索してみると、


stickler for detail 
stickler for rules
stickler for fashion
stickler for punctuality


などが認められます。

およそ口やかましく言われそうなことばかりですが、この表現にはネガティブな意味合いが込められているとも言えそうです。

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