トランプ次期大統領就任が目前です。かねてより「もしトラ」と懸念された状況が現実となり、軌道修正を余儀無くされる人たちは少なくないようです。
このところよく取り上げられているのはGAFAと呼ばれるIT大手のCEOです。トランプ氏当選後、相次ぐ「トランプ詣で」が報じられました。権力に擦り寄るこれらの企業はトランプ氏に睨まれて事業が立ち行かなくなることを懸念しているようです。
以下に引用する記事はフェースブック、インスタグラムを運営するメタ社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏を取り上げたものです。
Certainly, he seems to be reshaping Meta in the MAGA image. Last week, Zuckerberg announced plans to loosen restrictions on speech on the likes of Facebook and Instagram, recommend more political content on the platforms and abandon independent fact-checking in a bid to, as he put it, “get back to our roots around free expression”.
(Marianka Swain. The transformation of Mark Zuckerberg – from Democrat luvvie to Trump sympathiser. The Telegraph. January 13, 2025.)
かつてフェースブックのアカウントを凍結し、トランプ氏とは敵対関係にあったとも言えるメタ社は、投稿内容のチェックを行う仕組みを事実上無くすことを発表し、180度の方針転換です。
多くのメディアがザッカーバーグ氏を始めとするIT大手CEOらを、トランプ氏に靡いた、膝を屈したと皮肉を込めて報じています。
引用した記事のタイトルでは、
Democrat luvvie to Trump sympathiser
とあります。ここで、"luvvie"とは見慣れない単語ですが、このコンテクストにおいては、やはり皮肉を込めた言い回しであろうと想像がつきます。
手元にある辞書には載っていないのですが、"luvvie"(もしくは、luvvy)は、"lovey"が変化したものだそうで、"love"が元にあります。
ネットで検索してみると、Collins Dictionaryでは以下のように定義されています。
People sometimes refer to actors as luvvies as a humorous way of criticizing their emotional behaviour and their feeling that they are important.
役者についての定義で、記事のコンテクストからはちょっと外れるようですが、この定義自体明らかに侮蔑的なもので、要は「自分に酔っている」みたいな皮肉が込められています。
"luvvie"や"lovey"は親しい間柄、愛するパートナーへの呼び掛けにも使われるそうですが、当事者間には愛情表現であっても、周囲には鼻に付くということもまたよくあるものです。「いちゃいちゃ」しているとか、「べったり」といった日本語はそういう感情を滲ませていますが、それに近いかもしれません。
バイデン大統領の任期中は民主党寄り、リベラルを気取ってきたプラットフォームが、一転して共和党に阿るような態度になったのは誰の目にも明らかで、鼻に付くことこの上ない、という感じでしょうか。
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